枯れ葉のレビュー・感想・評価
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傑作
フィンランドのカウリスマキ監督が引退宣言を撤回し6年ぶりに撮った映画は、目の覚めるような傑作だった。監督自身が語っている。「無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、人類に未来をもたらすかもしれない、愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました」と。映画のなかではウクライナの惨状を伝えるラジオが流れ、それを聞く主人公アンサの失望感と怒りのセリフ。映画作家であるならば全世界の危機である現在に映画を撮らないでどうするのか。
さて本編。カウリスマキ独特の無表情かつ無動作の人物描写は相変わらずで、その映像に磨きがかかっている。ノスタルジックな雰囲気と音楽、それに色彩が魔法のように美しい。コメディー要素もあって笑いも忘れない。冒頭あたりのシーンで電車に乗っているアンサの厳しい表情からなみなみならぬものを感じた。監督の気概というかね。苦しくとも自分らしく強く生きる、他人には決して媚びない。または、運命には抗うことができない、という覚悟。そういった人間そのものを見せつけられた。物語も思いがけない方向に転がり目が離せない。途中、やせ細った野良が加わる。この犬がめちゃくちゃ可愛いのだ。おれは犬さんは苦手なんだけど、この犬さんとなら友達になれる気がした。しかも“チャップリン”と名付けられ可愛がられる。ラスト近くでずっと表情が硬かったアンサが微笑む。このシーンにはたまらなく胸をうった。邦画のやかましく幼いラブストーリーとは対極の表現。そういえば音楽も多彩でおもしろかった。バーで若い女性ユニットが歌うシーン、暗い歌詞で音程がずっと低い、でもそのメロディーがやけに心にひっかかる。あとチャイコフスキーの「悲愴」もいいところで流れる。エンドクレジットで確認したらムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルのメロディア音源。
枯れ葉は輝く
葉はいつしか若かりし頃の彩りを失い、老いて朽ちていく。しかし、枯れても美しく、冬の訪れを感じさせる秋の輝きとなっているのが葉の最期・枯れ葉だ。人間だって葉のように一生輝けるし、輝きを求めることに年齢は関係ない。どんなに過酷な状況に立たされても、いくら老いて孤独になろうとも、希望だけは持ち続けたいと強く思えた作品だった。
セリフが少なく、行間は多く、観客に感じとる力が求められる。ひょんなことから始まる恋物語。過酷な環境下で生きる2人が、お互いに見出した魅力。メロドラマとしてだけでなく、「PERFECT DAYS」のような今を生きる人全てに送る、最高の人間ドラマでもある。優しい光に包み込まれた、趣深い音楽たち。日本の曲だってたまらない。名画座で上映されるような作風であるため、最新作なのに、旧作を見ているような気分になれる本作。ジム・ジャームッシュの「デッド・ドント・ダイ」が出てようやく、現代であることを認識させる。
この映画を見て1番に感じたのは、まだまだ映画好きと名乗るには勉強が足りないなということ。いい作品であることは十分に理解できるけど、この物静かさには耐え難く、81分という短尺でも中々ハード。本作を絶賛するには、名画座で流れるようなコアな作品の鑑賞と知識が多く求められる。いやぁ、頑張らないとな。
なんだか古い映画のよう
ラブストーリーなのだか感情が平行線なので、シナリオで起こった出来事が普通に日常に見える。
普通の映画であれば感情の起伏があるのだがどこか不思議な雰囲気の映画。この監督の演出とはわかっているのだが。
時間も80分とこの題材にしてこの演出ならちょうど良い。
人間の一生はこのように平坦になっているのかもしれないと哲学的な事を思ってしまう。
淡々とした映画
ウクライナのニュースとスマホが無ければいつの時代?と思うような映画。
街並みとか酒場の雰囲気は、これがフィンランドなんだなあという感じ。
淡々とした演技は、この監督さんならでは何だなあという感じかな。
控えめな演技であっても、お互いがお互いを好きだというのはそれでもしっかりと伝わるところは良かった。
