「カミュなんて知らない」吉川ひなの&中泉英雄を直撃
2006年1月10日 12:00
98年の「TOKYO EYES」以来、久々の映画出演となるひなのは、劇中エキセントリックな性格から、フランソワ・トリュフォー監督の名作「アデルの恋の物語」の主人公で、激しい恋に落ち、身を滅ぼしていくイザベル・アジャーニ扮するアデルに例えられるユカリを演じている。「『アデルの~』の中のアデル、そしてユカリと私自身とでは、まったく正反対の性格です。実際の私はアデルやユカリほど強くないんです。でも、お芝居に関して言えば、今回の役は性格が真逆だからこそ面白く、演じ甲斐があったのだと思います。柳町監督が書いた脚本には自分では恥ずかしくて絶対に言えないような台詞があって、『こんなことを書く監督はロマンチストだな』って思いましたね」
一方、27歳で大学生と高校生の1人2役に挑戦した中泉は、監督に何度も「年齢的に厳しい」と言われながらも、入念に肌の手入れなどをして撮影に臨んだ。「柳町監督は、撮影になると無口になり、目に力が入ります。あの目を見ると『中途半端なことは出来ないな』と感じるんですよ」と話す。
見所をそれぞれに聞くと、ひなのは「(柏原)収史くんをビルから突き落とすシーンの直後の私の表情に注目して下さい」そして、中泉は「色々な映画へのオマージュがあり、2度3度と噛めば噛むほど味が出てくる映画だと思うので、何度も劇場に見に来て下さい」と締めくくった。
「カミュなんて知らない」は1月14日より東京・渋谷のユーロスペース、池袋ヒューマックスシネマほかにて公開されたのちに、全国順次公開予定。ニューヨークなど全米7大都市での上映も決定している。