キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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マーティン・スコセッシ監督だからこそまとめられる超大作
昔「じゃじゃ馬億万長者」という大人気TVドラマがありましたが
現実に突然石油が湧いたらこんな事になってしまうという実話です
タイトル通りおぞましい連続殺人事件ですが傷口をえぐるような事はせず
マーティン・スコセッシ監督が優しく語ってくれます
最近は善人の役が多いデニーロですが久々に
善人の顔のまま大悪党マフィアの親分を演じています
デカプリオもまた誠実な顔とろくでもない悪党の2面性を見事に演じています
積極的あるいは気が向かないまま事件に巻き込まれていく悪党たちや
その様々な末路も丁寧に描かれており超大作に相応しい出来栄えとなっています
超長尺ですが昔は3時間を超える作品にはインターミッションが入る
と聞いたことがありカーペンターズが「トイレに行ってくるわ~」って
歌ってましたがどうやらそれはアメリカの話で日本ではぶっ通しなんですね
途中で中座する覚悟で観ましたが無事完走できました
あまり心情を描こうとはせずメカニカルに事実を分かり易く描いていくので
集中力が途切れることなく淡々と見続けることのできる作品です
エンドロールにロビー・ロバートソンの名前が出てきて
あれ?と思ったんですが生前に音楽を担当していたんですね
往年のロックスターがどんどんこの世界を卒業していくのも寂しいものです
久々の名作誕生
巨匠の大作なれど
観る側の受信機設定次第です
上映時間3時間26分ときくと「うへぇ」と思いますよね。
私も若い頃はマーティン・スコセッシ作品は「長い」「重い」イコール体力のある時でないとダメ、と思っていました。
でも10年ちょっと前にWOWOWでドラマ「ボードウォーク・エンパイヤ」を観た時に毎回おまけのメイキング映像と関係者インタビューをやっていて、各シーンの細部にいたるまでどれだけ登場人物の性格や心情にこだわって撮影しているのかがわかりまして、そのおかげでスコセッシ作品を観る際には自分の受信機設定をスコセッシのテンポとリズムに合わせるようになりました。すると、まぁドキドキワクワクとはいきませんが、内容をじっくりと味わうのが心地よくなってきて、長くてもお尻が痛くはならないのです。
私は、この作品で描かれたようなアメリカの歴史は知りませんでしたし、そうだったのかという発見もありましたが、なんか、働かずに大金を得て家事すらしない(ように見えました)被害者とお金に群がるだけの加害者という、基本的に働き者で貧乏性の日本人としてはまったく共感しない人々のお話でした。後半に登場した捜査官が仕事熱心なのにちょっと救われたかなぁ。急に大金を得ると不幸になるということですかね。日本で宝くじ当選金をとりに行かない人が一定数いるというのもわかります。
でもディカプリオとデニーロの存在感と演技力のおかげで、人物の多面性や複雑さ、悪役といいきれない魅力が醸し出されてよかったです。人間って奴ぁ、しゃあない奴っちゃなぁ…という気持ちになりました。
さすがに長過ぎた
206分もあると知らずに予約して、やや後悔しました。
実際にはそこまでの長さは感じなかったのですが、ずっと同じ姿勢で座っていたので腰や首が疲れました。
さすがに長すぎですね。途中休憩入れて欲しい。
トイレ近めの私ですが、この日は仕事が忙しく水分補給出来なかったので平気でしたね。途中トイレ行く人いなかったのは見逃せない展開だったからでしょうか。
内容としては、クズ男オンパレードで男から見てもムカムカするのですが、続きが気になって目が話せない。
ただし、長いので仕事終わりに行くべきではないですね。途中から頭に入らなくなってきます。
1920年代が舞台ということだけ予備知識があって、禁酒法時代かなと思っていたらそうでした。なので、飲んでたお酒は密造酒なんでしょうけど、その辺の時代背景からわからないトイレ理解しにくいかも。
随分前に見たアンタッチャブルを思い出しました。あれも悪役がロバート・デ・ニーロですね!
