ミッシングのレビュー・感想・評価
全492件中、341~360件目を表示
後半まで延々と続く地獄のような時間…
普段はレビュー書かないのですが、あまりに衝撃過ぎて投稿。
後半まで地獄のような時間が続き、何度か「吉田恵輔ーーー!!お願いだから、もうやめてくれーーーーー!!」と叫びそうになる。
もう一回観たいけど、あの地獄をもう一度追体験して耐えられる自信がない…
配信ではなく、ぜひ逃げ場のない映画館でこそウォッチしていただきたい。
小さいお子さんのいるご父兄には全くオススメしない。
別に物理的にエグい描写はありませんが、そっちの方がマシかもしれない…
観る方は覚悟を持ってご覧ください。
石原さとみさんが日本アカデミー賞を狙える熱演!
期待度低めでしたが、良い意味で予想を裏切る映画でした。
6歳の娘が行方不明になった母親の喪失感や無力感、ゾッとするような狂気を石原さとみさんが熱演と言うか怪演。日本アカデミー賞ノミネートは確実でしょう。
ノンフィクションかと思えるような実際にありそうな筋立ての中に、母親と父親の温度感の違い、主人公の弟(森優作)が犯人かと匂わせるミステリー要素、テレビ報道の葛藤、被害者に対するSNSの誹謗中傷なども織り交ぜ、2時間ダレることなくエンドロールまで引き込まれました。
見る前はテレビで見てもいい作品かなと思っていたけど、スクリーンで見て良かったです。
ずっしり重いテーマで救いもあまり無いため、デートには不向きに思えるけど、お互いの感想から相手の価値観や倫理観が垣間見えると思うので、リトマス試験紙には良いかも(笑)。ただ、ケンカしてパートナーをミッシングしても知りませんよ。
この手の映画に星5個つけるは初めてで、特に石原さとみさんのファンでは無いけど、このモチーフで推理物や猟奇物の味付けをせずに、終幕まで気持ちを持っていかれたので、文句なしの満点です。
なお、涙腺ゆるい方はハンカチをお忘れなく。
深淵を覗くとき、深淵もまた此方を覗いている。
失踪や行方不明の事案又は事件は日本で一年間に8万件前後起こっているみたいですし、今回の映画と似た事件で未だに未解決のままのも実際に多くあるわけで。
そう考えるとこの映画を批評したりコンテンツにする事自体が当事者達の辛さを思うといいのかとか考えてしまいます。それくらい現実感があり、生活の延長上にあると思わされます。
またこの作品を観た後に自分の過去の言動、友人に投げかけた言葉や、時事系の問題で「こういうのって大体こうだよね」とかの無意識の発言や発想に潜む軽率で醜悪な内面、善意に潜む暴力性などが帰り道に襲ってきます。
まさに「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」
映画の登場人物達の描かれる善悪や醜悪さを覗く時、それは自分にも向けられ気付きたくない自分の姿と対峙することになる作品だと思いますので、ある意味非常に取扱注意。
そして映画の内容はこれでもかと淡々と抑揚もなく時だけが流れていきます。
その中の何気ない表現が非常に秀逸かつ意地悪で、
例えばスーパーでママ友で出会すシーン。Y1000の売切れにキレ散らかすモンクレと店員の会話をBGMに、「久しぶり」と言い合う相手のTシャツは失踪した日に行ってたアーティストのTシャツで、子どもに「〜ちゃんのお母さんだよ?」と言うと子どもは「誰ぇ?知らない」とか言っちゃう。
もうやめてあげて…そんな出来事が積もる日の雪のようにシトシトと主人公家族を追い詰めていきます。
