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カンヌ映画祭でマーティン・スコセッシ先生が映画の講義

2007年5月25日 12:00

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(左から)スコセッシ先生と聞き手ミシェル・シモン
(左から)スコセッシ先生と聞き手ミシェル・シモン
ディパーテッド」で本年のアカデミー監督賞に輝いたマーティン・スコセッシが、開催中の第60回カンヌ国際映画祭で「映画演出の授業」の先生として講義を行った。

「マスタークラス」と名付けられたこのイベントは、カンヌ映画祭の60回記念イベントの1つで、ハワード・ショアデビッド・クローネンバーグによる「映画音楽の授業」、セルジョ・カステリット(イタリア人俳優)による「映画俳優の授業」とともに行われた。800席近くの会場はあっと言う間に埋まり、それでも中に入りたい人々が入り口付近にあふれるという熱狂ぶりだった。

「私自身にも監督になる方法は分からなかったが、たくさんの映画を体験することが結果的に今の私を作った」。偉大な映画監督としてだけではなく、稀代の映画ファンとして、また貴重なフィルムや映画ポスターの収集家としても知られるスコセッシの授業に、満場が酔いしれた。また、スコセッシも学んだニューヨーク大学など、映画製作のコースに在籍する学生たちに「情熱を持って、クレイジーになること」とアドバイスするなど、若い世代へエールを送った。

授業は、「タクシードライバー」や「レイジング・ブル」「カジノ」「クンドゥン」など、スコセッシのフィルモグラフィーの中から記念碑的な作品を部分的に上映しながら、フランスを代表する映画評論家、ミシェル・シモン氏(ポジティフ誌)の質問に答える形で進められた。「レイジング・ブル」での迫力あるボクシングシーンの演出について尋ねられたスコセッシは、「カメラをリングの中に持ち込むことでリアリティを出すことを狙った」と説明し、「『ロッキー』のようなボクシングするカンガルーとは違ってね(笑)」とチクリ。また、スコセッシ作品を特徴づけるバイオレンスシーンの演出については「(バイオレンスは)真剣、真実のものでなくてはならない。決してビデオゲームじゃないんだ」と熱をこめて語った。

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