「彼はサイコパスではない」月 いつこさんの映画レビュー(感想・評価)
彼はサイコパスではない
当時は衝撃的なニュースだった。フィクションとはいえこの映画を見たことで、少しその内面が見えた気がした。実際の犯人はどうなのか。事件の概要を見ると、再現できうるところは結構忠実にやってるようにも見える。真面目だからこそ、信念があるからこそ、そういう行動に出てしまった。利用者を邪険に扱って鍵をかけたり、てんかん発作を起こさせようと懐中電灯で遊ぶあの若者たちの方がよっぽど悪人に見える。恐ろしい。必死で止めようとも、言い返せない。そうかも、とちょっと思ってしまう自分がまた恐ろしい。だってあんな光景を目の当たりにしてしまったら。どうしようもない現実を見てしまったら。でも残された家族の思いを感じたらどうか。やはり親にとっては大切な子供だ。
その親はここにしか預けられないから仕方がないと言った。やはりこの問題は根深い。彼らを良い環境に生かす社会的な手助けが必要。閉じ込めるのではなく、ほったらかしにするのではなく、何か手立てはないのか。日本の態勢を思う。
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