オッペンハイマー

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劇場公開日:2024年3月29日

解説・あらすじ

「ダークナイト」「TENET テネット」などの大作を送り出してきたクリストファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。2006年ピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。

第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。

オッペンハイマー役はノーラン作品常連の俳優キリアン・マーフィ。妻キティをエミリー・ブラント、原子力委員会議長のルイス・ストロースをロバート・ダウニー・Jr.が演じたほか、マット・デイモン、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーら豪華キャストが共演。撮影は「インターステラー」以降のノーラン作品を手がけているホイテ・バン・ホイテマ、音楽は「TENET テネット」のルドウィグ・ゴランソン。

第96回アカデミー賞では同年度最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞を果たした。

2023年製作/180分/R15+/アメリカ
原題または英題:Oppenheimer
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2024年3月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第48回 日本アカデミー賞(2025年)

受賞

最優秀外国作品賞  

第96回 アカデミー賞(2024年)

ノミネート

助演女優賞 エミリー・ブラント
脚色賞 クリストファー・ノーラン
美術賞  
衣装デザイン賞  
音響賞  
メイクアップ&ヘアスタイリング賞  

第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) キリアン・マーフィ
最優秀助演男優賞 ロバート・ダウニー・Jr.
最優秀監督賞 クリストファー・ノーラン
最優秀作曲賞 ルドウィグ・ゴランソン

ノミネート

最優秀助演女優賞 エミリー・ブラント
最優秀脚本賞 クリストファー・ノーラン
シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞  
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映画レビュー

3.5 二面性で描く、「揺らぎ」のオッペンハイマー。

2025年8月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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共感した! 1件)
すっかん

4.0 戦争の不安が高まっている今だからこそ見てほしい

2025年8月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

明日は終戦記念日ということで鑑賞。
本当に原子爆弾を投下しなければ第二次世界大戦は終わらなかったのか。私は小学生の頃からずっと考え続けている。

様々なドキュメンタリーや戦争映画を見てきた。けれどいまだに答えは見つかっていない。そしてこの作品を見終わった今も、答えは出ないでいる。
ただ私たちはこの経験から、原爆を落とさずに終戦させる手立ては本当になかったのかということを、今現在も戦争をしている国があるからこそ、考え続けなければいけないと思っている。

オッペンハイマーのような科学者たちが、人類の進歩や発展に大いに貢献してくれてきたことはわかっているし、彼らがいなければ今のような便利な世の中になっていない。
けれど、その類まれなる知識や頭脳は、時に大量殺戮兵器を産み、一瞬にして地獄と化す力を生み出せることも事実だ。

原爆実験が成功し喜ぶ姿、広島に落とされたと聞いて喜ぶ姿、原爆の被害を知っている日本人にとっては、言い表せない不快感と嫌悪感が込み上げてくるシーンで、思わず悔し涙が出そうになった。

私は過去のノーラン作品は正直あまり刺さらなかったけれど、知識がある程度もっていたからか、過去一見やすかった。
ただ、ここらへんの歴史が疎い方にとっては、少々難しくわかりづらい内容になっていたと思う。ここが賛否わかれるところだなと思った。

また実在の人物に対して、第三者が本人の知らないところで原爆に対しての解釈を述べるのは、アメリカで原爆は正しかったと思っている人の反感を買ってしまうものになるとは思うので、個人的にはもう一歩踏み込んだ彼の戦後の苦悩や内面を描いて欲しかったけれど、難しかったのだろう。
シュミレーションをはるかに越えた、実際の原爆被害者数を初めて知った時のリアクションとか見たかったな…。
この作品を見て、改めて北風と太陽の物語のように、強い武器を持てば抑止力になるという考えは諸刃の剣で甘いと感じた。

人によっては分かりづらさや難しさはあるだろうけれど、過去の歴史を振り返え、考えさせられる良作だった。

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AZU

4.0 忘れてはいけない日

2024年11月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

日本では公開前から様々な議論がうまれた作品、私としては待ちに待った公開だ。
今日で公開2日め。これからも様々な意見や議論が出てくるだろう。結論からいうと、それこそがノーラン監督の狙いであり願いなのではないだろうか。
広島、長崎の22万人をこえる犠牲を経験した唯一の戦争被爆国である日本に生まれ育った人こそこの作品を観て賛否議論する意味があるのではないだろうか。

私の母は1945年8月8日生まれだったからか、8月6日と8月9日の式典の日は必ずテレビの前に私達姉妹を座らせた。広島、長崎とも母に血縁はいないが彼女なりの「語り」だったのだろう。

劇中に「世界が忘れられない日となる」とあったが(トリニティを指していたのか広島を指していたのか忘れたが)、この作品一番の皮肉なセリフだと思った。この日本においてすら「忘れられない日」もそれが何をもたらしたのかも「忘れてしまいつつある」からだ。そんな今、この作品を日本で公開する意味はあると思う。

2024年を生きる私たちは戦争被爆のことを語り継がれたものでしか知らない。でも、その「語り」を知っているからこそこの作品を多くの視点から評価できるのだと思う。

この作品はオッペンハイマー博士の自伝映画であるので、原爆が主題ではない。しかし、原爆の父となり神話ではなく現代のプロメテウスとなってしまったオッペンハイマーの苦悩は未だ戦争の無くならない今を生きる私たちが想像力をもって向き合うべきものだと思う。

私は終演後しばらく腕組みをしたまま立ち上がることを忘れていた。

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イズボペ

3.0 『オッペンハイマー』でわかった僕がノーラン監督を苦手な理由

2024年7月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 22件)
宇部道路