ロスト・キング 500年越しの運命のレビュー・感想・評価
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フィリッパのインスピレーション
彼女のひらめきがなければ、きっと見つからなかった‼️
そんな気がします。
普通の主婦で2人の息子の母親にして、歴史マニアの
フィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンスに)。
彼女が1988年に読んだリチャード3世の研究書はシェイクスピアの描く
冷酷非情なリチャード3世とは真逆で国を思う愛に溢れた
リチャード3世像が書かれていた。
そして息子と「リチャード3世」の舞台を見てすっかり
リチャード3世にハマりの虜(ファン)になる。
更にフィリッパにはリチャード3世の幻(おすがた)が見えて、
会話をするようになる。
(これは多分、映画として脚色です)
フィリッパは考える。
1、冷酷非情に伝えられてる間違ったリチャード3世の真実の姿。
2、遺骨を発掘する。
3、国王として立派に埋葬する。
4、名誉回復
フィリッパの霊感のことは書きましたが、15世紀に教会に埋葬されてきた
リチャード3世の遺骨は、教会立て直しの際に行方不明になる。
川に投げ捨てられたとの説が有力だった。
しかしフィリッパは遺骨は必ずあると信じていた。
コツコツと調査をはじめる。
川に捨てられたと言う教会の跡地は駐車場に変わっていた。
しかしその跡地の場所に立つと、
なんとも言えない波長のようなものを感じて打たれる。
ひとりの平凡な主婦が歴史的な真実を掘り起こした真実の物語。
途中からトレース大学がフィリッパの手柄を横取りしたり、
過酷な立場に立たされるものの、功績を認められて受勲する。
運と勘と粘り、そしてリチャード3世への愛。
研究者よりも1人のファン的なアプローチが親しみある
素敵な映画でした。
それにしても英国王室の葬儀は映画のように美しい。
エリザベス女王の葬儀が行われたWestminster教会。
リチャード3世の葬儀はレスター大聖堂。
映画でも言及していたが、葬儀ではベネディクト・カンバーバッチの
詩の朗読があったそうだ。
他に映画で美しいと感じた葬儀は
「ブラックパンサー/ワガンダ・フォーエバー」。
この葬儀は実質的にはチャドウイック・ボウズマンの葬儀だから、
特別だった。
織田信長の遺骨を見つけて壮大な葬儀をしてみたいなどと
想像したくなるファンタスティックな実話映画だった。
一念岩をも通す
TOHOシネマズシャンテで「ロスト・キング-500年越しの運命-」を。
一般主婦が、2012年まで500年も見つからなかったリチャード三世の埋葬場所を見つけた実話の映画化。
仲々面白いドラマだった。最初、遺骨探しを馬鹿にしていた大学が、遺骨が出たら権威丸出しになる様は朝ドラ「らんまん」でも見たばかり。
彼女にしか見えないリチャード三世が登場し、場所を示唆するのが面白い。
彼女は、さまざまな困難を乗り越えて、とうとう埋葬場所を見つける。まさに主婦の「一念岩をも通す」だ。
タイトルにもあったIt's a true story. Her story.だった。
余談・彼女が墓探しに夢中になっている間に元旦那と息子達が見に行く映画が「007スカイフォール」だった。映画を見た後で
弟「殺しのライセンスって、どうやって取るの?」
兄「申込み書を書いて、金を払うのさ…ハハ」
リチャード三世の遺骨を発見した「主婦」によるドキュメンタリー
ロスト・キング 500年越しの運命
神戸新開地にあるパルシネマしんこうえんにて鑑賞 2024年1月22日
フィリッパ・ラングレーが2012年にリチャード三世の遺骨を発見した実際の出来事を基にしたヒューマンドラマ。
二人の息子の母であるフィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンス)は職場で上司に理不尽な評価を受けているが、
