首のレビュー・感想・評価
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武は学者にて職人だ。商売人ではない。
結構酷評されてるみたいですけど面白かったです。ただちょっと長いかな?とは思いましたけど。男色あり、戦闘シーンあり、尾張ことばの信長あり。自分にとってたけしはもう何年も前から言葉もよく聞き取れないし、周りに気を遣わせる「昔すごかった人」みたいな存在で彼の作品もどちらかというと敬遠してたのですけど。時間をおいてまたもう一回観てみたいと思える映画でした。
キタノ流・国盗り物語、面白かった!
2023年公開、東宝・KADOKAWA配給。
【監督・脚本・原作】:北野武
主な配役
【羽柴秀吉】:ビートたけし
【明智光秀】:西島秀俊
【織田信長】:加瀬亮
【黒田官兵衛】:浅野忠信
【羽柴秀長】:大森南朋
【難波茂助】:中村獅童
【徳川家康】:小林薫
【荒木村重】:遠藤憲一
【曽呂利新左衛門】:木村祐一
ほかに、
岸部一徳、勝村政信、寺島進、桐谷健太、堀部圭亮、大竹まこと、副島淳、津田寛治など
1.脚本すばらしい
劇場公開時、なぜか興味を持てず未鑑賞。
それが幸いして?(笑)、
初見でとても楽しむことができたし、映画館で見たかった、ともならなかった。
戦国時代なんて、きっとこんな感じだったに違いない。
すばらしい想像力だし、
仮説としても面白い。
曽呂利新左衛門なる実在のお伽衆に、
抜け忍というエピソードを付加して狂言回しをさせた。
これも良かった。
2.舞台を観ているような。
俳優たちの実年齢と、歴史上の人物の年齢が
かなりずれている。
羽柴秀吉はたぶん40代半ば、
明智光秀は50〜60代、
徳川家康は40そこそこ、
リアリティを追求するのではなく、
性格付けに重きを置いたキャスティングだ。
映画というより、舞台を観ているような感じがした。
一方で、
戦国武将の生年月日など、おそらくテキトーだろうから、実はリアリティがないとも言い切れない。
3.キタノ流・国盗り物語
2時間を超える作品だが、
くどい部分はなく、サクサク進行して展開も早い。
『アウトレイジ』シリーズよりも、好きだ。
衆道、裏切り、嫉妬、策謀…
時々、笑いを入れながら見せるあたりは、
北野武、喜劇人としての真骨頂ではなかろうか。
名作と呼ぶのは躊躇するが、存分に楽しめたので、
☆4.0
解釈が難しい
正直言って解釈の難しい作品です。率直な感想は救いがないというものでした。この時代、敵方の大将格の首をあげることが立身出世のいちばんの近道であったというのは分かる。作品では、皆が皆、敵と見做した人物の首をあげるためにあるいは生き延びるために血眼になり、謀略、裏切り、替え玉等々何でもありの醜い首取り合戦の様相を描いていた。三英傑として今も崇められる信長、秀吉、家康もそれぞれの個性を存分に発揮しつつ、どうしようもない利己的な人物として描かれていた。一方、武将たちの悪どさに比べ、彼らに仕える忍びの者たちが主君のために懸命に戦う姿は凛々しく描かれていた。ここまで書いてきて思ったのは、この映画はまさしく戦国版アウトレイジである。アウトレイジも親分たちのどうしようもなさに比べ、手下の者たちの潔さ、献身ぶりを描いていたが、いつの時代も偉い奴らはどうしようもないということを描きたかったのか・・・。首がこれでもかと刎ねられるシーンは北野監督お得意のリアリティを感じたが、信長、光秀、村重の男色三角関係のもつれという新(珍)解釈は果たして必要だったのだろうか?
北野武監督+ビートたけし
音楽と同じで、映画にも好みはある。 万人受けするものと万人受けはし...
