首のレビュー・感想・評価
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命の軽さを笑い飛ばす=死の匂いに満ちた戦国末期
命を賭けて行動する男はなんて滑稽なんだろうと、簡単に死んで雑に首を切られて最後は豪快に蹴っ飛ばされて、そんなの笑うしかないじゃないか、という映画。
美意識のショットとか、タイトな編集とか、そういう北野映画印ではないエンタメに寄った、でもきちんと北野映画な娯楽作でした。
ひょっとしたら北野映画の美学が好きすぎる、エンタメとして物足りない、とかそういう声もあるかもだしわかる気もすれど、私みたいなライトな北野映画好きにはとても楽しめた映画でした。
全員悪者で全員小物で、豪華役者陣のそういう演技が存分に楽しめます。
加瀬亮、遠藤憲一の最高の男色演技はもう言うまでもないないとして、やっぱり戦国時代の人でなし感をさらりとやってのけた西島秀俊が個人的MVPでした。
ネットの記事で渡辺謙が脚本の出来から出演を断ったとありましたが、このレベルの演技合戦戦国ブラックコメディ、しかも北野武作品、という点で、観てみたかったーーーー、全然ありですよーーー、と言いたくなりました。
少なくともギャレス・エドワーズよりは、ほら、ねぇ?
ノブナガコノヤロー
豊臣秀吉
戦国-安土桃山時代の戦国武将で
織田信長・徳川家康ら
群雄割拠の時代にあって天下人となり
百姓の息子から関白にまで出世した
様は人間ではないのでは?という
説もあるほどの人物
北野武構想30年なんていうと
壮大に感じますが
要はたけしがこれまで描いてきた
アウトレイジなどに代表される
無法地帯の極限状態の中で描かれる
人間性や絆
…に対してそれを横から蹴っ飛ばす
あっけなさをどうぞ笑ってくれと
描くその様は
個人的には北野武の映画は
やっぱりお笑いの延長線上にあると
思っています
そんな今作
自身を百姓上がりの「侍ではない」
豊臣秀吉に置くことで武士達の
お高くとまったプライド
そのくせ実際にやってること
それらを笑い飛ばしかつ
利用しながらのし上がっていく
この映画は秀吉のそのスタンスが
徹底して描かれてます
切腹!首!
そうしたものを武士より
下に見られていた百姓のあがりの
秀吉が笑い飛ばしていく
これがたけしの戦国時代に対する
史観だったんでしょうね
実際は男色だらけ
プライドでガチガチになりつつ
戦なんかで死にたくないと
しか思ってない連中の集まり
これほんとに昔の話ってだけですかね
今の政治家命懸けてますか?
(いえ頭脳を発揮して日本の国益に適う
仕事をしてくれさえすればそれで
いいんですけどそんな人
長らく見てません)
そんな最大の揶揄にもなっています
明智光秀はそんな中
信長にプライドを折られ続け結局
息子に跡目を継がせようとする所作を
秀吉に教えられ逆上する
いややってることはアウトレイジ
とかとなんら変わらないです(笑)
変わらないんですよね
何をもって人が人に付いてくるか
金が名誉か利害関係か
そんな点においては現代も戦国時代も
変わらないじゃん
そんなところをたけしは
描きたかったんだと思います
殺されるとすぐ影武者が
用意され何度も何度も殺されては
替わりが出て来る様も
非常にシュール
実際演技の仕方もどこか
現代的な部分をあえて残しつつ
やってあります
それでいて
その人をその人たらしめたはずの
「首(ID)」は生きた証か死んだ証か?
という結論に落とし込んでいる結末は
見事でした
相変わらずバイオレンスではありますが
楽しめるとおもいます
北野監督の仕事ぶりに感動‼️
権謀術数とか野望とか天才軍略家とか人たらしとか、戦国武将を色々と語る言葉は尽きませんが、この映画では、我々が手の届かないような高いところには、彼らを置きません。
彼らとて所詮は人間、それも有象無象のひとり。
たまたま、そういう機会を得てそういう振る舞いをするチャンスを得ただけなんだよ。
でも、せっかくのチャンスはちゃんと活かそうぜ❗️
さあ、後はノリノリでやってみたもの勝ち‼️
私にはそう見えました。
セットや衣裳、戦闘のグロさも一切手抜き無しでそれを貫いて描き切りました。
北野監督の映画作りにおける手慣れた感と本気度が伝わってきて、実はそこに一番感動しました。
メタ時代劇
2023年。北野武監督。「本能寺の変」前後の武将たちの関係を描く。武士になりたい農民や元忍びの芸人が武士とは異なる価値観で動き回り、さらに中心にいる北野武、大森南朋、浅野忠信の3人が役柄を離れたアドリブ的な空気で混ぜ返す、メタ時代劇。日本映画の古き良き歴史を受け継いだ静かで落ち着いた画面(映画監督による)と、それを照れ隠しのように混ぜ返す画面(お笑い芸人による)が共存しているのが、まさに北野監督映画の真骨頂であり、メタ時代劇であるゆえん。
本作はさらに、武士同士の恋愛が主軸になっていて、メインキャストに女性がほとんどいない。たしかに武士道としての男色は事実としてあったけれども、話を面白くするためにそれを過激化している。大島渚監督「御法度」ではタブーの厳しさとしてしか描けなかった男色が、この作品ではお笑いにできるほどの余裕がある。あきらかに時代が変わったのだし、構想30年と言われれば、そのなかには明らかにビートたけしも出演していた「御法度」(1999年)が影響があり、それを現代的にアップデートしているともいえるだろう。
照れ隠しのように現れるアドリブ場面に鼻白むだろう真面目な映画ファンには、静かで落ち着いた場面に流れる冷酷ともいえる空気の美しさに注目するだけでなく、照れ隠しがあるからこそ生まれる映画作品としての落差を味わう余裕をもっていただきたいものです。
たけしに笑える‼️
演技がどうこうじゃなくビートたけしはたけし!喋るだけで笑えたー。笑いが止まらない、、、
この映画は戦国もので設定はちゃんと真面目。
激しい戦いは少なかったがストーリーがちゃんとしていて面白かった。
最初に字幕で解説や名前が出たのはかなり分かりやすく助かった。あれは他の戦国ものもやって欲しいとこ。
今更だけど主演が誰かイマイチ分かっていなかったが、たけしだったんだね(笑)
歴史上では織田信長ってあんな感じだったのか?
