劇場公開日 2023年7月28日

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イノセンツのレビュー・感想・評価

全140件中、1~20件目を表示

1.0オレをそして娘をみて、おっさんは本作を見てこう思った。

2023年9月9日
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鑑賞方法:映画館

もうとうに昔のことだが、オレが子供の時は、さすがに猫はないが、カエル、ザリガニは当たり前のように爆竹で破裂させていたし、近所の子供に平気で石をぶん投げていた。

それは、やはり環境によるもので、そういった行為は無垢とか無邪気とか、変に理由をつけたり、ましてや正当化するものではなく、程度こそあれ、生きていくうえでの通過点だったと今は思っている。

よく言われることだが、それを「イノセント」と呼ぶのは、子供ではなく、大人であり、もっというと、「そんな経験もしていないのに、想像の」ノスタルジーに浸る、ただの気持ち悪いオトナである。

そして子供を怖いというのも、あんた、子供だった時がないのか、と。





「イノセンツ」

本作の興味深い点は、子供の「その無邪気な行為」を大人の空想で「超能力に置換させたらどうだろう」という点。

まあ、子供の時だって、「超能力があれば・・・」と思ったりしたこともあるだろう。念じてアイツの頭が破裂すればいいのに、とかね。

そういや、自分はダミアンだと信じて、トモダチの脳血管をぶち切ろうと念じたら、自分の鼻血が出たな。

はっはっは。

だからね、この映画、まどろっこしいのよ。音でドキドキさせなくても、そんなタメ、要らないよ。サっとやっちゃうからね。

で、自分が子供を持つようになって、娘のそういった兆候をみたりするのよ。

「ああ、そうだよね。」てね。

でも、娘は猫はおろか、カエルも殺さないだろう。

だって、カエルがいないから、というのは冗談で、カエルを殺すことを求められないから。
感情的にものを投げることはあるよ、だってその方法しか知らないんだから。

だから、この映画はそんな怖いとか、ましてや、子供の無邪気が怖いとかそんな見方をしてはだめなんだって。

オタクが、日本のマンガに惚れて、なんとか映画にしました、っていうね。そこから楽しまなきゃ嘘よ。ホラーでも、社会派スリラーでもなく、サイキックバトルギャグ映画でいいでしょう。

の割にギャグが足らない、ここぞという見せ場も、その路線で期待するから、勝手にやり過ぎみたいな期待も裏切られる。まあ、これはしょうがない。

ベンの意識が標的の窓に寄っていく「エンゼル・ハート」オマージュなところは好き。

追記

ラストは、姉ちゃんの手が止まる。

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しんざん

4.0子供たちが陥る落とし穴は「狂気」ではない。

2023年8月31日
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説明文には「次第に狂気へと変わっていく」と書いてあるのだが(公式サイトでも「とりかえしのつかない狂気」とある)、果たしてあの子供が陥ったのは狂気だろうか。幼い日には誰もが抱いたもどかしい感情が、おそらく超能力によって増幅され、そして歯止めがきかなくなるリミットを超えてしまう。超えた時点で狂気なのかもだけれど、この映画の子供たちは全員、ごく当たり前の感情に振り回されているに過ぎず、気持ちと気持ちの掛け違いを極端なカタチで表現したらこうなったのではないか。それくらい本作で描かれているエモーションは普遍的だし、決して特殊な子供たちの物語ではないのだと思っています。

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村山章

4.0子供たちの静かなる内面模様に心掴まれる

2023年7月29日
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北欧から届く映画には、日常を別の角度から、あるいは内側から提示するものが多い。この『イノセンツ』も子供たちのサイキックスリラーといえばそれまでだが、描写の端々に一筋縄ではいかない感覚が溢れ、序盤の「つねる」という子供ながらの小さな悪意を起点として、まだ右も左も分からない主人公たちの感情がいかに振り切れていくのか、期待させるし、不安にもさせる。「童夢」にインスピレーションを受けているだけあって、団地が舞台となのは当然であるし、やがて目覚める彼らの力は不可能を可能とし、希望にも、また暴走の火種にもなりうる。だがここで注目すべきは内面の描写であり、最初の「つねる」という行為がいかに変容していくのかという姉妹の関係性の成熟には心奪われるものがあった。興味深いのは、超能力をメタファーとして捉えると、子供をめぐる社会のあり方を描いた映画のようにも思えること。これまた北欧らしいなと感じ入った次第である。

