プリシラのレビュー・感想・評価
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プリシラ
Eのジェントルマンっぷりに憧憬し、寄り添おうとするプリシラの初々しさが印象的でした。スターの彼女ゆえか、それとも時代なのか、アルバイトを阻まれそしてペットをあてがわれ、彼女の自立への萌芽を摘まれて徐々に精神的に軟禁生活に陥っていきます。
ダイアナさん映画にも感じましたが、互いに寄り添うのではなく依存せざる得なくなる所が痛々しく見ることができました。(Eの薬の描き方しかり)
プリシラを軸にEとの関係(だけ)の軋轢を脇目も振らず一直線に描いていたのは好印象でした。
ただおおよそ丁寧に描かれてたぶん、ラストにかけてプリシラが唐突に別れを切り出すところが食傷気味に感じました。
バイオグラフィー通りなのでしょうが、作品として補完するものが欲しかったです。
やはり題材が実在する人物なだけあって、偏った作為的な解釈で描くことを避けたのでしょうか。自分はそこを作家の姿勢と捉えましたが、ならもう少し違うアプローチがあったんじゃないかと思いました。
ミュージシャンの恋人
映画としてはかなり、尻切れトンボ感が凄かったけど
(え?終わり?みたいな)
私は楽しめました!
出会いと悩みのリアルな感じが伝わってきて
原作読みたいと思ったけど絶版で残念😢
女の子可愛い🩷
ビーハイヴなヘアスタイルなど
リアルで見た事がなかったので
ファッション面でかなり刺激を受けました。
個人的には
ミュージシャンとかと長年恋人関係になった事がある方には
なかなかビシビシくるものがあるのではと思いました😂
芸能人離婚あるある「性格の不一致(価値観の違い)」を描いた映画
最初は誰でもラブラブなんだよね。
でもスーパースターと普通の女の子が結婚したら普通こうなよね。
ていう内容だから半ば退屈になりました。
アンジャッシュの渡部さんのことを考えれば、離婚しない佐々木希さんの忍耐力はすごいと思わされた映画。
きれいに言えば
スーパースターの苦悩と普通の少女の嫉妬と孤独を描いた映画。
何だ、コレ?
ここで終わり? 薬物依存が進みドーナツの食い過ぎでぶくぶく太り、売れなくなって死んだエルヴィスが皆、観たいんじゃないのか? アメリカではまだ忖度の対象なの? 関係者絡みで仕方ないのか?
ケイリースピーニーキュートだったし、ソフィアコッポラの世界も気にならず来ていたのに・・とにかく残念。
淡い初恋を綺麗に描いている
プリシラの初恋の相手が世界的大スターのエルヴィス・プレスリーだったという話。
勿論実話なわけで、78歳になるプリシラさんは今も健在している。作品において強い拘りとも言えるのが、60年代から70年代に流行っていた当時のファッションを知ることが出来ると同時にエルヴィス・プレスリーをプリシラから見てどんな人だったのかが分かる内容になっている。
14歳のプリシラが常連として通うダイナーで当時兵役の為に西ドイツに滞在していたエルヴィス・プレスリーのパーティーに参加すると、大人びた封墓かは気に入られパーティーがある度に呼ばれるようになると二人の関係は親密になっていく。
14歳の淡いピンク色の初恋を監督のソフィア・コッポラが良い感じに演出している。
本編では、プリシラのエルヴィスに対する恋心を決して忘れることなく結婚に至るのだが、プリシラは結婚を機に変わってしまったようにも見えた。
というのも、結婚してすぐ娘のリサが産まれるのだが、リサの誕生がキッカケで独立せねばとなったのかもしれない。プリシラのエルヴィスに対する苛立ちも心底煮え滾っていたのだろうが、やはり薬に頼ってでもというのは見ていて宜しくない。
小心者で気の短いプレスリーが大スターとして成功するには常に薬がないと駄目なぐらい、本当の姿はスターとして生まれるべき逸材だったというより持ち前の社交性や才能でしかなかったと思われる。
ファーストシーンのプリシラの表情!
