劇場公開日 2024年4月26日

悪は存在しないのレビュー・感想・評価

全236件中、1~20件目を表示

4.5侵入者≒「他者」の受容と拒絶

2024年6月3日
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鑑賞方法:映画館
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まぬままおま

4.0気づきや思索をもたらすストーリーテリング

2024年4月30日
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鑑賞方法:試写会

人間とは不可思議な存在だ。こういう人物だろうと把握した次の瞬間、全く違う顔を覗かせることも多い。判で押したような悪人や善人は少なくとも本作には存在しないのだ。そもそもメインの父娘からして、どんな過去を持ってこの地へやってきたのか曖昧で、だからこそ我々は表情や言葉、調度品から懸命に理解しようとする。と同時に、グランピング場建設のためにやってきた男女にしても、車内のダイアローグで切々と胸の内を語り、最初の印象は刻々と覆っていく。人間とはかくも面白い生き物であり、変容の中にこそ本質があるのかもしれない。一方で、本作には自然環境や未来への視座も盛り込まれている。上から下へ流れるのは、水のみならず、時間も同じ。子供ら世代に豊かな環境を残せるか否かは今を生きる大人たちに委ねられた課題でもある。斬新なストーリーテリングでナチュラルな気づきや思索をもたらす作品として、ラストの謎も含めて、胸に深く刻まれた。

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牛津厚信

3.5悪意はなくとも、悪いことは起こる

2024年4月30日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

自然環境と開発、地元民とよそ者、野生動物と人間、消える子と探す親といった題材は、最近日本で公開されたものでは「ヨーロッパ新世紀」「理想郷」、少し前では「ラブレス」など外国映画でも時折描かれてきたものであり、問題意識と物語類型が国境を越えて共有されていることの表れだろうか。

映像は美しい。が、いくつかの長回しは冗長に感じられた。音楽家の石橋英子からライブ演奏時に流す映像を依頼されて企画が始まった映画であることと関係があるかもしれない。

ラスト近く、娘が置かれた状況を目にして、父親はある行動に出る。あの展開は、保護者としてのリアリティーよりも劇的効果が優先された純然たるフィクションだと感じた。ラストのインパクトを高く評価する向きも当然あるだろう。だが評者は、グランピング場計画をめぐるリアルな対立を興味深く追っていただけに、「えっ、それで終わらせちゃうの」と、何やら梯子を外されたような思いがしたのだった。

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高森 郁哉

4.0正直なところ見る人を選ぶ作品。ただ、流石のリアリティーで、ベネチア国際映画祭の銀獅子賞(審査員大賞)受賞は納得の佳作。

2024年4月26日
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ベネチア国際映画祭やカンヌ国際映画、ベルリン国際映画祭の世界3大映画祭の受賞作は、見てみると割と「?」な映画が多い印象です。
本作も正直なところ、冒頭からイメージビデオのようで、「うわ~、これハズレの作品か」と思いながら見ていました。
ただ、濱口竜介監督の前作「偶然と想像」は脚本が面白く、本作をスルーするわけにもいかず見ていましたが、まさに会話劇となる説明会のシーンで盛り上がり、その後の展開も興味深く見ることができました。
セリフも素人のような感じが多く有名俳優もいない状態で、よくぞここまで作り込んだリアリティーを構築できたなと感心しました。
そもそもが音楽ライブ用の映像を制作するだけのはずが、緻密な構成によって106分の長編映画になったのも興味深いです。
まさに脚本と映像の両面で存在感を放ち、2023年・第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞したのも納得できる作品です。

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細野真宏

3.0難しい

2024年12月4日
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鑑賞方法:映画館

気持ちよく理解させてくれない映画でした。

タカハシの軽薄さ、影響されやすさに関して感情移入しすぎてしまい、笑うべきシーンで笑えなかった。むしろ画面を直視できない恥ずかしさに襲われた。

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英雄

2.5シカに取り憑かれたヒゲ男

2024年11月19日
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鑑賞方法:映画館

知的

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カブカブ

2.5何を伝えたかったのか

2024年11月11日
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自然豊かな高原に暮らす住民たちと、グランピング施設建設を目論む東京の会社員。普通に考えれば対立構造になる二者だけれど、タイトルの通り、どちらも悪ではなく…

という展開に思えたけれど、ラスト10分で一変する。一体どうゆうことなのか?私には分かりませんでした…。
たっぷりと描かれる説明会や、東京の会社でのWEB会議、いずれもとても居た堪れないというか居心地が悪い場面が続き苦痛…。かといって後半のカタルシスになるような単純構造でもなく。

なかなか難解でした。配信だと耐えられなかったと思うので、映画館で観てよかったです。

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まだまだぼのぼの

2.0この特に何も無い長回し

2024年11月10日
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鑑賞方法:映画館

相米慎二やアンゲロプロスには文脈の変化があったり、忘れられない経験になるのだかが、濱口のものはただの冗長な間に思える。

人選や演技指導は的確だと思うから、彼の趣向が私には合わないということなのか。

濱口の映画は2度見たいと思えない。

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ジャパニーズ先住民

3.5何を見せられたんだ!?

