劇場公開日 2024年1月26日

哀れなるものたちのレビュー・感想・評価

全481件中、261~280件目を表示

4.0衝撃! 色々な意味で

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

映画賞でも話題の本作だが、エマ・ストーンが数いるハリウッド女優の中でもお気に入りなので、それだけで楽しみにしていた。

【物語】
ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)は外科医。医学の探求のためには子供をも実験台に使う外科医の父親に育てられ、バクスター自身も何よりも探求を優先する医者となった。結果、天才的な技術と知識を修得したのだった。

バクスターは遺体を引き取り、自宅で解剖して医学探求することが日常だった。あるとき街で美しく若い女性の自殺に遭遇する。遺体を前にしたバクスターは命を失いながらもほとんど損傷していない新鮮な肉体に興奮して持ち帰る。 臨月と思える女性のお腹を見てベクスターあることを思いつく。胎児を取り出し、胎児の脳を女性の脳として移植する。その上で蘇生を試み、奇跡的に成功する。

ベクスターは生き返った女性をベラ(エマ・ストーン)と名付ける。ベラは大人の体でありながら、新生児の脳というアンバランスな人間だったが、言語・歩行・知識等を急速に習得して行った。 バクスターは彼女の成長を研究材料として医学生に日々記録させていた。

あるとき、バクスター邸を訪れた放蕩(ほうとう)者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)は美しいベラに魅せられ、一緒に世界を旅して周ろうと誘う。それまで家の外へ出ることを許されていなかったベラには「世界を自分の目で見たい」という強い欲求が生まれており、バクスターの下から出て行ってしまう。

ベラは、旅の中で常識や偏見の無い少女の目線で、人間の欲求、社会的格差、差別、利己等、人・社会が抱える課題・問題を貪欲に学んでいく。

【感想】
いろいろビックりなのだが、一番はエマ・ストーン。
「大胆なシーン」という記事の見出しは目にしていたが、ここまではとは想像していなかった。どんなかは観て確かめて欲しい。

作品の内容的には観方によっては相当深いものなんだと思う。
思考の浅い俺にも感じられたことは、常識や先入観の無い子供の目線で大人社会に入っていった時に見える大人社会の滑稽さ、矛盾、課題といったところ。

まず性を人間の根源的欲求として捉えているかと思う。確かに動物は種を残し、増やすことこそが最大のミッションだと考えればそうかも知れない。
ベラは性を仕事にして生活に必要な金を稼ぐことに何の罪悪感も嫌悪感も無い。「それが何か?」って感じだ。 それも作者が強く言いたいことだったのか? 良く分からないが。

人の身勝手さや社会格差も浮き彫りにされる。
そう思って観れば、様々なシーンに様々な問題提起がありそう。そういう(シーン1つ1つに作者の意図を探す)見方がお好きな方は答え探しをしながら観るのも良いかも。
俺はそういう見方は得意じゃないので、具体例をあまり挙げられないけど。

そしてラストにはぞっとするような怖さも。

原題はPoor thing
今回の邦題は的確なんだと思う。改めて調べてみるとpoorの意味は「貧しい」が最初に浮かぶが「可哀そうな」という意味があるし、thing には「人」の意味で使うこともあるらしい、知らなかった。
「一番哀れな人はて誰?」というのが、観客への問いかけなのかな?

いずれにしても、「ピュアな目で世の中を眺めたら」を作品にするのに、ベラ誕生の設定を考え付いた作者は凄い。凡人にはとても思いつかない発想。

コメントする (0件)
共感した! 13件)
泣き虫オヤジ

4.0摩訶不思議

2024年1月31日
PCから投稿

ブラックファンタジー風の序盤はユニバーサルホラー的でもあり、白黒・カラーの混在、魚眼に近い超広角レンズによる歪んだ映像、陰影を廃した70年代風のライティングなど斬新な感覚に満ちています。
中盤以降は何を言いたいんだかサッパリわかりませんが、話の奇抜性がカバーしています。

原作なのか、脚本なのか、演出なのか必然性のないストーリー展開を、監督独特の感性で行き当たりばったりに演出した妙味が出色です。

とにかく何だかわからないけど、何となく珍しい物を観た、という感想です。
故にボロクソにけなす人も多いでしょうね。
良くも悪くもオスカー好みではあるでしょう。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
越後屋

3.0ウィレム・デフォーが最高!