別居中の夫ジョン(スティーヴ・クーガン)からは生活費のために仕事を続けるよう促され、苦悩の日々を過ごしていた。
ある日、息子の付き添いでシェイクスピアの『リチャード三世』を観劇したことで、彼女の人生は一変する。シェイクスピアの史劇により冷酷非情な王として名高いリチャード三世。しかし本当にそうなのかと疑問を抱くようになり、真の姿を明かそうと遺骨探しをやっていく。
フィリッパは「情報を集めようとしたとき、資料が散り散りになってしまっていると知ったわ。調べていくうちに、リチャード三世がレスターにある今は大聖堂となった聖マーティン教会の向かい側に埋葬されている可能性に辿り着いた。そこで私は直感的な体験をした。何かが足を伝って上がってくるような感じで、だんだんと強烈さを増して、気を失いそうになった。なぜかリチャード三世のお墓の上を歩いているような感覚になり、足元を見ると予約専用駐車スペースの舗装に英語の“R”の文字が目に入ってきたの」。
実際に発掘となるとお金がかかるが、クラウドファンディングで大成功となった。
リチャード三世の亡霊が現れて フィリッパと寄り添いながら話はすすんでいく。
このあたりにある「リチャード三世の亡霊」のやさしさが印象的でした。
実際に遺骨は発見された。検査の結果、2013年2月4日レスター大学によって「リチャード三世」であると特定された。
すばらしい作品で感動しました。
義憤によって導かれた奇跡の物語
正当に評価されなかった人たちの、回復のはなし
リチャード3世の遺骨発見という偉業を成し遂げたのは、実はひとりの在野のリチャード3世研究家の中年女性だった、華々しく自らの功績として発表したレスター大学ではなく。
(レスター大学は、発掘や分析という専門性のあるところを担ってはいるが、プロジェクトの発起人であり、発掘すべき場所を特定し、発掘のために奔走し、資金集めまでしたのは彼女で、許認可等のために便宜上の主体者はレスター大学だったかもだが、レスター大学は彼女をスルー、事実上功績を横取りしたんですよ!)ということを、世に知らしめる。これがこの映画のキモだったのではないかと思った。
ラストにフィリパが言ったように「正当に評価されなかった人たち」が回復される物語だったと思う。
エンドロールで、フィリパの功績が王室に認められたようなのを確認して溜飲が下がった。(下がったのはおそらくレスター大学の評判も。)
大きな力をバックに他人の実績を横取りする行為はよくあって、取られたほうが泣き寝入りになるのがほとんど。そういうものを許したくない、一矢報いたいという反骨精神みたいなものを、この映画から感じました。
しかもこれ、英国国営放送、BBCの制作、という。
サリー・ホーキンスは儚げでエキセントリックで、浮世離れしているような感じがあり、半魚人とかリチャード3世のイマジナリー・フレンドとかと親しくても違和感がない。
内向的で他人に対して控えめ、弱気なようだが、他人が絡まない自分の世界がその分強くて、それが偉業を成し遂げる原動力になったよう。
(イマジナリー・フレンドのリチャード3世は、彼女の重ねた思考を整理したり、意味づけたり、次の行動を示唆したりと、おそらく彼女自身の脳内活動が、リチャード3世の姿で出現したものと思う。)
フィリッパがリチャード3世にハマったのは、多くの共通点があって、リチャード3世の名誉回復に自らを重ね合わせたようなのがよく分かって説得力があった。
離婚したが結局戻ってきた元夫、そして二人の息子たちの温かさが心地よく、家族の物語でもありました。
イギリスは、種々、アマチュア研究家に伝統があり、層が厚いようで、時には専門家も及ばないような歴史的偉業を成し遂げることもあるというのが面白い。
階級社会がゆえに、専門の研究職につくなどありえないが知識欲を満たしたい人たちが多いのかも。会合などは、参加者はフラットな関係のようで、そこも良い。日本だったら上下関係や序列ができがちですよね。
そして、趣味や推しへの情熱は何よりも強し、と実感しました。
至極の推し活