最後の希望とも呼べる出来事や演出でさえ、私たちが希望認定するのは合ってるのか本当の希望なのか分からず、胸が張り裂けそうになりました。
宗教を否定するのは簡単ですが、この状況を見て何かを狂信しすがるのを否定することは果たしてできるのでしょうか?日本社会に流れる道徳や誰もが持つ信念などあまりに頼りなく悪とさえ思えてきます。
諦める事は罪であるかのようにまとまりつき、逃げ場のない永遠と続く地獄。
彼女達は今も子どもを探している。
ドラマチックさも主題歌さえない世界。
さて今回の映画は
カップル× やめといた方が無難。前に座ってたカップルは映画館を出た後、終始無言。感想の言い合いにも微妙な違いにギクシャクするかもしれません。
家族× やめといた方が絶対いい。むしろ子持ちの方はメンタルブレイクしてしまう人いると思います。観る方は昼間の明るい内に心身共に健康な時にお願いします。
友だち◯ 帰り道に自分の謝れなかったことや話せなかった事が話せるかもしれません。
1人◯か△ 1人で観るとかなり堪えます。私はレイトショーに1人で観に行きましたが、帰りの車の中で胸焼けがし頭の中は得体の知れない感情がグルグルしてました。
とはいえ、非常にいい作品で無責任に他人にすすめるのが本当は正しいのかもしれない。必ず何か自分の為になるというか、精神年齢を上げます。
石原さとみさんは演技は何か賞をとることになりそうですが、あの役を取り込んだダメージが大きそうなので心配になりました。
予告詐欺
2024年劇場鑑賞112本目。
チラシ配りなどで娘の行方を探しながらテレビの取材も受けている夫婦と最後に娘と一緒にいて世間から少し疑われている妻の弟、上が求める数字の取れる放送と、被害者に寄り添った取材の間で苦しむディレクターの話。
こういう行方不明ものの結末は無事見つかる、遺体で見つかる、行方不明のまま終わるの3パターンしか絶対ないのですが、予告である結末を思わせておいて実際は別の結末だったので予告詐欺だと思いました。後これも予告でもあるシーンで、ディレクターが「どこかから私は間違えました」と謝るシーンがありましたが、このディレクターは終始よくやってくれていて、大体はこういう立場の人が数字目当てに暴走して後ですごく反省するパターンが多い中観ていて安心して観ることができました。
また、行方不明になった娘の母親の石原さとみが時々パニックになって叫びだすのに対して父親の青木崇高がずっと冷静に対応して、感謝することは感謝し、おかしいと思うことはおかしいと言えていたのが本当に良かったです。これで父親までギャーギャー騒いでたらほんとこの映画きつかったと思います。
私だったらもっと荒れ狂う
石原さとみさん今までのイメージからしたら凄くギャップあったし、さすがの熱演でちゃんとお母さんの顔になっていて見応えあった。でも自分の子供がいなくなったらそりゃあそうなるし、母親にとって人生で一番といっても過言じゃない苦悩だと思うから、私なら壊れるなと。だからあんまり予想を超えて来なかったというか。だけどだからこそリアルだったなぁ。そんな時に客観視なんて出来ないからもう少し周りが想像力を働かせて寄り添ってあげてほしいなって。ネットの書き込みする人なんか言語道断で語ることももはやないけど味方である周囲の対応がやっぱり協力的共感的じゃなくてイライラするよね。だからこそラストで同じ経験をしたお母さんの思いやりに救われただろうなぁ。
監督、脚本、役者もいいが、音響効果を感じよ!