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牛津厚信

2.0「ただ遊んでいただけ」とはイーダのセリフでしたけど…

2024年9月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

サイキック・スリラーというか、ホラー系統の映画は、これまであまり観てこなかった評論子ではありますけれども(一人住まいの評論子は、夜中にトイレに行けなくなると困る)。

そういう意味では評論子の「受け止め」が浅いのかも知れないのですけれども。
以下は、あくまでも「そのレベルでの評論子のレビュー」ということで受け止めていただければと思います。

「子どもたちには、この結果について、あくまでも悪意はなかった」ということが、本作の邦題の謂(い)いなのでしょう。

ときに、アナとイーダの一家の今回の転居は、アナの新しいリハビリ施設(通所施設?)の関係だったようです。
両親からすると、アナの障害に、普段からあれこれと心を痛め、配慮を尽くしていた様子が窺われました。
評論子には。

反面、それは、イーダの様子からみると、彼女らの両親は、障害のあるアナを気にかけすぎて(それは一面ではやむを得なかったのかも知れませんけれども)、そのぶん、イーダに注ぐ愛情が十分には厚くはなかったようにも見受けられてしまいました。評論子には。
本作でのイーダの立ち居振る舞いから推し量って。

それゆえに、新しい土地では、イーダは、不可思議な能力を持つ(かのように見えた?)ベンに惹かれたのだろうとも思いました。
そして、そのことが、ベンの暴走(?)を経て、今回の子供同士のこの「結末」に起因したのであれば、それは、何とも切ないめぐり合わせと言わなければならないかとも思います。

サイキック・サスペンスというのが本作の露出ではありましたけれども。

片親の家庭であったように見受けられたベンも、母親からはあまり手厚い愛情を受けてはいなかったこととも相まって、親が子に注ぐ愛情の厚薄やそのあり方という点では、静かに訴えかけるものもあったのではないかと、評論子は思います。

評論子としてはその点を主として、いちおう良作としての評価としておきたいと思います。

(追記)
本作の監督が共同脚本を担当した前作は『わたしは最悪。』だったとか。
両作に共通するのは、人の心の奥底に潜(ひそ)む歪(ゆが)んだ情念みたいなものでしょうか。
そんな印象もありました。
評論子には。

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talkie

1.0う~ん、どーなんだろーね???

2024年7月28日
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悲しい

映画見てから、すぐに『童夢』ゲットして、初めて読んだけど、
大友さんって、ヤバいマンガ描いてる人だよね、ビビったわ!
(デビッド・リンチが撮るって話もあったらしいよ)

エスキル・フォクト監督がインタビューで堂々と
「誰にも気づかれないと思っていた」とか言ってるし、確信犯でしょ
この映画好きだったから、超残念なんだけど~

『童夢』に激似してるな~って思ったシーン
1.ブランコでのサイキック・バトル
(ブランコの鉄柱が壊れるとことかね)
2.ガクっとなって最期を表現するとこ
3.子供たちだけがサイキック・バトルに気づいてるとこ
(団地のベランダから、見てるんだよね)
4.PKで人を殺人犯にしちゃうとこ
5.お母さんに抱きついて甘えるとこ

もちろん、舞台がマンモス団地ってとこからしても、そうなんだよね
エンディングロールに、せめて原案『童夢』大友克洋とかあればいいけど、
無かったら、やっぱ確信犯だよね

オマージュとか言ってる人もいるけど、
ぶっちゃけ、ただのパクリじゃん?
『イノセンツ』ってタイトル、ギャグになっちゃってるし

映画もビジネスだから大人の事情もわかるけど、
バカな私でも、どーなんだろーって思うし
この監督の次回作は、期待しないし、観ないよね~

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クラウディア🫶

1.0猫を傷つけるのはNO

2024年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖いというより気味が悪い。
たしかに子どもって悪気なく残酷なとこあるよね、と。

