花腐しのレビュー・感想・評価
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鎮魂歌
「夢終わり朽ちてなお生きていく」という、夢破れた人々の生き様を描いた作品であり、「何者かになりたくて足掻いたが、何者にもなれなかった人々への鎮魂歌(レクイエム)」みたいで。
何者にもなれなかったかなぁという自分には、観ながら面白さ1/3、つらさ1/3、どうにか生きて行かねばという決意1/3、という、かなり微妙な心境に追い詰められる作品となっていました。
また、心中や自殺はしないまでも、田舎に帰ってしまったり、病気でリタイヤしたりという、元役者志望、元漫画家志望、元同じ会社の同僚などなど、さまざまな「夢を諦めてしまった」友人知人のことも、思い出したりして。
チクリと胸の奥に棘みたいに刺さる、不思議な感覚もありました。
大瀧詠一の歌『君は天然色』では「思い出はモノクローム」でしたが、本作では逆に夢を失った今がモノクロで、夢を追っていた過去を美しいカラーで描くという、この色の使い分けが面白く、上手いなと思いました。
卯の花くたし
花は咲き、そしていつかは朽ちる。
腐って静かに眠る。
その花の想いや気持ちは、其々違う。
人間も同様。
その時花を咲かす時もあれば、咲かない時もある。腐っても生きていかなければならない。
また咲くかもしれないから。
なんか、お芝居が好きな役者達。
綾野剛さん、柄本佑さん、さとうほなみさん。
ピンク映画なのか芸術なのかは、その人の視点で。不器用な男二人と一人の女の映画への想い。
最後の『さよなら向う側』を唄う栩谷。
やる気無さそうにしてたのに、途中で本気で熱唱。また歌の歌詞が恐るべしセレクト感。
~一輪の花にして無限の命を知らせてくれたのは
あなたでした。約束なしのお別れです。
今度いつと言わない。きっと私は忘れない。
後姿をみないで下さい~
上手にはめたなぁ。そして祥子を本気で
愛しているだと思った。
男と女には深くて長い河がある。
交じ合う事もあれば、交じ合わない時もある。
咲いてる時でも、咲いて無いときでも目の前の
人を観て欲しいもの。
朽ちて這い上がる人と、そのまま朽ちてしまう
人もいるので。
雨音も美しい映画でした。
失われていくものへ
ピンク映画、フィルム、街、建物、
そして人間…
時代とともに朽ちて失われていくものへ捧げた、鎮魂の雨。
荒井晴彦監督、76歳。
この御年でもって、こんなに甘美でロマンティックな映画が撮れるとは、痺れました。
エンドロールで席を立たないことをおすすめします。
愛があると正常位しかできない
同じ女性を愛した二人の男が、それと気付かず思い出を語り合う話。
「初対面でそうはならんやろ」とは思うが、柄本佑のキャラが「コイツ相手なら」と思わせる。
演技は総じて素晴らしい。
綾野剛と柄本佑は言わずもがなだが、今回は酔い(not酔っぱらい)の芝居がズバ抜けていた。
さとうほなみは相変わらず体を張るし、濡れ場が本格的過ぎる。
後で調べたら本職だったリンリン役とユジョン役にも、まったく引けを取っていなかった。
普通なら過去の方をモノクロにするところを逆転させ、栩谷と伊関の内面に当てるのは単純ながら効果的。
回想を含めほとんどのシーンが家の中なためか、一度場所を変えるなど配慮も見られる。
ただ、137分かける話かというと疑問だし、特にリンリンやキノコ関連は必要だったのだろうか…
最後、伊関が一晩で『花腐し』を書き上げ、何故か栩谷の漢字を知っているなど急に雑になったのもやや残念。
祥子の幻影が微笑んでくれた理由もよく分からない。
脚本に手を加え、「こうすればよかった」となったら、むしろ後悔は強まりそうだが。
序盤から謎だった、祥子が桑山と心中した理由がハッキリしないのもモヤモヤ。
百合ックスを呆然と眺める栩谷&井関と、エンディングで原キーに合流する綾野剛には笑った。
