落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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本作、何が評価されているのか全く理解できなかった
冗長で退屈すぎて、何度も寝落ちしそうになって、メチャクチャ辛かった2時間半
最後は“やっと終わった・・・”という気分
これが全米で大ヒット、しかも今年のオスカーレースでまあまあ健闘中の作品なのかぁ、ホントにぃ?という感じです
失礼ですが自分の中では2時間モノのサスペンスドラマと大して違わず、法定シーンも長くて退屈だし、真相は観客に委ねるズルい演出と脚本
全然、本作の良さがわかりませんでした
何を信じるか選ぶ時、どうするか
カンヌやアカデミー賞など、各賞レースを席巻中で大注目のヒューマンサスペンス。
真実を求める「謎解き」ではなく、人間の多面性や、信じること選ぶための要素、事実と想像の曖昧さなど、人の感情の複雑さや人間の多面性を目の当たりにし、なんともスッキリしない作品でございました。(褒めてます)
不審死した夫の妻が被疑者となるなかで、キーパーソンになるのは視覚障害を持つ息子。彼の目が見つめる先にある、以前は揺るぎない信頼と愛情でしかなかったものが、様々な姿を見せることで心が揺さぶられ自分でも分からなくなっていく様が見事。愛犬スヌープを演じたメッシ君の最高の演技と共に、とても印象に残りました。
ラストの余白もまた良き。
観たあと感想を聞いたり言い合ったりするのもまた楽しいタイプの作品なので、これからの反芻も楽しみです。
作中の息子さん、こんなの一生背負うよね
幾つかの意味が掛けてある『落下_Fall』であって、夫婦・親子・メディア・その他、現代人のすぐそばにある人間関係・人とは?を感じさせられる。
濃い裁判モノだが、サスペンス色はほぼ感じないし、なんならモヤモヤしか残らない。
素晴らしい脚本だと思うが、個人的にスコアは作品が面白いか?の観点であるので、そこからすると少し厳しいか…
家族を心から理解して、心から愛してると言えるか
家族の問題というのは、時には当人も気づかないほど繊細でカオスなものである。それを法廷で事実のみを抽出して客観視するというのは、観ていても辛く耐えがたい。
ハンディカメラやわざとらしいカメラアングルの映像がいい意味でノイズとなっている。
真実とは何か(否定できないことは可能であること)
2023年。ジュスティーヌ・トリエ監督。フランス高地に住んでいる大学講師の夫、ベストセラー作家の妻、そして視覚に障害を持っている息子。ある日、夫が転落死してしまうが、調べるうちに他殺の可能性が出てきて、妻が逮捕されてしまう。自殺か他殺かをめぐる裁判に息子が巻き込まれていき、という話。
謎が解決されたり嘘が暴かれてりして真実が明らかになるということではなく、そもそも事故または自殺では納得がいく物語にならないために、そこに人の作為(殺人)の可能性を浮かび上がらせようとすると、否定できないことは可能である、という論法によってなにもかもが疑わしくなっていく。客観的な納得を求める法的な枠組みによって「動機」が探られ、可能性や思惑によって作り上げられ、当事者を混乱させていく。すごいのは、それに対して被告の妻が真実を盾にして戦うのではないことだ。当たり前だが死んだ人間の自殺の動機などわかりようがないので、私がやったのではないと言い募る以外に道はない。むしろ、自分に有利なことをでっち上げようとはしない倫理観を貫いており、真実は夫の自殺なのだろうなと観客に思わせるのもこの倫理観だ。思わせるだけで決定としては提示されないが。
「真実はわからない系」といえば黒澤明「藪の中」という名作があるのでどうしても比較したくなるが、とりあえず、あちらでは関係者それぞれのエゴで意図的に真実が隠されており、最終的にはすべてが暴露されてより高位のヒューマニズムによって乗り越えられている。それに対して、こちらでは真実は意図とは関係なく不明のままであり、それが乗り越えられることはない。
何かの動物に似てない人は信用しない
途中自分が「落下」しないか心配な体調だったが「落下」せずに鑑賞٩( ᐛ )و
事件の「真相」ではなく家族の「深層」が明らかになっていくプロットは秀逸やった。また妻の方が社会的成功を得ていて、夫のプライド、虚勢、妬み、責任転嫁、現実逃避など男のカッコ悪いところが描かれ、もはや「痛かった」
「真相より作家が夫を殺したかもしれないという方がドキドキしますね」や「真実なんてどうでもいい、人から君がどう見られるかなんだ」ほんまに今の流れやね。そこらへんも含めてあのラストなんやなーと感服しました。