あれが凄くよかった。あのテイクは監督の「どうだ!」と言わんばかりのシーンだったね。
だから期待して観てたんだけど。
プリシラがエルヴィスの所へ行くまでは良かったけど、そのあとはずっとモヤモヤする表情のプリシラのオンパレード。まあ、表と裏を描きたかったんだろうけどね。変にみんなではしゃぐシーンとかが長かったなあ。
逆に後半のシーンは切り貼りのようにフェードアウトを使いすぎで一本の流れになってなかったなあ。ここら辺はこの監督のよくない所だよね。なんてったって英語を話すマリーアントワネットを描くくらいだから。
ラストシーンも何が締まりがないというかね。観ていくうちにどんどん星が減ってきた感じかなあ。ポイントで鑑賞したからタダだったけど。
でもアングルとかは女性らしい細やかさあったし、キャスティングも良かったよ。主役の2人が美男美女なのも上手いよね。
プリシラを初めて知った
14歳の少女プリシラは既にスーパースターだったエルビス・プレスリーと西ドイツで出会い、恋してしまった。しばらくして、彼女は高校在学中に、両親の反対を押し切って、メンフィスの大邸宅でエルビスと一緒に暮らし、これまで経験したことのない華やかな生活を送ることになった。プリシラにとって、彼のそばで一緒に生活し、彼の希望通りの女性になることを目指し、8年の交際を経て結婚、娘の出産、そして離婚、まで、彼女の回想録を基にした作品。
プリシラ役のケイリー・スピーニーがちっちゃくて可愛くて、エルビスに対する気持ちの変化を素晴らしく演じていた。
エルビスを演じたジェイコブ・エロルディが外見がよく似てて、演技も良かった。出来たら何曲か歌も聴きたかった。
でも、作品を観るまでプリシラを知らなかったのだが、スーパースターを好きになって結婚出来ただけでも幸せだったように思った。それと、やけに身長差が有るな、と2人の俳優の身長を調べたら、196cmと155cmと、40cm以上有るみたい。実際のエルビスとプリシラは182cmと162cmの20cmらしいので、誇張し過ぎのようにも感じた。
素敵な腰に御加護を
2024年映画鑑賞29作品目
4月27日(土)フォーラム仙台
会員料金1500円
監督と脚本は『マリー・アントワネット』のソフィア・コッポラ
『ゴッドファザー』シリーズ『地獄の黙示録』で有名なフランシス・コッポラの娘
粗筋
時代は60年代
スーパースターのエルビス・プレスリーが兵役で西ドイツに勤務していた
ヒロインのプリシアの父は軍人で彼女もまた父の転属でテキサスから西ドイツに移住していた
エルビスの知人の軍人の斡旋でプリシアはエルビスのホームパーティーに招かれた
一目惚れしたエルビスはプリシアの両親に挨拶に訪れ交際を許すよう求めた
なんやかんやで2人は交際が始まりやがて結婚し女児が誕生した
エルビスはプリシアを束縛し時には暴力を振るうようになった
プリシアは離婚を決意し1人で車を運転し屋敷をあとにした
ドキュメンタリーとか伝記映画を好む傾向が強いビビさんにお勧めしたい
2人の出会いはプリシアが15歳の頃
9年生だから中学3年生
まるで三船美香
『ラマン 愛人』を思い出した
でもそんなにエロくはない
そういえば鳩山邦夫代議士の妻はリカちゃん人形のモデルになったことでも有名な元子役タレントのエミリーさんだがプロポーズされたのは14歳で相手は大学生だった
まあ別にいいけど
ヤフコメ民みたいな頭の硬い人じゃないんで
プリシア役のケイリー・スピーニーが白人女性のわりにあまりにも小柄なため幼く見えるが25歳
エルビス役のジェイコブ・エロルディが特殊メイクを施したのか本人とそっくり
赤ちゃんが笑顔でバイバイするのが微笑ましい
時折古めかしい赤茶けた映像を挿入される
当時の本物の映像なのかわざとそんな感じに加工したのかよくわからない