歌ってる祥子を眺める「あ、惚れてるな」という桑山の表情は白眉。
デュエットし始めた途端にそっぽ向くところも含めて、色んな意味で彼が一番純粋だったのでは。
◯兄◯
かなり品性を疑う題名になってしまうので、ある程度ボヤかしたのだが、それでも下劣な表現、先ずは陳謝
そんな内容(セクシャル表現)は抜きにしても、何処にも救いようのない、未来も希望もない「夢の島」なんていう皮肉にも程がある場所に埋められる類の話であり、私の大好物な″類友″のジャンルである 難しい哲学的なモチーフはなく、台詞には学のある単語が散りばめられるが何一つそれが生活に役立つ訳でもなく、インテリゲンチャの教養振りをひけらかす兄弟達wのマウント合戦を繰り広げているだけの不毛な知識の垂れ流しであり、だからこそ″腐敗臭″漂う映像の爛れを益々色濃く足らしめているのである
現代パートをモノクロ、過去パートをカラーに色分けしている所も分かりやすく情緒を吐露している 悪徳家主の爪弾く♪君は天然色♪は正に今作品の色設計を明示してみせたメッセージであろう
しかし、これだけの熟成表現のプロットを果敢に参加したキャスト陣に先ずは称賛を送りたい 柄本兄はこういった作品のお馴染みであり、今作は義父との共演(シーンは異)だが、綾野剛はここ迄″汚れ″を演じた事は無かったであろう さとうほなみに至っては、今年の映画界一番、身体を張った俳優魂を観客に届けてくれた稀有で貴重な演技として大変素晴らしい、手放しで歓ぶ出来栄えである ″ゲス極″でのプログレな変拍子とパワフルさ、JAZZドラマーとしても充分通用する確かなテクニックを持ち併せていながら、堂々たる演技も又、観客を魅了していく 勿論、躊躇無く披露する肢体や、その年齢に見合う健康的肉体の造形も目を奪われるのだが、ドラミングの如く性愛描写の逞しさ、勇ましさには舌を巻く 較する事自体、ナンセンスだが、同じ柄本兄が相手役ということでの北香那のそれとは、色合いの違いがハッキリしていて大変興味深い 方や秘めた"白"だとすると、さとうは、"青い炎"のような鋭さを抱かずにはいられない 芝居俳優からのピンク女優への変遷が、その蓮っ葉さが良い具合に演技に艶っぽさを纏わせていて、決して言われたとおり演技する以上の情念を訴えかけてくる事に唯々驚くばかりだ
ドラマの方だが、確かに他のレビュアーさんのご指摘の通り、なんで無理心中を図らなければならないのかの明確な理由を描いていない為、2人の兄弟が単に昔を懐かしみ、伴すれば同じ女性を評するような構図になってしまうことに、男という性の醜い部分が鼻をつく物語になっていることは否めない 身体の特徴等や、プレイの中身迄共有してしまうことに、同性としても居心地が悪いのは正直だ
ただ、前提としてこの二人はもう未来がみえていない 完全に腐ってしまっていてそれこそクリエイティヴな仕事からの排除される立場なのである その先に待っているのもカタギの仕事等はもうマトモじゃない二人にしてみれば異世界だ 実際、違法薬物を扱っているのもとっくに片足を突っ込んでいる証拠 子供迄こさえたのに、一人は堕胎で、一人は流産 家族を形成できないという致命的欠陥(勿論、二人の主観的思想なので、一般的ということではない)が心に魚の骨のように突き刺さって取れない"原罪"として生き続けるしかないのである
そんな二人が唯一幸福だった一瞬 それが"祥子"という女神だったのである 二人ともそれ程人を愛するということに不器用というか、愛情という資質が著しく欠けてしまっていたからこそ、そのふり返りが映像としてカラーに映る程、鮮明に気付かせてくれているのであろう 「愛して」いたんだと・・・
