劇場公開日 2024年5月24日

関心領域のレビュー・感想・評価

全368件中、141~160件目を表示

1.0ムリでした

2024年6月5日
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予備知識なく行ったので頭に入ってこなかった。
とにかく早く終われと久々に思った映画でした。

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ふくちゃん

3.5我々、人間という生物の姿。

2024年6月5日
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すぐ横の傍らでどんな悲劇が起こっていようとも、渦中にいない人間は自分達の日常を続けるだけ。
たとえその悲劇が後年、歴史的な間違いであったとされても、当事者の人間達はそんなものなのだろう。

悪意があるわけでも残虐性があるわけでもない。自分達のやるべきことをやり、与えられた仕事をこなしていくだけの社会的な活動を送っているだけなのだ。

それを強烈な皮肉として表現しているのは、重低音の効いた不気味な音だろう。

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はりねずみ。

4.5視覚的には天国、それ以外は地獄

2024年6月5日
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鑑賞方法:映画館

壁のこちら側を視覚的に示し、壁のあちら側の音を伝えるだけで描き出す、圧倒的な天国と地獄。「子どものときから夢見ていたような」素敵な空間と、絶え間なく聞こえてくる何かが行われている音、叫びともうめきとも悲鳴ともつかない声、声、声。
映画でしかできない表現。

サンドラ・ヒュラー、素晴らしい。完璧な母・妻にしか見えない。途中で一度、メイドにつらく当たるところがあるが、あの程度は夫に腹を立てた妻なら普通のことで、何かを懸命に抑え込んで生きている、という感じはしない。あの「地獄の音」を絶え間なく聞きながら、どうやってそんなことができるのか。完全に精神のどこかが壊れているのか、想像もつかないほどの「強いメンタル」なのか。人間のかかえる果てしない闇が、この完璧(に見える)女性によって体現されている。

冒頭の水着姿で家族で遊んでいるシーンから、「ドイツ人らしさ」の標本のような身体に目を奪われる。長身で骨ばった体格、長い手足、白人の中でも特に白い「真っ白」としかいいようのない肌、金髪碧眼。日本人からみるとまさに何から何まで違う「異人種」である。
これが、ヒットラーが「アーリア人種」といって称揚した身体だ。もちろんそういう身体に何の罪もないし、「ドイツ人」すべてがそういう身体を持っているわけではないのは言うまでもないが、このきわめて特徴的な身体が、今も脈々と続く白人至上主義の根源にあることを考えずにはいられない。

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Tama walker

4.0タイトルそのまんま

2024年6月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

見始めからしばらく、とても辛くて「慣れってこんな風に人を変えてしまうのか。子供はこの環境で育つと慣れではなく元から無関心な人間になってしまうんじゃ…」などと、不安な気持ちでしたが、なんと観ている自分自身が、いつの間にか壁の内側から絶えず聞こえる不快な音を気にせず、ヘス家の諸々の事情や出来事の行方に気を取られ、お屋敷住まいを羨み…。妻の母親が耐えられなくなり去っていったシーンで、その自分の変化にハッと気づいた時は心底ゾッとしました。
エンドロールの音楽で吐き気が…
辛くて気持ち悪い時間でしたが、
色んな意味で、観て良かったです。

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まだに

3.5挑戦的な映画

2024年6月5日
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鑑賞方法:映画館

挑戦的な映画。
まさに映画的な表現の最たるもの。劇場で観ないと意味がない映画。
…しかし、寝てしまった僕は無関心…
#関心領域

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naichin

1.0よくわからなかった

2024年6月5日
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A24作品が好きなのと、「ありがとうトニ エルドマン」に出演された時のサンドラヒュラーさんが好きだったので観ました。が、正直全然面白くなく、眠気に襲われました。塀の隣で優雅な暮らしをしているのは分かるが、それ以外の細かい情報が頭に入ってこない。それぞれの人物にも興味が沸かないので、誰が何をやっているのか、よくわからない。不穏な音楽は不快だったが、そんな直接的なやり方で良いのか?
戦争の悲惨さをより多くの人に伝えたいのなら、もっと興味を引くような演出が良いのでは?
とにかく私には全く刺さりませんでした。