俄かに現れた「運命」を感じさせる異性
フィンランド映画。Filmarksで「映画製作国」で検索してみると上位はほぼアキ・カウリスマキ監督作品。私自身も鑑賞済みはほぼ同監督作品です。とは言え、きちんと映画館で観たことがあるのは17年公開の『希望のかなた』だけ。当時の私は今ほど多くの映画を観ていなかったことと、その年も12月の公開で疲れも相まって、その地味な作品性に眠気との戦いながら観ていたことが思い出されます。そしてその後、コツコツと配信サービスなどでカウリスマキ監督作品を観進めていくうちに、作品を通して見えるフィンランド人の内に秘めた感情と、時折見せる味わい深いユーモアを感じ取れるようになりました。
本作『枯れ葉』についても映画館で予告編を見て気にはしていたものの、ここ最近の仕事の忙しさにかまけて「映画館じゃなくても…」と候補からは外していたのですが、全く無視することも出来ずに映画レビューサイトを確認すると思いのほか高評価。
昨日(23日・土曜)はうずうずとしながらも、朝、不意に入った海外からのチャット。先週後半に引っかかった案件に対する内容だし、月曜はクリスマスだし、ついつい返信したり関係者へ転送したりしているうちに午前中回に間に合わずで断念。したものの、さすがに本日日曜は予定がなかったので、意を決して(重い腰を上げて?)角川シネマ有楽町へ参戦です。公開館数の少なさもありますが、まぁまぁの客入りでした。
いつもの如く長い前置きになっていますが、
結論から言うと、悪くない、が観る人は選ぶかもしれません。若い方にはちょっと解りにくい「共感」こそがこの作品、ひいてはカウリスマキ監督作品の醍醐味なのかな、と。(わかった風なことを言っていますがw)
本作、81分と長編映画としては短い尺ですが、そもそも大きな展開はありません。「あるとき二人の男女が出会い、意識しあい、度々すれ違うようになってついに声をかけ、そして…」という、言ってしまえば在り来たりな話です。こう書いてしまうと「じゃぁ退屈なのか」と思われそうですが、いやいや、やはり味わい深い。
特に、50過ぎで独り身の私からしたら、これくらい微炭酸程度の刺激だからこそ心地よく、何気なく自分を重ねて顧みてしまいます。そしてまた、映画の中のミニマルな生活に「ないものねだり」とわかってながらも妙に惹かれてしまう感じもあります。低賃金でやりたくもない仕事を、ただただ生活のためと毎日通い、にもかかわらず理不尽を受ける。また、ラジオをつければ隣国ロシアによるウクライナ侵攻で多くの一般人の死を報じるニュースばかりが続く。くさくさするけど大した娯楽もないから飲みに行く。そんなとき、俄かに「運命」を感じさせる異性が現れたら、そりゃ歳相応にではあっても「浮つく気持ち」は痛いほど伝わってきます。
ただ、こんな風に書くと否定的に聞こえるかもしれませんが、私にとってはカウリスマキ監督作品はむしろ「配信」で観た方がしっくりくるのかもしれません。なんだか、家で一人でヘッドフォンして観ている方が、作品の登場人物たちに近づけてる気がするのです。お解りとは思いますが、あくまで個人的な意見。ただ、久しぶりに「こんな恋、素敵だな」と素直に感じたという「正直な感想」も書き添えて終わりします。
海外版 小津安二郎かぁ〜
お国柄なシチュエーションに映像美、ハマります。判りやすい勘どころがイイ感じ。名曲に、この映像、時代に逆行か?其の国での平凡か?劇場での現地ツアーの勧誘チラシからして、憧れて訪れたい上手もいるのか?
ゾンビ
警官があんなゾンビの大群に勝てるわけないじゃない、というところは思いっきり笑ってしまった。
色使いがすごいきれい。
入れてる曲が、歌詞がストーリーや心情に合っているのをチョイスしているので、音楽もまた作品に良い彩りを与えている。
こういうほっこりなハッピーエンドは、気分が上がる。
20231223 角川シネマ有楽町
犬
アキ・カウリスマキ最新作
地味ながら所々笑える作りのカウリスマキ作品
前作「希望のかなた」は不本意ながら寝落ちしてしまったので(決してつまらなかった訳ではなく)今回は体調バッチリで💨
途中から出てくる犬が可愛い❤
暮れのこの時期に観るのにベストな、こんな俺たちだけど幸せになりたい映画❗
最後にカウリスマキを最近までカウリマスキと勘違いしていたことも追記しておこう オワリ!