2024年1月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

普通に考えればホラーになる設定なのに、ファンタジーとして成立しているのがスゴい。
まぁ、エログロ多めだけど。
1番のツボは、やはりウィレム・デフォー🤣。
ちょっと楳図かずおっぽい映画だね。
この映画が賞レース総ナメしている事に驚き!!

コメントする 2件)
共感した! 8件)
naichin

5.0言語化するのがもったいないくらいの芸術作品

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

グロテスクながら幻想的な世界観で「生」を表現していた。
身ごもっていた胎児の脳を移植された女性が、赤子から大人へと成長する過程を描いてる。ただ大人になっただけではなく、アイデンティティや深い思想をもった女性になる過程。

トム・ソーヤーの冒険のように、国から国へと様々な場所を冒険し、様々な人間と出会い学ぶ主人公。新たな世界と出会い、感動したり、快楽に溺れたり、悲しんだり、怒ったり、、、みずみずしい主人公の反応に目を離せなくなる。

老婦人とハリーという異なる思想をもった人達と対話をして影響をうけ、貧富の差の現実や暴力、その他にも風俗店での違和感や社会主義者の女の子との出会いなどを受けて、より自分で考えて自分がなにがしたくてなにをできるのか真剣に思想する女性へ。

恋をする、まだ見ぬ世界への好奇心から奔放な男と付き合う、男がメンヘラ化、風俗店で働いてみる、優しい男との愛に落ち着く、+‪支配的な男との関わりも…!
と言った具合の、主人公の経験が結構女性あるあるな気がする…!
少なくともこれは、人間として成長していく話でありながら、女性による女性のための話だなぁと思った!

お気に入りは、リスボンのシーン。街は花々に彩られていて美しく、主人公が食や音楽やセックス、見知らなかった新たな世界を貪る様は、「初めて知る生の喜び」という感じがした。
ダンスのシーンが特に好き。野性的で、音楽全てを表現するようなダンス。もう1回みたい。
下からのアングルでリスボンの美しい世界を映すので、自分も一緒に子どもになって世界を見ているような気持ちになった。たぶん彼女が強く感じとった音や視覚情報が強調されるように映されていると思うんだけど、(怒鳴り声や赤子の泣き声など)それも相まって主人公と一心同体のような気持ちで世界を見ることができた。
上を見あげたときに、空を走っている電車が目に入ったときなんて、主人公と一緒に「わぁ〜」と声をあげそうになった!

全編にわたって、重要な要素やメッセージが分かりやすく言語化されているので、芸術的な世界観ながら難解ではないのがよかった。
音楽や映像が本当に良くて、エンドロールの最後まで目が離せなかった!
あとはジョークや笑えるところが、「イギリス!!」って感じの皮肉多めなジョークで私は大好きだった笑
黒ヤギさん移植が痛烈でいっちばん笑った笑

色んな要素が入っていて、立場や視点によって多様な感想がでてくる、本当に魅力的な作品でした!

コメントする (0件)
共感した! 17件)
とも

3.5彼女とララランドのノリで行ったらダメですよ!

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

auマンデー『哀れなるものたち』
出演者見るとアメコミ好きには、グウェンにグリーンゴブリンにハルクの共演なんですが・・・
奇々怪界な雰囲気漂う予告に、エマ・ストーンが凄い事になってる感が気になってた作品
アカデミー賞でも作品賞、監督賞、主演女優賞ノミネートされてます。

いやぁ、、、昭和親父的には、フランケンシュタインの花嫁の新解釈なのか?って思ってしまう感じで、変な空間に連れ込まれた141分は、観る人選ぶし・・・
エマさん全てを曝け出す女優魂にただただ唖然とします。
こりゃアカデミー賞獲るでしょう!

彼女や奥さんと、ララランドの彼女をイメージして行くとヤバいので要注意!!