追伸
固定カメラで、寄りの映像が無かったので、イマイチ俳優の表情が見えず、感情移入出来なかったと思われる。

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カワハギ

4.5映画館で鑑賞すべし

2024年6月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

スマホの小さな画面でなく
リビングで日々の雑音に紛れてとかでもなく
ノイズが極力無い映画館で鑑賞するべき映画
映像と音響、加えて没入感が揃うことで、製作者の意図が伝わることでしょう

『ヒトラーのための虐殺会議』をU-NEXTで見てからこちらを鑑賞しました
『虐殺会議』でナチスは戦時において貴重な輸送手段を振替えてまで、ユダヤ人を絶滅収容所に送り、予算をさいて画期的な焼却炉を作ったのかが何となく理解しました
そして本作で、この“作戦”を実行する人と周囲の人々、その時代を生きた一般人の姿を見ることが出来ます

ストーリーはあるようで殆ど無い。その映像前後の説明も、時間経過の表現もなく、切れ切れに撮影されたよその家のホームビデオを淡々と観るような…。子どもたちが5人も登場するが、映像が遠くからのショットなので、見ている私達は顔も識別出来ないし名前もよく分からない
(後日談、末っ子の女児の赤ちゃんは出生届の出生地が“アウシュヴィッツ”と記載されて、一生逃れられない焼印のようになってしまった、とか)

『ヒトラー暗殺、13分間の誤算』で暗殺犯を演じたクリスティアン・フリーデルが、今回はヘス所長を演じてるとか
『落下の解剖学』のザンドラ・ヒュラーが、ヘス所長の妻役で、より一層憎々しげに役になりきってるとか、これも見どころ

所長の妻が丹精を込めて育てている庭に咲き誇る花がアップになり、その際の音響が物凄い重低音で椅子に縛り付けられたような圧と共に恐怖を感じ、かなりあとでその花々の意味するものをサラッと映像で見せられて、心底ゾッとする

エンディングの曲が、これまた死ぬほど怖い。上映が終わり、立ち去る人々全てが言葉少なになっていた。私も映画後、食事の予定だったのに、30分くらい経たないと食欲が戻ってこなかったほど

この映画が意味する寓意も分かるが、あのエンディングの曲だけは、製作者の悪意を感じた。ベタだけど鎮魂歌のような曲に出来なかったのか
この映画の見えない場所で命を落とした大勢の人々、現代においても迫害され命を脅かされている人々、またこの映画で加害者として描かれた人々もまた、現世からの激しい指弾と非難を受けてあの世で苦しんでいるのだろうから。

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オパーリンブルー

2.0殺す側の視点

2024年6月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

寝られる

映画は、先に僕もレビューを書き、星2つにした「オッペンハイマー」と同様、殺す側の視点で貫かれている。
立ち上る煙、時に叫び声めいたものが聞こえるが、アウシュビッツ所長・ルドルフ・ヘスの家族や仕事との関わりを中心に、淡々とした描写で物語は進む。

見る意義がある映画だとは思う。われらが「パーフェクト・デイズ」にオスカーを取らせなかった作品であり、評価も高いのはわかる。
しかし、心を揺さぶられるような内容ではなく、退屈と言っていい映画なのだ。
これをきっかけに、ナチスが犯したホロコーストについて知ろうとしたり、戦争、軍という機構に取り込まれてしまえば個人などというものはまったく見向きもされない…ということに気づくことは大切だろう。

そうしたきっかけづくりになる映画だとは思うが、僕自身は面白いとは思わなかった。他人に見ることを勧めたいとも思わない。
殺される側のことを一切描かない、という作法で際立たせているのは結果的、商業的には成功したのだろうが、僕にはどうでもいいと思った。

公開から2週間を過ぎ、上映館も結構に多いのだが都心のシネコンでは平日昼間にもかかわらず7割くらいは入っていたろうか。映画ファンにこの作品が届いているのはそれはそれで結構なことである。

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町谷東光

2.5全ては慣れ。

2024年6月5日
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鑑賞方法:映画館

怖い

みんなが美味しく食べてる牛肉は
かわいい牛さんを屠殺してるから。
高給バイトのひとつ死体洗い。
かなりエグいはずでもそれが生活のひとつの人もいる。

多くのユダヤ人を死に至らしめた
アウシュビッツ強制収容所の隣で
平和な生活を送る一家の日々を描く。
全ては慣れ。人間は残酷な生き物。

この作品の問題点は演出方法。
耳と想像だけで恐怖や辛さを感じさせる。
ただそれを105分だったので
私的には、慣れるのが早かったかも。

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溶かしバター大盛りポップコーン

3.0アンダースキンが苦手だったので、そんな気はしていたが めっちゃくち...