チャイコフスキーの悲愴と画面がリンク
フィンランドの名も財産も名誉もない独身の中年男女がひょんなことから出会い、色々なトラブルに巻き込まれながらも最後はまあよかったんじゃないのかなで終わる。ウクライナ紛争のラジオニュース(テレビじゃない)が流れるから2022~23年が舞台なのだが、色合いがまるで1980年代だ。病院のシーンも70年代の病室かと思うくらい。所々で劇場内に笑いが起こっていたが、笑い声をあげるほどでもないなあと思った。
アキ・カウリスマキ監督、最高のラブストーリー
渋谷ユーロスペースにて鑑賞🎥
アキ・カウリスマキ監督が引退宣言撤回して作った本作、さえない男とさびしい女を通して描いた最高のラブストーリー✨
ヘルシンキのスーパーで働いていた女性アンサは理不尽な理由でクビになり、ホラッパという男は酒を飲みながら現場で働いていたが飲酒事故により解雇。
そんな二人がカラオケで出会って互いに惹かれ合う感覚だったが、お互いの事を何も知らないまま別れる。アンサがホラッパに渡した唯一の情報(電話番号)はホラッパが紛失…(^^;
そんな二人が、出会って別れての紆余曲折を経てどうなるか?……をサラリサラリと描いていくカウリスマキ監督、さすがである🎥🌟
ベタベタすることなく、アッサリとした恋愛映画の究極的なかたちが本作のような映画だと思う。
引退宣言を撤回したのは、本作の冒頭や途中でラジオから流れる「ロシアのウクライナ侵攻」に対して「自分が何をできるか?」と考えたカウリスマキ監督が「映画を作るしかない!」と思って行動に移したのではなかろうか?
「これからも引き続き、カウリスマキ監督には映画を作り続けて欲しい」……そう思わせられる傑作✨
<映倫No.49948>
ブタに乾杯
うらぶれてます。人も、街も。それが愛おしい。カラオケでは懐メロばかり。昔の話かと思えば、ウクライナ戦争やワールドカップの話題が持ち上がり、現代の話だと気付かされます。SNS隆盛の時代に、なかなか会えない2人。ヤキモキしますが、それが尊い。たまに笑ったり、たまに晴れたり。ちょっとしたことで幸せを噛み締めたくなる。そんな素敵な作品です。
カラオケシーンがすごく好き
陰惨な戦争報道がBGMのように流れる中で、新自由主義的に生活が追い詰められていく主人公たちの冴えなくも愛おしい人間模様。
現在性に基づいた陰鬱さと、人の営みの普遍的な可笑しさ。
「オンリー・ゴッド」や「シャンチー」、「みんなのヴァカンス」「悪いやつら」とか外国映画の中のカラオケシーンって本当に好きだな。
帰って来たカウリスマキ。
やれ北欧家具がおしゃれとか、国民が政府を信頼してる福祉大国とか、とかく昨今我が国では持ち上げられがちな「北欧」の片隅で、地味にスタイリッシュで、有体にいえばお金のない若くもない市井の人を見事に描き切ってくれた。
ジム・ジャームッシュへのオマージュもボーナスカットでした。
おもしろうて、やがて哀しき哉、でも希望の灯をありがとう。
そういえば、途中、主人公の女友達が「男なんてみんな同じ型からできた鋳物みたいなもの」みたいなセリフが。ちょっと アップデイトされたカウリスマキを見た気分。
こういう映画を見た後は、電車の車内でもレジのお姉さんに対しても、みんなそれぞれの人生をぼちぼち生きてるんだよね、っていう人類愛を自ら感じてしまいます。
ウクライナのラジオ放送、実に佳き伴奏者だったと思います。
音楽の使い方が秀逸。
フィンランドのKARAOKKE、マダムのMC付きで、店中の人の前でのど自慢なんて、なんて素敵!笑。