コメントする (0件)
共感した! 10件)
eigatama41

3.0結局男目線なのかしらね

2024年1月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

《哀れなるものたち》
ゴッドによる超絶バッドな実験から生まれたベラの再生物語。テーマパークの様な美術とサウンドが圧倒的なショータイム♪暗黒の男からの抑圧開放ストーリーだけど要所要所で"メイドバイ男"臭がぷんぷん。描かれる"女性の自立"が"こんな感じでしょ"って男がちゃちゃっと作った感じがしてならない。。ラストのアレって主従逆転しただけで構造は男性社会。。これって女性達は求めてるのかしらね、等と。。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
つっちぃ

5.0映画ってやはりすごい

2024年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

なにを言おうとこの映画の凄さのわずかも語れない。いまあまりピンとこなくても、たぶんどこかに刺さっていて、いつか思い出す。
おそらくそんな作品です。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
rahen

5.0傑作!怪作!破天荒!

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

素晴らしい作品ですね!脚本も映像も見事です。
シュールなファンタジー仕立てのコメディだけど、ビルディングスロマン、神話的冒険譚、ジェンダー等々、いろんな要素が詰まってますね。
とにかく、エマ・ストーンの体当たりの怪演にぶっ飛びました。マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフといった脇役陣もいい芝居してる。あと、老婦人と若い黒人男性のカップルのキャラ設定が印象的でした。
???ってのが随所にあるけど、これファンタジーですから。裸、セックスも満載だけど、まったくエロじゃないですね。
エンディングも強烈⁉︎
とにかく、最初から最後まで楽しめました!

コメントする 3件)
共感した! 15件)
ken57

3.0哀れなるものたちとは

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「哀れなるものたち」とは、「良識」や「社会」に縛られた人たちのことだ。
ベラは、好きなものを好きと言い、嫌いなものを嫌いと言い、自らの欲求に正直で、好奇心が旺盛で、真実を知ることを恐れず、人の善を信じ、世界が良くなるように努めている。そこには一点の曇りもない。ベラはいつも満ち足りている。
とはいえ、ベラの作った世界(ゴッドの作った世界)もやっぱりいびつで異常だ。
まだまだ成長途中のベラが行き着く世界は。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
joe

5.0ストーリー、世界観、美的センス、最高。

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

評判通りの傑作である。いかにも実際、昔あったかのような怪しい医学を軸に奇想天外のストーリー、ブルジョア風俗もゴージャスに再現、風景や世界観がスケール大きく描かれ、美的センスは衣装からエンドロールの背景に及ぶ。人間性とは倫理とは何かという、いささか哲学的なテーマとともに、明け透けなセックスシーンも入れた娯楽性もある。ヴェネツィアで金獅子賞も納得、恐れ入りましたという感じ。最初は奇怪なベラが、この映画を見終えた後は誰もが好きになる。

コメントする (0件)
共感した! 14件)
Boncompagno da Tacaoca

4.0哀れなるものたち

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

哀れなるものたち

最高だった。
心を揺さぶるものって感動とか、感情移入とかじゃなくてもできるんだと知った。何か見てはいけないものを見ているような、見たくないものに目をそめたくなるような体験。人が人の形をしていなかったり、人間のあるべき姿ではない何か奇怪なものは、気味が悪く、かわいそうに映る。そういういけないものを見ている背徳感は、人間の重要な感情なのだ。だからこそ、ベラの周囲の人たちは平気でいられるのだ。だからこそ、哀れなるものたちなのだ。

①『生の感情』はあったか
おそらくこの映画で1番重要なのがこれ。胎児のような頭脳を持ち大人の体をあやつる、いわゆる「逆コナンくん」のベラは、まさに生の感情の権化。全ての意思表示が生の感情であり、それを抑える術を持たぬ。だからこそ純粋で、愛しく思えてくる。やはり我々観客は、生の感情が爆発するものに共感を覚え、この世界の社会的抑圧から解放されることを願っているのだろう。

②緊張感はあったか
特段、特筆するような緊張感のあるシーンはなかったように思える。それがこの映画がエンタメでない理由だろう。もっとエンタメ性を出すのであれば、ベラの行動がきっかけで命の危険に晒されたり、誰かを殺してしまいそうになったりするが、どちらかというとこの作品はそういう緊張感のあるシーンすらもコミカルに描いている感じがした。だからこそ、ベラに対して嫌な印象を持たず、終始感情移入できたのだろう。