にしてもワンちゃんの名演やった(๑˃̵ᴗ˂̵)
①L-11
そんな事まで明かされるのかよ
検察側の追及は容赦ない。そんな事まで明かされるのかよ。弁護側は真実はどうでも良くて陪審員への心象を良くするんだってちょっと厳しい戦いなんじゃない。
ドイツ人とフランス人がロンドンで出会って彼の故郷のフランスでの生活を選ぶ。ドイツ人の彼女は母国語を話す事がなくなり英語で暮らすも裁判では仏語で話す事を要求される。
作家としてヒット作を出した彼女と、その作品は俺のアイデアだったと卑屈になって行く彼。
二人の生活がすれ違って行く。でも言ってみれば当たり前でそれを乗り越えて行くのが人生だとも言えるんだけどなあ。
自分の時間って何だろう?料理したり掃除したり洗濯したり子育てしたり生活の全てが生きると言う事じゃないの。確かに彼女は好きなように過ごしているかもしれないけど、それは家庭内であっても隣の芝生が青く見えるだけかもしれない。
そんな風に思うとどちらにしても動機が弱い。
でももし周囲に彼女への疑惑を抱かせる為に彼が故意にふっかけて録音をしたのだと考えるとまた違った解釈が出来るわね。
そしてラストシーンで彼女に寄り添った犬(スヌープ)は何を知っているの?何を依頼されたの?
「ザリガニの鳴くところ」では無罪判決に「よっしゃー」と思ったけど今作はそうなりませんでした。
主演女優の演技力を観る映画だった。
予告編を見てこの主演女優に惹かれた。以前、この女優さんが不仲な父親との関係を描いた物語に娘役として演じていた。良い映画だった印象がある。ドイツ人で美人ではないが、しっかりとした演技力がある。前よりも上手くなっている。
物語は夫殺しの容疑を掛けられた人気小説家の話だ。メインは真犯人探しではなく、明らかになっていく事実に主人公やその息子がどう対応するのか、その心理状況を描くのがメインみたいだ。
正直なところ、物語は、あまり面白くない。結局、事故なのか殺人なのか不明だ。状況証拠ばかりだと、人間あれこれ想像して、自分の好きなように解釈してゆくことがわかる。
愛犬スヌープの演技力に驚愕
2023年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、2024年の米国アカデミー賞でも作品賞や監督賞、主演女優賞などにノミネートされる本作が、ようやく日本でも公開となったので早速観に行きました。
フランス人の夫・サミュエルとドイツ人の妻・サンドラ、そして11歳の視覚障害のある息子・ダニエルの3人家族にまつわるお話でした。フランスの山奥にある自宅の屋根裏部屋のバルコニーから転落したサミュエルを発見したのはダニエル。母のサンドラを呼び、救急車も駆けつけるが既にサミュエルは亡くなっている。そんなサミュエルの死因は自殺だったのか、はたまたサンドラによる殺人だったのか?殺人罪で起訴されたサンドラの裁判を巡る”法廷ミステリー”の鍵を握るのは息子のダニエルということで、非常にスリリングな展開でした。
”法廷ミステリー”とカッコつきで表現したように、本作の本質は、事の真相はさておき、とにかく裁判に勝つことを目的とした現実の裁判制度に沿った形で話が進められており、最終的に真犯人が暴かれてカタルシスが得られるようなミステリー作品ではありませんでした。しかしながらというべきか、だからこそというべきか、名探偵が難事件をスパッと解決するミステリーでは味わえないリアリティを感じることが出来た作品でした。
面白かったのは、そうした”法廷ミステリー”の流れで考えると、新たな証拠が出てくるたびにサンドラの証言は二転三転し、さらには過去の不倫の話まで蒸し返されることになり、徐々に彼女は追い詰められて行きますが、それを救ったのが息子ダニエルの会心の一撃だったこと。事件当初は父が不慮の死を前にして悲しみに暮れていた彼が、裁判が進むにつれて母にとって不利な状況になる中、国から派遣された監視役の女性の助言を得て勇気付けられ、結審間近に証言台に立ち、裁判長に向かって堂々と自分の意見を述べるに至る。「ハッキリとした証拠がない場合、自分がどう思うか決断しなければならない」と。それを聞いた裁判長は、子供ながら裁判の現実を突いたセリフを発するダニエルを前に、不意に目を覚まされたような衝撃を受けた表情をしていたのが非常に印象的でした。
勿論本作で扱ったのは一審判決までであり、その後上級審に裁判が縺れたのかも分かりませんでしたが、決定的な証拠が存在しない以上、仮に上級審で争われても、ダニエルが母をサポートする限りは同じ結果になったのではないかと思われました。
