BAD LANDS バッド・ランズのレビュー・感想・評価
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したたか
全編通して小気味がいい。軽やかだ。
冒頭に流れる音楽もそうだし、軽妙な大阪弁、台詞や特に編集が上手いように思う。
扱ってるネタは散々たるものだ。
ノワール映画と括られるらしいが、普通の生活をしていてはお目にかかれない世界が広がっている。
西成の一角などはスラムにも見える。
臭いモノに蓋
君子危うきに近寄らず
その"臭いモノ"や"危うき"が鮮烈に紡がれていく。
前半は好奇心。
へー、こんな世界や生活があるんだ、と。本編中にも何度か下級という言葉が出てくる。底辺の底に落とし穴を掘ってるような人々が映し出される。
詐欺や犯罪に手を染めた側も、めちゃくちゃ頭使ってんだなぁと感心する。
中盤以降はパワーゲームだ。
弟の登場で、厄介事に巻き込まれていくネリ。
結構な修羅場なのだが、コレまた軽妙なやり取りが続く。不思議と納得させられる。
関西弁に魔法でもかけられてるようだ。
後半になって「僕」と呼称する元用心棒もいい味だしてる。宇崎さんがやってんだけど、抜群の存在感だった。
最終的には全ての追い込みを躱し2億近くの金を手に入れる主人公・ネリ。
ラストカットのストップモーションが全てだった。
彼女は自由を手に入れた。
その解放までを描く143分だった。
その為の前半で、圧力と袋小路と絶望とを描き、そんな生活の中でも僅かな糧を描く。
安藤さんは最高に素敵で、本作ではサーファーのように畝り倒す波を乗り越えてゆく。彼女がプロサーファーのように見えたのも、監督が作り出す波とリズムなのだろう。作中に棲息する人物に、風景に、その画角に魅了さらてしまう。
1番おどろいたのは映画館を出た後だった。
いつもの帰り道がいつものように見えてこない。
街行くサラリーマンや、購買意欲を煽る広告、仲良さそうに手を繋いでるカップルとか、駅に向かう人の流れや、車内で沈黙しスマホを見つめる人達とか。
「あぁ、俺たち頑張ってんだなぁ」と思えた。
"普通"から振り落とされないように、経済を維持する努力を怠らず、頑張ってカッコつけて、自分達が背負ってる重荷になるべく気が付かないように生きてんだなぁと思った。なんと虚飾に溢れた世界なのだろうと。
洗脳から解かれたような錯覚に陥る。
その"普通"から疎外されたり放棄したりしたら、あんな風に身軽になれるのかな?まるで自身の命にさえ執着してないようにも見える。
諦めのような感情もあるのだろう。
そんな中のラストカットだ。
服を脱ぎ捨てて走り出す彼女の前には、今まで感じた事がなかった未来が広がってるようだった。
この清涼感は何なのだろう?
今までの全部を吹っ飛ばすようなラストだった。
安藤サクラさん。
今年度の俺的アカデミー最優秀主演女優賞かなぁー
バイオレンスな日常での、姉弟愛。
CMで何度かこの映画の予告を観て、安藤サクラさんがとてもかっこよく、そして面白そうな内容に感じたので、普段あんまり観ないジャンルだったけど行ってみた。ただひたすら金と欲にまみれた話だった…まあそうか…それがテーマの映画だもんな。銃でバンバン、血でドロドロ、博打、性奴隷…観ていてそんなに気持ちのいい話じゃなかったな。どうしてあの世界は「お金」か「殺す」しか解決の選択肢がないんだろう。いたって真面目なことを書いて申し訳ない。こういうストーリーが好きな人にとってはコイツ何言ってんだ?って感じだろうな、申し訳ない。姉と弟の絆…というか、愛のようなものがあって、それは観ていてちょっとほっこりした。最後は切なかったけど、そういう世界だから仕方ないよね、あの世界での愛の表現方法はあれなのかもしれない。だって、「金」か「殺す」しかないんだからさ。どうかどうか、ネリが無事にバケーションできていますように。
気分が悪いダークな作品
元々ミステリーやサスペンスは好きだから予告編で興味をもって観たが想像と違って期待はずれでした。
お金払ってわざわざ映画館で観なくても良かったと感じました。
いったい、何がテーマなのか、、
事情があるのはわかるけど、犯罪を犯す軽さがなんか受け入れられない。
ずっと気分悪いまま、最後まで救われない作品。
せめて、最後に姉のために弟がしたことに対してもう少し姉が感情を揺さぶられるような深みのある脚本にして欲しかった。
あそこは時間割いて欲しかった。
あと、そこまでした理由、弟のネリ姉への強い愛情を感じる強いエピソードが物足りなかった。
あまりに素っ気なさ過ぎて残念。
あと、早口な関西弁とか専門用語とか汚い言葉とかがよく聞き取れなくて字幕が欲しかった。
俳優さん皆さんの演技は素晴らしかったですが、そういうダークな作品とわかりつつも、最後まで後味悪く救いがない作品でした。
ダークヒロイン安藤サクラの魅力にどハマリ!