どん底でも愛があれば幸せになれる
スーパーで働くアンサと建設現場で働くアル中のホラッパ。
決して豊かとはいえない生活を送っている二人は、ある夜カラオケバーで知り合いお互いに惹かれるものを感じる。
しかし二人は視線を交わすだけだ。
その後、アンサは廃棄予定の食料品を持ち帰ろうとしたところを見咎められ、理不尽にも解雇を言い渡される。
新しく始めた皿洗いの仕事も、店主が違法薬物の売買によって逮捕されてしまったことであっという間に失ってしまう。
そんな彼女をたまたま現場に居合わせたホラッパはカフェに誘う。
彼はコーヒーをご馳走した後に、彼女を映画館に連れて行く。
作品はジャームッシュの『デッドドントダイ』。
映画館から出てきた二人組の男は「ロベッソンの『田舎司祭の日記』を思わせる」「いや、ゴダールの『はなればなれに』だ」と謎の言葉を交わす。
アンサはホラッパに電話番号を書いたメモを渡す。
しかしホラッパはそのメモをすぐに失くしてしまう。
お互いに名前も仕事も住んでいる場所も知らない。
ホラッパは映画館でアンサを待ち続けるが、お互いにニアミスをするばかりで出会えない。
そうこうしているうちに、ホラッパは現場で怪我をした際にアルコール検査で引っかかってしまい解雇を言い渡される。
それでも映画館で粘り強く待ち続けたホラッパはアンサと感動的な再会を果たす。アンサはホラッパをディナーに招待するが、彼がアル中だと分かった途端に二人の関係は途絶えてしまう。
そしてアルコールを断つことの出来ないホラッパは新しく始めた仕事も失ってしまうのだった。
これもカウリスマキ監督の敗者三部作の延長線上に位置する作品なのだろうか。
美男美女は出ないし、エネルギッシュな若さもないし、相変わらず登場人物はポーカーフェイスばかり。
労働者に対して無慈悲な社会を描いた辛辣な作品でもあり、決して明るい内容ではないのだが、ユーモラスな会話のセンスもあり、観ていて思わず心がほぐされてしまう映画でもあった。
カウリスマキ監督のコメディセンスはより研ぎ澄まされたようにも感じる。
どうしてもアンサを忘れられないホラッパはついに断酒を決意する。
そんな簡単にアルコールは断てないだろうが、とにかく彼は電話でその決意をアンサに伝える。
ホラッパを忘れられないのはアンサも同じで、彼女はすぐに会いに来てと彼に返事をする。
しかし彼女の家に向かう途中で、ホラッパはトラムに轢かれて意識不明状態になってしまう。
病院のベッドで眠り続ける彼の隣で、一方的に喋り続けるアンサの姿が、シリアスな状況ながらとても滑稽だ。
やがてホラッパは目を覚ます。
ラストに公園を歩くアンサとホラッパ、そして彼女が殺処分寸前で救った愛犬のチャップリンの姿に心が暖まった。
ここで描かれるドラマは決して明るくはない。
しかしそれでも彼らはハッピーエンドを迎えることが出来た。
一方、劇中で何度もラジオが伝えるロシアとウクライナの戦争は未だに続いている。
どれだけ生活が苦しくても、人と人とが殺し合う戦争に比べればきっとずっと幸せなことなのだろう。
相変わらず劇中に流れる音楽のセンスも素晴らしかった。
ザンドラ・フラー/希望の灯り似???
観始めてすぐに、アンサ(アルマ・ポウスティ)の働くスーパーマーケットの場面で、2019年にBunkamura ル・シネマで観たドイツ映画「希望の灯り」を思い出していた。
既視感ってやつである。
アルマ・ポウスティの2020年のTOVE/トーベは見逃している。残念!
