「さすがにわからない」悪は存在しない Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがにわからない
分からないのは全然いいんだけど、これ、創り手も分かってねえんじゃねえのかって感じがすんの。だから最後ぶん投げて終わりにしたんだろっていう。
もちろん、そんなことないと思うけど、そう観えるんだからしょうがないね。
最初の説明会まで長いんだよね。寝た。
たぶん水挽町の美しさを描いてたんじゃないかと思うけど、そこまで映像美しくなかったでしょ。
あの辺の美しさというか良さって、肌にあたる空気の感じとか、音が高い空に吸い上げられてしまったような感じとか、視覚より触覚、聴覚さらに嗅覚みたいなところにある気がすんの。
それを映像で表すって、難しいね。表せなかったら、その辺の山だし。
グランピング場の云々かんぬんは、「調べたんだな」って感じはあったね。だからどうした感もあるんだけど。
《悪は存在しない》ってことで、グランピング場を推し進める側にも色々あるんだよってことにしてるけど、これ推し進める側がハッキリ悪だろ。
本業のタレント事務所がうまくいかないからって、思いつきでグランピング場に手を出して補助金もらっちゃダメでしょ。
どんな理由があったって、地元の人を喰い物にしちゃ駄目。
地元の人も開拓三世で、自然破壊してきたことには変わりないからって理屈だけど、変わりないわけないだろ。田舎をナメてんのか。
その辺のヌルさが「最後にぶん投げやがった」っていう感覚につながるんだろうな。
最後はなんで都会から来た人を殺したんだろうね。
『お前が来たから』ってことなのか、殺したオジサンは実は森の精だったのか、あるいは鹿だったのか。
「これ、このあと事情説明してもグダグダするだけだから、ここでスパッと終わりがいいな」と思ったら終わりになったので、そこは良かったよ。
面白いは、面白いんだけど、少し腹立つところもある。
レビュー書いてみて、それは創り手側の田舎蔑視を感じてしまうところにあると気付いたよ。
芸能事務所の件は、もしかしたら
「自己の生存のために他者を食い物にするのは、自然界では普通のことだ。」
ってことなのかもしれないですね。
まぁ、そうなるとタイトルがチープで有り触れたものになるのですが…