見終わってから調べて実話だと知って衝撃です。
白が毒する
ディカプリオが特別捜査官であるトム・ホワイトを演じていたら差し障りのないサスペンス物として勧善懲悪が長時間の尺を退屈にしていたようで、疑心暗鬼になるヒロインを庇いながらの捜査を邪魔する大袈裟な悪役でしかないデ・ニーロが想像出来るし、ディカプリオが演じたアーネストは小悪党の添え物にしかならない存在であったかもしれない、悪側の目線で繰り広げられる物語がスコセッシの大傑作『グッドフェローズ』や前作の『アイリッシュマン』を彷彿とさせられる演出が垣間見れ、善悪の判断が付かないようで言われるがままに悪戦苦闘するディカプリオに軽薄なモノを感じながら少し笑える間抜けさヲ、デ・ニーロの悪代官っぷりが絶妙に嫌らしくてスコセッシが描いてきたギャングを詰め込んだ集大成的キャラに地味ながらも思えたり。
後のFBIが本格的な捜査に乗り出してからのチクリ合戦がテンポ良くスムーズに解決される展開で雑に感じたり、賢そうな凛とした表情のモーリーがアーネストに惹かれる説得力が薄いようで、物語も終盤に失速気味な印象も後日談を描く演出がスコセッシの出演を含めて驚かされた。
音楽を担当したThe Bandのロビー・ロバートソンの母親はモホーク族のインディアンでもある訳で本作との相思相愛、御冥福を。。。
リリー・グラッドストーン、見たことある顔だと、半信半疑で確信しながら大正解、ケリー・ライカートの秘蔵っ子は言い過ぎにも『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』で印象的な役柄を演じていた。
スコセッシの看板役者である二人がスコセッシ監督作で夢の共演、ディカプリオとデ・ニーロが演じたのは単なる小悪党でしかない、勧善懲悪の裏側にある悪を中心に連日ワイドショーでネタになるような事件に思えたり、史実の歴史を学んだらそんな冗談も言えないだろう、パンフを作らない罪と原作はマストか。
オセージ族は、最悪の土地を手に入れた。
スコセッシとロバートソンのラスト・タッグ
ザ・スコセッシ
206分という大長編と思わず劇場鑑賞。
最後まで脱落はしなかったけども、さすがに勉強不足で話に感情移入できず、今自分がどこに居るのかを把握するのにいっぱいいっぱいで、作品を楽しむことが難しかったです。
中年期から壮年期にさしかかったディカプリオが演じる卑小で頭もよくないアーネスト、デニーロ演じるごく狭い地域の中でキングを自称する田舎ヤクザの伯父、原住民インディアン達の石油に群がる白人達。
どのキャラにも気持ちが向かず、それはとりもなおさずスコセッシの術中にハマってしまったことを意味してるんでしょうが、鑑賞するこちらの疲弊が半端ない。
途中睡魔に襲われそうになりつつも、リータの家爆破あたりで目が覚め、最後は「沈黙」を髣髴させる自然音のエンドロールにスコセッシズムを感じながら劇場を後にしました。
これから鑑賞する方は、少しアメリカインディアンの歴史等の予備知識を入れて行かれた方がいいかも。ミステリーやサスペンスのお話ではありません。
あと髭剃りシーンは名作アンタッチャブルのオマージュですよね。法廷のシーンも何となくあのカポネと重なり、世代的に胸熱でした。
それから義妹の夫スミスはグリーンマイルのボンクラ看守役の人に似てる気がしたのですが、名前を存じ上げず…
本作は映画作品としては良作とは思うのですが、シャッターアイランド、ディパーテッド、キャッチミー、ウォールストリート的なエンタメを期待して行くと少しが当てが外れるかもしれません。
プリオの「イ、インスリン」グー!
