静かに燃えてのレビュー・感想・評価
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確かに触れて
還暦を過ぎた監督の「デビュー作にして遺作」なんて聞くと、受け取っておきたくなる。
全体的に演技はイマイチなものの、容子の微妙な感情はよく表れてたと思う。
由佳里はあの歳で恋愛に対して直情すぎないかと思ったが、そのへんにも一応理由アリ。
この二人の描き方はとてもよかった。
ただ、尺の問題もあるがその他の人物に関してはやや記号的になってしまっていた印象。
姉弟に関しては、粗筋以上のことはほぼ起きない。
しかも、ガラケーとスマホなんていう分かり易いヒントを出すので仕組みも時系列も読めてしまう。
弟は気持ち悪いだけで終わっていて可哀相。
由佳里の上司は、下心ありそうな描写を挟んだり、婚約者へのミスリードだったのかな。
でもそれなら妻子持ち設定いらないし、奥さんが鬱というのが由佳里への匂わせ?
どちらにしても半端に思える。
時間進行こそハッキリしないが、佐野ショックから催眠術師と付き合って婚約までが早すぎないか。
姉弟は引っ越してから不用品捨てるのは順序が逆や。
色んな恋愛指向を見せられたので、最後の姉弟が似たようなチェックを着てるのを勘繰ってしまう。
ラストカットのお陰で後味は悪くないが、容子のその後もちょっとは見せてほしかった。
「ザマアミロ」と言いたい。
やっぱり思った通りだ。面白い。
予告編を見た時に感じた直感に従って良かった。
この映画、わずか一週間の公開期間だったから、
見れた人は超ラッキー。
でもこれは今だから言える事なのよ。
劇場で見始めた時には凄く不安だった。
映画好きの連中が指摘していたように、
映像がフラット気味で、今風ではないし。
ところが、映画が進み、隠された仕掛けが見えてくると共に
この映像も狙いなのでは、と思えて来た。
その瞬間に見なかった奴らにザマアミロと心の中で呟いた。
気が付くとしっかりと世界観に取り込まれて、ラストカットで
癒された。
ネタバレしたくないので、内容は言わないけど、
見逃した人はホント残念。再映希望の一作だ。
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