二人が韓国居酒屋から戻った部屋では中国人留学生の女性が友達を連れてきておっぱじめている いつだって女性の方が逞しくしなやかだ 男は眺めるだけ、又は性愛の道具としての価値でしかない ビデオカメラを撮る側から撮られる立場への屈辱 なんで親友と一緒に昔の小説みたいに手首を縛り合いながらの心中なんて古くさいことをしでかしたんだ、じゃ、自分もこの女の首を絞めながら一緒に死ぬことを頼んだら、女からは「もう死んでるじゃない」とにべもない始末・・・ 幻となって現れたクライマックスシーンは、もう浮き上がることはない、腐敗した部屋での、想い出だけに縋る悲しい未来を暗示させる、しかし二人にとってはそれが幸せなのかもしれない、なんとも救いようのない腐敗臭が漂うバッドエンドであり、決して人生には輝かしさだけではない、香ばしさを教えてくれる作劇であった
はっきりしない。
祥子はなぜ心中したの?だいたい想像はつくがはっきりしたシーン欲しかった。
柄本佑を立ち退かせるのはどうなった?ウヤムヤですか。
綾野剛と柄本佑の会話のシーン(特に韓国スナック)は本音のぶつけ合いが面白くてちょっとハマったかも。
書き直せないあの時- - 確かに愛していたあの時
愛を失ってしまった男の、取り戻せない過去を想いながら彷徨う雨の1日に起きた夢?まぼろし?今は亡き愛する女へ伝える為の「さよならの向こう側」
哀しいけれど美しく心に刺さる映画です。モノクロ、色彩のパートが効果的に使われているので、時系が交錯してもすんなりストーリーに浸れます
なんと言ってもキャスティングが素晴らしい!魅力的な演技でこの物語を美しく詩的に創り上げています
そして映画愛に溢れています。数多くの映画が話の中に出て来きます。更にオマージュと思われてシーンもあります。今、この時代に、この様なノスタルジー溢れているに、新しい息吹も感じられる映画です。ぜひお薦めです。
沁みたり 沁みなかったりするのがいい
男女🚻の機微、男の未練を描き切った稀有な作品
クスリと笑かされたりして
荒井晴彦監督じゃなきゃ撮れないよね
この未練たらしさってある意味、男にしかわからない部分かもね
凄く好きな映画になった
因果応報?水戸さま繋がりのモヤっとしたお話し
「火口のふたり」を観て爆発したなんじゃこれ感、同じ監督さんはどんな作品にしたのか期待半分で出掛けました。
ストーリー的には芥川賞作品的な文学調で、大衆迎合とは言い難い感じでした。
柄本佑と綾野剛が同じ女性と繰り広げる人生模様は、どちらがどうとも言えない、人が年齢を重ねるに連れ、その時々の価値観からくる判断で、同じ人間だからって「絶対」は無いのだなと思わされるものでした。
まあ、そうであっても水戸のご老公様繋がりの性描写には笑わせて貰えたり、不思議な感覚がラストまで続き、なかなか整理はつきませんが不快感やつまらなさは覚えませんでした。
ただ、最後の方で綾野剛がアパートの部屋から出てきた時には下駄を履いていたのに、鏡に映った祥子を負って部屋に戻る時には裸足だったシーン、ワタシの中では何処かで三途の川を渡っちゃったのかなと、舞台はこの世ではないかなと思いました。
帰り道でパートナーに話したところ「ああ、それでまぐわった後、綾野剛が一緒に死んでくれとお姉ちゃんに話したら、もう死んでると言われたところの納得がいったよ」と帰ってきました。
受け取り方は人それぞれでしょうが、スクリーンの中で繰り広げられる延々と酒を煽り、煙草の紫煙が霧のように立ち込める世界の中でうすぼんやりしていました。
火口のふたりより好みでした。
暗くてエロくて長い
2023年劇場鑑賞270本目。
奥田瑛二が水ぶっかけられるシーンが予告で印象的でしたが、見事にそこ寝てしまって見過ごしたので自分の中では奥田瑛二出演していません(笑)
まぁ長いですよね。うとうとしかけると喘ぎ声で起きるみたいな感じでした。現代シーンがモノクロ調で、過去シーンが色付きなので、現代シーンでなんか眠くなっちゃうんですよね・・・。
ピンク映画を作りたいという趣旨だったので、もうほとんどAVみたいなものですが、AVと違ってドラマ部分がしっかりしているというか、そこ早送りしちゃうよ、みたいな感じなのであの長さはしんどかったです。最後急にジャンル変わったかと思うし・・・。