2024年10月10日
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osinco

3.5有名な役者さんは出てこない

2024年9月9日
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鑑賞方法:映画館
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はりー・ばーんず

落下感の快楽

2024年8月27日
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鑑賞方法:映画館

 濃密な会話劇に強く惹きつけられてしがみついていると、最後に急に手を放されて飛行機から突き落とされた気分。

 「えっ、何?」
 「一体、あれはどういう事?」

と戸惑う内に飛行機は高く遠ざかって行きます。でも、その困惑と落下感の気持ちの良い事。映画という大空のスカイダイビングを堪能できました。鑑賞後に誰かと語り合いたいと思いが募る一方で、言葉にしないで一人で反芻したいとも思うのでした。

 上映館はかなり少ない一方で、観客は初日から満席でした。長く広がれ。

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La Strada

4.5木立のエンドロール

2024年8月8日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

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berkeley

2.0ベネチアで銀獅子賞ってことはゲージュツ映画かな?そしてあの結末。

2024年7月28日
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シゲ

4.5悪とくくる安易さ

2024年7月27日
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DEPO LABO

3.5人の心や物事というのはそう単純なものではないのに、理解しているつもりについなってしまうものだなぁ

2024年7月20日
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鑑賞方法:映画館

ラストで突然置いてけぼりになり、ポカーンとしたままエンドロールへ🤣
大急ぎでパンフ読んだけど、まぁ解釈は視聴者に委ねられているのだろうよ。
良い余白だとは私は思わなかったけど。

とんでもない長回しと会話劇の面白さに、「濱口監督の映画だな〜」とはなった
説明会のシーンと薪割りのシーン、車内での会話シーンは好き!

****

考察サイトや監督インタビューを読んで↓↓↓

突飛なラストに見えたけど、「些細なことの積み重ねが大きな結果を生む」「水は上から下へ流れる」「半矢の鹿」とかラストにつながるヒントは結構あったんだなぁと!

作品全体として登場人物みんな行動原理(?)が明確だったからこそ、ラストの主人公の行動の原因が見えなかったのにすごく違和感があって、「監督が作品にインパクト残すために主人公に変なことやらせた!」とか思ってしまったんだけど全然そういうことではなかったんだな〜🤣笑

主人公の行動の原因にまで考えが及ばず「どういう理由があろうと主人公の行動は許されんだろ」と短絡に思ってしまった自分に気づいたよ〜
住民たちに感情移入してたし、自分は住民たちがわの人間だと思ってたけど、自分もグランピング建設側の人間(上流の人間)になりうるんだということをひしひしと感じている🤔
人の心というのはそう単純なものではないのに、相手の心を理解して寄り添っているつもりについついなってしまうものだなぁ。下流の物事のことを理解して寄り添っているつもりのグランピング建設側(社長や高橋)のように。

この作品の真髄とういか、監督の描きたかったところってきっと、上記に書いたような人の心云々だけではなく自然の摂理や死についてだと思って、「監督の懐が深けぇな〜」(語彙不足による思考停止)と思ったよ😂
とか色々書いてこの作品や監督を理解したつもりになっている自分にもまた気づき…思考に言語化が追いつかねぇ!!

色々考えさせられて、監督はんぱねぇなと思いましたが、好きな作品だったか?と聞かれると、うーん。私の中でこの作品が長いこと生きていきそうな予感はします。

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とも

3.5会話が心地良い

2024年7月19日
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笑える

難しい

萌える

流石に最後は意味不明。

何か意味があるのだろうが、なんだか作家性に酔ってる気がしないでもない。

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オンジ

4.0悪は存在しない(本当に?)

2024年7月18日
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鑑賞方法:VOD

悪は存在しない、しかし暴力的な力(丸太を切るチェインソー、振り降ろされる斧、遠くの銃声)は存在している、そして何か決定的な暴力が起こる予感を常に抱えたまま物語が進む。
この予感だけで映画になってしまっているのが、とにかくすごい。
派手なアクションや凝ったストーリーなどもはや必要なくこんなスリリングで面白い作品ができてしまう。
悪とは何か、暴力とは悪ではないのか、わかりません!そのわからなさを楽しめます。

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あした

2.0人が社会で生きるということ

2024年7月18日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

タイミングが合ったので鑑賞してみた。

色々深読みしてしまいそうになるが、あの人物が実際のところサイコなだけ、という解釈も成り立つ。

或いは、自身の主張に執着し異論を許さないモンスター達の、現代社会の不寛容さのメタファーなのか。

田舎暮らし、一見良さそうに見えるけど、都心にはない闇があるな。人が社会で生きていくことの難しさをあらためて感じた。

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Nori

1.0「映画は娯楽と思うな」と。

2024年7月17日
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鑑賞方法:映画館

難しい

寝られる

おそらくそれぞれに意図はあるんだろう。ただ「上澄液だけ飲んでみて。後はよろしく」というような、荒削りという言葉すら生ぬるいくらい鑑賞者を放り出す感じがエグい。友人や家族と観る映画では無い。一人で、数回観て反芻して、ようやく「もしやこれでは」の領域に達することができるような怪作。(ただし何度も観たいというモチベーションは全く湧かない)

「醍醐味」と「不愉快」、「芸術」と「自己満足」の間に堂々と居座る映画。多忙で、映画を娯楽と思っている人は避けた方が良い。こういう作品があって良いが、予告編での期待との乖離が激しく、観る者を選ぶ。やたら長尺に引き伸ばしたシーンが多く、この110分の映画を観るくらいなら、自分自身の貴重な時間をもっと大切なことに使った方が良い。

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市川崑監督大尊敬派

3.5最後はなんだったのだろうか

2024年7月16日
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Ferma