哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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私の身体は私のもの
亡くなった女性に胎児の脳を移植し、蘇らせるという女性版フランケンシュタインのような設定にまず驚く。幼児の自慰行為から性に目覚め、それから言葉や知識を覚え、社会を知っていくという流れも面白い。
テーマとしては、私の身体は私のもの、硬く言えば「性の自己決定権」ということか。後半になるほどフェミニズム的な色合いが濃くなる。
ただ、作品の構えがあまりに技巧的・人工的なので、感情を揺さぶられるという感じはない。美術・装置は凄い。そして衣装。ビクトリア調のようで現代的な独特さに目を奪われる。
映像としては、モノクロになったり、覗き穴から見るような魚眼レンズになったり、色々工夫しているが、それほど効果的とは思えなかった。
エマ・ストーンは、アンダーヘアまで晒しているが、いやらしい感じはしない。ウィレム・デフォーが最初はマッドサイエンティストと思ったが、切なさも感じさせて好演。ハンナ・シグラが出てきたのには驚いた。
観終わってから、タイトルの哀れなるものたち(原題Poor Things)とは何を指しているか考えている。複数形なので、主人公ベラのことではないのだろうが。
かわいい子には旅をさせよ!
大人の身体に子どもの脳を移植したら
どうなるんだろう?だなんて考えたことなかった。
前述からしてSFっぽいのかなーと思っていたが、
少女の成長に着目した作品。
設定は非日常的だけど、その成長過程はリアルさを感じた。
あらすじ
胎児を身籠ったヴィクトリアは自殺を試みた。
自殺は成功するも天才外科医によって蘇生される。
しかし、それは完全なる蘇生ではなかった。
見た目はヴィクトリア、脳は身籠っていた胎児の脳を移植されたのだ。
ヴィクトリアとして記憶のない女性は“ベラ”という少女として新たな人生を歩み始める。
急速に成長を遂げるベラの様々な体験の話。
かわいい我が子は
ツラい思いをしてほしくないし、
なるべく危険から遠ざけて
安全な場所で暮らしてほしい…!
みたいな気持ち ちょっとわかるかも(!?)
でもそれは子どもの成長には繋がらないし、
様々な経験をしてこそ、自分という“個”が
確立していくと感じた。
善悪も判断できない年齢の子が、
1人or信用できない大人と外の世界を知るのは危険!
信頼できる大人と共に、
様々な経験を経ていくのがいちばん良いんだろうなと思った。
すごいが苦手
油断してました
感想を述べるのがとても困難な映画
ラ・ラ・ランドのエマ・ストーンとプラトゥーンのウィレム・デフォーが共演しており、話題作なので、こっそり朝一番で一人で観てきました。表層的には荒唐無稽で極めてインモラルな映画であり、有名女優の性的描写も観ていて可哀想になりました。一方で映像が幻想的かつ非常にきれいで、ある種寓話的な不思議な風景が続きました。そして観終えたあと、向かいの椅子の背もたれにメガネを強打して、そのままメガネ屋さんに行く羽目になるくらい、頭がクラクラする、強い精神的衝撃を受けた映画でもありました。
シネコンで全国に配給される映画というより、独立系のミニシアターで上映されるようなテイストの映画です。そういう映画が好きか嫌いかでも評価が分かれると思います。とはいえ、観ていて退屈することはなく、観終えたあとは、案外と悪くない気持ちではありましたが。
原題は「POOR THINGS」で、彼女も、彼女に関わった男性も、皆さんPOOR(可哀想な)な人たちであり、さらには主人公の旅の途上で本当にPOOR(貧しい)な人々に遭遇したり、女性も男性もPOOR(可哀想な)な存在なのかしら?とも思える一方、旅はたくさんの経験をさせてくれる、人間を成長させるもので、さらに言えば”生きていることはとてもおもしろいもの”、とも感じさせる映画でした。
ちょっと違いますが、手塚治虫の「ガラスの脳」という古い短編を思い出しました。この漫画に登場する少女も17歳の身体で赤ん坊の脳の状態でしたが、わずかの期間に急速に成長し、再び意識不明になる、とても可哀想な物語でした。それに比べるとエマ・ストーン扮する主人公はハッピーエンドを迎えることができたので、それはそれで良かったのですが、僕の常識やモラルを破壊されそうになったのも確かな、大変な問題作です。
原題"Poor Things"とは???