→歴史に疎い私💦
予告に騙されるな。ありきたり。
歴史マニアなら一度は想像するであろうストーリーもう少し個人的にはひねりが欲しかった。予告だけで十分だと思う。首が毎度毎度綺麗に切れるのはちょっと疑問に感じた。信長の首の結局どうなったのか?途中のアドリブっぽいシーンや小ネタは面白かった。
ドラマ化だったら良かったかも
冗長感を強く感じた。なんだろう、監督の感性ダウンみたいな。構想◯十年、歴史の新解釈への意欲は伝わってくるのだが、一本の映画としては、そこそこの出来って感じ。群像劇のややこしさ、時折挟む笑いシークエンスのキレのなさと多頻度、ラストへ向かってのイマイチな盛りあがり。たけし☓時代劇といえば最高傑作の座頭市のカタルシスには遠く及ばず、だった。グロ表現や戦闘の迫力はあり楽しめたのだが、なんか起承転結の中で活かしきれていないというか(グロ戦闘→人間ドラマ→笑い)を4〜5回繰り返すみたいな。ゴッドファーザーみたいに3部作にしてじっくり重厚感味わえれば良かったかなぁ。
信じる者は首が飛ぶ
「みんな、アホか?」
構想30年、北野武監督最新作。
1581年、荒木村重(演:遠藤憲一)の謀反から1年以上鎮圧に手を焼いていた織田信長(演:加瀬亮)。子に将器なしと見た信長は、羽柴秀吉(演:ビートたけし)、明智光秀(演:西島秀俊)ら家臣団の前で「最も手柄を挙げた者に跡目を譲る」と宣言し、ここに家臣団、そして徳川家康(演:小林薫)をも巻き込んだ骨肉の争いの火蓋が斬って落とされる。
もう何度も何度も創作物で描かれてきた本能寺の変〜山崎の戦いを、世界のキタノ流に料理した野心作。
戦国乱世のならわしであるため当然とはいえ、盆栽でもやっているのかというくらい文字通り首が飛ぶ。それこそもう「よくR15+で済みましたね」というレベル。
そして出てくる人物がどいつもこいつもクズとアホ。本来ならば見出しの台詞は別のものを考えていたのだが、あまりにも露骨な表現だったためやむなく別の台詞に差し替えたくらいおどろおどろしい。本作の後の出来事を描いた作品が三谷幸喜監督「清須会議」(2013)な訳だが、作り手が変わるとここまで描き方が変わるのかという好事例だろう。
世間一般に認知された人物像を基にしたテンプレ通りの創作劇なのだが、本能寺の変に至る過程や、本能寺の変での信長の末路など、新しい解釈が採用されていて非常に見応えがある。秀吉もさることながら、ジワジワきたのが徳川家康と服部半蔵(演:桐谷健太)。強かにこの泥沼の殺戮劇を切り抜けていく姿は、本作の「第三の主人公」と言っていいだろう。他にも、この時代特有の人間関係など、観るにはなかなかハードルが高く、観終わった後は確実に人間不信に陥ると思うが、そこまでしても観る価値はあると思う。いやはや、面白かった。
一級品のエンターテイメントです!
監督、流石に上手い!笑いの塩梅も最高!
本当、観ててずっと楽しかった。
秀吉トリオ、もっと観たい笑
役者も豪華で皆上手い!
周りが凄い中で、木村祐一だけが若干、浮いてるようにみえたのは私だけでしょうか?