200分超えとは知らないで観ちゃった。デニーロはいい感じで怪しい笑顔から出てきて「ザ名優」って感じだった。プリオは終始縦皺を顔に作ってたけど、ありゃ観終わった後に考えさせる演出かもね。
沢田研二の「憎みきれないロクデナシ」だね。
高評価ばかりなのに私にははまりませんでした
ディカプリオ&ロバート・デ・ニーロのスコセッシ作品、予告を観てからずっと楽しみにしていました
ムビチケを買ってから上映時間206分と知り、その時間の長さに恐れおののきながら観ましたが、時間の長さは全然感じませんでした
なのに私にははまらなくて、私の感性が変なのかと思います
あのお二人の演技は今作でも素晴らしく、退屈するような内容じゃないのに、何で面白いと思わなかったのか
それにしてもこれが実話ベースとはあまりにひどすぎて、「無能力者」という言葉にびっくりすぎました
それを受け入れているようにさえ思えるオセージ族の人達、そんな時代だったのでしょうけど、そういう差別が普通の世の中とは
余韻がさらに残るような自然の中の音だけのエンドクレジット、良かったと思います
それでも愛してる
見る前から分かっていたけど、恐ろしい作品だ。
映画ファンを名乗っているのにふざけんな!と真の映画ファンの方々に叱られるのを覚悟で暴露するのですが、実はマーティン・スコセッシ監督の映画、今の今まで1度も見た事がなくて。本作が〈映画の中の映画〉と称される、スコセッシ作品の鑑賞デビューとなったわけですが、もう言葉を失い、自分の口からは語れないほどの衝撃作でした。
映画人生、最長の206分。
流石に長すぎるだろと懸念していましたが、やっぱり長かった。時間の経過はしっかり感じるし、終わったあとはどっぷり疲れる。だけど、スクリーンに目が釘付けで、緊張感が最初から最後まで続くため、飽きるどころか前傾姿勢になって没頭していました。そこまで大きな動きがあるわけでもないし、基本的には会話劇で退屈な映画になってもおかしくないのに、こんなに観客を夢中にさせるものに仕上げるなんて。鑑賞後、彼の映画を見てこなかったことを酷く後悔しました。人生の○割損してるよとかよく言うけど、これがそうなんだと。長い時間が経過しているのに、ラスト際が1番アガってしまう。
最高の演出と最高のキャスト。
レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロの至極のアンサンブル。狂気と欲に満ちた、当時の白人という化け物を怪演。ディカプリオから溢れる怒りと涙、そしてデ・ニーロが放つ人間の意地汚さと醜さ。何百回、何千回と言われたことだろうけど、やはりこの2人は尋常じゃなく演技が上手い。というか、その域を遥かに越している。彼らの所業に憎しみを覚えながらも、いくら入れても満たされない壊れた心に、とてつもなく寂しくなる。1つの表情で2つの感情が読み取れる、二面性を持ったとんでもない俳優です。
ストーリーはそう易々と語れるようなものではありません。最近の映画で例えるなら、アメリカ版「福田村事件」のようなもの。重くて、辛くて、実際に会ったことに目を逸らしたくなるような悲惨な殺人事件。本作の元となったのは〈インディアン連続怪死事件〉。時代が生んだ残虐な事件であり、100年前に起こったという、何かと共通点の多い2つの出来事。1つの民族・人種を蔑んで、自分の地位を保ち栄光を得ようとする。それは、例え土地が違えど、欲望を追求するネジが壊れた人々は多くいたのだ。これらの事件が何故、今となって映画化されたのか。過去の時代背景と共に、我々が生きるこの世の中を考え、照らし合わせてみれば一目瞭然。過去を繰り返すなんてあってはならないのに、人間は何度も同じ過ちを犯してしまう。今だからこそ、振り返って思い返してみる時ではないだろうか。
お初にお目にかかりました、リリー・グラッドストーンも善良な人間が荒み、崩れていく姿を熱演。彼女がアーネストにかける言葉が、見ているものの心までも大きく動かします。キャストで言えば、ブレンダン・フレイザーの配役もすごく良かった。音楽や映像、構成に演出などなど、触れたらキリのないほど、本作は完璧に研ぎ澄まされた〈映画の中の映画〉。もう一度見たいと思っている自分が恐ろしく怖いが、何度観ても新たな発見があると確信している。
動乱の時代を生き、ウィリアムという人間の仮面を被る悪魔のような叔父を持ってしまった悲しき元傭兵・アーネストと、想像することすら出来ない悲惨な人生を送った、インディアンであるモーリーとの物語。彼は心から妻を愛していたのだろうか。たとえ愛があったとしても、それは彼女に届いていたのだろうか。何度考えても答えは見つからない。これほど読み解くのが難しい愛は無い。本作はミステリーでも、サスペンスでもない。最高の愛を描く、壮大なラブストーリーなのである。
さすがスコセッシ監督!