ラストは自立するプリシア
ちなみに幼い娘はエルビスの元に置いてきた
たしか中学生の頃に初めてVHSで『クレイマー・クレイマー』を観たがその時なんで母親は子供を置いて家出したのかと疑問に思った
子供が可愛くないのか?冷たいなと思ったもんだ
ところがそうじゃなかった
海外ではそれが当たり前であり日本だけが異常だという記事を読んだ気がするがまあそうだろう
国際結婚が増え母親による子供の誘拐が頻発し国際問題になり左翼弁護士らの反対を押し切り日本の法律が最近変わった
本来なら旧態依然な日本の保守層を打倒し国際協調で改革を推し進めるのが左翼の役割なはずが日本の左翼は世界的にも見てもおかしい
日本では子供は母親が育てるものでありそれは男性側のエゴだけではなくそれが女性にまで浸透しているからだろう
子供は母親の所有物であり母子無理心中も日本ならでは
子供を個人として1人の人間として尊重されていないからだ
左翼弁護士の一部は子供は0.5人だから死刑は回避と主張するろくでなしもいるくらいだから
それもこれも外圧によって日本人の考え方もやがて変わるはずだ
カリスマに翻弄される少女の成長
米国版の「葵の上」とでも言いましょうか、時代のスターに見そめられ、その男の好み通りに育てられ、翻弄される少女の話でした。
何よりもケイリー・スピーニーさんの美しさに驚かされます。清楚ながら芯の強さを感じさせる少女時代。成長し、同居してだんだんとケバくなり、プレスリーとも衝突し始める青年期。そして子を産み、母として、大人の女として自立するラストシーン。
様々な時期の様々な美しさを見事に表現されていました。
描写が淡々として、テンポも速いため、作品の流れについていけなくなるタイミングもありますが、見応えのある作品でした。「エルヴィス」を見てないので、そちらにも興味を持ちました。
妻=ペット!?
2022年公開の『エルヴィス』とは全く違った切り口で、
プレスリーの妻プリシラとプレスリーを描いていて、非常に興味深かったです。
ケイリー・スピーニー演じるプリシラの14歳時のかわいさがハンパない!
冒頭はその初々しさが見惚れるくらいにかわいいので、
プレスリーに気に入られ、また、プレスリーを好きになっていく様は、
なんかおもしろくなかったです(笑)
というのも、プレスリーはやっぱりスーパースターですし、
女性関係も派手だったと思われ、
プレスリーの家に住むようになったプリシラは
もはやペット状態のように、家から出ることができなくなるんですよね。
それって幸せなのかな!?というくらいキツい。
でも、プリシラはプレスリーが好きだから、きっと我慢というか自分の気持ちと折り合いをつけながら
ずっと一緒にいたんだろうと思うんです。
ただ、こういう状態になることを、プリシラのご両親は最初からわかっていたというか予見していたのでしょうね。
「あんな男」的な発言を父親がするのですが、プレスリーの本質を見抜いていたものと愚考します。
プレスリー好みの服装や髪型、メイクをすると、私としては好みではなく、
やはり冒頭のプリシラがダントツにかわいいわけです。
このあたりのプレスリーのセンスなのか時代がそうさせているのか、好きになれませんでしたね。
最後の別れのシーンは、
曲の歌詞もマッチしていて、プリシラはプレスリーのことを想っているがゆえに去ったのだということがわかります。
なんて切ないのでしょうね。
やるせない気持ちになりましたが、映画の中のプリシラには幸せになってほしいなと思いました。
今後のケイリー・スピーニーに期待しています。
年齢差と身長差
ストーリー的には想像通り。
エルビスのスター性や彼自身にはあまり触れておらず。
終わり方が唐突で物足りないくらいなのはこの監督らしさ…?
