悪は存在しないのレビュー・感想・評価
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悪は存在しない(本当に?)
悪は存在しない、しかし暴力的な力(丸太を切るチェインソー、振り降ろされる斧、遠くの銃声)は存在している、そして何か決定的な暴力が起こる予感を常に抱えたまま物語が進む。
この予感だけで映画になってしまっているのが、とにかくすごい。
派手なアクションや凝ったストーリーなどもはや必要なくこんなスリリングで面白い作品ができてしまう。
悪とは何か、暴力とは悪ではないのか、わかりません!そのわからなさを楽しめます。
人が社会で生きるということ
「映画は娯楽と思うな」と。
おそらくそれぞれに意図はあるんだろう。ただ「上澄液だけ飲んでみて。後はよろしく」というような、荒削りという言葉すら生ぬるいくらい鑑賞者を放り出す感じがエグい。友人や家族と観る映画では無い。一人で、数回観て反芻して、ようやく「もしやこれでは」の領域に達することができるような怪作。(ただし何度も観たいというモチベーションは全く湧かない)
「醍醐味」と「不愉快」、「芸術」と「自己満足」の間に堂々と居座る映画。多忙で、映画を娯楽と思っている人は避けた方が良い。こういう作品があって良いが、予告編での期待との乖離が激しく、観る者を選ぶ。やたら長尺に引き伸ばしたシーンが多く、この110分の映画を観るくらいなら、自分自身の貴重な時間をもっと大切なことに使った方が良い。
最後はなんだったのだろうか
音楽良かった
棒読みのセリフの感じはとてもいい
最後のシーン
「鹿が人間を襲うのは手負の時」という前振りがあったので、あの鹿が花を襲った、ということ?
北欧の映画っぽい演出とストーリー
???不思議な結
自然豊かな高原の長野県水挽町は、東京からも近く近年移住者が増えていて賑わいが出ていた。代々そこで暮らす巧は、娘の花とともに自然と調和した生活を送っていた。そんな時、家の近くにグランピング場の建設計画が持ち上がった。コロナ禍で経営難に陥った芸能事務所が、政府からの補助金を得ようと計画したものだった。しかし、その計画では汚水処理が充分ではなく、山の綺麗な水源に汚水が流れ込む懸念が持ち上がった。そのため住民たちに動揺が広がり、綺麗な水から作る地元の料理にも影響が懸念され・・・さてどうなる、という話。
映像と音楽は素晴らしかった。
美味そうな地元食材の料理や、鹿の被害、流行りのグランピング、そして水の汚染問題など、扱ってる事は旬だなぁ、と観ていたのだが、花ちゃんが行方不明になった頃から??だらけになり、最後は???と不思議なラストだった。
花ちゃんはなぜいなくなったの?そして死んだの?
得意の観客に委ねたのだろうが、何をどう受け止めれば良いのかさっぱりわからなかった。
題についても、誰も悪くないのに問題が起こるって事?