ただ、猫を傷つけるのはNO。
神戸の連続殺傷事件もはじめは小動物への虐待だったし
そういう弱いものへの力の行使っていうか
一方的な暴力を行使できるヤツって人間として下等だと再認識した。

全体としてさして面白いわけでもなく、含蓄も示唆も大したことなく
嫌なもん見た感だけが残った。

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mar

2.5判断力が的確でなく感情も制御出来ない子供達の世界のタダでさえ不安定...

2024年7月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

判断力が的確でなく感情も制御出来ない子供達の世界のタダでさえ不安定な恐ろしさに超能力を上乗せして恐怖心が煽られ、心の病気で内から外迄全ての行動、判断力が訳分からん少女が拘るとエクソシスト顔負けのオカルトになる事がよく判かりました。

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wamabut

4.0子供たちの共鳴力

2024年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

この映画の重要な登場人物である四人の子供たちは、特に心が純粋というわけではなく、他の子供たちと同じように善悪の両面を持っている。ただ世界を純粋に見ているような気はする。人間の嫌なところや暗黒面も。
障害のある子供や皮膚に疾患のある子供、母親に乱暴に扱われている子供や親に公平に扱われていないと感じている子供たちのほうが、大人より偏見や思い込みがないぶん純粋に人間を理解しているということなのかもしれない。
この映画の大人は頼りなく影が薄い。
映画の紹介記事では子供たちの遊びが狂気に変わっていく物語と書かれているが、違う気がする。
子供たちの不思議な力は、他人への共感力の強さから生まれている、この四人の子供たちは団地という小さな世界に押し込められているように見えて、他人の想いとか心の痛みを感じとることで、精神世界を広げている。
子供の泣き声をただうるさいとしか感じない人もいるけど、今でも子供の泣き声にある種の特別なエネルギーのようなものを感じている人はたくさんいる。
少年の痛みを純粋に受け止めてしまう他の子供たちは、ああいう形でしか少年の心の問題を解決できなかった、その強い哀しみが残る。
大人たちは純粋ではなくなったから、少年の痛みに気が付かないし、ただ狂気とか心の病と断じて理解した気になっている。

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くまぷう

3.5謎の力

2024年6月30日
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 北欧らしい雰囲気の映画。
 引っ越してきた団地でベンという男の子と友達になったイーダ。2人で猫を殺すシーンは猫好きにはにゃんとも辛い場面。ベンがお母さんを見殺しににする場面もきついなあ。姉のアナも友達のアイシャも不思議な力に目覚めていく。ベンの恐ろしさに怯えながらも、大人には言えないし、例え言っても信じてはもらえないだろう。みんなが出した結論は、、、でもあの場面を観ると、団地の他の子供達も何人か同じような力を持っていたってことかな?土地に何か不思議な力があるんだろうか?

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アンディぴっと

4.0子供は普通に残酷です

2024年6月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

子供は純粋な分だけ残酷なので、普通にありえそうで怖かったです。
つねられたら誰でも痛い事に気付いた妹は、お姉さんに優しくしないとですね。

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YOTSUBA

3.5スタートは引き込まれる

2024年5月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

面白いんだけど、最後に行くにつれて弛みが出てくる感じが残念な気はしました。

子供たちの演技良かったです。

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ボタもち

2.0思ってたより童夢

2024年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

思ってたより童夢だったけど、童夢くらいのスペクタクルが欲しかった。予算の関係で無理だったのだろうけど…。童夢ベースの超能力スペクタクルはクロニクルの方が圧倒的だし映画としてもおもしろい

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md

3.5無垢…しかし邪悪

2024年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

北欧産サイキックスリラーの佳作。
子供達だけの物静かな戦いだが、残虐で怖い…
猫のシーンはかなりショッキングだ。
主人公の少女の知恵と勇気には驚いたが
最後、母親に号泣するくだりには無垢で純粋な
少女を見て取れて、何だか安心した…。
あのラストシーンは色々と想像できそうで
そのあたり上手く出来ている。

