市子のレビュー・感想・評価
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思った通りの彼女の独り舞台⁈
この作品は期待をかなりしていたが…。
予想通り?と言うか,思っていた通りの?私的には彼女の独り舞台という気がしてならなかった⁈
[他に誰が出演していたかを思い出せない程?]
女性という分類に区分けしちゃうと、話題になる様な目立つ作品と云(イ)うとどうも露出系,風俗系(肉体系)になる作品が多い様に想われるが、
<決してそんな事はない‼︎そんな事言おうモノならば、女性皆を敵に廻(マワ)し兼ねない発言だったと思い直し,後から訂正(テイセイ)する文章を書き足した次第で有ります>コレはあくまでも<私自身が勝手に話題になり易(ヤス)い女性の一例として,書き込んでいた事がとんでもない発言をしちゃっていました,失礼致(イタ)しました🙇。>
非常に話が逸(ソ)れちゃいました。
杉咲花の巧(タク)み?な話術に?作品の面白味を感じ取れたなんて処(トコロ)かな⁈
杉咲花の熱演は見事だが・・・
市子に突き動かされた映画
この映画の市子を徹底的に描く姿勢が素晴らしかった。多分この映画は市子に突き動かされて作られた映画なんだなと伝わってきた。
市子の時には観客に寄り添って時には突き放して、同化と異化のバランスが絶妙すぎる。杉咲花が今までの杉咲花じゃないのは皆が感じたことだと思う。弱々しさとその裏にある魔性とが表情に現れてて恐ろしかった。
また観客のオリジナル脚本(元々戯曲)にも関わらず、しっかりとしたミステリ展開で映画自体の掴みも強いし、映像だったり物語だったりのトリックも良かった。
映画自体のコンセプトだったり市子の魔性さだったりは好きだけど、
最後の展開含めてストーリーの華のために映画全体の人間描写のクオリティが下がっているように思う。
筋ジストロフィーというシリアスな病気を、このストーリーの為に道具として利用した様にも感じられる。もう少しその点を説明しないと配慮やリアリティが欠けてしまう。
お母さんの「ありがとう」というセリフは自分には違和感だった。なんか当事者のリアルと言うより外側から見た演出のような感じがした。
またこの映画は万人向けの王道を捨ているだけあって、最後の回想シーンは違和感。
ただやっぱり市子を映画で描ききったのは本当に凄い。
市子ってなんだ
杉咲花さんの素晴らしい芝居を見るだけで、鑑賞する価値があった。
市子は存在しない。そこから彼女を探すミステリーが始まるのだが、冒頭、婚姻届を若葉さんが、杉咲さんに渡すシーン終盤にリフレインされる訳だが、意味が変わって見える点、グッときました。
酷い生い立ちで戸籍もない、不幸を詰め込んだ映画で、それを解決する、結婚する方法ってなかったのかなぁ。やるせない最後。僕は苦手です。映画の作りは良かったです。
市子は幸せを実感できた。人は再生できるのか。
「逃げたのは彼を信じられなかったから」なんて言いたくない。次元が違う。あー、、、あんまり深入りしたくないテーマ。できれば目を背けていたい。だって…まー良いか。「花は好き。水を遣れば枯れないから。」枯れてしまった市子。普通なら空っぽな自分を抱えて、薬物やら自傷やら性的逸脱やら、行き着くとこまで行ってもおかしくない。そこに幸せという文字は存在しない。てかそれが普通?と思ってしまう自分の感覚がもう少しアレなのかもなー。でも素直で優しい市子が、真正面から現実を受け止めて、ここまで壊れなく居られるのは凄い。家族との幸せな時間が彼女の原体験として支えになってるからなのだろうか。今は何が幸せか分かりにくくなっている時代だなと感じるけど、ささやかな自分の人生、間違って無かったなとしみじみ感じました。
タフでハードなものがたり
涙の理由
●追記(12月23日)(アプソさんのレビューを読み、返信したことを補足し)と、前後の入れ替えをしてわかりにくさを整理しました。(12月26日)
●追記(1月8日)反逆についての補足、修正済み
市子はあそこまで過酷な人生を経て
自分の幸せを諦めながらも生きることを選ぶ。
その強さはどこからくるのか。
それは幼少期からの自分の存在を認め救済するための精神的な行為で、大人になった自分にしかできないことを知っているからなのか。
市子の諦めは無言の享受ではなく、自分自身の過去への反逆の糧として確かに息づいていたのだと思う。
(反逆というと、あまりに乱暴な仕返しのようだし、市子の罪から考えてそこに結びついてしまうかもしれないのですが、私の思う市子の反逆とは、精神的なバランスをとるために本能的に自分を保つための思考のはたらきみたいなことをイメージした言葉です。市子の場合はどうにもできなかった幼少期のかなしみやつらさの記憶を大人になっていきながら違う感情で塗り替えることが生きていく意味だったのではないかと。楽しさと辛さの両方の記憶にあるケーキ屋さんの仕事の誘いに応じたのもそのひとつ。辛さで終わったものを塗り替える行為だったのではないだろうか
?)