③「謎」はあったか
これはなかった。ほぼなかったと言っていい。この作品は、1人の人物を追っていく物語で、ベラという少女の成長を追っていく物語だった。不必要な要素だと思う。

成人女性の体に胎児の脳を移植して誕生した、見た目は大人で頭脳は子供の少女、ベラ。彼女は、子供ならではの自由奔放さから、ベラを創生した父親代わりのゴッドに半ば監禁されていた。
その事実を知った遊び人のダンカンは、ベラをリスボンに連れ出し、外の世界の冒険をさせる。ベラはそこで出会うさまざまな人間や世界に触れ、だんだんと成長をしていく。しかし、まだ未成熟の彼女の行動により、ダンカンと共に破産し、パリに置き去りになってしまう。
そこで彼女は、自身の性的好奇心と金銭的危機を考え、娼婦になることを自ら決める。
そうした中、ゴッドの危篤を知り、帰ってくるベラ。そこで彼女は、自らの出生の真相を知り、やがてゴッドが死ぬと、医者になることを決意するのであった。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
tyshi

2.5毒々しい

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

あまりにもセックスシーンが露骨で多すぎて付いていけませんでした。高齢が故のたわごとでしょうか?

コメントする (0件)
共感した! 4件)
おしか

4.0自分の感性を試してみたい方にお勧めの映画です♪

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

最近の米アカデミー賞受賞作品には少し疑問を抱いていたところ、アカデミー賞11部門ノミネートとの本作品。正直鑑賞を迷いましたが、結果からいえば観ておいてとてもよかったと思います。鑑賞後の後味的には第94回日本アカデミー賞作品賞など受賞の「ドライブ・マイ・カー」を観た後に似ています。「やられたー」とか「そうきたかー」といった類の言葉で正しいのかは分りませんが、とにかく鑑賞前と鑑賞後ではあきらかに違う自分になる、心の奥底にズドンとした衝撃を持ち帰ることになる作品。とはいえR18+で性描写やグロテスクな描写も多々あり、誰にでも刺さる映画とは言い難い内容ではあります。

【本作品をおススメしたい方は以下の人】
・アカデミー賞ノミネート(受賞)作品は欠かさず見ている映画好きなあなた
・何かしらの束縛から自由になりたいと日々感じているあなた
・もしかして自分こそが「哀れなるものたち」ではないかしら?なんて一瞬でも思ったことがある、感受性豊かなあなた

モノクロになったり、カラーになったり、空想の世界になったり豊かな映像美と、巧みな不協和音で観るものの感情を揺さぶる音響、主演エマ・ストーンの体当たり演技など、とにかく見どころは満載です。

週末レイトショーで
一人静かに、
じっくり、
どっぷり
鑑賞するのが
おススメです♪

コメントする (0件)
共感した! 11件)
ななやお

3.024-015

2024年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ディズニーでR18+、
そういう事なんですねぇ。

趣味の悪い設定に奇怪な生き物、
そしてモノクロ。
しんどい始まりだなぁと思っていると、
成長と向上のお話。
なかなかええやんと思っていると、
食欲と性欲の話、そして支離滅裂。
終始よくわからん。

フランケンシュタインとピノキオに
何が足されたようなお話し。
寓話で啓示のような、ないような。

まあ、
エマストーンの表情だけで満腹です😅

コメントする (0件)
共感した! 4件)
佐阪航

5.0オトナの童話

2024年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

萌える

女フランケンシュタインの怪奇路線モノかと思い観始めたけどラストに向かいエマはもう成長していくしなかなか面白かった。
画が独特の色調、ウィレム・デフォーのメイク良いし、エマの脱ぎっぷりも良いし。オトナ向けの童話で好きだわ。

コメントする (0件)
共感した! 15件)
koo

5.0ブッ飛んだけどスゴイ映画と言うしかない

2024年1月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ぶっ飛んだ、スゴイ映画を観てしまった…という感想です。あくまでもいい意味で。