とにかく不親切極まりない作品。
ラストがあまりにも突飛すぎて最悪
2024年映画館鑑賞67作品目
7月14日(日)イオンシネマ新利府
6ミタ0円
監督と脚本は『寝ても覚めても』『スパイの妻 劇場版』『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介
コロナの補助金で長野の村にキャンプ場を造ろうとする畑違いの分野の東京の芸能事務所
杜撰な計画に反発する住民たち
知らない役者ばかり
主人公が明らかに棒読み
無骨さを出したかった意図があるのかもしれないがそれにしても酷い
村での芸能事務所側の説明会から面白くなってきた
その前までは退屈で眠くなりそう人も何名かいてもおかしくない
高橋と黛が再び車で村に向かいながらの会話のシーンも良かった
だがしかしラストがあまりにも杜撰
そういう展開にしたいにしても脚本的に言って丁寧さに欠ける
カネを払って映画を観ている側に思いやりがないのか
イタリア人が高く評価してもこれは絶対にダメ
好意的な解釈をするレビュアーもいるがやはり許されるものでない
低予算は言い訳にはならない
これは日本の誇りにできない
日本の恥だ
もう少し真面目にやれバカ
世界から高く評価されたからって調子にのるな
今の気分としては俺が監督を締めてやりたいくらいだよ
実際のところ締めないけど
再編集か取り直しを強く求めたい
こっちが納得する形になったら再評価しても良い
ベネチアなんかクソくらえ
配役
村の便利屋の安村巧に大美賀均
巧の娘の安村花に西川玲
グランピングの説明会に訪れる芸能事務所「プレイモード」の担当社員の高橋啓介に小坂竜士
高橋の後輩社員で元介護福祉士の黛ゆう子に渋谷采郁
東京から移住してきたうどん屋の店主の峯村佐知に菊池葉月
佐知の夫で巧の友人の峯村和夫に三浦博之
グランピング計画に反対する地元民で金髪の坂本立樹に鳥井雄人
地元民の木崎ヨシ子に山村崇子
地元の区長の駿河一平に田村泰二郎
グランピングの計画を推し進めたい芸能事務所「プレイモード」の社長の長谷川智徳に長尾卓磨
「プレイモード」にグランピングを提案する売れっ子コンサルタントの堀口明に宮田佳典
自然界からのGIFT
何の知見もない輩が、胡散臭いコンサルに唆され作ろうとするグランピング施設なんか成功する訳はない。そもそも事業とは経営者の熱き思いと顧客への高い提供価値と関係する人々(ここでは住民の皆さん)の共感がシンクロすることで初めて生み出されるものである。そんなことも分からないバカ経営者は多い。
スクリーンに投影された自然が醸し出す清々しい情景や湧水の瑞々さ、共生している動物(ここでは鹿)だけをみれば、確かに「悪は存在しない」のだろう。
しかし、人間界にはいくつもの沢山の「悪が存在する」する。
謎のラストシーンで高橋に手をかけ殺した巧の行動は、自然界の化身となった巧が人間界の「悪」に対しての鉄槌だったのではないかと解釈したい。高橋そのものはどう見ても「悪人」ではないので可哀想だが、。バカ経営者の身代わりってことで、。
映画監督としてこれからも日本をリードしていく濱口竜介のこの壮大な「実験作品」は、
時を経て彼の代表作になるのかもしれない。
均衡(バランス)崩壊の行き着く先は!?
追加上映にて観賞。何となく「楽園」の佐藤浩市の話に似ているなと思いました。
ある芸能事務所が山の中にグランピングの施設を建てる計画を立てていることで住民と対立し、均衡が破れることによって起きる話ですね。
後半に巧の娘である花が行方不明になり、事態は急変します。巧は建設側の高橋という男と一緒に花を捜すことになります。
ラストに巧たちは、2頭の親子鹿の前に立っている花を発見しますが、おそらくこれは巧の見ている幻覚なのではないかと思います。
現実は花が倒れていて、鹿に襲われて死亡しているのではないかと思います。このラストの前に鹿の狩猟による銃声があり、撃たれた小鹿は死亡し、苛立っている親鹿が花を襲ったのかなと感じます。
つまり、あの親子鹿は巧親子を表しており、混乱した巧は高橋をスリーパー・ホールドにかけてしまったのかなと思います。
冒頭と最後に木々を見上げた風景が流れますが、人間が倒れないとその風景は見られませんので、やはり花の死を暗示しているのかなと思いました。
個人的な推測による感想になりましたが、劇中で真実を出していないため、いろいろな考察ができる面白い映画になったと思います。
追記 ラストシーンは、「だるまさんが転んだ」のシーンと同じ静止シーンになっています。小技が上手すぎです。
大自然の背景なのに、希望が見出せない明日を描いている
やっと先日「悪は存在しない」を観たわ。
皆さんは、
野生の鹿、イノシシ、猿、狐、狸、アライグマ、ハクビシン etc
遭ったこと在る?