プリシラが可憐で可愛い。
14歳の少女から大人になるまでの姿を見事に演じていたと思う。
二人の身長差もすごい、小柄な方なんですね。
眼福歳の差カップルの出来上がり〜♬
ごめんなさい!トレイラーが解禁されるまでの間、「プリシラ」とはかの有名なKing of Rock 'n ' Rollのエルヴィスの元嫁とはつゆしらず、てっきり昔ミュージカルで観たドラァグクイーンの「プリシラ」だと思いこんでいました、すみません。いざ予告が解禁されるとなんとも可愛らしいケイリー・スピーニーちゃんとイケメソ度合いハリケーン級のジェイコブ・エロルディの眼福カップルに目が釘付け!まさにCan't take my eyes off of you!!(←エルヴィスもしっかりカバー♪)こ〜んなにも麗しくお似合いなカップルがいたら50s,60sだけでなく、現代いだって盛大にお祝いしちゃうって!!
ひょんなことからキングと出会ったプリシラは当時若干14歳。年齢が10も離れているうら若き少女をキングはちゃんと大切にしていたのね。彼女が大人になるまではプラトニックで。大切なのは体の結びつきではなく精神的な結びつき。うんうん、わかるわかる。遥か昔の自分がうら若き乙女だった頃の経験と照らし合わせても確かに同じような経験をしました。かなり年上のお兄さんとの精神的な繋がりがそこには確かにありました。二人だけの空間では年の差とかそういうの一切気にならない。ただ、二人がbondedと感じるだけだから。でもキングがお仕事をしているときとか、キングの同世代のお友達と一緒にいるときは同じ輪の中にいてもそのbondが感じられなくなって、少しずつ少しずつ自分の身が切り刻まれてしまうような寂しさを感じるのよね。そのうえキングの人が変わったりでもしたら、もう何を信じていけばいいのかわからなくなる。言うてもキングだって20代30代の若者でちやほやされまくりのスーパースターなんだからプリシラの成長とともに二人の間に歪みが生じてしまうのは極めて自然なことだったのかな。出来ることならプリシラ側だけでなく、エルヴィス側のアナザーストーリーも聞いてみたいし観てみたいんだけど、今となっては無理な話。ハッピーエンドと呼ぶには忍びない少女の初恋成長譚。
プリシラ、まだご顕在と知り、Google先生に聞いてみてご本人の画像を拝見。若いときの写真はめっちゃんこ綺麗!ビックリするほど綺麗!それなのに今は。。。ん?野村沙知代に似てる?かねてから思っていたんだけど、若いときにとびっきりの美人だった人が年を取ってからも綺麗さを維持できる人とサッチー化する人とに分岐させちゃう変数って一体なんなんだろうか。
ケイリー・スピーニーは素晴らしいが
バズ・ラーマン監督の「エルヴィス」を観たのが一昨年前。本作は妻であるプリシラから見たエルヴィスの物語。エルヴィス・プレスリーの表裏を観る感じだ。ところが、本作では潔いくらいにエルヴィスの曲を使わない(権利の問題もあるのだろうが)。ソフィア・コッポラらしく、当時の音楽をふんだんに使った映像は、これはこれで気持ちいい作り。
中学生のプリシラに言い寄ってくるエルヴィスは正直少し気持ち悪い。のちのち結婚しなければ大問題になりかねない。それでもプリシラ視点の物語だから、大スターが自分のことを好きだと言ってくれる高揚感はわかるし、自分が支えてあげたいと思う気持ちも仕方ない。
ただプリシラ視点だから、自分好みに変えようとしたり、急に激昂するエルヴィスが描かれる。少しもマザコン気味なエルヴィスは、プリシラに母親を重ね神聖化したのかもしれない。大事にするのと愛することは似て非なるものってことだ。終わり方も結構唐突だし、女性の自立を描いた感じも薄め。ストーリー的にはやや不満が残るものだった。
それでもプリシラ役のケイリー・スピーニーが素晴らしいのでそこまで低い点数にはしなかった。中学生からの成長を演じきっていたのは見事。そしてエルヴィス役のジェイコブ・エロルディもいい。「エルヴィス」のオースティン・バトラーよりも似ていたし雰囲気がよかった。