さて物語の内容はこれくらいに、本作の役者の方に目を向けたいのですが、何と言っても驚くべきはペットの愛犬スヌープでした。視覚障害のあるダニエルに常に付き添うスヌープでしたが、単に愛くるしいペット役を引き受けただけでなく、ダニエルが事の真相を探るためにアスピリンを大量に飲ませ、昏睡状態に陥ってしまいます。これって動物虐待じゃないのと心配になりましたが、町山智浩さんがラジオで解説したところによると、全て演技なんだそうです。犬が昏睡状態に陥り、さらには塩水を飲まされて薬を吐き出して正気に戻る演技をするなんて、驚きしかありません。スヌープはこの演技でカンヌ国際映画祭のパルム・ドッグ賞を受賞したそうですが、まさに納得の演技でした。
人間様の方については、やはり主役のザンドラ・ヒュラーが良かったし、彼女を法廷で追い詰めた検事役のアントワーヌ・レナルツも本物さながらでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
最後の判断材料は
個人評価:3.8
「フレンチアルプスで起きたこと」を観た後と同じ感覚になった。
リューベン・オストルンドの様に、登場人物達の頭の中を深く潜っていく様な構図。
他殺か自殺か。どちらの見解にたつのか。それによって自分がどちら側の人間かを知る事となる。
まさにカンヌ向けの物語。嫌いじゃない。
タイトルによりミスリードしたイメージを持った本作だが、裁判とは死因を探る解剖学の様なものだと感じる事が出来た。
人が人を裁く。最後の判断材料は感情だという事が伝わってくる。司法の世界よりも、自身が信じたい方が真実であると。
法廷ドキュドラマ
フランスの山荘に住む三人の家族。
ベストセラー作家の『サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)』、
夫の『サミュエル(サミュエル・タイス)』、
事故の後遺症で視覚障害がある息子の『ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)』。
ある雪の日、『サミュエル』が家の前で頭から血を流して死んでいるのが見つかり
自殺・他殺の両面から捜査を開始した警察は
殺人容疑で『サンドラ』を起訴、
そこから物語は法廷劇へとなだれ込む。
裁判官、陪審員、傍聴人の前で明らかにされる夫婦間の確執。
作家を目指していた夫の挫折とそれによる精神の変調、
息子が遭った事故の遠因、
妻の性的嗜好、
家事分担の偏りや家計の内実まで微に入り細に入り暴露されていく。
また、こうしたスキャンダルが大好物なマスコミも好餌とばかりに飛び付き
報道を垂れ流す。
そんな中、法廷では検察側と弁護側で丁々発止のやり取りが繰り広げられる。
検察側の一番の弱みは直接的な証拠が何も無く、目撃者もいないこと。
「疑わしきは被告人の利益に」が本分であれば、起訴の妥当性すら疑わしい。
それでも裁判に持ち込んだ意図はどこに有るのか。
しかし状況証拠が積み上げられるうちに、
『サンドラ』のついていた嘘が暴かれ
グレーな印象を持たれ出す。
双方は互いに有利な証人を喚問し、
一つの事実は正反対の見方に綺麗に分かれる。
果たして真相は如何に、との
息が詰まるほどのサスペンス。
キモとなる法廷シーンはドキュメンタリーを観ているような
カメラワークとカット繋ぎで高まる臨場感。
とは言え、シンプルな法廷モノとは異なる側面を持ち合わせるのも本編の特徴。
男性が稼ぎ、女性が家庭を守るとの固定概念。
性差による役割分担の偏見が、捜査や起訴する側の念頭に有ったのではないか、
男女が逆であったら果たしてどう動いたか。
また、日本にありがちと(勝手に思っていた)検察の都合による起訴が
行われている事実。
検察側の証明も根拠の薄い推測に頼っているにも関わらず、
被告側の証言には声高に「憶測に過ぎない」と切って捨てる頑な態度、等。
無理筋は露呈し、しかしそれを引っ込めることはさらさらない。
抱える視覚障害の故、もっとも証人としての信憑性が低いと見られていた
『ダニエル』の証言が決め手となり、裁判は結審。
しかしその判決が正しかったのかは誰にも判らない。
『ザンドラ・ヒュラー』の静かな態度の演技が
ひと際目を引く。
聞くところによると、
監督・脚本の『ジュスティーヌ・トリエ』は
彼女を念頭に当て書きをしたそう。
いやー面白かった
2023カンヌ・パルムドール
「落下の解剖学」
’
映画館ではいつも後列の右通路側に
座る。
けれど、我が街北九州には
珍しく大入りで、やむなく
前から三列目で鑑賞。