王の導きは"現実"に存在したのかもしれない
遺骨を発掘できた奇跡的な現実と、
個人より組織が手柄を独占する報われない現実が、
ない交ぜになっていてモヤモヤする進行だった。
でもノンフィクションだから仕方ないという諦めと同時に、つまり遺骨を発見した現実も真実なんだという納得感が良かったです。
現実のフィリッパさんは幻想を見たり話したりしていないでしょうが、それでも何かしらリチャード三世の導きを得て発掘に至ったんだろうなあとしみじみ感じました。
現代まで執念を残した王様が平凡な主婦と特別な繋がりを得て自分発見の手助けをしろと命じる…。なんかイマドキの転生物語みたいですね。
周囲から熱い協力を得てチームワークで…!みたいなノリはないのですが(ほんとリアル)、家族との温かな繋がりがほっこりして泣けました。
お母さん愛されているね…
おばちゃんも嬉しいよ…
わし他人だけど…
推し活は楽しい♥️
「究極の推し活」🤩
フィリッパ(サリー・ホーキンス)が仕事を
辞めてまでのめり込んだ理由が
シェイクスピアの観劇とは思えないのだけども
何事も確固たる意思のもと行動すれば
思いは伝わって、物事は動かせるんだって
希望をもてる感じだけど
結構ご都合主義だなぁとも思う(笑)
そんな邪な思いはその辺に捨てて観れば
微笑ましさと、頑張れ!!って言う応援とで
胸熱くなりました😍
若かりし頃のイケメンリチャード三世が見えて、
会話もできるって言う設定は、ファンタジー過ぎて
フィリッパがメンヘラに見えちゃうのは観る人によっては批判的になりそう。
まぁ、ポスタービジュアルがあれなので予想は出来るけど🤣
終盤の大学側とのいざこざ
名声を欲しがるあいつムカつくーっ💢
わかってくれる人がいるならそれでいい。っていうきれい事は言いたくないわ、ったく😤
どこの世界にも成果横取り野郎はいる
500年にわたり行方不明だった英国王リチャード3世の遺骨発見の立役者となった女性の実話をもとにした作品。
フィリッパ・ラングレーは職場で上司から理不尽な評価を受けていた。ある日、息子の付き添いでシェイクスピア劇リチャード三世、を鑑賞した彼女は、悪名高きリチャード3世も実際は自分と同じように不当に扱われてきたのではないかと思い、書店にあった彼に関する本を全て購入し、彼の研究にのめり込んでいった。1485年に死亡したリチャード3世の遺骨は近くの川に投げ込まれたと考えられてきたが、フィリッパは彼の汚名をそそぐべく遺骨探しを開始した。そして・・・という話。
500年も前の遺骨発見、それもほんのちょっと駐車場を掘っただけで見つかったのが事実なら、相当運も良かったんだろうと思った。
フィリッパは職場で理不尽な人事を受けたが、シェークスピア劇を観たのをきっかけに、リチャード三世の遺骨を探そうとし、お金集めからがんばり、ついに遺骨を発見出来たら、レスター大学に成果を横取りされ、気の毒だなぁ、と思ったし、どこの世界にも横取り野郎はいる、と腹立たしかった。
それでも、ちゃんと見てる人はいて、女王から表彰されたりしたようだから、良かったと思う。
これ意外と最近の出来事で、2012年の事らしい。日本で1485年と言えば、本能寺の変から3年後。織田信長の遺骨が発見されたくらいの衝撃なのだろうか。
織田信長ほど特筆されるほどの人物ではないのかもしれないが、イングランド国王だし、川に投げ捨てられた訳じゃないということまでわかったのだとしたら、イギリス王室としてはものすごく重要な発見で、日本での織田信長以上だったのかもしれない。
こういう史実を知るきっかけとなった本作、知的好奇心からも興味深く面白かった。
【”障害や病気による人格や能力を低評価するのは間違っている。”せむしであった事により、簒奪者の悪王とされていたリチャード三世の遺骨を、自らも障害を持つ女性が発掘するファンタジック要素も絡めた物語。】
ー 今作でも描かれているように、リチャード三世は1485年にボズワースの戦いで戦没したヨーク朝最後のイングランド王である。