数々のR18指定の映画はあれど、
ここまで真っ向から描かれると
それは、食べたり眠ったり…といった人間の日常の行為と何ら変わりません。

そればかり注目されがちですが、
人はこうやって成長していくのか…とまじまじと考える
真面目で、でもシュールな映画だと思いました。

1人の女性の驚くべき成長と純真無垢な様を前にして
「哀れなるものたち」は
ひれ伏すしかありません。
主人公ベラも、演じたエマ・ストーンもあっぱれ、です。

エマ・ストーンというと
私はずっとラ・ラ・ランドのイメージを引きずっています💦
もし、あの映画の中で、最後は有名な女優になった設定のミア=エマ・ストーンの人生が続いているとしたら、
相手役を演じたライアン・ゴズリングは、
「ミア、君はなかなかスゴイ女優になったんだね…」とつぶやくことでしょう。

まあよくこの役を引き受けたし、
製作側にも加わっているそうです。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
ruriruri1515

4.5本能と理性と感性を刺激する一作

2024年1月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

公開を楽しみにしていた一作。
奇作でアート的な作品かと思いきや、中身はわかりやすい作品ではあった。
しかし、いい意味で期待を裏切られた。

奇抜な設定から、しっかりと人間の本能と、社会性と愛が新しい視点で描かれており、斜め上の行動をするベラから目が離せなかった。

セックスシーンだらけではあるが、最初は微笑ましくなるが、だんだんと生々しく、重くなってくる。人間が生きるのに性が深く結びついており、人間たらしめることが改めて感じさせられる。
体当たりで演じたエマ・ストーンにただただ脱帽である。

社会性を学んでいく過程でのさまざまな登場人物も癖が強くも魅力的である。

そして、不協和音と優美だが禍々しくもある、こだわり抜いた美術も長い映画を飽きさせない。

最後は丸くおさまってしまった感はあるが、人間の期待と怖さを感じるベラであった。

コメントする (0件)
共感した! 15件)
ひでぼー

3.5好き嫌いはあれど主演女優賞レベルです

2024年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

予告CMをみた時は生理的に苦手かも…と思いましたが、解説やレビューをいくら読んでも作品のイメージがわかず、結局は気になって自分の目でみに行くことにしました。

フランケンシュタインでもマイフェアレディでもなく、もっと単純な成長物語のように感じました。性的なシーンが多いですが、動物的で色気がなく、あぁ人間も動物だわという気分になります。
かなりファンタジックで非現実的な衣装や装置、演出があまり私の好みではありませんでしたが、とにかく主人公を演じたエマ・ストーンから目が離せず、ベラが次にどうするのか、どうなるのかが気になって見守ってしまいます。いかに彼女が真剣に役や作品に向き合い、全身全霊をささげて演じているのかが見て取れて感動しました。
くせの強い内容で好き嫌いが分かれるとは思いますが、たとえ映画自体が嫌いでも、この演技はアカデミー主演女優賞レベルではないでしょうか。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
かつのじょう

4.5ヨルゴス・ランティモス × エマ・ストーン

2024年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

これは今年のベストワン候補となる傑作。

自ら命を絶った身重のベラ。天才外科医によって自分の胎児の脳を移植され蘇生した。

そう、これは新生児の脳と大人の体を持ったベラの成長記。無垢だからこそ、偏見がないからこそわかる物事の本質。

例えば性欲は食欲と同じように自然に存在するもの。なくてはならない大切なものなのに何故に恥ずべきもの、包み隠すべき存在になってしまったのだろう。

何の先入観もなく善し悪しを判断するベラ。
ここに清々しほど明確な哲学がありました。

美術も好きだった。好きな世界観を形成した。あり得ない世界で、作り物の世界で真実を模索する。久々に「映画は映画である」と叫びたくなった。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
エロくそチキン2

5.0とんでもないムービー

2024年1月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

これはとんでもなく面白い映画でした。
とんでもない実験で生まれたとんでもなく魅力的なキャラクター。
フェミニズ厶などのメッセージもありますが、主人公の成長物語として単純に楽しめます。
しかしエマ・ストーンの演技はとんでもなく素晴らしかったです。こういうハリウッドスターの体当たりの演技を見ると、日本の人気女優はとても敵わないなと思ってしまう。

コメントする 4件)
共感した! 89件)
光陽