女優さんもちょっと似た雰囲気のような気がした。サンドラ・フラーとアルマ・ポウスティ。全然似てないとも言えないような。だって、どっちにせよ実際の彼女らに会ったわけではないのだから。所詮、私の脳内妄想の世界なのだから。
アキ・カウリスマキ作品名には希望のかなた(2017)、街のあかり(2006)があるから題名も余計にまぎらわしい。
竹田の子守唄が二番目の劇伴に流れた。
アキ・カウリスマキ監督は小津安二郎などの日本映画好きらしい。鋳物工場はキューポラのある街か。第15回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された浦山桐郎作品も当然観ているだろう。
ウイスキーボトルをいつも上着の裏ポケットに忍ばせ、ビールをチェイサーにウオッカをカパカパ呑むホラッパ。
ユッシ・バタネンの老けメイク。
ちょっとトニー・レオン似のいい感じだった。
おいらもすっかり"枯れ葉"になっちまった。(すっかり酔ってる)
このどうしようもないせつない感じは若い奴らにはわかるまい。
(完全に酔ってる)
禁酒しよう。キセキはおこる。
第76回カンヌ国際映画祭の審査員特別賞作品。
パルムドールはアナトミー・オブ・ア・フォール。
来年2月日本公開。
主演女優はなんとザンドラ・フラー。
グランプリはゾーン・オブ・インタレスト。
主演女優はこちらもザンドラ・フラー。
私の既視感(脳内妄想)もなかなかすごいかも。
これはキセキといってもいいだろう。
恐ろしいぐらいだ。
ガラス玉を買って、インチキ占い師でもはじめようかな。
第76回カンヌ国際映画祭男優賞の役所広司のパーフェクトデイズは明日から公開。
(番宣してどうするんだよ)
人恋しくなる季節、孤独を抱えた男と女
セリフでなく、カメラに喋らせる展開
まるで、絵画のようなショット。
まずは、対象物にカメラをあてる。
しばしの沈黙。
その後にセリフが続く。
このパターンで、物語はながれてゆく。
まるで、ゆったりとした川の流れのように。
沈黙のショットは、まるで行間の想像力をかきたてるように。
計算された表現だろうか。
この連続が、どくとくの映像美と展開を生む。
フィンランドという、極東の私達には、縁遠い世界を見せてくれる。
下層階級に生きる、中年男女
男は、肉体労働者。
高等教育は、受けていないようで。
肉体労働に。
アルコール中毒。
酒なしでは、生きて行けない、仕事中だろうと。
それが原因で、失業したりもする。
本人は、酒をあおるのは、うつのせいだと。
多分本当なのだろな。
起用でもなく、社会の底辺でうごめきながら、なんとか日々を過ごしている。
そんな感じが、伝わってくる。
女は、非正規労働者。
スーパーを些細なことで解雇になったり。
その後は、肉体労働で、つつましく生きる。
生きる歓び
この映画のテーマだろうか。
大げさな言い方だけど。
物語は、至ってシンプルで。
二人共、人生の野望とか無縁にみえる。
そんなことより日々の生活を送ることで、手一杯。
もう、夢を追いかけるには、二人共歳を取りすぎたのか。
そのあたりは、よくわからない。
ただ、ひたむきに生きる二人の姿は、けなげだ。
そう、人生は生きるだけでも大変。
そんな言葉が聞こえてきそうな作品。
そんな二人の恋は実るのだろうか。
映画館でお確かめください。
年末の忙しさ、新年をどう迎えようか。
そんな時期にピッタリの作品。
期待の新作に平凡さが滲む。
アキのもつ独特のペーシングに支配されながら、出演者の微かな表情、沈鬱な舞台、作品全体に滲む閉塞感などなど、どれも影を薄め、気持ち作品のペースも早く、ウクライナ情勢を伝える露骨なラジオ放送、色を感じるシーンなど、どこか俗っぽく、平べったい印象で残念に感じた。
机に残されたゼリーの画がなんかすごく好き。
キュートなウインクがあれば
言葉はいらないのね。
はじめからおわりまで
湖の水面のように静かなのに、
不必要なほど様々な波が寄せては返す
今の恋愛ドラマよりもかなりぐっときた。
すれ違いって
視点を変えたらこんなにも愛おしいんだ。
引退とは言わずに
日々を楽しむことを第一に、
好きなペースでいいからこれからも
作ってほしいな。
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