劇場公開日 2024年4月26日

悪は存在しないのレビュー・感想・評価

全166件中、41~60件目を表示

4.0これで終わり!?の衝撃だった

2024年5月25日
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鑑賞方法:映画館

他のレビューを見ると、ラストの衝撃と多く目にして気になって鑑賞したら、本当に衝撃を喰らった。
開始のゆったりモードで眠気が襲ってあくびが何度も。でもグランピング施設計画の住民説明会からガラッと変わった。

あんな終わり方、心の中で「えーーーっ!」と叫んでた。

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Olivia

4.0期待度○鑑賞後の満足度○ 自然界に“善悪”は存在しない。だって”善悪”って人間がこの世界に出現してから作った概念だもの。

2024年5月25日
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鑑賞方法:映画館

※2024.06.29. 2回目の鑑賞。《ユナイテッド・シネマ橿原》
○わざわざ十三まで観に行ったのに地元(奈良)でやるならそう言ってよ、とちょっとだけ言いたい。
○今回は、人間が主体の筈なのに、ここ(自然の中)は本来人間が存在してはいけない場所なのだ、というような不思議な感覚がした。
○人間様はこの世界では中心的な存在でありその他の存在は二次的なもの、人間様の都合で何とでも変えられるものという驕りを持っている。
野生の鹿の通り道が人間様の(欲望のための)計画の邪魔になるのなら人間様ではなく鹿が他所に行ったら良いとしか考えない。

-以下は1回目の鑑賞時の感想-
①監督が『ドライブ・マイ・カー』の監督だと、恥ずかしながら本作を観た後知りました。いやはや。

②かなり乱暴な色分けですが、『ドライブ・マイ・カー』が商業映画だとすれば、本作は初めから商業映画としては作られていないと思う。
『ドライブ・マイ・カー』がシネコンプレックで公開されたのに、本作は所謂アート系シアターでしか公開されていないのもその証左。

③自然界に“善悪”はなく、あるとすれば“バランス”(主人公?の「何でも屋」の台詞にもある)。
だから、その“バランス”を崩すものは罰せられる。

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もーさん

3.0どう消化させるか

2024年5月25日
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鑑賞方法:映画館

難しい

とにかくラスト。私にとっては唐突な終わり方。

ハナちゃんは?あのハナちゃんの行動は実際にそこで起きていたけど時間軸はズレていたってこと?
タクミは何故あの行動を?
マユズミさんは何か知ってた?

面白いけれど、どう消化させるかで悩む作品。

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オヤドリ

4.0サラリーマンの頃、いつも感じていた葛藤を思い出した

2024年5月25日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

コロナ補助金目当てでグランピング施設の着工を急ぐ芸能事務所に対し、この計画に抗う地元の人たちに共感した(みんなそうだと思う)が、一方で説明会の進行役という嫌な役回りを任された高橋の気持ちも理解できた。はじめは嫌な奴だとも思ったが、決して悪い人間ではない。クルマの中での女性社員とのやりとりには共感する部分もあった。管理人になろうとするのも、巧にアドバイザーになって欲しいとする提案も、何とかこの計画をうまく成し遂げたい(街にとっても)とする気持ちからのもので、もともと野心のある人間ではないので人を騙そうとか、自分の立場だけを考えてというものではない。高橋の発言に嘘はない。
しかし補助金ありきの薄っぺらなグランピング計画が出提案されるなかで静かな街に歪みが生ずる。本来あり得ないはずの手負いの鹿による惨劇が起きてしまう。おそらく、この計画が進んでいったとして歪みはますます大きくなっていくだろう。誰もが悪意を持ってなくても悪いことは起きてしまう。そのなかで悪人と叩かれるものも出てくる。
胡散臭いのは芸能事務所の社長であり、コンサルタントの男である。しかし彼らにしても自分の仕事を全うするなかで良かれと思うことをしているに過ぎない。利益を前提とした仕事、企業というものはそういうものなのだ。
社会の仕組みというものの一面を考えさせられると同時に、企業で働いていたときの心情、またさまざまな葛藤(社内での立場、取引先との関係、社会貢献や社会正義と企業の利益とのバランスなど)を思い出した。

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ゆみあり

2.0棒読みっぽいセリフもイイ味!