人生は再び色づく
脚本は書き換えられても、人生はやり直せない、のだろうか。
やり直すことはできなくとも、未来は変えられると私は思う。横にふたり並んで歌ったことで、挧谷の未来は色づくことができると私は思う。だってまさに愛の熱唱だったもの。
もう一度見たくなりました。
最初の恋人の実家の玄関先のシーンで綾野さんがぼそぼそ喋るのを見て、「綾野さんはやっぱりすごい役者さんなんだなぁ。」としみじみ感じました。
どんな作品でも、その役者さんが演じる登場人物は画面にいることが当たり前ですが、
綾野さんに似てるけど、目の前にいるのはまったく別人である栩谷さんという人物だという当たり前のことを強烈に感じたのは今回初めてでした。
タバコとスウェット、下駄を履いているだけでなんでこんなにかっこいいのかわからない…。
ホ・ク・ロ。
桐岡祥子(さとうほなみ)という女性と時期違いで付き合ってた栩谷(綾野剛)と伊関(柄本佑)の話。
ピンク映画監督の挧谷、ある日、ボロアパートからマンションに建て替えようとしてる大家から立ち退かない住人がいるから立ち退き交渉を頼まれる、その立ち退かない住人伊関のもとへ行くと…立ち退き交渉行ったにも関わらず…何故か話し込み酒を飲みながら過去に付き合った女話になっちゃった挧谷と伊関、久々に実家へ帰るといって出ていき、そのまま桑山という男と心中して亡くなってしまった祥子のストーリー。
上映時間約135分どんなストーリー?と聞かれたら挧谷と伊関の過去の女だった祥子との生活とセックス、監督業の仕事の部分と書けない脚本家の話なんだけど何か時間は感じず面白かった。
役名で言うと祥子、リンリン、ハン・ユジュンのボディっ、いやバディはなかなかいいバディをしてて、仕事とはいえあんな可愛い女のバディを見て剛の剛と佑の佑は大丈夫だったのだろうか!?
あんなすました顔してリンリンとハン・ユジュンの絡みシーンは反応しちゃうよね!
役とはいえあんな絡みしたら反応しちゃうよね!?(笑)
私があの場にいたら絶対無理だと思う。
あと祥子の事を想って幻覚見たり、後の話でいい女だったって言うならもっと大事にしたら!と思うけど、いなくなってから気づいて後悔するのよねリアルもそうだけどみんな。
そんなにきらわないで
私はおもしろかったよ!エロシーンはインティマシーコーディネーター入れているそうで、安心してみられました。コミカルだし。
綾野剛かっこいいし見て損はないと思います。
とても素直でわかりやすくてジメジメしてない。さとうほなみがカラッとしてて良いです。
祥子は死ぬ必要あったのかな?というのは気がかり。私なら別に死なないかな…。物語の都合以外に全然死ぬ必要ないよね…。
祥子は徹底的に他者で、逆説的に、男とか夢とか不確かなものに頼らず、まじめに働いて自立できてよかったなあと何者にもならなかった自分に自信が持てました。
最初のアパートは家賃7〜8万くらい、同棲してたアパートは11〜12万円くらい?場所にもよるだろうけど。この人たちどうやって生活してるんだろうかと気になった。キッチンが広くていい。今ないんだよね、ああいうキッチン。
出会うシーンの青いワンピースとかザリガニ拾う時のワンピースとかかわいかった。部屋のセットや本棚も良いです。
目指すものは映画じゃなくてもよかったんじゃ?!というのはほんと皆さん噛み締めてほしい。稼げる業界に行け。私はクリエーター魂がないから意外とみんなほんとはないものなのかなと気になった。
いちいち小ネタがわかり過ぎて、親戚なのかな?と思いました。さりげなくできないかわいさ笑
沖縄の基地とか原発とか正面からやればいいじゃん。
そういえば女性監督のハメ撮りってあるのかなあ。
予告でイメージしてたものよりずっとよかった。
「愛なのに」に関するものだとつられて見てしまう でも私にはVシネ系...
