「海と毒薬」の熊井啓監督、逝去
2007年5月25日 12:00
「帝銀事件・死刑囚」や「日本の黒い夏/冤罪」といった実際の事件を題材にした作品から、遠藤周作原作の「海と毒薬」「深い河」といった小説の映画化まで、幅広く社会的なテーマを扱ってきた日本を代表する社会派の巨匠、熊井啓監督が5月23日、クモ膜下出血のために亡くなった。76歳だった。
熊井監督は長野県生まれで、新制の信州大学を卒業後、独立プロダクションの助監督を経て、日活撮影所監督部に入社。助監督時代は「五番町夕霧楼」などで知られる田坂具隆監督に師事。監督デビューは64年の「帝銀事件・死刑囚」。東京・豊島区の帝国銀行で起こった強盗殺人事件から、旧日本軍の化学兵器開発の闇にまで迫る力作で、後の「海と毒薬」(86)「日本の黒い夏/冤罪」(01)まで、追い求めるテーマは一貫していた。その後、三船プロ、石原プロの共同製作による「黒部の太陽」(68)や、若き遣唐使たちの冒険を描いた井上靖原作の「天平の甍」(80)など日本映画の大作・話題作を次々と発表した。
海外の映画祭にも多くの作品を出品し、「サンダカン八番娼館/望郷」(74)「海と毒薬」で銀熊賞を受賞したベルリン国際映画祭からは、01年に功労賞も受賞した。亡くなる直前まで、渡辺謙を主役にした20作目となる企画に取り組んでいたというが、惜しくも黒澤明監督の遺稿の映画化「海はみていた」(02)が遺作となってしまった。
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