あのままおだやかな時間が続くならどんなに良かっただろう。
しずかに寄り添う人の嘘のない笑顔と言葉への
素直な喜びがあるのに、変えられない出自と消えない過去が市子の頬に大粒のかなしみをつたわす
抱きしめられるほど砕け散る繊細なガラスは
眩しすぎる時間をまた逃がす
胸の奥を突き刺す切なさが
味噌汁のしあわせそうなにおいも
浴衣や祭りの華やぎも憧れのままにする
海辺で口ずさむあの日の母と同じ鼻うたが
ぽつりぽつりと乾いた道に転がり落ちていく
本当はみつけてほしい落とし物なのだ
明るいほど濃く写る影もいつか離れて行くように
彼女は
彼女を知らないところへ
遠ざかる
ーーーーーー
市子に息吹を与える杉咲さん。
その憑依で表す心情、背景から目が離せない。
犯罪は許されるものではないが
平和な日常に麻痺した心ほどこの重みに押されつけられ不思議な感覚でえぐられるものがあるかも知れない。
念仏
余韻がしっかり残る映画だった。 暑い夏の日、ザラザラとした感情や違...
2人ではなく、きっと3人なんだと思う。
太陽の下汗ばみながら鼻唄を口ずさんでいるのは、一体誰なのか。
私の苦手な時間軸が行ったり来たりするパターンで、あれ?これ何歳なん?なんかおかしくないか、ってなりながらの前半。市子の秘密を知ってからはこの苦しい物語をどう締め括るんだろうと思いながらクライマックスへ。これは切なすぎる。お母さん、色々あったで片付けないでよ、あなたが悪いよ。本当に母親を張り倒してやりたい気分になった。
自分ではどうしようもできなかった市子がそれでも自分自身として生きると決めた。与えられなかった人生と与えられたはずの人生の狭間でもがきながら。杉咲花が普段のほんわかしたかわいらしい一面を封印し何者にもなれない一人の女性を見事に体現しています。
そして市子を支えようと奔走する二人の男性。長谷川はあくまでストーリーテラーのような存在でむしろ重要なのは北。彼には市子と関わった全てで違う選択をしてほしかったな。
法律の不備よりもダメ母親の元に生まれた姉妹の悲劇
どうする市子、どうなる?
なかなかな重たさ
3年間一緒に暮らした恋人からプロポーズされた市子は突然姿を消してしまう。
そこから市子の過去がどんどん浮き彫りにされていくのだが、市子の幼少期からかなりヘビー。
家庭環境の悪さが育ちを悪くしてしまったのかと思ったが、そんな生易しいものではなかった。
市子として生きられなかったのには凄まじく不運な背景があり、胸が押し潰されそうになった。
そうか。長谷川にプロポーズされたのは 心から、本当に、嬉しかっただろう。それなのに、ちゃんと働くことも出来ず、病院にも行けない市子に、1枚の婚姻届。何とも辛く悲しかっただろう。
冒頭の市子の涙と最後の市子の涙は同じだが、市子のそれまでの壮絶な人生を知った後では、ものすごくその意味が重く揺さぶられた。
最後 ニュースで伝えられた海に落ちた車の男女はどういう事だったんだろう。
市子を守るために北が北見と心中したということにしたのだろうか。エンドロールで聞こえて来た関西弁は誰のものだったのかな?