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shallow

4.0サイコキネシス

2024年3月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

8月10日(木)
吉祥寺に行ったのでUPLINK吉祥寺で「イノセンツ」を。シニア料金が1,300円になっていた。

以前から言っているが、北欧の映画は油断ならない物が結構多い。本作も仲々だ。

夏休みに団地に引越して来た姉妹、姉が自閉症で言葉を失っているので母親は姉に手を掛け、構ってもらえない妹は面白くない。夏休みで学校にも行かないから友達もいない。ヴァケイションで出かけている家族も多く団地も閑散としている。そんな中で姉妹は二人の子供と仲良くなるのだが…。

この二人と彼らの母親との関係の描写が足りない。この後に起こる事件の伏線になるだけにもう少し描いて欲しかった。
ハリウッドならラストのサイコキネシス対決は派手になる所を抑えた形で終わったのが北欧風か。
映画は面白いのだが、猫が…。妹は蛇が嫌い。猫好きと蛇嫌いには、しんどいシーンがある。要注意。私もビックリした。猫と蛇は一緒に出ないよ!
言い忘れたけど、自閉症の姉役の娘は演技が上手い。元ネタは大友克洋。監督が大友克洋好きらしい。

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Mr.C.B.2

4.5天才たちの競演

2024年3月3日
Androidアプリから投稿

ベンやばい、邪悪すぎる。アイーシャは最初から最後までかわいい、これは無垢な天使。イーダは最初憎たらしさ故にブサイクにしか見えなかったのが中盤から可愛い女の子にしか見えなくなる。そしてアナ、ディカプリオ以来の天才現るって感じ。見終わってからあの人生最悪の映画の一つテルマの脚本家だとしり、しかもこの映画も脚本を書いてると知り驚きアンド見る前に知らなくて良かった。知ってたら絶対見なかっただろうから。邪悪ベンは今までもいじめられてたろうし、それまでその力を使わなかったのはヘンだなと思うけどアナと出会ってみんな覚醒されたと見るとつじつま合うから良し。ベン役の子、英語が話せるならアレックス・ウルフくんの後釜狙えるな。

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三毛猫泣太郎

4.0猫のシーンはやめて欲しい

2024年2月18日
Androidアプリから投稿

幼い頃には生と死の事などは漠然としか分からず、それが昆虫など自分より弱い者へ流れてしまうこともある。人はそうして成長していくのだと思うが、本作に登場する子どもらはそれと同時に不思議な力を見出してしまうのである。本作で描かれるのは「無自覚な狂気」であり、それが一番怖いものだと改めて感じた。
初めこそイタズラ程度だったものが次第に狂気を帯びて来るようになる描写は何とも言えないリアルさがあって怖かった。その興味本位から生まれた狂気の矛先が猫に代わり(このシーンが猫好きには非常に不快である)、挙げ句の果てに人に行ってしまうという重いテーマの作品なのである。

物語にはそれほど大きな起伏も無い様に思えるが、平坦にも思える映像が彼らの心情だと思うと尚更怖い。 本作の注目すべきはメインキャストを演じた子役たちだ。主人公の障害を持った姉と、段々と狂気じみてくる少年、特にこの2人の動向から目が離せなくなる。彼らには退屈な夏休みという事しか共通点は無く、それが絡み合ってここまでの事態に発展するとは誰が想像しただろうか。舞台は日本で言う団地の敷地内のみ、能力の発端等も不明、子ども目線で全て描かれるという閉鎖的とも言える条件で良くここまで広げられたと思う。世間一般どこかヒーロー映画疲れが言われている昨今、そこに一石を投じる映画なのかもしれない。

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Mina

4.5子供達の演技の凄み

2024年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

超能力を持ってしまった子供の力に対する
純粋な好奇心と、そこから自然と方向を変えていく悪意
みたいなものが、とても丁寧に描かれて、
観ていてストーリー展開に引き込まれてしまう。
北欧の作品に共通する、全体を覆う雰囲気もいい。
静かだけど激しいラストもいい。