これが大正解。
’
アップを多用する映像は近くで見ると
迫力があり、スクリーンに覆いかぶされ
そうになり、2時間34分、一度も飽きる
ことなく見入ってしまった。
’
真実は何か、妻は夫を殺したのか、否か、
子どもの証言はほんとなのか、
裁判の様子、妻のほうが社会的地位も高い
今どきの夫婦ケンカなど、どのシーンも
リアリティに満ちて、迫ってくる。
ミステリーとしてはツッコミどころは
あるが、僕はあまり気にならなかった。
’
主演のサンドラ・フラーの演技が
ほんとに素晴らしい。
’
確かにカンヌとかで評価されそう
面白かった。外国人率高し。
孤立した雪の中の山荘的な家で起きる死亡事故。
作家同士の夫婦の夫の落下死。妻にかかる疑い。
二人の間にいる息子(視覚障害)。夫婦の言語であるフランス語とドイツ語と共通語としての英語、そして裁判はフランス語、というのもポイント。
もう犯人が誰かというより、妻がやったか事故なのかのどっちかしかない裁判の進む先に炙り出される夫婦間の秘密、と、妻にしかわからない人間関係、息子にしかわからない人間関係。その割にはどうなるのかまったく終わりが見えないのは息子の設定だろうな。
この映画の面白味は、そのリアリティに尽きる。
現代ならではの人間関係と嫉妬、不安、など、そういう焦燥感を使うか〜という新鮮味。
そういえばフランスの法廷もあまりみてないから検事と弁護士の服装やら法廷的職能演技がまた嫌味があったなぁ。
裁判から、狭い人間関係が公の面前に見せ物のように立ち現れ、その際に参加している人々の顔、顔、顔、をかなり写して、観客もその裁判に立ち会わせるような演出になる。ここでも最終的には息子がブラックボックス。思い出した父の思い出は少年目線で観客に見せるが、もちろん少年にはその顔は見えてないはずなのだった
これがアカデミー賞ならなんの文句もございません
こんなに色々な観点から書きたくなる映画は久し振りです。もしかしたら、あの『女王陛下のお気に入り』以来かも。
死んだ夫、疑いをかけられた妻、ダニエル‼️
その3人はもちろんのこと、弁護士も検事もダニエルの付き添い人も、どの登場人物についても、それぞれについて自分だったら何を思い、どう振る舞うか。目まぐるしく考えながらスクリーンに釘付けとなります。
などと言いながら、まずは夫婦喧嘩について。
相手のいうことに気持ち的に納得なんかできなくても、一応論点が共有できていたのはさすがに頭のいい人同士という感じ。子どもの受験や進路の話をしてるのに、なぜか相手の人格攻撃になってる、みたいな喧嘩よりは余程マシでした。
夫(男)のプライドの崩壊や才能ある妻への嫉妬。それだけでもしんどいのに息子の事故についての取り返しのつかない後悔の念。肯定でも否定でもなく、ただ、人ごとではないやるせなさが分かるだけに辛い。
作家にとって最大の武器である表現力。それを母国語のドイツ語ではなく、英語(たぶん作品は英語で発表)やフランス語(法廷や日常生活)でしなければならないストレス。最近の日本語で言うならば、たとえば『ヤバくね?』という言葉のニュアンスをその使われる文脈ごとに使い分けて伝えるのは、TOEIC800点の人だって、英語圏の人に上手く出来るとは思えません。
妻は自己表現におけるそんな根源的なストレスを抱えたまま、仕事や家庭生活を送っている。そう思うと彼女の抱えている不安や不満、人間関係におけるもどかしさからくる苛立ちの感情も、決して肯定はできないけれど、仕方ないとも思うのです。
ダニエル君。君はなんて理性的で勇気があって健気なんだ❗️
参審員だって人の子、自分の記憶という曖昧なものに誠実な態度で向き合う君に対しての信憑は高まるのが当然です。
人間というのは不思議なもので、いざという時には、経験で学んできたさまざまな事象から導かれる、合理的でかつ熟慮を重ねた判断よりも、その時の感情や直感による判断を優先してしまうことがよくある。つまり、自然界において人間は極めて非合理的なことをしでかす厄介者。
裁判において被告の言動は、常に『合理的に考えれば、こういうことになるではないか』と検察から責められる。
本人にとっては必然に思えても、他人から見れば非合理的にしか見えないような言動は、往々にして本人も言葉では説明できないことが大半。
だから、警察や検察から強要された自白は合理的に見えさえすれば通ってしまう。
人間の非合理性とそれにより引き起こされる不可解な営みを描くのが小説や映画なのだと思うし、この映画はまさにそれを描いていたように受け取りました。
仏蘭西対独逸では勝負は決まっている
お仏蘭西の旦那、
主夫でいいじゃないですか?