是非、映画館でエンドロールの音響を最後まで楽しんで欲しい。
映画館で鑑賞しました。3時間以上の作品なのでトイレが心配でしたが、映画の世界にどっぷりと浸った事で、お尻が痛くなることも尿意をもよおすこともありませんでした。コレは自分の中では驚きでした。スコセッシ監督の作品としては、個人的には、前作のアイリッシュマンが予想よりも芳しくなかったので、観るまでは少し不安もありましたが、ディカプリオやリリーグラッドストーンの迫真の演技により目が離せない3時間20分となりました。もう終わり?ってあっという間に時間が経つ感覚でした。久しぶりに観た傑作に満足して映画館を後にする事が出来ました。ニューヨークニューヨークでのライザミネリとロバートデニーロの演技合戦のようで素晴らしかったです。この映画は史実が基になっているので、観る前にWEBで調べたらストーリーが分かってしまうので、私のように何の情報も入れずに鑑賞した方が興味深いひと時を満喫出来ると思います。もっと沢山言いたいですがこのくらいにしておきます。
がめつい輩
人間の欲の罪深さは消しようがない
仕組まれた政略結婚に動揺しつつも、愛する妻を裏切る凡人を通して描く人間の強欲と少数民族迫害の僅か100年前の黒歴史。このクズ男をディカプリオが主役として演ずるのがミソ。すべては石油に基づく悲劇、石油=金、であり湧き出る金目当てに悪が群がる構図。少数派が金を持てば、多数派が群がりむしり取る、古今東西全く変わることの無い侵略と略奪。この米国の消せない事実がどれ程に米国民が周知しているのか分かりませんが、こうした歴史の恥部を曝け出すことは何よりも肝要で、被虐史観を嫌がっていたら何にも前に進みません。
それにしても、近頃映画が長い!3時間近くなんてザラ、娯楽のマーベルだって風格を醸し出したくやたら長い作品多し。で、本作は3時間26分と類を見ない長尺に、コンパクトな映画3本分ですよ。しかし、何故かそれを感じさせない充実感が全編を覆う快作を、御年80歳の巨匠が成し遂げた。あのAppleが潤沢な資金を惜しむことなく投入し、オクラホマの原野に当時の街並みまでオープンセットで創り上げる贅沢な映像が画面の隅々まで漲る様は壮観。画面はあくまで瑞々しく精緻、丁寧に造り込んだセットも含めなにもかも第一級。$200,000,000すなわち約300億円の製作費は伊達じゃない。
しかし、2人の会話を切り返しで描くことによる緊張感ある演技合戦がみられるものの、バストショットに拘ったのは、Apple+での配信のためかしらんと穿ってしまうのが少々残念。そもそもジェシー・プレモンス(いい役者ですね)扮するFBIの視点で描かれた原作と聞く、それを主演のディカプリオが凡人アーネスト役を所望したとかで、かなり構造が変わってしまうわけで。ディカプリオが捜査官であれば、オセージ郡の悲劇を解き明かしカッコイイ主人公となり、スコセッシとしても彼らしい骨太の作品に仕上がったと容易く想像出来る。ディカプリオとデ・ニーロが火花を散らすのですよ、美しいモーリーを救う役ですよ、メリハリつき観客の感情移入も容易く、希代の名作となり得たのに。敢えて主体性のない凡人を主役にたてるリスクを払しょく出来たかと問えば、かなりハードルは高かったと言わざるを得ないでしょう。善き人として描き込む必要から随分とシーンが積み重なり過ぎたのではないか。
