疑惑の影のレビュー・感想・評価
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計算され尽くした疑惑の醸成速度や心理作用が魅せるヒッチコック・ミステリー
ヒッチコック渡米後、まだ2、3年しか経っていないにも関わらず、仕事の領域が厳密に分かれたハリウッド・スタッフへの采配方法、さらにはアメリカ文化や気質のようなものを正確に踏まえて構築した極上ミステリー。家族を頼ってやってきた外見上はパリッとした叔父さんを巡り、最初は彼を慕っていたはずの姪が徐々に「実は怪しい人物かも・・・」と葛藤を募らせていく。面白いのはその疑惑を醸成するバランス配分で、おそらくヒッチコックの中では独自のストップウォッチが機能しており、それに合わせて姪の疑心暗鬼が早すぎず遅すぎず、絶妙なスピードで膨らんでいったことが伺える。特に、ちょうど1時間を過ぎた頃に叔父さんの疑惑が画面に大写しになる構成には恐れ入ったし、通常ならここでクライマックスを迎えても良いところを、この先、さらに二転三転加えて独自色を貫くのもうまい。キャラ際立つ役者陣を配したファミリードラマの見せ方も実に見事だ。
緊張感に満ちた、サスペンス・スリラーの傑作だ
田舎町の少女チャーリーは、自分の名前の由来となったチャーリー叔父さんがやって来ると聞いて喜ぶ。しかし、若きチャーリーは、叔父が逃亡中の殺人犯だと、疑い始める。
少女の疑念が、真実に近づく過程を、1つ1つのエピソードの積み重ねを通じて見せつけた、手に汗握るミステリーだ。少女が真相を知ったことが相手にバレてからの、危険な恐怖の連続も見逃せない。
ヒッチコック初期の最高傑作の1つであり、彼自身のお気に入り作品としても知られている。不穏な空気が漂い、巧みな演出で、最後まで飽きることが無い。
【追記】殺人犯のアイデアは、1920年代に実在した連続殺人鬼、アール・ネルソンに基づく。
テレサ・ライトとジョゼフ・コットンが、ただならぬやり取りを、見事に演じ切っている。分かりやすく、劇的な局面が続々と描かれる、緊張感に満ちたサスペンス・スリラーの傑作だ。
ヒッチコックの最高傑作かもしれない⁉️
この作品はヒッチコックの最高作かもしれません‼️そーゆー思いが所見以来、私の頭の中を駆け巡っています‼️もうかれこれ30年以上ですが‼️ヒッチコック監督も自作の中で一番好きな作品だと語っておられます‼️大好きだった叔父に向けられた殺人容疑‼️姪は何とか叔父の無実を信じようとするが・・・姪の叔父への興味が疑問へと変わり、不安を覚え、そして疑惑へ、それが確信へと変わり、恐怖へ‼️叔父から姪へ贈られる指輪や、新聞紙が小道具として効果的的に使われてはいますが、別にショッキングな殺人シーンがあるわけでもなく、ヒッチコックのサスペンステクニックが炸裂しているわけでもなく、ブロンド美女が出てくるわけでもありません‼️姪が図書館で新聞紙を発見、叔父が殺人犯だと確信するシーンのサーッと引いていくカメラワークなどは、姪の心理状態をカメラが示した素晴らしいシーンでした‼️ヒッチコックのテクニックと呼べるのはそのシーンくらいで、あとはアメリカのどこにでもある中流家庭の日常生活の中で、叔父と姪の心理戦を淡々と描いているだけなのです‼️それなのに、数あるヒッチコックの名作に負けず劣らず完成度が高いのは、そんな日常生活の描写にサスペンスが盛り込まれているからでしょう‼️それは叔父の異常な人格にもよるのですが、新聞を読もうとした姪の手を力強く握って痛がらせたり、車庫の中で車の排気ガスで姪を窒息死させようとしたり、新聞の取材(実は刑事)を頑なに拒否して姪たちを困らせたり‼️演じるジョセフ・コットンは「第三の男」や「旅愁」などの作品でイイ人のイメージがあるだけに余計怖いですね‼️そして、殺人犯としての叔父を追い詰める姪と、追い詰められる叔父‼️しかし自分の秘密を知った姪を殺そうと叔父が決断したその時から立場が逆転し、命の危険にさらされる姪‼️その心理的な恐怖‼️しかも前述のどこにでもあるアメリカの一般家庭の、幸福な日常生活と同時進行でその恐怖の心理戦が展開する点と、他の家族は何も知らないところが、この映画のスゴいところですね‼️初見の際、特に何も感じなかったオープニングの「メリーウィドー・ワルツ」も2回目鑑賞以降、とてつもなく不気味‼️