推しと結ばれたオタクは幸福になれるか
本作、韓国発ドキュメンタリー映画『成功したオタク』の姉妹編として観るのが、結構正解なのかな、って気がします。
すでに21歳にして全米第1位のレコード売上を記録したビッグスターであったエルヴィス・プレスリー(1935-1977)。
1958年、23歳にして徴兵を受け、陸軍兵士として西ドイツの米軍基地にて2年間の軍務をつとめていた。
1959年、そのエルヴィスと会えるパーティに来ないか、と彼の米軍の同僚に誘われたのが、空軍将校ポール・ボーリューの娘プリシラ(1945- 1977)。
※ただしポールはプリシラの母の再婚相手
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【以下ネタバレ注意⚠️】
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もともとファンだったプリシラは、実際に会えたエルヴィスに夢中に。
エルヴィスの方も、プリシラにぞっこん。
満期除隊して帰国すると、ポールら反対する両親を説得して、メンフィスの大豪邸にプリシラを引き取り、生活を共にすることになった。
家には常に自分の父親がいて厳しく管理するし、カトリックの学校に通わせるから、と。
共同生活を始めてみると、意外なほど、エルヴィスは禁欲的。
プリシラの方から求めても、まだその時ではないと関係を進めようとしなかった。
ついに二人が正式に結婚したのは、出会って8年後の1967年。
その9ヶ月後には、早くも、一女、リサ・マリー(1968-2023)が誕生した。
しかし、エルヴィスは、相変わらず、妻を家に残して、ツアー先やハリウッドで浮名を流すことを辞めない。
おまけに、ドラッグに依存したり、宗教本に夢中になったりすることにも、プリシラは付いていけなくなる。
1973年、プリシラはエルヴィスのもとを去り、その秋、正式に離婚した。
‥‥とまぁ、現在も活躍している、プリシラ・プレスリーの『私のエルヴィス』(1987年)をもとに、ソフィア・コッポラが映画化。
だから、ほぼ完全に、「プリシラ目線」でエルヴィスの姿も描かれている。
Wikipedia の「エルヴィス・プレスリー」だけ見ても、二人の離婚前に、プリシラの不倫があったと書かれているが、本作では、その点には一切触れていない。
そもそも、本作のエルヴィス役、ジェイコブ・エロルディは、背だけはやたら高いが、歌やパフォーマンスを披露するでもなく(一応それらしいシーンはあるがジェイコブが実際歌っているかは分からない感じでボヤかして映すだけ)、プレスリーの代名詞とも言うべきエロティックな色気は全然感じさせない、実につまらない男だ。
ロックンロール・キング、ビッグスターとしてのエルヴィス・プレスリーを知りたければ、じかに楽曲や本人の映像なり、別の映画を観てよ、ってことのようだ。
プリシラを演ずるケイリー・スピーニー、2018年に18歳で映画デビューとのことだから、今年23歳だろうか。
やたら背が高いジェイコブに対して、ケイリーは女性としても、かなり背が低い。
本当にJK、女子中学生のように見える。
美貌というより、可憐な可愛らしさが何より魅力的だ。
その幼い美少女にしか見えないケイリーが、いくら「推し」からの誘いだからといって、独占欲の塊のような大男に自宅という名の牢獄に監禁され、アルバイトをする自由さえ奪われている様子は、あまりにも残酷で見ていられなかった。
おまけに、エルヴィスは、流行の最先端か知らないが、プリシラを自分好みの女にするために、着せ替え人形よろしく、髪の色、ヘアスタイル、ファッションと、身にまとう全てのものをお仕着せして来る。
可憐で可愛らしかったプリシラが、似合わないケバい姿に変わって、次第に生気が無くなっている行く様を正視できなかった。
