「お前の罪は……」ヴァチカンのエクソシスト Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
お前の罪は……
予告篇の映像の雰囲気と、ラッセル・クロウのインタビューを聞いた限りでは、悪魔祓いと言うフツウは信じ難い行為を何十年にもわたって続けた宗教家が本当にいて、これは真実だからと主張して、割と地味な終わり方するのかも知れないと、予測していました。悪魔祓いの儀式も結構、しんみりした人間的なものだったりするのか?
しかし、さすがラッセル・クロウだし、アモルト神父も凄い人だったのか、とにかく「退屈しない」に振り切ったオカルトアクションものになっていた。息子は白眼と黒眼が繋がって、娘は節足動物のような動きをするし、アモルト神父は肥満体をもっと膨らませて喀血する。腰が引けていたトマース神父もいつの間にか、バディとして著しい成長を見せてくれた。
一方、舞台になった古い修道院と、更に古いカタコンベ。そこに居ないから耐えられるレベルの恐ろしさ。
先日観たドラマで、神の存在を信じるのも否定するのも、どちらも「信仰である」と言っていた。この「神」は「悪魔」に置き換えられるとして、やはり心の深奥部と、世界の半分ずつを神と悪魔が占めているような気になってきました。どちらも深い闇であり、時に遠い光でもあると思えました。確かに、神も悪魔も甚だ身勝手で厳しく、絶対に尻尾は掴ませない。
そんな風に思ううちに、修道院もカタコンベも身震いするぐらい物語的に見えてきた。
それにしても悪魔が囁く「お前の罪は、お前を見つける」(でいいのでしたよね)は、絶望的であるのに、逆に人を縛り付ける蠱惑的なフレーズ。「逃げられない」自己否定感が強いのに、真摯な世界に浸っている感覚。
後悔や勝手に思い込んでいる傷跡は、神や悪魔に取り込まれる前に、呑み込むしかない。
なので、古い作品は配信で観ています。初めてじっくり観たホラーは高1のとき、レンタルビデオでチャイルド・プレイを観て面白さに取り憑かれました!劇場公開してない作品まで7本くらいだったかな?最新作は映画館で観ました。
共感そしてコメントありがとうございます。
実話と想像するよりショー的で派手でしたね。
「死霊館」シリーズのウォーレン夫妻の方が、現実味がありました。
だって悪魔の姿なんか見えなくて、音とか家具が動く・・・そんな感じで、
時に人間も死んだり発狂したりしましたけれど、地味ですものね。
カタコンベと髑髏とか怖かったですね。
ラッセル・クロウが「アオラレ」で酷い役だったので、
素敵でお茶目なエクソシスト神父で、厳かで見た目も素敵で
良かったです。
(不信心と霊感が全くないので、私には神は遠い・・・と、思いました)
アモルト神父は、LGBTQを否定し、避妊や中絶を批判する、中世からタイムスリップしたようなキリスト至上主義者だったみたいです。
だから、人物としての真実は映画にできませんね。