「ラッセル・クロウの魅力が溢れる、B級ホラー。」ヴァチカンのエクソシスト アルさんの映画レビュー(感想・評価)
ラッセル・クロウの魅力が溢れる、B級ホラー。
実在した祓魔師をモデルにしたお話だが、非常に良く出来ている。ここ数年のCG・VFXを考えるとビジュアル的にはだいぶ物足りなく感じてしまうが、エクソシストの武器は"信仰心"と"祈り"なのでここは致し方無く。
敢えてCGを多用して変なエフェクトをかけなかった事は評価したい。だが後半は、どうしたっ!?と言ってしまう程にB級感が全開。
ホラー映画として観ると全く怖くはなく、微笑ましいレベル。悪魔の力も度が過ぎず、有り得そうな範囲内で個人的には好感。悪魔の強さ、怖さがイマイチ分かりにくい所はあるが、見た目でわかる程に圧倒的にしてしまうと、祈りだけではどうにも対処出来なくなる。そのバランスを理解して、ストーリーを楽しめれば。
見どころは何と言ってもヘンリー役を演じるピーター・デソウザ=フェイオニーくん。本作の1番ホラーな役だが、ONとOFFの表情がとにかく素晴らしい。表情にある程度の加工は入っているとしても、将来が非常に楽しみな子役。
対悪魔に必要な名前、自身の犯した罪、後悔などがトリガーになる設定(?現実?)は逆に新鮮。内に秘めている過去や弱みを利用され、犯罪を犯してしまうのは現代社会においても同じ。悪魔が人間の心の隙をいつでも狙っている。真っ当に生きていきたい。
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