メイ・ディセンバー ゆれる真実

劇場公開日:2024年7月12日

メイ・ディセンバー ゆれる真実

解説・あらすじ

「キャロル」「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督がメガホンをとり、アメリカで実際にあったスキャンダルを題材に、ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアという実力派俳優が豪華共演を果たしたサスペンスドラマ。

20年前、当時36歳の女性グレイシーは、23歳年下の13歳の少年ジョーと運命的な恋に落ちるが、2人の関係は大きなスキャンダルとなり、連日タブロイド紙を賑わせる。グレイシーは未成年と関係をもったことで罪に問われて服役し、獄中でジョーとの間にできた子どもを出産。出所後に晴れて2人は結婚する。それから20年以上の月日が流れ、いまだ嫌がらせを受けることがあっても、なにごともなかったかのように幸せに過ごすグレイシーとジョー。そんな2人を題材にした映画が製作されることになり、グレイシー役を演じるハリウッド女優のエリザベスが、役作りのリサーチのために彼らの近くにやってくる。エリザベスの執拗な観察と質問により、夫婦は自らの過去とあらためて向き合うことになり、同時に役になり切ろうとするエリザベスも夫婦の深い沼へと落ちていく。

ナタリー・ポートマンがエリザベス、ジュリアン・ムーアがグレイシーをそれぞれ演じ、ジョー役は「バッドボーイズ フォー・ライフ」やテレビシリーズ「リバーデイル」で活躍するチャールズ・メルトンが務めた。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第81回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞に、第96回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた。

2023年製作/117分/R15+/アメリカ
原題または英題:May December
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年7月12日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)

ノミネート

最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)  
最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ) ナタリー・ポートマン
最優秀助演女優賞 ジュリアン・ムーア
最優秀助演男優賞 チャールズ・メルトン

第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)

出品

コンペティション部門
出品作品 トッド・ヘインズ
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映画レビュー

3.0モデルにされた男性への配慮に欠け、後味も苦い

2024年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

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高森 郁哉

3.5これはかなり "変な映画" 。「どう "変" か?」は各自で考える...

2025年5月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

これはかなり "変な映画" 。「どう "変" か?」は各自で考えるのが良いのだろうが、2回目観ると結構印象が変わるのではないだろうか?
「アプローチが変」なのである。
女優エリザベスの演技アプローチも、迎え入れるグレイシーも、ジョンが一皮剥ける表現も、トッド・ヘインズ監督のアプローチも、さんざん扱われてきた事件が題材だから。

主要人物の三人共素晴らしい演技。子供たちも。それと何故か映画全体が なんかぼやけてる様な画面だと思った。
5月と12月はアメリカで「年の離れた」と言う意味があって1996年に実際にあったメイ・ディセンバー事件に着想を得ている。
この事件から影響を受けたドラマや映画がいくつかあるらしい。
思い出すのは『あるスキャンダルの覚え書き』とか、日本のドラマでは松嶋菜々子の「魔女の条件」や有村架純の「中学聖日記」を思い出すが、この映画はアプローチが全く違っている。
メロドラマ風の音楽がわざとらしく変なタイミングで流れるが、音楽担当はベテランのマーセロ・ザーボス。 "真剣なコメディ" に見れてしまうのも、この映画の特徴なのか。

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ナイン・わんわん

4.0グレイシーの意志の固さということでは、映画というものの表現力を目の当たりに見せつけられる

2025年5月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
私は無邪気なの。
昔から、ずっと。
ある意味、優れた資質よ。

〈映画のことば〉
「映画のためだ。大勢の人が観てちゃんと理解すれば、君がもっと楽になるかも知れない。」
「私が?」
「僕たち2人が。」

幾重にも折り重なった、複雑な人間関係の深淵を前に、その内面の深淵に何とか切り込もうとするエリザベスの執念にも目を見張りますし、自分の信念のためには(法を犯しても―それは日本で言えば児童に対する不健全異性行為・不純異性交遊といった感じか?)自我を貫こうとするグレイシーの意志の固さも、観終わって、心に残ります。

「ふたりの関係は犯罪だったのか。ロマンスだったのか。当事者の心で追うか、よそ者の目で追うか」というトレーラーのうたい文句は、本作の、そういう核心を、ものの見事に射抜いていたとも思いますし、「ゆれる真実」という本作のサブタイトルも、正鵠を射ていたと言うべきでしょう。

もともと、本作のタイトルの「メイ・ディセンバー」は「(結婚・恋愛で)親子ほど年齢の開きがある」を意味するスラングのようですけれども。

13歳の少年との間の子を獄中で出産したというグレイシーを演じたジュリアン・ムーアの演技の半端のないミステリアスさ。

そしてグレイシーという人物の内面の深淵に迫るエリザベスを演じたナタリー・ポートマンの演技が、グレイシーを演じたジュリアン・ムーアの演技のミステリアスさをいっそう引き立て、倍加させる―。

「お互いを引き立てる関係性」ということで言えば、それは、あたかも、シャーロック・ホームズと、ジョン・H・ワトソン博士との関係性
を見ているようかのように、評論子には思われました。

否、二人の関係性というよりは、ジョーやエリザベスの人生をも、まるで渦(うず)のように自らの人生に巻き込もうとでもするかのようなグレイシーの意志の強さは、ホームスにとってのワトスン博士の程度にとどまるものではなく、驚愕を超えて、はるかに戦慄すら覚えるほどです。

観終わって、その名優ふたりの演技の表現力は心にずんと胸に響き、その表現力から「これぞ映画」と快哉を叫びたくなるような一本だったと、評論子は思います。

グレイシーの真意に迫ろうと切り込むエリザベスにしても、所詮は「他者を演ずること」を生業としているに過ぎない俳優と言ってしまえば、それだけのこと。
取材を通じて、エリザベスは何をどれほど得ることができたのか。どこまでグレイシーの真意に迫れたのか。

秀作だったと言って、間違いのない一本だったとも、評論子は思います。

【不健全性的行為】
不健全性的行為とは、「18歳未満の少年に健全育成上支障がある」と主張される性的行為を指す語。場合によって不純異性交遊、不純異性交際、性的逸脱行為などとも通称されることがある。これらの語は性的自由の制限を肯定する立場から使用されることもある。[weblio]

 不健全性的行為については、性的行為の結果に対して十分に責任を取ることが難しいとも予見される年少者が、適切でない場面において性交などを行うことについて、少年保護の観点から補導を行うという趣旨であるとの見解もある。
一方、刑法上は性的同意年齢が16歳であり、16歳以上の個人的な営みである性行為を、一方的に不純・純粋などと定義するのはおかしいとする批判が昔から存在している。
1990年代以降、雑誌やインターネットな様々なメディアを通して、文章や写真、動画などによる性的情報へのアクセスが容易になり、性風俗店も広域化した。少年・少女の性行為経験率も上昇しているとして、不健全性的行為を性感染症予防の観点から考察する論もある。[前同]

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talkie

4.0真実とは

2025年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

結局、愛とか洗脳とか形のないものを理解しようなんて、ましてや真実を見つけるなんて無理な事です。
それは夫婦になった本人達ですら、確信を持って言える感情ではないのでは。

ナタリーポートマン演じる女優が、夫婦や子供達、関わりのあった人達を掻き回すだけ掻き回して、結果あの最後のシーンは滑稽でした。

評価は低めですが、複雑な感情や曖昧な真実が描かれていて、私は面白かったです。

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YOTSUBA

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