2024年5月24日
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鑑賞方法:映画館

口数の少ない主人公でワンカットでかなり長めの撮影スタイルからか周りの空気感が良く感じました。確かに棒読みっぽいセリフもイイ味だとは思いますが、、、2回目は観ないな。

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binn

4.0静かな山間の町で・・・

2024年5月22日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

濱口監督は「ハッピーアワー」を観たときからの注目の監督で、
封切が待ち遠しかった作品です。
イントロの林の中の樹々を下から撮り続ける映像は、ヴィム・ヴェンダース監督の「パーフェクトデイ」の主人公平山の夢のシーンを思い出しました。
どちらも禅的・哲学的無言の問いかけ?かと深読みしてしまいました。
話が進んで行く中、町に持ち上がったグランピング計画をきっかけに住民や業者とのいざこざを中心にして話が進んで行くのかと考えていたらそうでは無く、意外でしたね。
結末の代々そこで暮らす巧の娘・花が手負いの鹿に傷つけられてしまったところから、関わるそれぞれの人間の内心と結果を考えてみました。
花は手負いの鹿の危なさをどこまで知っていたのか?
芸能事務所の高橋は花の危険を感じ声を上げようとして、その高橋を止めようとして巧は高橋を抑え込み・・。児童館の先生は悪気無く花を一人で帰宅させてしまい・・。
それぞれが全く悪意無いままに行動していたのに結果は最悪になってしまった。
物事の結果だけ、表面だけを見ていては本質はわからないーーと。
目に見えないところに真実が有る。そう言うことが言いたかったのかしらね?
と考えたりしてます。観る人によって何を感じるかふり幅の広い作品ではないでしょうか。
これで終わりってことないよね~と思っていたら、まさかのEndにちょっと驚きました。
それも濱口監督らしいのでしょうか?

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しのぶ

4.0心を揺さぶる物語 確かにそうなのですが…

2024年5月21日
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知的

難しい

面白かった。心を揺さぶられました。確かに無関係ではいられないような気にもなってきました。でも、この感情はどこからくるのでしょうか?

美男も美女も登場しない。舞台の田舎町の登場人物全員が、どこにでもいそうな人たちばかりで、演技はとっても自然で、観ている自分自身が映像の町に溶け込んでしまう感じがした。本来異物であるはずの、グランピング建設の説明会の男女社員でさえ、最初こそ異物感はあったものの、やがて見た目も、思考も、感情の動きさえどこにでもいそうな善良な日本人代表みたいになってしまい、普通に感情移入できてしまう。そうい観点から考えると無関係ではいられないし、心を揺さぶられる物語となるのである。

ところがである。初めから、控えめな異彩を放って若干分かりにくい感を出していた、主人公なのだが、最後の場面で物凄い異彩を放ち、観客はまったく感情移入できなくなる。なんだよと言って倒れた、グランピング説明の男性社員のように。

監督のインタビューに自然災害は最悪のできごとだが、自然災害を人は悪とは呼ばないという意味の話があった。そうであるなら、悪は存在しないとは正鵠を突いた題名ということになる。自然を陶冶し、人間に落とし込むとこの映画のような表現になるのだろうと、私は強いて解釈し、もやもや感を残して、寝ることにする。

明日の朝には忘れていることを節に願うのみである。もやもや…

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うさぎさん

3.0税金に頼る事業の胡散臭さ

2024年5月21日
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鑑賞方法:映画館

単純

ここの解説を読んだが、逆説的と書いてて笑った。逆説ではない。作中鹿の話が出てくる。追いやられた鹿は何処へ行く?都会の人間は「どこかへ行く」と無責任だ。ここが本質なんだと思う。彼は悪人ではないが、それを悪い事とも思ってない。鹿は比喩であって何にでも当てはまるだろう。日本人をないがしろにした移民問題や、自民党の裏金だってそうだ。
補助金目当てのグランピングにしたって、去年から問題になっている東京都のいわゆるColabo問題と一緒で当事者(映画では村人、Colabo問題では貧困女性自身)は関係なく税金目当ての事業にすぎない。電気代の再エネ賦課金の値段を上げるためのメガソーラーにしたって自然破壊をしているだけだ。でもそこに悪があるわけではない。ただの利己主義だ。個人の価値観、多様性なんて言ってる人で、そのことに疑問を挟むと反発する人達が一番やっかいなのだ。