2024年6月4日
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鑑賞方法:映画館

アンダースキンが苦手だったので、そんな気はしていたが

めっちゃくちゃメッセージ性や作品の意義は共感するけど、ジョナサン・グレイザー監督が合わないので映画自体が面白く観れないってゆうか音響の音楽性のコンテンポラリー味があるのと硬質で暗くてアーティスティックな絵づらが苦手。
お庭や家のシーンは一見観やすそうだけど、人物全体が薄ぼんやりしたベールの向こうにいるような分かりづらさがずっとある。

ただ、今世界情勢の中、普通に生活し
目先の楽しみを普通に享受し、戦禍の人々をみても何もできずに、心の奥底では自分たちがこうゆう状況に見舞われなくてよかったと思っている自分が
このアウシュビッツの収容所の隣で、理想の生活に勤しむ家族と何も違わないと痛感できる映画なのは間違いない。

でも、ジョナサン・グレイザーの映画は苦手なのでもう観ないかな、、、、。

映画館で鑑賞

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madu

4.0ザワザワする映画

2024年6月4日
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怖い

難しい

「関心領域」は役所広司が主演した「パーフェクトデイズ」と2024年のアカデミー国際長編映画賞を競った上、音響賞と併せ2部門を受賞した作品です。

この映画は第二次大戦中にナチス・ドイツがユダヤ人を大量に虐殺したアウシュビッツ収容所が舞台となっています。
アウシュビッツと言っても収容所の中のシーンとかは一つも無くて、収容所から壁一つを隔てた屋敷に住む収容所長とその家族が描かれていきます。

家族の毎日は本当に平和で大きなプール付きの屋敷に住む家族は幸せな生活を送っているように見えます。とは言え映画が進むとともにその幸せそうな毎日が異常なものであることも見えてきます。例えば所長の奥さんに届いた毛皮のコートがユダヤ人から没収したものであったり収容所から聞こえる音や声、煙突からの煙であったり。
そんな毎日が淡々と描かれる映画です。

実は先程あげた「パーフェクトデイズ」と「関心領域」は似ています。
主人公の生活を淡々と描き、しかしその淡々とした生活がちょっとやそっとでは得られるようなものではない事、そして一見世間から切り離された生活が、実は社会と密接に関わっていることがわかる。
という意味でよく似た映画です。

しかし前者は過去に主人公が過去に経験したのであろう、何か大変なことを乗り越えて現在の生活にたどり着いたんだろうと理解します。そして映画を観ている人も主人公の生活が愛おしくなり、映画を見終わってからも何かしら心に温かい物を感じました。
しかし、後者はこの幸せな生活のすぐ近くで行われてる事の違和感を感じ続け、特にラストシーンでこの違和感が現在の我々の生活にも繋がっていると知らされてしまい胸のザワザワが止まらなくなってしまいます。

最後になりますがこの映画、あまり心配事とか抱えている人は観ないほうが良いと思います。
私、その日一日中、ザワザワしてました。

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カンパク薬局

4.0共感できちゃう怖さ

2024年6月4日
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鑑賞方法:映画館

そこにあるのは、ある意味普通の暮らし。

子育て、夫婦、人間関係のいざこざ、仕事…

転勤決まって引っ越すかどうか夫婦で会議とか全国いろんなところで日々起きてそう。

それぞれ、それぞれの関心領域でしか生きてない。
ある意味当たり前。
でもその"怖さ"がじわじわとくる映画だった。

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ロックウッド

0.5つまらない。

2024年6月3日
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欧米では評価されやすい内容だと思います。ですが私にはコンセプトワークから抜け出せないままの退屈な映像でした。タイトルから勿体ぶっていて嫌な予感がしたのですが、最後まで「これがどうゆうことかわかるよね?」って言われているようで不愉快でした。今年観た中で最低評価です。

