「虎・馬!」イノセンツ ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
虎・馬!
大好きな「童夢」からインスピレーションを受けた作品と知って鑑賞。
大友先生の世界観をどこまで表現出来るのか。。期待が高まります!!
!!!
筋もほぼ原作に沿っており、
加えて、北欧特有の景色を取り込んだ映像美!
印象深いシーンの再現度も高く、制作側の
「童夢」に対する愛情と深い理解度に感動した!!
舞台が団地というのもポイントで、その独特の雰囲気やそこに暮らす人々の背景までもたやすく想像出来るのだ。
無機質な四角い建物が立ち並ぶ。
外部から遮断されたかのような独特な世界がある。
そこを舞台に、長期休暇中でバカンスに出かけて留守の家庭が多い中、どこにも行けないのであろう残された少しの人々。
4人の少女らも居残り組で、それぞれの家庭に問題を抱えている。
ここがポイントで、その設定が徐々に効いてくる!
死角だらけのその場所で、大人達が気づかない子供の狂気が暴走する。
自閉症の姉、アナにばかり向けられる両親の愛情に嫉妬するイーダ。
物言わぬ無反応なアナへの意地悪はその心の苦しみがわかりとても辛い。
そして、
育児放棄されている?いつも1人の少年ベンと、
こちらも母親は鬱?白斑の少女アイシャ。
どちらも片親の家庭で、愛に飢えているように見えた。
引越して来たばかりで友達もいないイーダとアナはそんな2人と遊ぶようになり、、、
この4人が抜群に良い!!!
昨今のコンプラ重視にしかみえない多様な人種を無駄に配するそれとは違い、人種的なルーツが異なる子供4人をキャスティングした事は絶対的に必要な要素だ。
白人マジョリティの子供達とは距離を置く4人。ノルウェーの移民問題も反映しているかのよう。
この様な背景は狙ってはいないかもしれませんが、勝手に想像が膨らんでしまう。作品に奥行きをもたらした事は確かで見事なキャスティングだ!
「イノセンツ」
うぶな、経験の少ない、
無邪気な、天真爛漫な。。。
善悪の区別が曖昧な子供達が、危険な遊びをエスカレートさせていく様は、目を逸らしたくなるのだが、反して一瞬も見逃せない。
トラウマ再び。。
そんな体験は正に「童夢」だ!
ラストの解釈、、
あなたはどう読みました?
惜しいのは1つだけ!
3家族が抱える家庭の問題の描写がやや不足か。。
もう少し加えてくれていたら満点!!
ゆきさんコメントありがとうございます。
ゆきさんもクレイジーキャットピープルだったとは!同志よ!
この映画は心理的に怖い怖い映画でございました。
ラストも意見が分かれるところ。
てにかくアナに救われました。