たけし監督、最近はバッシング記事も多いし、観る前は少し心配でしたが全くの杞憂でした。
世界に誇る映画人だと心から思います。
本作もヒットして、次の作品に繋げて欲しい。
まだまだ新作観たい!と思えました。
予告で十分
北野映画の面影全くなしの、すべての事が中途半端に描かれている。アクション、男色、生き死に、欲、描きたい事すべてが物語途中で終わる。
登場人物を増やし過ぎた為に映画の時間では描ききれずに失敗している。
キャラクター演出も失敗している、特に信長がやり過ぎでただの狂人か?大河ドラマの(麒麟がくる)の染谷将太位がちょうどいいのでは。
もし狂人の信長演出であれば周りのキャラクターも考えて演習しなければならない。男色で繋ぎ止めるなど全く持って共感できない。
予告編が北野映画である。
しかも角川と揉めて公開が遅れているが、確かに映画での回収は無理なのでネットフリックスと手を組んで世界公開のほうが回収できるのかもしれない。黒澤明の話題もチラホラ出ているが足元にも及ばない作品。
コメディ戦国
ハードな映画かと思ってたらコメディ要素が強かった。
当初、北野監督自身は出演される予定がなかった
と言う事なので、出演される事でコメディが強まったのかな?と思ったりしましたが、
役者さんに芸人がいたので
最初から戦国時代を笑っちゃおうぜ!
と言う考え方だったのかもしれません。
それにしても加瀬亮の織田信長は強烈だった。
見たことのない信長だけど、案外これが正解なんじゃないかと思わせる説得力がありました。
ドロドロした裏切りの連鎖と殺し合いをひたすら見る映画かと思ってたら、以外とビートたけしによる戦国コメディみたいな演出だったので面くらいましたが、
笑いどころでは笑えたし楽しい映画だったなと思います。
黒澤映画のような過激で動きのある派手な映画も観たかった気もしますが…
雑と思わせるくらい呆気ない死の描き方と、
生へのあたふたして必死に喰らいつく様を
笑いと共に見せる描き方は
監督の死生観を観てるようでした。
相変わらずアドリブで
笑わせてもらいました
本音なんてこんなところにあるのだろうね
しかし諸悪の信長いいわ!
アナログが乙女チックならば、首はたけしさんの漢を見たかな
ダンスも能もちゃんと見せてもらいました、観世流かな
ひょっとして?
158本目。
結構金かけてるってのが、観始めて思った事。
大分長いから、どうなんだろう思ってたけど、そんな事、気にする事なく、展開してくれる。
でも、結構削ってる感じがする。
分かりやすい笑いもあるんだけど、ひょっとして全体を通しての、戦国コントか?
かなりブラックだけど。
暴力と笑いは紙一重、そんな事を思ったり。
あとは、他人の命は使い捨て、自分が一番可愛い。
テッペン取りたきゃ、自分が一番。
思ったよりバイオレンスは少なめ
天下統一を目指す織田信長の本能寺の変を題材とした話
合戦シーンは多いけどバイオレンスは思ったよりなかったなー首はポンポン飛ぶけど、痛みは少なめ
ちょっと笑いもあった
たかが外れた織田信長の加瀬亮と元抜忍で武将のまわりをいる木村祐一がよかった
武士は強い結束のために男色が多かったというのを聞いたことあるけど、ちゃんと作品にしてるのは初めてみたかも‥
大島渚監督の御法度をちょっと思い出した
期待しすぎましたし、宣伝文句が過剰な気がする……
久しぶりの北野映画を楽しみました。
よくも悪くも北野武監督にしか撮れない本能寺の変なんだとは思います。
表面的な時代考証などにこだわらず、歴史の表舞台に出てこないキャクラターが重要な役割を果たしたり、と「今までにない本能寺の変」であるのは事実で、全体としては十分に楽しめました。
ただし、笑いとシリアスさのバランスもどっちつかずで、座頭市ほどの突き抜けた映像表現があるわけでもないです。また、本格時代劇を期待していたわけではないですが、セットや衣装、小道具、エキストラの数などが大河以上の豪華さでありながら、役者陣の言葉遣いや立ち振る舞いなどは現代劇調で何とも言えないアンバランスさを感じます。
北野作品特有の派手さはないが痛みを感じる暴力表現も、普通に人が死んでいく戦国時代を舞台とした本作ではあまり効果的ではなかったと思います。よかったのは饅頭のシーンくらいですかね……。
本能寺の変そのものの解釈も、特段斬新なものではなく、同一題材の中で特徴的である荒木村重と明智光秀の関係描写も映画後半にはどうでもいいものになってしまう状況。
豪華出演陣も見ごたえはあったのですが、「時代劇」的な演出が希薄なため、よく見る役者さんが戦国ごっこをしているかのような印象すらあります。信長のキャラクター造形こそ面白いと思いましたが、とくにドクターXの重要なサブキャストが揃ってしまっているので、西田敏行や米倉涼子が出てくるんじゃないかとすら思いながら鑑賞していました。
北野武の映画が頻繁に作られている中での一作であれば、バリエーションの一つとして受け入れたのでしょうが、久々の作品で次回作も不明という状況で、この作品が「最後の北野作品」となってしまうのなら、それは残念に感じます。
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