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イワーク

5.0発想が不思議

2024年6月3日
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知的

難しい

このような映画を作ろうとする発想はなかなか出てこない。真実のところを知りたい。

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nitty

3.5スクリーンと対峙している間、ずっと不安・不快

2024年6月3日
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冒頭のたスクリーンをただただ黒いスクリーンを見つめる時から不安感がスタートします。
その後の音楽・壁の向こうから聞こえる悲鳴、怒号、銃声。そして視界の上部に立ち上る煙、どれもこれもが怖くて、恐ろし過ぎて体全体に震えが走り、黒板にたてた爪が鳴らす音を耳にした時のように身がすくんでしまいました。
妻は夫に想いを吐露します「やっと手に入れた理想の生活、転属するならあなた独りで行けばいいじゃない」
本当に理想の生活なのでしょうか?子供たちの行動にはどこか正常(通常)な判断をつかさどる機能が一部欠落しているのではないか?と思わせる節がありました。
だからこそ訪ねてきた母親は環境に耐え切れず不調をきたし、突然姿を消してしまったのでしょう。
昨年観た「ヒトラーのための虐殺会議」にここから繋がっていくのですね。
人の命とはこんなに軽く扱われるものなのでしょうか?
でもこれは実際に文明や科学を掌に入れた人間が起こしたことなのですよね。
ガラス窓の向こうにうず高く積まれた靴たちの無念の叫びが聞こえてくるようでした。

今も世界のあちこちで起こされている悲劇、目を背けてはいけないと思わされる問題作でした。

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ニコラス

4.0パキッとした画面とその外に広がっているであろう世界の音が対をなす。...

2024年6月3日
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パキッとした画面とその外に広がっているであろう世界の音が対をなす。これをどう終わらせるのかと考えていたら、その手があったかと納得。エンディングの音はなかなか怖い。

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ghostdog_tbs

2.5「関心」も「領域」も無い、反応したら負けw

2024年6月3日
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死に行く銃弾の音、発狂の声、叫び、遺骸を燃される煙。
ガーデニング・野菜栽培に励むヘスの妻。
咳き込む祖母・川を流れる毒・嘔吐するヘス、必要のない人は要らない。
ガスで殺された、死んだ人は他にもいる。
という物語だね。全く「関心」も「領域」も見つけることは出来なかった。
分かりづらく難解を装う映画が昨今の賞レースで取り上げられるが、クソみたいな審査の審美眼は要らないよw
「評価」は「関心」の「領域」に反応したら、負けだよw

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mucya

3.5無人という圧倒的なフィックス

2024年6月3日
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鑑賞方法:映画館

難しい

アウシュビッツ収容所の隣で暮らすルドルフ・ヘス所長一家の日常を描く作品なのだが当時この一帯のことをナチ内部で隠語的にこう呼んでいたそうでそれが一家の塀の向こうに対する意識的な「無関心」あるいはドイツ国民の・・あるいは現代のわれわれ自身のに・・ぐさりと突き刺さる優れたタイトルとなった。まず冒頭の3分に及ぶ暗闇と音の問題。アカデミー「音響賞」を獲ったと、蛮行は描かずに音で表現したのだというのだけれど私にはあまりピンとこず小鳥さえずる川辺のピクニックにつなげるには1分で十分。映画を「観に」来た一般庶民にはやりすぎでしょでと思ってしまう(今年は「ファースト・カウ」に始まり「悪は存在しない」と似たような試練的導入が多くてまいる、流行りなの?)。それにしてもピクリとも動かないフィックスショットとシンメトリーの連続には恐れ入ったが鑑賞後に(無人固定カメラを複数台配置して遠隔で撮影)したと知って驚いたというか呆れた。SONYのデジカメをロケセット内にあちこち仕込んで監督もカメラマンもトレーラーの中にいてモニターしてるなんてテレビのバラエティー番組じゃあるまいし。どうりでみんながはしゃいでいる庭のプールで滑り台から滑り降りる少女を真逆からのショットに切り替えて奥に収容所の塀が見える「アクションつなぎ」があまりにも見事に決まっていることよ!メイキング動画を見て驚いたのは旦那の転勤が決まって奥さんと川辺で語り合うシーンでさえ複数のリモートカメラを使って撮っていたこと。そりゃあ微動だにしない安定のフィックスが撮れるわけだわ人間はどうしてもカメラワークしたくなるからカメラマンいない方が良いということか。後付けの感想で申し訳ないが無人の複数カメラの目を意識してサンドラ・ヒュラーが毛皮コートを着てポーズ取ったり、赤ちゃんを抱っこしてお花の名前を教えたりしていたのかと思うとあまりにも芝居があざとくてやるせない。嗚呼映画よどこへ行く?