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マイタケ

4.5純粋で無垢な最高のサイキックホラーですね。

2024年2月3日
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怖い

興奮

知的

子役達の演技は圧巻で、アンナ役の自閉症の子供を演じるのは、素晴らしい。

団地に住む子供達の設定は、素晴らしくほんとに様々な家庭環境下に置かれているのは、真実味がありストーリーに入り込みました。

サイキックと連想すると、バーン💥ドーンなど派手なアクション、人体破壊などあるかと思わされますが、まー静かにジワジワと恐怖心に変わる映像と音響が素晴らしい👀

子供の純粋で無垢なゆえに、残酷にもなり得る。
そこにプラスされて、サイキックを手にしたらさぁどうなるのか?

ハラハラ、ドキドキが最後まで持ってイカレましたねー。
最高でした。

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アキより

4.0大人は判ってくれない

2024年2月1日
PCから投稿

テルマ(2017)の脚本家が監督にまわってつくった映画。

少女アイダは引っ越し先の団地でテレキネシスやテレパシーがつかえるベンやアイシャに出会う。自閉症の姉アナも精神感応ができるようだ。

当初はあそび仲間だったベンはサイコパス気質があり、能力をつかって人を傷つけるようになったので対立する。

道徳倫理や社会通念のない子供が凶悪な能力をもっていることが、基地外に刃物のような様相を呈し、見ていてすごくはらはらした。息詰まる映画だった。

映画は見たままの印象で、いじめや無理解な大人などの寓意は読み取れるものの、とくに明らかなメッセージにはなっていない。

が、子供らは大人の理解できない高度な能力をつかって大人の解決できない問題に対処しようとしている。その豊饒ともいえる子供らの能力世界から見たとき、大人たちの経済的な生活の諸問題などが、ばかばかしいものに見えるという構造において、皮肉や風刺が成立している。

アイシャの母は台所でいつも泣いているが、大人らは各々、生きづらい俗世間をどうにか生きていかなければならないゆえに、つねに自身の悩みと屈託に沈んでいる。それが無関心や無理解の態度となって子供にあらわれる。
一方で子供らはテレキネシスやテレパシーをつかって人類の敵となるであろう邪悪を倒そうとしている。
ところが大人からは子供は子供でしかなく、アナは意味をもたない非言語の自閉症スペクトラムにしか見えない。

de uskyldigeという原題を翻訳機にかけたら“あどけない”とか“罪のない人”などと翻訳された。
じっさいには恐るべき能力をもった者が、端からは(大人からは)無力なde uskyldigeにしか見えないということの逆説をこの映画は言っている。

いずれにしてもたんに異能の子供らを描いたのではなく複合の寓意を持たせようとしている感じがあった。ともすればベンは「大人は判ってくれない」のジャン=ピエール・レオに見えなくもない。

この感じはテルマにも通じていて、テルマは見た人毎にいろんな印象のある映画だった。個人的なテルマの解釈は「宗教二世の悲劇」であり、それはこんな感じ。

テルマは厳格な信者夫婦の子に生まれた。つづいて弟のトロンが生まれるがなんらかの要因で死なせてしまう。両親は悲しみから逃れるために、何かと小賢しいテルマに弟の死の責任をかぶせる。心因性の発作も悪魔憑きのようにとらえて抗精神病薬を飲ませてテルマをグルーミング=手なずける。

こうしてテルマは両親にコントロールされて育ったが、親元を離れ寮生活をはじめ、アニャに出会いお酒をのんだり性的な高ぶりを経験し、また自身の診療歴を知って、両親によるグルーミングから徐々に覚めていき、最終的にアニャとふつうの学生らしい生活をつかみとる。

この解釈のばあいは超常現象の描写がぜんぶ両親の妄想であり、もとよりテルマは発作がある以外はふつうの子だったが、肥大した狂信者である両親には彼女がモンスターに見えていたのだった・・・。

