疑惑の影

劇場公開日:

解説

アルフレッド・ヒッチコック監督による心理スリラー。カリフォルニア州の田舎町サンタローザで暮らすニュートン一家のもとに突然チャーリー叔父さんが訪ねてくる。ニュートン家の長女チャーリーは同じ名前の叔父の来訪を喜んでいたが、やがて2人の探偵が訪ねてくると次第にチャーリー叔父さんに秘密があるのではないかと疑い始める……。チャーリー叔父さんに「第三の男」のジョセフ・コットン。チャーリーに「打撃王」のテレサ・ライト。

1942年製作/108分/アメリカ
原題または英題:Shadow of a Doubt
劇場公開日:1946年

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映画レビュー

4.0計算され尽くした疑惑の醸成速度や心理作用が魅せるヒッチコック・ミステリー

2020年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヒッチコック渡米後、まだ2、3年しか経っていないにも関わらず、仕事の領域が厳密に分かれたハリウッド・スタッフへの采配方法、さらにはアメリカ文化や気質のようなものを正確に踏まえて構築した極上ミステリー。家族を頼ってやってきた外見上はパリッとした叔父さんを巡り、最初は彼を慕っていたはずの姪が徐々に「実は怪しい人物かも・・・」と葛藤を募らせていく。面白いのはその疑惑を醸成するバランス配分で、おそらくヒッチコックの中では独自のストップウォッチが機能しており、それに合わせて姪の疑心暗鬼が早すぎず遅すぎず、絶妙なスピードで膨らんでいったことが伺える。特に、ちょうど1時間を過ぎた頃に叔父さんの疑惑が画面に大写しになる構成には恐れ入ったし、通常ならここでクライマックスを迎えても良いところを、この先、さらに二転三転加えて独自色を貫くのもうまい。キャラ際立つ役者陣を配したファミリードラマの見せ方も実に見事だ。

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牛津厚信

4.0緊張感に満ちた、サスペンス・スリラーの傑作だ

2024年11月1日
PCから投稿

田舎町の少女チャーリーは、自分の名前の由来となったチャーリー叔父さんがやって来ると聞いて喜ぶ。しかし、若きチャーリーは、叔父が逃亡中の殺人犯だと、疑い始める。

少女の疑念が、真実に近づく過程を、1つ1つのエピソードの積み重ねを通じて見せつけた、手に汗握るミステリーだ。少女が真相を知ったことが相手にバレてからの、危険な恐怖の連続も見逃せない。

ヒッチコック初期の最高傑作の1つであり、彼自身のお気に入り作品としても知られている。不穏な空気が漂い、巧みな演出で、最後まで飽きることが無い。
【追記】殺人犯のアイデアは、1920年代に実在した連続殺人鬼、アール・ネルソンに基づく。

テレサ・ライトとジョゼフ・コットンが、ただならぬやり取りを、見事に演じ切っている。分かりやすく、劇的な局面が続々と描かれる、緊張感に満ちたサスペンス・スリラーの傑作だ。

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瀬戸口仁

5.0ヒッチコックの最高傑作かもしれない⁉️

2023年7月25日
スマートフォンから投稿

楽しい

怖い

興奮

この作品はヒッチコックの最高作かもしれません‼️そーゆー思いが所見以来、私の頭の中を駆け巡っています‼️もうかれこれ30年以上ですが‼️ヒッチコック監督も自作の中で一番好きな作品だと語っておられます‼️大好きだった叔父に向けられた殺人容疑‼️姪は何とか叔父の無実を信じようとするが・・・姪の叔父への興味が疑問へと変わり、不安を覚え、そして疑惑へ、それが確信へと変わり、恐怖へ‼️叔父から姪へ贈られる指輪や、新聞紙が小道具として効果的的に使われてはいますが、別にショッキングな殺人シーンがあるわけでもなく、ヒッチコックのサスペンステクニックが炸裂しているわけでもなく、ブロンド美女が出てくるわけでもありません‼️姪が図書館で新聞紙を発見、叔父が殺人犯だと確信するシーンのサーッと引いていくカメラワークなどは、姪の心理状態をカメラが示した素晴らしいシーンでした‼️ヒッチコックのテクニックと呼べるのはそのシーンくらいで、あとはアメリカのどこにでもある中流家庭の日常生活の中で、叔父と姪の心理戦を淡々と描いているだけなのです‼️それなのに、数あるヒッチコックの名作に負けず劣らず完成度が高いのは、そんな日常生活の描写にサスペンスが盛り込まれているからでしょう‼️それは叔父の異常な人格にもよるのですが、新聞を読もうとした姪の手を力強く握って痛がらせたり、車庫の中で車の排気ガスで姪を窒息死させようとしたり、新聞の取材(実は刑事)を頑なに拒否して姪たちを困らせたり‼️演じるジョセフ・コットンは「第三の男」や「旅愁」などの作品でイイ人のイメージがあるだけに余計怖いですね‼️そして、殺人犯としての叔父を追い詰める姪と、追い詰められる叔父‼️しかし自分の秘密を知った姪を殺そうと叔父が決断したその時から立場が逆転し、命の危険にさらされる姪‼️その心理的な恐怖‼️しかも前述のどこにでもあるアメリカの一般家庭の、幸福な日常生活と同時進行でその恐怖の心理戦が展開する点と、他の家族は何も知らないところが、この映画のスゴいところですね‼️初見の際、特に何も感じなかったオープニングの「メリーウィドー・ワルツ」も2回目鑑賞以降、とてつもなく不気味‼️

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活動写真愛好家

4.0後味は良くないが、ヒッチコックらしい怖さ満載でユーモアも健在

2022年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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Kazu Ann