その後、シェイクスピアの戯曲によりヨーク朝の後のテューダー朝の敵役として、稀代の悪王として500年もの間、簒奪者として誹られて来た。
だが、今作でも登場する”リチャード三世協会(リカーディアン)”と呼ばれる人々も、全世界に居たのである。
そんな中、フィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンス)は持病である筋痛性脳脊髄炎を理由に、職場で正統な評価を得られないでいた。
シェイクスピア劇を偶々観た彼女は、自身とリチャード三世の不当な境遇を重ね合わせ、リチャード三世の真実を明らかにすべく、500年行方不明になっていた遺骨発掘のプロジェクトをレスター大学、行政に掛け合い立ち上げるのである。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・正当な評価を職場で与えられないフィリッパ・ラングレーを演じたサリー・ホーキンスが、執念で大学の歴史教授や行政に単身乗り込み、想いを伝えようとする姿が印象的な作品である。
彼女は薬を飲みながら、一部の大学関係者や行政関係者が彼女を軽んずる中、リチャード三世協会の人達と心を通わせて行く。
・そんな彼女の姿を見て離婚していた夫ジョン(スティーブ・クーガ)(何故か、同居している。不思議な関係である。)や二人の息子達も協力していくのである。
ー ジョンは彼女と別れ、車を売る方法を息子達と話すのである。そして、フィリッパ・ラングレーが資金難に陥った際に立ち上げたサイトに提供された2000ポンドの”名もなき人”からの寄付。-
■今作が面白いのは、発掘劇の中に度々登場するリチャード三世(ハリー・ロイド)の姿である。時に彼女の邸宅の中の椅子に背中を向けて腰掛けて居たり、リチャード三世が投げ捨てられたとされる川の欄干に立って、背中から落ちたり・・。
そして、フィリッパ・ラングレーが様々にリサーチを行う中で、”駐車場のRという字が書かれた場所”に立った時、リチャード三世は白馬に跨っているのである。
上手い演出である。
・そして、見事に彼女が確信した”駐車場のRという字が書かれた場所”から発掘されたリチャード三世の遺骨。背骨が曲がっている事と、彼の子孫達のDNAから本人と証明されるが、彼女ではなく大学側がメインで賞賛を受けるのである。
ー 大学側は公の場で、彼女はレスター大学を一度は馘首されながらも博士になった大学側で唯一真実を知るリチャード・バックリーが講演を依頼しに来た二人の女の子に”あの人が良いよ。”と彼女を勧めた学校でスピーチをする。
彼女の表情は誇らしげだ。
彼女の目的は名誉ではなく、簒奪者として誹られて来たリチャード三世の名誉回復だからである。
更に言えば、家族が再結束した事もあるであろう。-
<その後、彼女の功績が正式に王室から認められ、リチャード三世は正式な英国王として認められるのである。王室の紋章と共に。
今作は、歴史好きには堪らない、実話であり且つ”彼女の物語”なのである。>
<2023年11月5日 刈谷日劇にて鑑賞。>
変人扱いされてもぶれない強い信念を持つこと
元気でます
歴女の極み!
イギリス映画と実話系の物語って相性がいい。
今回も40代の主婦が、歴史上の人物、リチャード三世の扱いに疑問を持って、
川に捨てられたという言い伝えを否定し、文献を最初から洗いなおして遺骨の発見する。
普通の日本人の知識だと、
リチャード三世ってイギリスの王様だよね という程度の人が多いだろうから、
もうちょっとリチャード三世についての解説があったら良かったな。
500年前の出来事なんて、
専門家は必ずいて研究し尽くされているものだと思うものだけど、
市議会、大学を巻き込み、クラウドファンディングも活用!
凄い行動力です。
やっぱり見つけられたかったという(故人の)想いと、彼女の思い入れが導いたのかな。
歴女もこれに極まれり
ロマンですね~
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