この映画イノセンツもそのように大胆な解釈もできるようになっていて、すなわちそれぞれの自由な想像に委ねるという特長が作家・脚本家として優れていると思った。

imdb7.0、RottenTomatoes97%と73%。

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津次郎

3.0姉と私の忘れえぬひと夏の経験。子供はみんなイノセンツ。

2024年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

福祉国家として有名なノルウェー、かつては移民政策にも積極的で一時期移民の数は人口の一割を超えるほどに。しかし極右過激派の男がその移民政策に反対して連続テロ事件を起こした。「ウトヤ島、7月22日」はそのテロ事件を描いた作品。その事件をきっかけに保守政党が政権を握りノルウェーは移民規制に舵を切ることとなった。そんな経緯があるだけに移民の子供が悪役の映画なんて作って大丈夫なのか、ただでさえ移民には風当たりが強いというのに。この監督は移民反対派の人間なのかな。
監督のインタビュー記事を読むと、オーディションで人種性別関係なく演技力で選んだら結果的にあのキャスティングになったとのこと。移民という設定自体はキャストが決まった後に改編したらしい。ちょっと勘ぐりすぎたかな。

小学生の頃、捕まえたバッタの足を友達が楽しそうに一本一本むしり取っていた光景は今も脳裏に焼き付いている。無邪気でたわいもない子供の遊び、しかし残酷でもある。他者への思いやりの感情がまだ芽生えてない幼き頃、そんな幼少期のひと夏を描いた異色の作品。

それぞれの事情を抱えた子供たち、イーダはまだ幼く甘えたい盛りにもかかわらず両親は自閉症の姉につきっきりで、その寂しさを紛らわすためかまたは姉への嫉妬からか細かな嫌がらせをしたり、虫を殺したりしている。
ベンは母子家庭で体にあざがあることから母親から虐待を受けてるようである。アイシャはソマリア難民の母親が夫を亡くしたばかりで情緒不安定。そして自閉症のアナ。そんな問題を抱える四人がひと夏をともに過ごす。四人は無二の親友になれるかと思われた。

だがベンの抱える闇は深刻だった。涙を流しながらも動物をたやすく殺してしまうほど、もはや心のバランスを失いかけていた。監督は善悪の分別がつかない頃の子供時代はみなそれなりに悪いことをしたものだというが、昆虫を殺すのと哺乳類を殺すのとではわけが違う。人間と同じ赤い血が流れてる動物を快楽で殺せる人間は過去の実例からもわかる通り次は人間を標的にするものだ。

母親の命を奪ってしまったベンは歯止めが利かなくなり三人に対しても牙をむく。そんなベンに三人が立ち向かう。自閉症のアナは唯一の理解者アイーシャを奪われてベンと対峙する。互角の能力を持つ二人だが、そこに同じく能力に目覚めたイーダが加勢して二人は勝利するのだった。

この経験で少しだけ成長し、イーダとアナの絆は深まった。そしてお絵描きボードにただ殴り書きをしていたアナの手が止まるラストカット、彼女の進歩をうかがわせるシーンだと解釈した。

幼少期の忘れえぬ甘酸っぱい成長譚とサイキックスリラーを足したような作品。ただサイキック描写の部分は少々物足りなかった。大友克洋の童夢にインスパイアされたなんていうもんだからどんなアクションが見られるかと思ったら肩透かしを食らった。
サイキックアクションといえば古くは「スキャナーズ」の頭部破裂、血管浮き出しまくりの血しぶき出まくりから、北斗百裂拳を食らった悪党が体を爆裂させるかのような「フューリー」の人体大爆発までと、ありとあらゆるサイキック描写を堪能してきた自分としてはいささか物足りない。かといって心理的に怖がらせてくれるかと思いきや「シャイニング」には遠く及ばない。監督のインタビューを読むとどうもサイキックホラーというジャンル分けも無理があった気がする。やはり子煩悩な監督が描いた子供たちの幼少期の成長譚ととらえるのが無難なんだろう。

演技力で選んだというだけあって四人の子役の演技は圧倒的だった。難しい役どころを見事に演じていた。

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