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高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで拝見した。
圧倒的な、生々しさ。最後まで。人々の眼差し、法廷での独ソのやり取り、傍聴するキエフの人たちの眼差し最後公開処刑での眼差し歓声、法廷の護衛の若い兵士の顔立ちはアジア的で多くの材料が提示されそれは制服や張り付いてる固有名刺を変えれば人間の心がなすことは今もどこも変わらない。事実であるこの記録フィルムを誰かをいつこのように編集したのか。とにかく法廷でのやり取りは通訳付きでそこは省略されてない。物音も全部しっかりと入っていてそこにいるかのように撮影または編集されていて、観る私たちも同時代的に体験するかのよう。キエフとかソ連とかナチスとか関係なく、、
などと思いながら、じっと見つめるのみ。
謎解きというか、背景を、上映後金平茂紀さんのお話で、貴重な知識を得た
映画 オランダ/ウクライナ 2022年
監督は1964年ベラルーシ生まれ
ウクライナに移住
キエフでサイバネティクスなど理系の勉強仕事
キエフは、文化の中心地、映画を作りたくなりモスクワ映画大学に1981年入学ソ連末期ソ連崩壊の頃
ベラルーシ生まれ
ウクライナ育ち
ロシアで映画の勉強
ベルリンで映画制作公開
今はリトアニア
コスモポリタンであること、ソ連とは一体なんだったのか
キエフ裁判は、キエフソビエトによるドイツの戦争犯罪を裁く
フィルムでソ連が、国家公務員が撮影している
共産党の映画委員会?が撮影、公文書館に埋もれていたアーカイブフィルムを監督が発掘
1991新生ロシア
粛正裁判
国葬
バービヤール
全てコメントや音楽なし
最低限のスーパーインポーズのみ
事実の提示
バービヤールはドイツ占領下ウクライナのバービヤールでのユダヤ人大虐殺 ロシアもウクライナも触れられたくない歴史上の事実
今、事実を見せることで。歴史として過去のこととして終わらせない
血の日曜日事件 リトアニア
犠牲者の国葬
事実実写フィルムが持っている重み
ラストの絞首刑のシーンは
ナチの犯罪者たちが自らの罪を告白するのと同じように恐ろしいのだ。
公開処刑にウクライナ市民20万人
場所は今のマイダン広場 という巡り合わせ
自分たちの社会を考えさせる
戦争
ウクライナのことも今は風化している
そんな時にアーカイブ映像をみて、私らが考えないといけないことは何かを提起することの意義
返事の手捌き
音声からかんじる現場感
軋む音、ため息、、、
通訳を介して知る内容
監督は目撃者
観客も目撃者であることを強要する
有無を言わせない共産主義を目指すソ連の意向によりシナリオ通りに進行する裁判
会場に詰めかける人々
ベルリン在住の監督 ヨーロッパの目
ロズニツァ監督は、2022年10月にウクライナ映画アカデミーから除名されている
2014年にマイダンで激しくロシア侵略に抗った監督だが、ウクライナ映画アカデミーはロシア映画全部排除としたことに、監督は抗議
今はウクライナ映画界から追放されている、、、という反転
キエフ裁判でソ連がやっていること、
ロシアがウクライナにやっていること、
ネタニヤフがガザにやっていること、
絞首刑のシーンで拍手してしまうということ
書籍
真理の語り手:アーレントとウクライナ戦争
アーレント 凡庸な悪
公共性 何のために撮影するのか
ということ自体が危ういのではないか。金平茂紀さん
これでよいのか、
目撃しているのはあなたたち
という監督のメッセージ
そして今なお密室で陰湿に行使されているらしき野蛮な日本の死刑制度絞首刑について改めて考え、声を上げるべきかと。