「切絵のうた」キリエのうた uzさんの映画レビュー(感想・評価)
切絵のうた
正直、長さの割に描ききったものがないように感じる。
イッコの生死や夏彦のその後、キリエが流浪に戻った(?)理由など何も明かされず。
フミに関しては3番目のクレジットに疑問符が付くレベル。
大学に行けなくなったのは分かるが、イッコが家どころか名前まで捨てた理由も不明。
(警察も「逸子」と呼んでおり、正式に改名済み?)
バレエ設定も、アイナを踊らせたかっただけにしか見えない。
警察や児相を悪者のように描いているが、明らかにメインキャラの方に問題があるのもモヤモヤ。
松本まりかや江口洋介らをちょい役で起用、大塚愛や安藤裕子はまだしも、石井竜也は気付けない。笑
しかしその豪華さも無駄遣いにしか思えない。
広瀬すずの母に奥菜恵という配役と、イワン役の子はよかった。
当て書きとすら思える主演のアイナは、『PCR』の演技では不安があったが、杞憂でした。
歌にもダンスにも真剣に向き合ってきただけあって、台詞や表情のみならず指先まで感情が乗っていて見事。
それだけに、クライマックスの歌唱を綺麗に整えすぎたのが少々残念。
本当に感情の乗った彼女の歌はまさに魂を揺さぶるものだから、監督には最後まで“生”の感情を引っ張り上げて欲しかった。
長くは感じなかったものの、地震のシーンや海のパートなど冗長なシーンも多い。
序盤だけ中途半端に年号を出すのも、時系列が余計に分かりづらくてにくい。
脚本は、せめて主人公であるキリエの感情の動きや変化くらいは描ききらないと、“物語”にならないよ。
共感ありがとうございます。
小さな引っ掛かりで言えば、キリエに群がる人々が何か浅く寄生虫みたいに見えました。ギタリストの彼はそうじゃないと思いましたが、道路許可証を持ってきてなかったのは致命的。
コメント&共感ポイントありがとうございます
地震のシークエンスはリアリティを感じました あの時間、私は仕事で事務所にいましたが、体感時間の長さを思い起こされました 風呂に入る演出は、制作陣の意図なのでそこを突っ込んでも仕方ないかなとw 物語のタクティクスは所詮作る人の胸三寸ですしね(苦笑
岩井作品は"祝祭"文脈が織込まれますから、豪華出演陣起用は、お茶目だと流して置いて下さい(苦笑 石井竜也に『北の国から』のテーマをハミングさせるのは監督か小林武史しかいないかなとw
確かに、わざわざ「揺れてない」事を表明するのだから、一般的には一緒になる事を決意したと結論付けるのが理に適っているとおります 『春画先生』でもそうですが、地震の心理的影響力は、今迄の信条を180°ひっくり返す程でしょうね 直前まで別れ話を切り出そうと思った決意を翻意する程の破壊力を伝えたかったかも知れませんね
でも、負け惜しみ的に考察するならば、すぐに探しに家を飛び出すシナリオがあると納得出来るのですが(汗 自分もそうでしたが、あの時思ったことは「大事に至るな 思っていたよりも大したことじゃなかった事であれ」という願望でした 一種の現実逃避ですね だからおおごとを忘れる様に、本当は、結婚迄の道筋は、家の都合上、又は自分の将来上、責任を持ちたくないというズルい考えが過ぎったのだけど、でも、時間が経つにつれ、安否を知りたいと人道的な気持で探しに出かけたという流れを理屈づけました 兎に角、男としてけじめを付けられなかった後悔と卑怯を、生き写しのような妹に懺悔したかった抱擁だったのかなと解釈した次第です
あの境内で、きちんと断りを入れていれば、罪の意識を持たなくてもよかったものを、安易に性衝動にかまけてしまった若気の至りが、ここまでの大きな渦に成長してしまったあの大震災の余波をミニマルに描いたシークエンスだったと思っております
私の勝手な妄想にお付合い頂き、誠に畏れ入ります 聞き流して下さい^^
震災の場面ですが、繰り返しグラグラ、風呂場でパニック、探し回った後連絡不通になって、おじさん宅に様子見に行くと言って再び探しに出る・・もっと違う撮り方出来なかったですかね。