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シャムシュローシェ

5.0いろんな感情が揺さぶられる

2024年5月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

心に、頭に、刻まれる映画。
言葉で上手く表現出来ない。
でも、独りよがりでも内向きでもない。
世界に向けて語られてると思うから。

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アメリカの友人

2.0物語りきる撮り手の責任。

2024年5月20日
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広げた風呂敷を畳む責任が撮り手にはある。
畳まず寧ろ尚広げて幕、なんて。
序盤から読めない展開で、
遂に意外なキャラに焦点が当たり、これは!と乗った。
中盤の薪のシーンのアレで突如幕なら傑作だったろう。
以後全部不要。
繰り返す。
注目の監督よ、物語りきる責任の再考を。

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きねまっきい

3.5面白いけど分からない

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

東京近郊の山間部にある町が舞台。
始まって暫くは美しい自然の中の生活が淡々と描かれる。ちょっと退屈になってきた頃に、山にキャンプ場を作る計画を企業が持ってきて話が動き始める。
計画通りにキャンプ場を作りたい企業と、不安にかられる町の住人、間に立たされる担当の社員2人。
ここからの展開が面白い。特に会話が秀悦だ。また、少し間延びした感じの編集が不安感や不信感を増していく。
展開や人物像が多層的になって、惹きつけられていく。
しかし、訪れるラストシーン。その意味が僕には分からなかった。良い悪い訳ではなく、自分の理解できる範疇を超えてしまった。意味が知りたい。興味が尽きない。
それも含めて、かなり面白かった一本。

森に見られてるって事か…?

#悪は存在しない

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naichin

4.0悪は存在しない

2024年5月19日
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最初30分くらい退屈だったが、登場人物の会話が始まり、引き込まれたところで突然終わった。解釈は見る人に委ねるのかもしれないが、もう少しだけわかりやすいとありがたかった。皆さんのラストの解釈を調べながら帰るという…それ以外は印象的なシーンも多いし、樹木を通して人を見る場面や、水に写る風景などが美しく、こういう作品は評価が高いだろうなと納得の映画でした。

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しなもん

4.5とても、哲学的な映画で、この映画を観た人と話してみたくなる。

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

ミニシアターで鑑賞、珍しく20代、30代の若い人が多くて、場内いつになく活気を感じました。

「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹さん原作にしてはとても分かりやすい、観やすい映画でした。
この映画も、不穏なものを感じながらも、出だしから流れに乗って、没入できました。
で、ラスト。
日本映画での置いてきぼりは、なかなかなかったので、おー、私は、巧さんのこと何もわかっていなかったのね、と衝撃を受けました。

いやいや、でも、巧さん。
父親として見た時、たいがいにせーよと思うこと、花ちゃんにめちゃめちゃしてますよ。
自然の使者のような顔して、他者を断罪していいのか?レベルの。

もし、これがSF映画で、実は巧さん、アンドロイドでしたーというオチがあった方が、私は救われた気がします。
どんな大義名分があっても、話し合いもなく問答無用で、異なる価値観の人を排除する人間が増えていくなら、私は自分を表現することが怖くなります。
けれど、同時に、その中でも、自分らしく生きていきたいなと強く思いました。

この映画を観た後、ロビーで15分ほど、隣席の大学生と感想を共有しました。
私のザワザワした気持ちも落ち着きました。
濱口監督の作品をいくつか勧められたので、それらを今度観ようと思います。

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のりたまちび

3.0悪は存在しない

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

難しい

ラストシーンが意味不明。どう解釈したらいいのか? 映画みてしばらくたっても、心に残るというのか? 忘れられないというのか? こんな映画はあまりない。何だったー そしてすっきりしない
映像は美しく、詩的ではありました。

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Yumeko

3.5何だったのか?

2024年5月17日
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鑑賞者に疑問を投げかける映画が良いのか悪いのかはわからない。自分たち夫婦で色々議論したので、良い映画なんだと思う。

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hanataro2

4.0みな死ぬまで生きていく

2024年5月17日
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鑑賞方法:映画館

花は生きていた。高橋も生きている。だが母(妻)はいない。
薄暮のような夜明けのようなあのシーンは、すべて巧の、後(のち)の夢である。
ゆらゆらと立ち上り循環する水のように、
時間はかならずしも一直線に流れるわけではない。
矢負いの巧・花親子の傷を癒すバランサーは意外に黛さんかもしれず、
たとえば5年後、あのベランダで、いっしょに夕日をみているかもしれない。
ああ、観賞後数日してようやく回せましたよ私のカメラ……おいっ 濱口さんっ!