ドキュメンタリーぽさでリアルな大阪
名簿屋の男・高城に従い、別名三塁コーチのネリ。特殊詐欺の受け子を巧みに操り、警察を注意しながら詐欺を実行していきます。巧妙に用意されたオレ詐欺の仕組み、罪の意識なく加担しているバイト感覚の若者達、またそれを捜査する警察などドキュメンタリータッチで描かれています。現在はかなり整備されましたが、怪しく、胡散臭い大阪西成区を再現させ、猥雑な感じでバイタリティに満ち人々を登場させています。冒頭に曼荼羅を演じる宇崎竜童が登場しますが、あまりのリアル感に彼と分かりませんでした。残念なのはドキュメンタリーを意識してかセリフがぼそぼそと聞き取りにく事です。せっかくの伏線が理解されず、後半に伏線回収するも気づくのにしばらくわからない結果となります。また、500億ドルの男と言われる暗号資産の長者ゴヤの人物設定が雑で、またネリとの関係性やなぜ逃げたのかというのも曖昧なのが残念でした。
わからないのか。あまり深く無いのか。
ずっと暗い内容がつづく。
話には引き込まれたので、面白かったけど個人的に好みではない。
クズしか出てこないからキャラクターの印象は強いけど特に良くもないし、もう少し深みがあれば良かった。
単純に銃で殺しちゃったら、なんかね。
見やすさ○
ストーリー◎
キャラクター○
没入感◎
個人的好み○
耳の聞こえない女、大阪で見つかりました。
ひと癖ふた癖どころじゃない連中ばかり。信がおけるのかおけぬのか。身内だからと安心していいのか、むしろ全くの他人こそ大事を託せる奴もいて。そしてこのロケ地、大阪の天王寺新世界界隈とか、30年後には跡形もなくなっているんだろうな、そんな未来の想像がノスタルジーのような感慨を呼ぶ。なんか、ストーリーどうこうというよりも、映画の中の映像から、いろいろな感情が湧いてくる。それは原田監督の腕だな。作品は重厚感があるし。宇崎竜童の存在感がここまで映えるのもまたいいよ。刑事役の吉原光夫もこの手の映画にもってこいだわ。どちら側(単純に善悪といってもいいが)もいける役者だ。
と言いつつ、原作は黒川博行か。大阪のアンダーグランド描かせたらうまいなあ。香港映画のようなディストピア感もあるし、最後にかるいカタルシスを味わえる。
キャストについて一考。安藤サクラ、演技は誰しも認めるところ。たしかにうまいんだけど、性奴隷とされるほどの色気はどうなのかという点に曇がある。松本若菜とかだと生々しすぎるか。
大阪行きたくなりました
今年は安藤サクラが熱い。
ブラッシュアップライフや怪物ですごく存在感が残り、それだけで見る気になったし、山田くんとの異色の組み合わせも面白そうと思った。
結果、うーん、原作読まないとちょっと深くは理解できないな?というところは残ったものの、出演者陣がさらに異色で面白かった!
天童よしみ、こんな役とかやるんだ!「舐めたらあかん」聞き逃した〜
宇崎竜童、アル中ホームレス役素晴らしい。そして最後はカッコ良い。
吉原光夫さん、なかなか印象的な面構え。全然話さなかったVIVANTピヨの時は勿体無い使い方だったのね。。
山田くんは顔がキレイすぎていつも役が入ってこないけど、前半はクズ男うまかった!しかしビビりの時とその直後に人殺そうぜの時と、なんか別のキャラみたいでなんとなく根っこで繋がるところがあまり見えなかった。サイコパスだからと言われればそうな気もするけど。でもネリ姉との絡みはすごくよかった。
安藤さくらはすごく合っていた。裏社会、犯罪者集団で頭角を表す様子はピッタリ。三塁コーチ、なるほど。
関西弁の早口、前半はほぼ聞き取れず。
でもその世界観にはすごく自然に入り込めた気はする。
色々な過去を抱えた人たちが日常として犯罪で生活する日々。どうしたら抜け出せるかのヒントはないものの、かいま見れて良かった、映画でした。
割り切りが足りないか
小説ではよくある誰もが好きになるスーパーミラクルヒロインものだが、映像化が難しい典型ではなかろうか。実際そんな人みたことないし・・・
そういう条件下で主人公の魔性っぷりはナーフして仕事のできる女として描いたのは正解に近いのではと思った。
(演出ではそうなっているがストーリーではそうなってないものの)
岡田准一の記号的な使いかたは良かったが、弟をヘタレに描きすぎて後々辻褄が合わなくなった。岡田准一の最強っぷりを強調しある程度頑張ったがなんとか逃げられた・・・というニュアンスなら、2日でそこまで成長した不自然感がでることもなかったのではなかろうか。
というか主人公の魔性がなければ、そもそもその変化に意味がないでしょうに。
500億ドル動かすにはグローバルマクロ投資という発想なんだろうけど、悪党ならマネロン関係で良かったのでは?というかグローバルマクロって悪党のイメージないしなあ。
ホントに割り切って、元カレのエピソードはカットしてしまって対警察で作りこんだ方が面白かったんじゃないだろうかと
現代の裏にはびこる悪事を描く
アンダーグラウンド全開
ねりの幸せを願う
悪い島に勁草を知る
とても良かった◡̈⃝︎⋆︎*
安藤さくらさんの映画は『怪物』からの
映画でした!
今回の役柄詐欺師ネリ役凄みと気迫が
半端なかったです。狂気さは無かったですが
頭の回転が速く 自分の行動に迷いが無い
強い女性を演じてくれていたと感じています。初めから最後まで目が離せなかったです。
あと、ジョー役の山田君もチョケている所も多々ありましたが姉を慕う甘えたいという仕草と
守りたいという 最後のシーンには涙が、、
それと、宇崎竜童さん渋いですね。
あんなに刺青似合う人いるんですね。。
流石がです。魅了されました。
ピッタリの役過ぎて
これもまた目が離せなかったです。
この、原作者さん、監督さん
もう一つの日本を見せてくれた気がしました。
ドロドロとした臭さは無く
かなり良かったのではないでしょうか。
げっちょーびのおねーちゃん
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