「愛なのに」に関するものだとつられて見てしまう
でも私にはVシネ系な雰囲気が強すぎた
あと、シーンが変わると繋ぎきれないことが多々あった
「こころ」「ノルウェイの森」そして
2023年。荒井晴彦監督。ピンク映画の監督は同棲していた女優がほかの監督と心中自殺してショックを受ける。ある日出会ったこれまたピンク映画の脚本家崩れの男とお互いの恋人の話を語り合っているうちに、お互いの相手が同じ女性(心中した女性)だったことがわかり、、、という話。
自殺した友人や恋人の死の理由を自分との関係で考え続けるのは、夏目漱石「こころ」や村上春樹「ノルウェイの森」を思わせる。今作は自分のような男がほかにも一人いたというドッペルゲンガー的物語。漱石は結局謎が解けずに自分も死んでしまう男を描き、春樹は他の女性によって徐々に癒されていく男を描いたが、荒井監督は延々と後悔し懺悔した挙句、ようやくふっきれる(自分を赦す)男を描いている、といえるだろう。
3作を並べてみて面白いのは、女性の扱い方がとてつもなくぞんざいであるか、または計り知れない他者として描かれるか、いずれにせよ男たちの物語だということだろう。今作など、後悔し懺悔することで生前の女性への態度が許されるものであるかのようだ。「女性嫌い」を公言していた男は、くだんの女性に恋することで女性嫌いを克服したという物語の流れになっているが、やっぱり変わらず女性嫌いだったということになるのではないか。ピンク映画へのオマージュという原作にはない要素が強いので救われているが。
性行為が描かれればあとはなんでもよいというピンク映画としてみれば、心と身体の問題をまじめに提示しているし、艶笑的なエピソード(男のアレの小ささとか、お尻のこととか)も数多くあってよくできている。
かなり人を選ぶが作品としては一応…。
今年383本目(合計1,033本目/今月(2023年11月度)15本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
※ 入れ替わりで「駒田蒸留所~」を見てからの鑑賞になりますが、アニメ作品にレビューはしない方なので(憲法論的な論点があるものは除く)、飛ばします。
さて、こちらの作品なのですが、結局のところ「マーベル、法廷遊戯…と人気作が並んでこの作品はちょっと厳しい」といったところです。
モロにR18であり、それを想定できる「特定のシーン」(結局R18なので何が「特定のシーン」なのかはもう明らかでしょうが)がどんどん出るのが厳しく、そこでどんどん人が抜けていくのが結構印象的でした。
これだけならまだしも、薬物関係(広い意味で。要は「適正な医薬品」という意味)についても変な描写があり(真似したらどうするんだろう…。妙に詳しく書いているし)、こりゃまたしかも「何を述べたいのかはっきりしない」のが特徴です。
まさかその「追い出してくれたら~」の話「だけ」を描くというのには無理があるし、いわゆる成人映画館の類でもない一般の大手の映画館でR18といっても描ける範囲には自ずと限界があるのでその限界ギリギリまで頑張ってみました…というのも無理があり、どう判断するのか(換言すればこの映画から何を学ぶのか)がわかりにくいというか、もう完全に「飛んじゃっている」状態ではなかろうか…といったところです。しいていえば映画内でも明示的に示されるように「特定の趣味の方には合うであろう特殊な映画撮影の現場」に興味がある方…なのではなかろうかと思いますが、そんなレアな方は少ないんじゃないか…といったところです。
ただ結局「R18なりのシーンが多い」「薬物関係で一部不穏当な描写がある」等はありますが、極端に違法行為を勧めるようなシーンもないのも事実で評価に困ったところです。
とにかく今週はマーベル、法廷遊戯と色々揃っている中で本作品を一番手なりに押すのか?というと難しく、そうそう宙にういてしまいそうな予感です。
採点に関しては以下の通りです。
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(減点0.3/映画の主義主張がはっきりとしない)
まさか「一般の大衆映画館でR18の限界にチャンレンジしました」ではないでしょうし、正直何を述べたいのか主義主張がはっきりとせず、延々と「そのR18の原因になったであろうシーン」を見せられるのが結構精神的にきついです。
ただまぁ、あえていえば映画内で扱われている「この手の映画」自体はおそらく「一昔前」のことであったとも思え(映画内では明示的に年を示唆するような表現は出ないが、東日本大震災がどうこうという話は出るので、平成25~?)、「法に触れない範囲での職業選択の自由論」(憲法22条の1)を扱ったのかなと思えるシーンもあるし、同じくR18で「こりゃ誰が見るんだ?」レベルの映画(名前忘れた…。ロシアの映画だったと思うが…)というほどでもないし、「日本にこういった文化があった、こういった映画産業も存在した」ということを述べている点において「一定の理解」はできるので、減点対象も調整済みです。
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