「バベル」監督が来日。菊地凛子らとともに会見
2007年3月9日 12:00
アメリカ、モロッコ、メキシコ、日本を舞台に、人々のコミュニケーションの崩壊と再生を描く本作について監督は、「人の痛みや傷つきやすさ、もろさというものは、深いところでみな同じ。人類がつながることができるという希望を与えてくれる。この映画を作る原動力となったのは、今の世の中には失われている“Compassion(思いやり、哀れみ)”の気持ち」と語った。
また、監督は東京を主な舞台のひとつに選んだ理由について「(監督デビュー作の)『アモーレス・ペロス』が東京国際映画祭のグランプリを受賞したことは忘れられないし、そのとき初来日してぜひ東京を撮影したいと思った。次の来日時、すでに『バベル』の構想はあったが、その時に老女が障害のある少女の面倒を見ている姿や、ろう者の少年少女が一生懸命自分を表現しようとしてる光景に出会い、強い印象を受けた。その体験が日本を選んだきっかけにもなった」と語った。だが、撮影許可が下りない東京では、ほとんどがゲリラ撮影だったそう。「朝7時に高速道路にわざと渋滞を作って1分間だけ撮影したんだけど、その20分後には警察に追われていたよ(笑)」
会見の最後には、映画のテーマにちなみ「世界をつなげるために必要なこと」をひとりひとりが表現した言葉を発表。監督は先にも挙げた「Compassion」、役所は「絆」、菊地は「許し」、二階堂は「魂」をぞれぞれ挙げ、その単語を記した4つのパズルのピースを組み合わせ、1枚のパネルにして披露した。「バベル」は4月28日ロードショー。
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