最後いろいろと謎が残ったのだけれども、観る人に委ねる系なのだろうか。
子役も含めて個性派俳優が勢揃いという感じで、しっかり心に残った作品。
ある女
話題になっていたので、観に行こうと思いましたが満員御礼なくらい人がいたので、なんとかタイミングを見つけての鑑賞。
友人から聞いてた通り、「ある男」と似たようなテーマを扱っており、あちらもそこまでハマりませんでしたが説得性は「ある男」の方があり、比べるとこちらの方が映画として見劣るかなと思いました。
なんだか人尋ねの様子がドキュメンタリーの様に思えてしまい、映画的なメリハリが失われていたのも残念だなと思いました。演技も舞台と映画と異種のものが同じ空間にいて、それがうまく噛み合っていなかったのも違和感を感じる要因でした。
市子と関わってきた人物のほとんどが大変な未来を迎えており、現代的な問題を多く抱えているのはフィクションとはいえどやり過ぎだよなぁと思ってしまいました。
まだ普通に過ごしている北くんも市子のストーカー的なポジションも、好意を持っているくらいで抑えられなかったのかなと思いましたし、自殺願望の子は物語に必要だったのかとも思ってしまいました。
関わる人物が多いせいか、一つ一つのシーンが作業的に進められており、テンポがいいと思うのとは裏腹に雑だなと思ってしまったのが惜しかったです。
市子の身勝手さ、ホラ吹きな感じは普通になりたいという願望から生まれたもう1人の自分だろうなと思いましたが、身勝手さが先行して感情移入できず、それでいて逆の意味で凄いと思えなかったのも残念だなと思いました。
杉咲花さんが今作では素晴らしい活躍をされていました。心ここに在らずな女性を見事に演じ切っていましたし、観客を見つめる黒目がこれはこれは大きくて吸い込まれてしまいました。
普通の人生を生きたい女性が、普通の人生を過ごす女性になり変わって過ごすというテーマ自体は良かったですし、杉咲さんの演技には惹き込まれましたが、映画として面白かったかと聞かれると微妙な作品だなと思いました。驚きのあった「ある男」とはまた違う切り口で終わらせるのかと思いきや、中盤で明らかになってしまって消化不良だったのも残念でした。
元々が舞台スタートな作品という事で、舞台版を観たら印象も変わるのかななんて考えたりしてしまいました。
エンドロールでの鼻歌、良い味を出していました。
鑑賞日 12/19
かわいそうだった
貧困かつ無戸籍で、ヤングケアラーでもあり、最終的には4人の死に関わっている市子、気の毒ではあるけど手を差し伸べるとしたら相当な覚悟が必要で、距離をおきたいタイプだ。しかし美人なので好きになってくれる男性には不自由しない。見てくれが悪かったらなお悲惨だ。
児童相談所や福祉のお世話になれるレベルではないだろうか。親切な共産党系の弁護士さんなら無料でケアしてくれることもある。
北くんが、ベランダから部屋をのぞく場面がすごく面白い。臨場感がすごいし、結果的にことが起こるまで何もしないのがリアルだ。
高校時代の彼が団地についてきてドン引きする。若いし、子どもだし、そりゃそうなるでしょうね。男気を見せられても嘘くさい。
市子が長谷川くんと暮らし始めてすごく幸せそうで、ケーキ屋でバイトしていた時も表情が明るい。新聞配達の時は暗い。風邪もひいていた。
タイトルなし(ネタバレ)
2015年、関西のとある平凡な町に暮らす20代後半の女性、川辺市子(杉咲花)。
恋人・長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に突然失踪した。
長谷川とは、3年間一緒に暮らしてきた仲だった。
しばらく後、途方に暮れた長谷川のもとに後藤と名乗る刑事(宇野祥平)が現れた。
別の事件の関係者として市子を捜しているという。
質問する後藤に対して、長谷川は市子の過去はあまり知らないと答える。
過去についてはあまり語りたがらなかったからだ。
そんな長谷川に後藤は衝撃的な発言をする。
川辺市子なる女性は、どこにも存在していないのですよ・・・
といったところからはじまる物語は、過去の時間軸が交錯しながら、川辺市子と名乗る/名乗った女性の過去、アイデンティを探っていく。
ある時は月子と名乗っていた市子。
何人かの証言で、そこへ辿り着く。
その理由は・・・
と明らかになるところで終わるのが「普通のミステリ」なのだが、映画でその理由が明らかになるのは中盤。
いわゆる、謎解きのカタルシスを超えて映画は市子のアイデンティティに迫っていく。
何人かの証言、いくつもの事件・・・
それらを通して見えてくる/見えてこない市子のアイデンティティ。
世間の枠組み、社会のシステムからはみ出してしまった/しまわざるえなかった存在を救う網はなかった。
セーフティーネットはなかった。
だれかの好意、だれかの愛情は彼女を安全な場所には導かなかった。
社会上どこにも存在していない市子は、それでも生き続けて、存在し続ける。
市子=イチコ=一子=ひとりの人間として。
市子を演じる杉咲花は、一個の人間としての凄みを感じさせる演技。
そして、彼女を取り巻く青年/少年を演じる、若葉竜也、森永悠希、倉悠貴の若手男優も素晴らしい。
刑事役の宇野祥平、母親役の中村ゆり、母の交際相手の渡辺大知ら、中堅俳優も素晴らしい。
素晴らしいところ、気になるところ
役者さんの演技が素晴らしいので、作品世界に没入できます。
杉咲花はこうした過度の演技性を必要としない作品のときに活きると思いました。
しかし一方で、見た後にいろんなことが気になってしまいました。
戸籍がなくても、学校には通えます。別人になりすます必要はありません。
無戸籍だからと言って不幸になるわけではないし、この作品の舞台となった頃はともかく、現在では父親がDV男でも戸籍を取得できるよう、手を貸してくれる人たちがいます。
この作品にもそうしたNPOが協力しているようですが、そのこともわかるように描いてくれるとよりよかったかなとは思います。
福祉につながれないこと(というか、あの男がそうしてしまったわけですが)が問題を大きくてしまうケースとして見ました。
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