エルヴィスの偽善的なクズ男ぶりも相当なもの。
ダメ男が、成長前の無垢な少女をとらえて、昆虫採集のように、そのまま自分の檻に囲う。
『源氏物語』の「若紫」以来、洋の東西を問わず、繰り返されてきた男性による女性への迫害の典型的な形ではあろう。
しかし、実際に、子どもにしか見えない若い女優ケイリーが、身勝手なエルヴィスの動く着せ替え人形にされているのは見ていられなかった(同じことの繰り返しばかりにてスミマセン)。
ところが、リサが生まれてから、二人の進む道は、ハッキリと分かれていく。
プリシラは、女友達と自由に過ごす時間が増え、自ら車を運転する。
その顔は生気を取り戻し、化粧もファッションも、ナチュラルな身の丈にあったものに変わっていた。
エルヴィスの方は、ラスベガスのステージを、ドラッグ中毒でラリったまま、つとめるようになり、プリシラからの別れの言葉も夢うつつの状態で受け流すしか出来なくなっていた。
本作のラストは、そんなエルヴィスに未練を見せることもなく、自らハンドルを握って、どこかに向かうプリシラの横顔を映して終わる。
‥‥つまり、本作は、エルヴィス・プレスリーの伝記でないことはもちろん、プリシラの伝記でさえないのだ。
ついつい「推し」と結ばれる、という夢の実現にのみ思いを託した少女。
彼女は、果たして幸せになれるか、その一点のみを描こうとした作品なのだ。
結果はあまりにも悲惨で残酷。
その地獄から逃れるには、自力で脱出するしかないのだよ、
それがソフィア・コッポラの言いたいことだったはず。
そう考えれば、言いたいことは、伝わる映画ではあった、
ってなところかな。
それ以上は何もない、ってか。
そうそう、開幕冒頭は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の編曲版でしたね。
ベガスのステージで使っていたリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」みたいに、これもエルヴィスゆかりの曲なのか知らん。
※本作、プレスリー財団からの許諾が得られず、エルヴィスのオリジナル楽曲は使用してないとか
エルヴィスの裏の顔
うーん切なかった!世界が羨んだプリンセスなのに、エルヴィスの身勝手さや苦悩の裏で幸せを掴むことができなかったなんて。
エルヴィスといううレジェンドを決して好意的には描かず、リアルな弱さを徹底的に見せつけるのがよかった。自分好みの女を手に入れたい幼稚で身勝手な男は、皆が知らない裏の顔。幼い頃からグレースランドに移り住んだプリシラは、そんなエルヴィスとショービジネスの世界に翻弄されるのが辛い。
ソフィア監督は、女性たちの心情に寄り添うのが上手い。男たちの中でプリシラの気持ちを繊細に描くのは、彼女の真骨頂だ。持ち味の映像美とファッション、時代性のリアリティも素晴らしい。時間を飛び越える編集の英断も冴えているなぁ。
プリシラを演じるケイリー・スピーニーはべネチア国際映画祭で最優秀女優賞に輝きましたね。キュートさと繊細のバランスがとっても良い。ジェイコブ・エロルディばエルヴィスにそっくりで雰囲気あるけど、ちょっと背が高すぎてプリシラとのバランスが気になりましたよ。
エルヴィスを描いた映画は数あれど、プリシラ側からの視線は初めてかも。全てを手にした夫婦の苦悩と葛藤は、昨年オスカー候補になった映画ELVISでも描かれました。リアルなエルヴィスとプリシラ像は、対照的なこの2本で見事に完結しましたね😊
プリシラ Part2は?
オースティンバトラーの「エルヴィス」と対で観るとかなり興味深い。
あのスーパースターの素顔はこうだった!というゴシップ的見方が楽しめる。
二人の最初の出会いに至るまでが唐突に見えるのだがなにか端折っている?
エルビスは当初から薬に依存し不安定。後の諸々の崩壊を匂わせる。
なぜプリシラを選んだのだろう。亭主関白気質だから年下に惹かれた?