地味な傑作
不幸なことに私はこの映画を見る直前に「断崖」を見ていた
断崖という映画はラストシーンが映画会社の都合で全く正反対のものに変えられたので有名。である.しかし不幸なことに私はそれも知らず断崖を見てこういう映画かと納得してしまった。そしてその後にこの「疑惑の影」を見たのだ。 だからこの映画の結末も断崖と同じようなんじゃないかと、ある程度予測しながら見てしまった・・・それで私のこの映画に対する評価はとても低いものになってしまったのだ。だから私の中にはこの映画の見方を間違えたのではないかという疑惑の影がずーと30年間あった。
ので今もう一度見直してみた。そして今回はちゃんとこの映画のよさを感じ取ることができたのである。
とは言うもののやはり地味には地味な話だと思った。これはヒッチコックの傑作の中の一つだと思うが一般の映画ファンには勧めにくい。ヒッチコックファンにのみ凄い映画ですよと言ってオススメしたい。特にカメラに目を引くものがある。ヒッチコックという監督は明らかに所々にカメラワークとかショットの面白さ、カッコ良さの見せ場というものがある。そして、その部分を引き立てるためにその前の何分かを有効に使っている。つまりその部分と似たようなカメラは使わないでておいて、とっておくことによって目的の効果を引き立てている。そういうカメラの一つ一つがとても面白いと思った。また、いつものごとく女性キャラクターが非常に生き生きと輝いている。きっとヒッチコックは女のが心をよく知っていて、もてる人だったんだろうなーと少し嫉妬を感じた。でも、まあ、あの体型だからモテると言ってもしれてますかね。
演技力はすごい
ヒッチコック作品の中でもかなり高評価の映画。しかし、プロットとしてはまだ彼らしさが表現されていないと思う。その中でも俳優陣が素晴らしい演技だ。ヤング・チャーリーのテレサ・ライトは叔父に好意を抱きながら徐々に殺人犯ではないかと疑い始める目つきの変化がゾクゾクさせてくれる。
個人的評価が下がったのは刑事のジャックに対する恋愛感情がイマイチだからだ。中盤の心理変化がどうもしっくり来なかった。
サスペンスの名作
ヒッチコックでも一二を争う傑作
完璧な脚本、配役、演技、編集
カメラワークが計算され尽くされている
斜めのカット、顔の高さから一気にクレーンで俯瞰など
見事に心理描写をカメラがして見せる
本当に何もかも高いレベルで完成されている
高い満足感が見終わった後に残る
特典映像でおばあちゃんになったチャリー役テレサライトがインタビューに答えているが、高齢になっても本当にチャーミングだ
彼女が最後にこう話す
完成した時は傑作だと思ったけど、作品自体が命を持つことが有ることは知ってるけど、これは長生きね
そんなにドキドキはしなかったが心理的描写が上手い
憧れの叔父さんが訪れる。
最初のシーンを除いて全ては少女チャーリーの視点で描いたストーリーと言ってもいい映画だった。
同じ名を持っている二人のチャーリー。少女は叔父さんのチャーリーに自分の家の新鮮な空気を注入することを期待したが、不本意に彼の秘密を発見。
この映画特に上手いところは少女チャーリーの心理的描写だった。最初チャーリーの到来に対して仕草やセリフ全般で喜びを表現したが、彼を疑う途中またその疑いを確信した後、態度の転換は顕著であって、「この家から出ないとあなたを殺す」と言ったようなセリフもあって、対比的だった。少女の気持ちもわかりやすくなる。
最後チャーリーの死のところでこの話の恐ろしさを実感。チャーリーは少女を殺す気も怖いし、また事故で自身が死に至るのも怖かった。
またこの事は少女に対する影響もわかる。何度も強調される二人の同じ名前、その名前もこの事件と同じく、少女に一生伴うのだろうし、心に影を残し、永遠に除去不能だろう。
こんな感じかなー
そんなにドキドキはしなかった。
意味不明なところもあって難しい部分もあり。
でも最後まで飽きずに観れるのはやはり物語提示の面にはちゃんとアレンジしたってこと。
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