石原さとみが大変身を遂げ、現代のアキレス腱を告発する
吉田恵輔監督作だから速攻鑑賞、現代の社会の歪を炙り出す、清濁併せ呑まされる絶望を思い知る、流石の傑作に仕上がった。ひとりの少女が忽然と姿を隠す。絶望のどん底に叩き付けられた両親の右往左往によって、今時のSNSを中心とした誹謗中傷、対する古来のメディアとしてのテレビ局の無力ぶりを描く力作です。
神がかりでも、オカルトでも、ましてやモンスターの類では全くない現実世界、だから悪意ある他者の犯行か、何らかの事故かに絞られる。当然に若いご両親は極限まで苛まれ、出来うるすべてを行おうとする。この両親のことにも母親のエキセントリックな行動は至極当然で、全く違和感は感じません。当事者ならば私だってそうするでしょうと簡単にイメージ出来ますから。やや冷静な父親との仔細な衝突が過剰なリアクションに波及するやりとりがリアルで、これまた至極納得出来る。
八方手を尽くすも、警察の捜査も壁にあたり、当初は氾濫したマスコミ報道もやがて収束気味って段階で映画はスタート。静岡県の沼津市を舞台に、駅前でチラシを配布するのもまさにご本人しかいない現実。結局のところ地元のローカルテレビ局が後追い報道を細々と続けるのみ。
こうした前提条件を明確にした上で映画が描くのが、まずテレビ局の無能です。「報道は事実のみを追ってゆく・・」なんて大義名分唱える記者・砂田が本作の主役でもある。民放である以上、スポンサーからの収入が頼り、その為には視聴率を稼ぐしかない。テレビ局のオフィスにはデカデカと達成した視聴率の数字が壁一面に張り出される。余程のネタがない以上追い報道は難しい現実に砂田は身動きがとれず良心の呵責に悩む。ご両親の焦りにつけ込み、遂には10日も早い架空の誕生日を開催し、駅前でチラシをスルーされうなだれる姿まで要求してしまう。つい先日も現実に読売新聞が小林製薬の紅麹問題で、「届いた原稿のトーンがこちらでイメージしていたものと違った」ために関係者の発言を「捏造」したばかり。映像はウソをつけないなんて誤魔化しで、編集の作為からやらせの横行までやりたい放題。
もう一方が匿名をいいことに一億総批評家の様相で、言いたい放題のSNSの現況をやり玉に挙げる。全くの赤の他人の無関係者にも関わらず、鬼の首でも取ったような勢いで、相手をたたきに叩く。本作では、よりによって念願のライブへ行った日に起こってしまい、被害者であるべき母親が叩かれまくる悲劇。そんな投稿見るなと父親は言うけれど、売られた喧嘩をスルー出来る程に冷静になんか成れませんよね、でさらに炎上してしまう。
この二つの事象は、ご両親にとって唯一の世間へ広く繋がる手段でもあるわけで、頼らざるを得ないジレンマを浮かび上がらせる。全く久しぶりのライブの為に娘を母親の弟に託したことも、裏目となる事態。ついには過激な投稿者達を両親は告発する事態にまで発展。テレビ局も警察組織との慣れ合いを示唆される。東池袋自動車暴走死傷事故では大きな問題となった事象を、本作はハリウッド資本により提供された事実も肝要でしょう。
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会だって決して諦めず今も活動を続けるわけで、本作の両親も今もチラシを配っていることでしょう。この問題作にあたり主演された皆様に深く敬意を表したいですね。寄り添いつつも冷静を逸脱しない父親役の青木崇高の頼もしさ、嫌疑を掛けられる母親の弟役の森優作の過去の悲劇、記者としての限界に苦悩するテレビ局員役の中村倫也は珍しく短めのヘアスタイルで閉塞感を訴える。
そしてなにより母親役の石原さとみが圧巻の演技で従来の彼女のイメージをぶっ壊したのは確かです。ドラマでもCМでも、「私ってキレイでしょ」的なアピールが強すぎて大嫌いなタレントの一人でしたけれど、よかったよかった。保護したとの悪戯情報での茫然自失はまるで本物、夫婦の言葉の掛け違いのやり取りのタイミングなんぞ鳥肌ものでした。
