劇場公開日 1946年

「地味な傑作」疑惑の影 KIDO LOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5地味な傑作

2020年5月17日
PCから投稿

不幸なことに私はこの映画を見る直前に「断崖」を見ていた
断崖という映画はラストシーンが映画会社の都合で全く正反対のものに変えられたので有名。である.しかし不幸なことに私はそれも知らず断崖を見てこういう映画かと納得してしまった。そしてその後にこの「疑惑の影」を見たのだ。 だからこの映画の結末も断崖と同じようなんじゃないかと、ある程度予測しながら見てしまった・・・それで私のこの映画に対する評価はとても低いものになってしまったのだ。だから私の中にはこの映画の見方を間違えたのではないかという疑惑の影がずーと30年間あった。
ので今もう一度見直してみた。そして今回はちゃんとこの映画のよさを感じ取ることができたのである。
とは言うもののやはり地味には地味な話だと思った。これはヒッチコックの傑作の中の一つだと思うが一般の映画ファンには勧めにくい。ヒッチコックファンにのみ凄い映画ですよと言ってオススメしたい。特にカメラに目を引くものがある。ヒッチコックという監督は明らかに所々にカメラワークとかショットの面白さ、カッコ良さの見せ場というものがある。そして、その部分を引き立てるためにその前の何分かを有効に使っている。つまりその部分と似たようなカメラは使わないでておいて、とっておくことによって目的の効果を引き立てている。そういうカメラの一つ一つがとても面白いと思った。また、いつものごとく女性キャラクターが非常に生き生きと輝いている。きっとヒッチコックは女のが心をよく知っていて、もてる人だったんだろうなーと少し嫉妬を感じた。でも、まあ、あの体型だからモテると言ってもしれてますかね。

タンバラライ