奥田瑛二監督を、キャシー・ベイツがベタ褒め。モントリオール3冠
2006年9月8日 12:00

俳優・奥田瑛二の監督第3作「長い散歩」が、9月4日、第30回モントリオール世界映画祭でグランプリ、国際批評家連盟賞、エキュメニック賞(人種問題に関わる優れた作品に与えられるキリスト教団体からの賞)を受賞し、3冠を達成した。これを受けて7日、奥田が銀座東武ホテル(東京・銀座)で凱旋記者会見を開いた。
「長い散歩」は、亡き妻への贖罪の念を背負った初老の男と、不幸な境遇に生まれた5歳の少女の旅を描いた感動作。この日、帰国して空港から会見場に直接やってきた奥田は、3つのトロフィーを抱え「嬉しいと同時に公開に向けて気が引き締まる思い」と挨拶し、続けて、まだ興奮冷めやらぬといった状態で現地の様子を詳細に語った。それによれば「公式上映の翌日、街で『すごい』とか『泣けた』といろいろ声をかけてもらい、ひょっとして何かもらえるかも」と、手応えを感じていたとのことだが、「まさかグランプリはもらえるとは思わず、発表を聞いたときは総毛立った」そうだ。審査委員長のオスカー女優キャシー・ベイツには「これは“魂の映画”だ」と評され、「これまで“真実の愛”を撮りたいと思っていたが、“魂の映画”という言葉で、もうひとつ上の目指すものができた」と奥田。「今後は俳優も続けていくが」と前置きしつつも、「監督として人生を全うする確固たる自信と認識ができた」「黒澤、溝口、成瀬といった先達の名匠のように、自分も1本も失敗することなく歴史に残るものを作りたい」と語っていた。
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