猿ぐらいかなスグに逃げていかないのは。他は必死に逃げていく。
猿は人間と同じで状況を確認してから逃げる。
野生の鹿と遭遇して一度追いかけた事あるけど、もの凄い早さで走る。
ライフルで狙って撃つにも とても難しいだろうと感じたな。
それが野生の鹿である。
この映画ラストで 野生の鹿が出てきて、体にライフルで撃たれた跡があった。
巧の娘(花)の前に居るのだが 一目見てこれは嘘であると分かった。
脚本に沿った演出だからワザワザ用意しているのだろうけど、実際なら長時間そこに居ることは無いだろうし スグに去って行く。
況してや熊じゃ在るまいし 背丈の小さな娘を襲う理由も無い。
無理な展開流れで 何とか野生の鹿に襲われた事にしたいのであろうが
返って不自然さを残す羽目に感じる。
同時に、野生の鹿を刺激しないように? または 娘と鹿との対峙を邪魔しないように? 一緒に娘を探してくれて同行している高橋の首を背後から絞めて 口から泡を吹かせて気を失わせている。
この行為が最も理解しがたい。
巧の妻は理由不明だが亡くなっている。一人娘を育てているのだが心が病んでいる想定なのだろう。最後は親子二人で無理心中~ って展開なのだが 全く頂けないよ。ここに至るまでの説明が弱いと思う。
心中する場合 いつでも死ねる。場所もある。
なのに 何故高橋の居るときに、薫も居るときにするのか。
それは 自分達の最後を見届けて欲しい狙いなのかもだが
人の子の親(しかも残された子の親)が考える事では無いな。
残念だけど この流れは 0点だわ。
賞獲向けに仕込んだ罠に感じるけど、もっと素直に心の流れは描いた方が高評価と感じるよ。今作のセリフ調は大分良かったと感じた。前作の”ドライブ・マイ・カー”は酷かったもんね。
一番良かったのは、グランピング説明会での区長の話。
あの住人代表者でかつ年配者としての目線の話が一番心に刺さり、上手く表現説明出来ていたと感じます。
心ある言葉とは あの様な事を言うのだと思った次第です。
監督の更なる次回作に期待しております。
もっと多くの人に観てもらいたい
寝ても覚めてもやドライブマイカーを彷彿させるような演技で、濱口監督ならではの演出でとても魅力的でした。
最初のシーンや車を出発させるシーン、木々の間にぴったり人を配置してるシーンがとても印象的でどのように撮影が行われたのだろうと気になりました。
音楽も画にとても合っていて、リズムがぴったりで楽しく観ることができました。
この画や音の美しさをもっと多くの人に観てもらいたい!!
ジェネリック豊川悦司
2024年劇場鑑賞167本目。
きれいな汚い空が木と共に映されているオープニングがしばらく続いて眠気が出ましたがきれいな水の山の中で水を汲んでいるところでちょっと癒されて持ち直しました。その後ここで行方不明か?とかここで死体発見か?と期待を次々スルーしていき、これどこが着地点なんだと思ったら唐突な展開で急に終わってしまいました。
別の方の考察でなるほどなとは思いましたが、自分は考察しないと伝わらない映画はそもそも伝える力が欠けていると思っているので評価はこんな感じです。
後主演の方が顔がなんとなく豊川悦司に似ているのに喋り方や声がそっくりなので、今後トヨエツ使いたいけどギャラが高いし・・・という人はぜひこの主演の方を使かってはいかが。
難しい
説明の無い映画は嫌いじゃないが…
や〜久々ラストにモヤモヤして劇場を出てきた(笑)
ラストに回りくどい謎解きや解説や説明する映画は嫌いだが、これはもうちょいグランピングの話も回収しろよっていいたいかな
内容や映像は全体的に作り手の観念的なところが多く、観客を意識してないのか、自己満足的なところが多く感じた
悪い映画じゃなかったけど、劇中のセリフを引用するなら自分の表現と観る人へのバランスが大事って思う