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たあちゃん

3.5私は賢者じゃなかったです。

2024年6月3日
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怖い

難しい

寝られる

とにかく雰囲気作りが上手い映画!
多分凄い名作で、映画館で鑑賞する価値あり!
でも後味が悪すぎる為、人に勧める気は全く起きません!
アウシュビッツも原爆も、恐ろしいことは思えばいつも、塀の向こうのことだった。
賢者は歴史で学ぶという。
それが本当なら、賢者って凄いんだな。

以下はコミュ障すぎて全文蛇足!
自分は、自分の言葉(人生?)に囚われているのだった。
いや、何をしようとそれは自分の言葉なので、どうしようもないけれども。
問題なのは、基本自分の言葉に対して無批判ということだ。
一時の悩みや思想に重ね合わせて映画を観るから、観終わってから次々と感想が変わっていってしまう。
一種の防衛本能といえば可愛らしくも見えるのだが。
書いては消し、書いては消しの繰り返しだ。
映画の内容がホロコーストと非常に重大であることで、自分の鑑賞方法が軽薄であることに気づいてしまって辛い。
映画や小説、勉強や現実は、頭の外に触れるものの筈なのに。
一時の悩みに関連して映画を観た自分自身が、関心領域というタイトルによって映し出されてしまったように思える。
そして結局、私の中にアウシュビッツは現れていなかったのだ。
こう言うと金閣寺みたいになってしまうな。
アウシュビッツは、"予想外にも"、遠い塀の、さらに遠い塀の向こうにあったのだった。
思えば原爆だって、原爆ドームに訪れたにも関わらず、私は知らないのかもしれない。
物事を考えているようで、それは驕りであり、実は考えていない。
それは最早、映画に登場した人物たちより劣る精神性なのかもしれない。
今回の映画で描かれたのは、現実を直視した、狡賢く、どこか空虚に生きる大人達の姿であったと、私はいま感じている。
そのように生きることは道徳的に間違いかもしれないが、自分はもはや非難できなくなってしまった。
この映画は、自分には早すぎた。
いや、分からない、自分が遅すぎるのかもしれない。
この映画の人物と対等に向き合えるように生きていきたい。
とにかく、自分の中に無いものは無いし、今の場合、語る術や、それ以前に観る術も持たないのだ。

この映画の存在を自分が忘却しないように願うばかりだ。
でも円盤を買いたくはないかな。
パッケージを見るたびに、劣等感と無力感に囚われるのは精神衛生上よくないし、第一そもそも気分が悪くなる映画だ。
なんて、また、いつもの日常に戻るのを自分は最優先する。
関心領域を観て、少しは日常に新たな気持ちで臨めるだろうか。

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クレタ

4.0惨状を知っていれば知っているほど恐ろしさが増す

2024年6月3日
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怖い

知的

アウシュビッツの隣で暮らす、所長ルドルフ・ヘスの一家の日常を描く。
壁の向こうは映し出されないが、ユダヤ人の惨状を知れば知るほど想像して恐ろしさが増す。
寝付けない娘、落ち着かない息子、泣き止まない赤ん坊、耐えられずに出て行った義母。親族や子どもたちはその場所で行われていることの不穏さを敏感に感じ取っている様子がある。ルドルフもどことなく不安定な印象を受けるが、彼の妻だけは、得られた裕福な生活を楽しんでいる。
終盤に現代のアウシュビッツの様子に切り替わり、押収された収容者たちの持ち物や脱がされた大量の靴が映る。悲劇の象徴であるそれらは、今のガザ地区の惨状を知るとまた違った意味合いに見えてくる。
不穏な音楽がさらに恐ろしさを増加させている。

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アボカドかゆうま