妖怪人間ぽい?と思いきや
生きなおしの旅
存外難しくなかった。ちょい怖SFヒューマンドラマだったに違いない。
予告の印象では、
前衛的
雰囲気映画
お洒落だけど意味不明
”なんとなく”スゴいのだけ分かる
なるほど分からん映画
だと思ってたのですが、全然そんなことなかった。
お洒落だし何か前衛的だけど分からないことない。
ベラのお守りに奮闘する男どもはコメディちっくで笑えるし、解剖実験で遊ばれた動物たちは見世物小屋に入るようなワクワクした恐怖があり、ベラちゃんの成長ぶりは見応えがある。
ベラちゃんを中心とした群像劇だったのだなあと思います。
深いテーマが込められてるとかそういうのは分からんですが、そういうの考えなくても普通に面白く鑑賞できると思います。
そして何か深いものを見出だしたい人も何か見つけられそうな難解さを潜めている感じもする。
幅広い層に開かれた高尚な映画って感じでした。
あえて言うなら人を誘ってみられる映画じゃねえやっていうのが…うん…難点ですよね…
あの、あと、アレクサンドリアは、あれ、何があったんですか?
一昔前はマジであんなんだったんですか?
誇張表現?
私の精神も破壊されかけたわ。
教えて有識者の方。
奇妙
哀れなるものたち=男たち?
皆さんのおっしゃるとおり傑作
哀れなるもの
「解決」のないプロット
冒頭、ベラが不器用にピアノの鍵盤を叩きまくる。そうして響き渡る不協和音、まさにそのイメージがこの映画全体の底流をなしているように感じられた。何も解決されず、何のモラル・メッセージも引き出され得ない。ただただ私たちが「綺麗事」の世の中を生きる中で抑圧している物事がド派手に散らかされたまま、幕が下ろされる。それは、「人間は獣」だから哲学的思考によって自己研鑽をできると考えるのは虚妄に過ぎないと断じた、船上の黒人の少年の悲観的な思想を裏付けるものであるようにも思われた。
人間には、理性的規律心に加え必然的に野獣的欲望が内在する。それが自己に属するものであれ他者に属するものであれ、欲望は理性により規律することができると信じていたダンカンとアルフィーはともに破滅した。他方でベラは、理性と欲望との両極性を素直に受け入れその都度の心の声に応じて選択を重ねた結果、成功を手に入れる。とはいえ、あの結末を見る限り、それが物語世界全体としての「ハッピーエンド」に適うものでないのも確かである。
モラルというのが理性の要請に応えるものである以上、欲望の根源的な不屈性を主題化した本作品からその種のメッセージを引き出せないのは当然でもある。人間存在は理性と欲望の葛藤の中で生きるものであり、それを綺麗に解決する手段を一律に提示することなどできない。しかし、我々が忌避すべきものとしてーあくまで否認の形式でー「哀れなるものたち」について語ることはできる。それは、まさにダンカンとアルフィーのように、自己のみならず他者の欲望の奔流をも理性の刃によって自在に断ち切ることができるという空想に固執することを意味するのだろう。
感想が分かりません
もう一歩かな
過去作と比べてもちょっと退屈でした。原作ありきなのでそうなっちゃったのかな?未読です。
ベラが成長していくのはいいけど、ベラの人となりや性格が全く分からず、ただ、ただスポンジのように素直に知識を吸収していくだけで、不思議と周りに人が集まってくるのが良く分からなかった。子供のように壊す事や泣き叫ぶ子供が嫌いだったのに、老女達との触れ合いや読書だけで急に劣悪な環境下で子供が死んでいくのにショックを受けるって、、、原作がそうなのでしょうか?
美術や世界観はとても面白いけど、ウェス•アンダーソンっぽいチープさを感じました。マーク•ラファロ、ウィレム•デフォーはとてもよかったし、エマの体当たり演技も役者魂を感じました。
キャストは超豪華だけど賞レースに絡むほどの作品ではないように思えました。
エマ・ストーンでエロ映画が撮りたかった
何回観ても....難解かもねーん。
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