主人は誰か?
息子も犬も分かっていらっしゃる。
カミさんに、
あれだけ言われたら漢はへこたれます。
あそこまで言わせないのが肝要ですな。
それにしても、
お仏蘭西の女性監督だけに仏蘭西男に、
更に強く打ちましたなぁ
つまり、この事件は自殺なんだけど、不本意に主夫となった旦那をあそこまで完膚無きまで打ちのめされたら、これから先、生きてはいけないのが凡夫たる主夫なのだ。
これって、悪意ハラスメントでもある。
他人なら殺意あるイジメだね。
まずは、
オスカー間違いなし!にときまひょ⁈
( ^ω^ )
落下の解剖学
劇場公開日:2024年2月23日 152分
これが長編4作目となるフランスのジュスティーヌ・トリエ監督が手がけ、
2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンス。
視覚障がいをもつ少年以外は誰も居合わせていなかった雪山の山荘で起きた転落事故を引き金に、
死亡した夫と夫殺しの疑惑をかけられた妻のあいだの秘密や嘘が暴かれていき、
登場人物の数だけ真実が表れていく様を描いた。
人里離れた雪山の山荘で、
視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、
悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。
当初は転落死と思われたが、
その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、
妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく。
息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、
事件の真相が明らかになっていくなかで、
仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦のあいだに隠された秘密や嘘が露わになっていく。
女性監督による史上3作目のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。
主人公サンドラ役は「さようなら、トニー・エルドマン」などで知られるドイツ出身のサンドラ・ヒュラー。
第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされた。
落下の解剖学
劇場公開日:2024年2月23日 152分
そこまで評価されている理由が分からない。
福山雅治が出てきそうなタイトルですけど、
そういう映画のつもりで見たら、肩透かしです。
なんの謎解きもないし、驚くべき真実も露呈しないし、
なんのどんでん返しもないから、判決聞いても「あ〜そうでしょうね」。
きっと、最後には〜?と思ったけど、本当に何もない!
(犬の演技がすごすぎただけ!!)
逆にいうと「フレンチアルプスで起きたこと」とか「ザ・スクエア」とか、
そういう淡々と終わる映画が好きな人は、きっと大好物なはず。
ごめんなさいヨーロッパに暮らしたことないので。
きっとその土地の空気感とかそういうの込みで見たら、分かる世界なのかな。
奥さんの言ってることは正論で、夫は隠し録りしてたり逆に怪しすぎる。
ただ正論だからすべて解決する訳ではない、理屈ではどうしようもないものを
見せられた気はしましたが。
言い争いは、大概なすりつけ合い
家族の中にあるドラマを立体的に描いていき、判決間近のある証拠で、そこで「起こっていた像」が明確になる。夫婦間の再帰性。途中も引き込まれながら見ていたが、そのシーンでつながって腑に落ちる感がすごかった。あの自分の抑圧したものを相手になすりつけ合い争う感じ、人間は(つまり自分は)これをやるよねと思わせられるところ満載で胸が痛くなる。
ダニエルはエディプスだったのか。それとも象徴的な意味において誰もが殺し合うこの家族の深層の中で彼は「ファクトで判断する」メンタリティを得てここを脱出する道を選んだのか。この謎を残すことこそが、其々が自分の現実を生きているという事実を表現してるのかな。噛みごたえのある映画だった。
犬が可愛いくてすごいに1票🐕
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