タイトルなし(ネタバレ)
全体的に締まりがないというか、分かり易い筋道のようなものが他の映画と比べて薄かった。だが、北野武(秀吉)が家臣たちといる時のコミカルな会話と随所の大河ドラマでは描かれないようなリアリティある演出(戦、首洗い、能)はよかった。
オチの「光秀が死んでることが分かれば首なんてどうでもいいんだよ」と言って首を蹴り飛ばすのはすべてをひっくり返す痛快さがあって面白かった。
北野武さんらしい映画でした。
やりたいことはわかる
でもね…。単なる好みの問題かもしれないけど、いかんせんおもしろくない(泣)。いわゆる大河ドラマ的な戦国絵巻の逆貼りなのかなぁと思いました。くどい男色描写だったり、汚くてグロテスクな合戦シーンだったり、主要キャストに女性が一人もいなかったりだとか。非常に露悪的。笑えればいいけどそれほどでもない。まぁ悪趣味なものを見てウヒャウヒャ喜べる精神状態ではないこちらの気分の問題だけなのかもしれませんが。
中村獅童さんと津田寛治さんのサムライワナビー二人の再会のシーンはすごく切なくて良かった。二人の冒険と挫折のシーンをもっと見たかったなぁ。この作品の趣旨とは違うかもしれないけど。
あと北野武監督は全く秀吉を演じるつもりがないのに笑いました。てらさわホークさんが風雲たけし城みたいな映画って言ってだけど、まさにその通りで、たけし城のビートたけしであり、ひょうきん族のビートたけしであり、スーパージョッキーのビートたけしを演じてると思いました。家臣団と秀吉のやりとりはたけし軍団とビートたけしそのままでおもしろかったです。演出的意図はよくわかりませんが。
戦国版アウトレイジ
忍者のご利用は用法用量を守って正しくお使いください。
早速ですが、戦国時代を舞台にした作品で忍者を多用する作品は控えめに言って〇ソです。
もちろん架空の人物を中心とした創作の物語でならまだいいのですが、実在した武将と史実を軸に据えた大河ドラマのような作品で忍者を多用するようでは、コレはもう逃げたな…としか思えません。
確かに忍者は便利です。武将の手足となって、その企みを実現させてくれますし、歴史的事実にがんじがらめで不自由な武将たちに変わってありとあらゆるオリジナルエピソードを乗っける事もできれば、主人公の武将が関わってない美味しい歴史的なイベントにも何らかの形でそこに居合わせたとして絡める事が出来るのです。詳細な活動記録は無いが確かに存在したというあまりに便利で自由な存在、忍者―。
世に溢れる歴史物というジャンルの中で先行作品と差別化を図るのが大変な事は簡単に想像ができます。できるのですが、それでも歴史上の有名人、人気イベントのネームバリューにあやかって作品を作るのであれば、新しい仮説や独自の解釈を駆使して頑張って欲しいなというのが基本的な私の想いです。なので主人公の有名武将をそっちのけで忍者が冒険し、恋愛し、殊勲をたて、実は歴史を裏で作っていました!的なエピソードを多用している作品を観ると、作り手側が歴史から逃げたのだなと思ってしまうのです。
そしてまさか本作が割と忍者成分高めの作品になっているとは思いもしませんでした。
一応、曽呂利新左衛門も服部半蔵も実在の人物ですが映画での扱いはほぼ自由な忍者枠であり、勝村政信と桐谷健太の空中戦は失笑ものです。
メインの登場人物がことごとく利己のために人を裏切り、他人の命を屁とも思っていない中で、このファンタジー枠の忍者たちだけが主君に忠実な姿で描かれ、かなりの活躍を見せますが、そもそも北野武監督は大義だ忠義だ言ったって戦国武将は野蛮な殺人狂という独自の解釈を持っていた訳で、そのコンセプトで作るならファンタジー忍者の忠誠心なんてかえって邪魔だったのでは?と感じるのです。
また今作でのコミカルなシーンのほとんどが、ただのビートたけしのコントを見せられている感じで、映画の雰囲気からは浮いているように見えました。
これも映画の序盤までは良かったと思うのです。利休からの書状を読む秀吉と秀長のやり取りと、それを見る官兵衛の「奉公先 間違えたかなぁ~」と言わんばかりの表情を映すところ等はグッときます。
あくまでも物語の登場人物たちは真剣なのに観客という立場で観ていると、どことなく滑稽でクスッと出来るというのが良いと思うのですが、後半(家康と会うあたりから)は物語の登場人物ではなく演者であるビートたけしや大森南朋がドンドン前に出てきてコントを演じているという風に映ります。私自身が笑い上戸な事もあり、このコントでも笑える事は笑えるのですが、映画の流れの中では不自然に浮いている印象を抱くのです。
もともと北野武監督作品って何でここでこの演出なの?という浮いた印象を抱くシーンが多いのですが、アウトレイジの1、2作目が良かったのは笑えるシーンも含めて映画の流れの中で不自然に浮いていると感じるシーンが無かったからという事もあったと思うので、本作も開き直って同じ様に撮ればよかったのになぁ~と残念に思います。
またシリアスとかコミカルとか関係なしに何人かの役者の演技が時代劇的雰囲気が皆無なのも気になりました。特に遠藤憲一と大森南朋が顕著で、この浮きっぷりは一体何なのか?木村祐一にはそもそも演技力など期待していないので彼の演技についてはまぁいいのですが、その木村祐一が結構出ずっぱりなのも含めて、ここら辺の演出意図が自分にはよく分かりませんでした。ただそのせいもあり、血統もキャリアも上等な中村獅童が本作でのヨゴレ役を好演しているのが際立ち、とても印象深かったです。
この映画で一番武勲をたてたのは中村獅童だったのではないかなと思いました。
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