こりゃ、わからんよ(途中は面白いが)
濱口竜介監督ということ以外事前情報をほとんど入れずに観た本作。冒頭の薪割りや水汲みのシーンや、意外と長いワンカットを観ながら、これは失敗したかもと思ってしまった。あれだ、アートよりのやつだと。
ところが、グランピング施設建設の説明会の話が出てきたあたりから徐々に面白くなってくる。村の人達からすれば土地を汚し荒らそうとする奴ら。でも彼らにも抱えるものがあって完全なる悪人ではない。現場に行かずに村の問題を軽視したアドバイスをするコンサルは個人的に嫌いなタイプの人間だけど。
村の住民と芸能事務所の人間の絡みが進む中でどうなっていくのか気持ちが高まってきた中、最後に事件が起き不可解な結末を迎える。自分もそうだったけど、戸惑う人多いだろうな。なんとなくで推測できるような材料もないから、どういう意味なんだって考えてしまうもの。最初はアートっぽく、途中面白くなって、最後不可解。相当ハードルが高い。途中のやりとりが評価を底上げしているからなのか、個人的にはなぜだかそんなに悪い印象ではないが、手放しに絶賛なんてできない。こりゃ、わからんよ。
後で説明を読んだら少し納得。元々映画として作り始めていない。少し棒読みなセリフもそれなら受け入れられる。
すべては、バランス
星5をつけたの久々か…
いや、たしかに終盤は「まさかここでエンドロールくる?きちゃったらどうしよう??」と慌てたところでほんとにエンドロールが来てしまい、一周回って気持ちよかった。それも終わり方のあまりの潔さに好感を持ったのと濱口竜介監督のテイストがそもそも私は好きだからというのが大きい。「なんだこりゃ」という人がいるのもわかる。でも好きなのだ。上手く理由が説明できない、自分にとっては久々にゾクッとするような美しい作品に出会えたなと。
見終わってすぐ他の人の考察読んじゃったけど。その人の考察がすごすぎて全て納得した。
まずこの作品は序盤からかなり人を選ぶと思う。かなり冗長な長回しが続く。私も思わずスクリーンを見ながら「今晩の夕飯何にしよう」と意識を飛ばすほどだ。でも嫌な感じがしないのは、映像美と石橋英子の贅沢な音楽のおかげ。私、ハッキリ言うと映画の中で「音楽」をかなり重視しているので、この音楽だけでも既に高得点…
濱口竜介監督の作品そこまで沢山見てるわけではないけど、緩急の付け方が心地よい。作品のテンポそのものが音楽のようだなと思う。私はその「バランス」がとても好きだ。そして終盤にかけて「バランス」が傾いていく、不穏に…
でもまさかここまでとは。面食らった。
花ちゃんの存在感もすごい。出番は決して多くないのに彼女の存在が作品テーマの根幹である気がする。
自然も人間も傷ついているのだ、ということだと思う。印象的なのは枝に付いた血。でもその前にもシカの死骸など直接的なイメージが出てくるし、奥さんの存在も既に他界しているだろうから、生よりも死を纏った映画だと思えた。だから最後の巧さんの行動も唐突であって唐突ではなかった。ずっと死は側にあった。
でも彼の行動に悪意はなかった、殺意もなかっただろう。最後首を絞められた彼は生き残った描写もあったし、死の淵に行ったのはあの親子だった。まさかグランピング施設建設からこんなテーマに飛ぶなんて思わなかったしもっともっと重くてしんどいテーマだった。でも途方もなく美しい映画だった。
ザ邦画
難しい
映画館で見るのは監督作品はドライブマイカーに次いで二作目
後の作品はcsにて
前作とは違い 著名な俳優は出て無い
森の空を映す映像から始まる
監督は余り演技経験の無い人を上手く
していくのに長けた人かも
最後のアレは何を現すのかな
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