そんな難題を自らに課した主演のディカプリオは、ドラマチックに凡人を巧妙に演じ演技の幅を広げたのは確かでしょう。白眉なのは言うまでもなくモーリー役のリリー・グラッドストーンでしょう、泰然と構えつつも仔細な動揺を表現するなんざあお見事。そしてなによりスコセッシと言えばデ・ニーロ、半世紀近く前からのチームである。そのデ・ニーロの善人を纏った最恐悪人が出色も出色、「ゴッド・ファーザー」そのもので嬉しいやら驚くやら。流石の押し出し、しかも全然構えずサラリと流すさり気なさは百戦錬磨のデ・ニーロの至芸。この三人共オスカーのノミネートはほぼ確実ではないでしょうか。
いよいよの裁判に至り、突然登場のジョン・リスゴーとブレンダン・フレイザーがそれぞれ検察側・弁護側に別れての弁護士として登場の隠し玉。さらにラストには急転直下の朗読ラジオ公開中継に至り、スコセッシご本人まで登場とはサプライズ。一挙にお話が寓話のようにまとめられてしまった。
インディアンの命なんて軽いもの、てなセリフが登場。この多数派のセリフに「二グロ」とさらに下層の黒人を称する蔑称が、確かに発音されているのに字幕では単に「クロ」とだけ表示。リッチなインディアンに使える召使に白人が担っている現実が許せない、多数派の思い上がりが本作の肝。つくづく人間ってのは進歩が完全に止まってますね、戦争したくてしょうがないのですから。ウクライナでもパレスチナでも、ひたすら武器商人達が小躍りして喜んでますから。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 黒い水が白い人間達を黒い心に染めていく。てか、最初から腹黒いかコイツら!
※2023.10.24. 【ユナイテッド・シネマ橿原】2回目の鑑賞:The second time is even better . 久々と言ってもよいくらい“映画らしい映画”なので、どうしてももう一度観たくなり再鑑賞。1回目よりこの映画の良さと巧みさとがよく分かったように思う。“映画らしい映画”ということでは、やはり今年のベストテンに入るべき映画であろう。
①かなりの長尺だが最後まで飽かせないのはさすがマーティン・スコセッシ。だが、少し往年の重厚さは薄れているようで、期待にくらべ感銘度はやや薄い。
しかし、ブロックバスターばかりの昨今のアメリカ映画でこれこそ映画という作品を取り続けるスコセッシはアメリカ映画最後の良心になるのか、そうは思いたくないけれど。
②金の為なら何でもするのが人間だが、相手が自分より劣っている、同じ土台に立っていないと思うと更に残酷になるというおぞましさ。
③ロバート・デ・ニーロ演じるヘイルが、自分は何も悪いことはしていないと心底信じているのが何よりも恐ろしい。
④レオナルド・ディカプリオ、悪魔の中に放り込まれた天使の役か、と思いきや、コイツも悪魔の手先じゃん、という役柄。
妻に内緒で妻の家族を手にかけていくのに良心は傷まなかったのか、もとから心はなかったか。。
伯父が怖かったのか、金が欲しかったのか、自分でもよく分からなかったのか、あまり頭の良くなさそうな男を如何にもそれらしく演じてさすがだが、これが人間かもしれないと思えても割りきれなさが残る。
最後正義の側についても妻を殺すことに加担したことを言えなかった哀れさ、その時のディカプリオの表情。
⑤最初から全てを見通していたようなモリーの視線、表情。喜怒哀楽を過剰に表さないその表情(遠い祖先が日本人と同じだからか)がこの悲劇をわすれてはならない、と私達に語っているような気がする。
⑥惜しむらくはヘイルの悪行に焦点を絞ったせいか、恐らくもっと広範囲で起こっていた筈のオーセージ族に対する犯罪行為の全体像が浮かび上がってこないうらみが残る。
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