マッド・ハイジ

劇場公開日:

マッド・ハイジ

解説・あらすじ

名作児童文学「アルプスの少女ハイジ」を大胆にアレンジし、R18+指定のエログロバイオレンス描写を満載にしたB級エクスプロイテーション映画に仕立てた異色のスイス映画。

チーズ製造会社のワンマン社長でスイス大統領でもある強欲なマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定し、スイス全土を掌握する恐怖の独裁者として君臨。それから20年後、アルプスに暮らす年頃の女性ハイジは、禁制のヤギのチーズを闇で売りさばいていた恋人のペーターが見せしめのため目の前で処刑され、唯一の身寄りである祖父も山小屋ごと爆破されて殺されてしまう。愛する者たちを失ったハイジは、復讐のために戦いに身を投じる。

「スターシップ・トゥルーパーズ」のキャスパー・バン・ディーンが独裁者マイリ、「グラディエーター」「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」などで知られるデビッド・スコフィールドが、アルムおんじことハイジの祖父を演じた。

2022年製作/92分/R18+/スイス
原題または英題:Mad Heidi
配給:ハーク、S・D・P
劇場公開日:2023年7月14日

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(C)SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM

映画レビュー

3.5エロもグロもほどほどだけど、好感が持てるバカ映画。

2023年7月31日
PCから投稿

スイス初のエクスプロイテーション映画として、R18 のエログロ路線を標榜した「アルプスの少女ハイジ」の不謹慎バージョン。比較したくて過去の「ハイジ」の映像化と照らし合わせてみたのだが、明らかに日本のアニメーションからの影響は大きく、また日本のエログロ映画への目配せも感じるアプローチだ。

ただ、良くも悪くも、振り切ってはいない。というか、観る人を不快のどん底に叩き込むような意地悪さはなくい。キワキワよりもほどほどで、観客を振り落としたりはしない。つまりはエロもグロもさほどではないので、意外に敷居の高くないキワモノ映画という印象。その結果、弾けきってはいないし、面白すぎることもないのだが、そもそもB級C級のエクスプロイテーション映画って面白すぎたりはしないものであり、「これで伝説作ったるで!」みたいな意気込みじゃないのも、ジャンルへのリスペクトに思えてくる、というと見方が優しすぎるだろうか。

ともかく、誰彼構わず勧めたりはしないけれど、なんだか好感は持てる可愛い映画なのだと思う。

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村山章

4.0企画力と製作手法は邦画界も見習うべき

2023年7月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

当サイトの新作評論コーナーに寄稿したので、この枠では補足的なことを書いてみたい。

R18+指定なのでまず年齢的な制限があるのをはじめ、エロありグロありで観る人を選ぶ映画であるのは間違いないが、この手のジャンルのマニアでなくとも、過去の名作・話題作のオマージュやパロディがふんだんにあるので、そうした要素を探したり映画好き同士で答え合わせしたりするのも楽しそう。評論では字数の都合もあり「スターシップ・トゥルーパーズ」「スター・ウォーズ」「グラディエーター」の3つしか挙げなかったが、ほかに「ランボー」シリーズ(ボウガンで爆弾付きの矢を放ち人体破壊するシーン)や「007 死ぬのは奴らだ」(悪役が体内に異物を入れられ膨張して破裂)あたりが思い浮かんだ。なお、プレス資料中のディレクターズノートでは「マッドマックス」や日本の「修羅雪姫」などのタイトルも挙がっていた。

ほかに資料を読んで興味深く思った点として、クラウドファンディングで約2億9000万円を調達したことは評でも紹介したが、「資金の流れはブロックチェーン技術で透明化され、出資者は収益に応じて配当が得られる仕組み」だとか。新しい取り組みなので、きちんと出資者に分配されるかどうかは現時点で不明ながら、クラファンのリターンで配当がもらえるという利点は出資者と出資額の拡大につながるポイントだと思う。「マッド・ハイジ」のクラファンには19カ国538人が参加し、出資の最高額は10万スイスフラン(約1450万円)だったそう。日本発でも、世界的に知名度のある比較的古いキャラクターやアイテム(新しいものは知財の点でハードルが上がる)を使ってジャンル映画の企画をうまくアピールし、さらに魅力あるリターンを提案できたら、海外から数億円規模を調達することも夢ではないはず。音楽分野ではネット動画やソーシャルメディアを活用して世界的なヒットを飛ばす日本の若手アーティストも増えていることだし、邦画界でもそうした新しい成功事例が増えるといいなと期待する。

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高森 郁哉

2.5焼きチーズが一番

2025年3月1日
iPhoneアプリから投稿

非常にB級テーストでお話はちゃめちゃ、キングスマンを彷彿とさせる映像で何も考えずに見れるっちゃーみれるけど真面目にみたら時間の無駄でしょう。以前ハイジは日本で有名だがそれはアニメのお陰で他所ではそれ程と聞いた事があったが世界的に共有されるお話になったのでしょうか?いちいち羊飼いペーターというのには?でしたが

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GAB I

2.5横浜に雪はない~♪

2025年2月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

スイス人から見るとそうらしいですよ。

ご存じアルプスの少女ハイジがとんだエログロB級映画になって帰ってきた!
チーズ会社社長にしてスイス大統領のマイリが自社チーズ以外を不法チーズとして取り締まり、軍部も掌握した独裁者として君臨する。
闇チーズを製造、販売していた恋人ペーターを目の前で殺され、自分も逃亡するも拿捕された上に祖父を殺されたハイジが復讐に燃える、的な映画。
正直ストーリーは適当でよろしい。

見どころはまずマイリ一味の繰り出す濃厚チーズワールドが馬鹿げていて面白い。スイス人と言ったらチーズでしょ!だからチーズのない世界はあり得んでしょとばかりに、チーズ縛りの世界観が濃厚に展開されていく。まあ正直やや辟易とする。
そしてモデルはハイジだというのに雑いゴア描写で人がバッタバッタ死んでいく。子ヤギと戯れるハイジの世界観はまったく無視ね。

ハイジはハイジで戯れるのが子ヤギではなくヤギ飼いのマッチョなペーターと藁のベッドで昼間っからお戯れ。冒頭ハイジがマッパで登場するので、おいおいおいとなる。
一応、B級映画の定番であるエログロ世界観を表現したいからか、無駄におっ牌が出てくる。まったく無駄に出てくる。いる?と思うところで出てくる。
ちょっと、出しときゃいいんでしょ感があって何と表現したらよいのやら。

じゃあ、全然つまらん映画なのかと言えば、はい、全然つまらんですと言い切れる。
ストーリーは浅い、主人公虐められシーンは無駄に長い、バトルはグダる、主人公ハイジは大して強くもならんし実は全然脱がんし、クララ必要か?てな感じ。
なので、全く暇な人以外は観んでよろしいと言い切れる。

でも、スイス人の濃厚チーズジョークにフフッてなりたい人、B級映画と分かってて敢えて地雷を踏みに行きたい人には是非お薦め。
観終わっても脳内にチリ一つ残さない完全消去型ムービーですので、そこを分かってる方のみご鑑賞ください。

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ハルクマール