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azumi

4.5とても面白かったです

2024年5月17日
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問題のラストをどう捉えるか、人それぞれ違っているでしょう。

私は、希望が欲しい気もしつつ、感じ方としては『怪物』と同じで悲しい最後です。

淡々として見えていましたが、巧の抱えていた闇は想像以上に大きかったのではないかな、と思いました。

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ほりもぐ

5.0どんより残る

2024年5月16日
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鑑賞方法:映画館

途中からストーリーを追うのをやめた。映像や音、切り取られた人や会話のテンポ、雰囲気からタイトルに込められた善悪の存在を考えた。

自然に善悪を感じるのは、人が自然とは別のものとして自分を認識したときからはじまるのだろう。

共生という言葉も都合のよい言葉だろう。
「問い」をもらう映画は久しぶりだった。

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mark

4.0結末(答え)は存在しない

2024年5月16日
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鑑賞方法:映画館

ネタバレなのかどうかは分かりませんが、自己解釈はあるので鑑賞前情報を入れたくない人はご注意を

濱口監督作品なのに大阪ではナナゲイとシネヌーヴォしか上映していないのでちょっと出遅れての鑑賞でした。
相変わらず予備知識は全く無し(強いて言えばタイトルが先入観になっていたかも知れない)で鑑賞しましたが、面白いというよりメチャクチャ引き込まれました。
でラスト、ひょっとしたらこれで終わるのか?と予感した途端にエンドクレジットが流れ出しました。
見ていた誰しもが突然に家から放り出された様な、そんな茫然とした感覚になったと思います。特に、映画には起・承・転・結があるものだと疑わない一般観客は目が点になって劇場を後にしたのでしょうね。
まあ、起承転結は有るには有ったのだけど、見方を変えると起・起・起・結だったかも知れないし、起・起・起・起だったのかも知れない様な構成でもありました。
本作は見ていて大雑把に四部構成だったので、その切り替えが非常にトリッキーでもあり、自分が何を見せられているのか分からなくなりつつ、何処に向って行くのかの興味だけは肥大して行く感じですかね。
あと台詞の全てが伏線の様な役割があり、前の台詞の一言一言を思い出させるシーンが次にちゃんと用意され緊張感を煽っていました。この辺りも非常に技巧的だと思え、ある意味サスペンス映画の様な錯覚に陥るのですが、それがこの物語のテーマと嚙み合っていない様にも感じられて、作り手に翻弄されている様な気分にもなりました。

でも、シンプルに見ると本作は“自然対人間”のお話であって、タイトルも厳密に言うと『自然には悪は存在しない。悪は人間だけの概念である』という事だと思います。
四部構成と言いましたが、起の一部がプロローグで“自然vsそこに生きる人”(自然と人との共生)を描き、承の二部がグランピング説明会で“そこに生きる人vs侵入者”(正vs否又は善意vs悪意)を描き、転の三部ではいよいよ善悪の闘いかと思いきや説明者の本音が語られることにより善VS悪の予想が裏切られ(理解VS非理解)という展開にとなり、結の四部では今までの二部・三部の展開が無かったかのように、一番自然に近い人である娘の迷子からの結末に至る。そして、最後のシーンが何だったのか?という謎を残した(説明を拒否した)まま映画を終わらせている。
早い話、最後は観客である貴方自身で考えて(感じて)下さいという事である。

面白い面白くない・好き嫌いは別にして、これが濱口竜介監督の映画なのだという事が理解出来たらそれで良いのだと思います。
で、私の感想は非常に面白かったがテーマ(自然と人間の関係性)やポスターにあるコピーの「これは、君の話になる-」に対しての答えを見つけたいとは思わなかったかな。

追記.
家に帰ってから感想を書き始めて思い出したのですが、この子役の写真が誰かに似ているのを思い出した結果、ロシア映画『草原の実験』('14)の少女でした。(フォトギャラー参照)
そこで、更にあの映画のラストと本作のラストって、ひょっとして似ているのかも知れないという気もしてきました。
片や“自然”片や“核爆弾”の違いはありましたが、人間が相手にできないモノに対して同じ運命を辿った様な気がしてきました。

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シューテツ