それなりに幸せそうな時期もあったが結婚するまでの期間が妙に長く、
いざ一緒になった時にはかなり冷めてしまっていた印象。
結婚後はすぐに妊娠して薄情なエルビスにほったらかしにされる。
曰くありげに銃が度々登場したので、どこか修羅場で使うのか思いきや、関係なし。
エルビスに別れを切り出しても案外あっさり離婚。
プリシラ本人が製作総指揮しているから綺麗目に収めた?
どうも全体的にはサラッとしていたので映画的にはもう一山欲しかった。
離婚後、一転して数多くの愛と別れを経験し、女優に実業家に盛り沢山の人生に突入するプリシラ の映画Part2を勝手に希望。
◆◆◆◆◆◆◆◆
ちなみに、どうしても気になったのがエルビスとプリシラの身長差。
実物同士は20㎝程くらいだが、この映画では40㎝近い。
エルビスは大きすぎ、プリシラ小さすぎ。
プリシラは最初から大人達に囲まれて文字通り背伸びをしていたが、成人してさらに化粧がきつくなる一方で声は幼いのでなんだか痛々しい。顔はとても可愛く美しいが。
エルビスは顔も声も雰囲気も本人そっくり。この点は良かった。
なぜか一番心に残ったのはいよいよ産気づいて病院いくぞ!となった時に
ゆうるりとつけまつげを付ける場面。
プレスリー役はまあ似ていて良い
「エルヴィス」は見てないので、残念。いつか近いうちに見比べたい。
スーパースター・エルヴィスに見初められたプリシラが、エルヴィスと出会ってから別れるまでの話。
大スターの家族に焦点を当てるのは、なかなか面白かったです。
私がこの子の親でも、交際の時点からやはり反対するでしょう。
普通の高校生の暮らしじゃないし。
黒髪似合ってないし、薬すすめないでー。
派手で裕福な暮らしが必ずしも幸せではなく、自分の願いは抑えられ、第一、一緒にいられない事も多くて、常に共演女優との仲を心配したり、不安と孤独がプリシラにつきまとう。
でも、知り合ってから結婚までは意外と長く、幸せな時も多くあったのでしょう。
ケイリー・スピーニー、とてもキュートでした。
さっぱり面白くなかった
プリシラがドイツにいる頃がとてもかわいくて魅力的だったのにアメリカに行ってから、ちんちくりんな割にケバくて変な髪型で圧が強い装いになる。プレスリーの曲がさっぱり流れない。挙句にエンディングではホイットニーヒューストンの曲が流れて変な感じになる。さっさと結婚するかと思ったら全然しなくて終盤にやっとする。それまでプリシラが性欲を持て余してむんむんするばかりで気の毒だった。よく同じベッドでやらずに済んだものだ。
さっぱり盛り上がらないまま気の毒な女の半生を見せられた。
ソフイア・コッポラ作品の新星登場
本作で気になるのは、エルビス・プレスリーの周囲でいつも行動する5人のマネージャーらしき側近たち。
エルビスもそうだが、陽気ではちゃめちゃでお騒がせなヤンキーたち。品のかけらもないお祭り屋たち。
その破天荒な男たちの中で、折り合いをつけながら居場所を確保するプリシラ。
その派手なパーティーの連続の様子が、なぜかソフイア・コッポラの『マリー・アントワネット』の原色で濃厚な映像を彷彿とさせる。女には仕事をさせない、という男社会。プリシラは、エルビス軍団の偏見と差別を、心の闇を抱えながら、見事にかわす。
プリシラを演じたケイリー・スピーニーがとても魅力的だ。彼女の離婚後の転身ぶりは描くことなく、エルビスと共に暮らした時代だけをあえて描いたコッポラの思惑に、見事応えているように思えた。
キルステン・ダンスト、スカレット・ヨハンソン、エル・ファニング。コッポラ作品に欠かせない妖艶な女優たち。その一人に加えるに足る新星登場である。
全105件中、21~40件目を表示