最後に、こんな場合に起きがちなのが、容疑者への冤罪の可能性です。見つからない永遠の辛さより、最悪結果でも決着が見えた方がまだまし。の意思が思わぬ冤罪を引き起こすにも留意しなければなりません。
生きるのが辛い時はある でも生きるしかない
その『事実』が面白いんだよ
かなり堪える作品だった。
主役の夫婦がすごくリアルで、石原さとみの憔悴ぶりが心に刺さる。
綺麗に可愛く撮られようなんて微塵も感じない。
ただ、自分は完全に旦那さん側の人間なので、彼の気持ちの方が痛いほど理解できてしまう。
必死で探したいが故の冷静さでもあるのに、冷たいと思われ、取り乱せない自分に心がないように感じる。
八つ当たりを自覚して互いに謝ったり、2年後には絆が強くなってたのは救い。
ただ、逞しくなった様子は慣れも感じ、哀しくもあった。
沙織里は身近な人ほど感情的で当たりが強くなってたが、そういう意味では砂田は寄り添えてたんだと思う。
少しの怒りと諦め、そして大半を冷静さで覆われ発せられたタイトルにした台詞がとても重い。
痛ましい事件でも、やはりどこか他人事で、エンタメとして消費してしまっている部分がある。
興味を惹かなければ報道を続けることすら出来ない。
誤解なく事実を届けたい想いと、数字を取らなくてはならない現実。
沙織里と砂田が揉めてる後ろでカメラマンがチラシを丸めて撮ってたり、誕生日を前倒したり。
インタビューのシーンを見て叩けるヤツは信じ難いが、カメラが入ってる時点で視聴者は演出を感じてしまう。
弟やその先輩、旦那の上司など、ちょい役に至るまでそれぞれの苦悩がよく描かれている。
沙織里の後輩や印刷所のおっちゃんなど、終盤に人情を感じるシーンが多い。
何故はじめからこうでないのかとも思うが、沙織里目線で受け取りきれてなかったということだろうか。
ママ友がBlancのTシャツを着てたのはやり過ぎと感じるが、娘が見つからないこと含めてとても真摯な作品。
気分は重いが、観てよかった。
虎舞竜
この監督の公開作は必見というのは、映画好きからすると何人かいると思うんですけど、吉田恵輔監督もその一人
吉田恵輔作品の特徴として、笑いを必ず入れてくるのですが、今作「ミッシング」はブラックな笑いで、個人的には最高でしたね~
題材からすると、どこに笑いの要素があるのかと思われますが、ここ泣かせどころという場面で、監督のなんでもないような悪意の挿入で、自分の陰の感情をくすぐってくるんですよ
石原さとみって、どこかクソマジメな人というか(プロ野球の始球式で確信)、「進撃の巨人」「シン・ゴジラ」ではオーバー演技で賛否ありましたが、今作ではそれがイイ方向に作用して、不謹慎にも笑えるのですょ
真面目な人って、どこか可笑しみがあリますからねぇ(もちろん腹抱える笑いではない苦笑ですが)
決してコメディ映画ではないのですが(社会的メッセージもちろん有り)今作も吉田恵輔テイスト満開なのでした オワリ!
最高の演技=本物の感情
抉られる
TV「A studio +」で石原さとみ本人が
「吉田恵輔監督と仕事がしたくて手紙を送り
脚本が出来たと返答が来たのが本作」
「新しい石原さとみが観せられた」
と仰るので、
コレは是非観なきゃと劇場へ。
と言っても
石原さとみの作品、ほぼ観た事ない😅
変わったんでしょうね、演技。
まあ現代を代表する女優の1人であるし、
その彼女が美貌はともかく、
リアルな悲しい母親を演じて、
その慟哭は観客の胸を抉るモノはあった。
娘の親としては、
これ以上無い程のキツイ題材だった。
前作で、ネット社会の承認欲求の前に、
リアルな人間関係の脆さを描いた吉田監督。
今回はその真逆の、所謂炎上、
誹謗中傷をピックアップし、
未解決事件の風化のアンチテーゼを描いている。
結局未解決のままではあるが、
ホントの社会との繋がりって、
ラスト駅前で会った母子の言葉なんだろう。
そこでの青木の嗚咽が一番抉られた😭
未解決だけど、笑顔にはなれないけど、
嬉しかったんだよね多分。
それにしても
相変わらず吉田恵輔作品キツイわー😩
お勧めしにくいのが本音😫
石原さとみが可愛くない←褒めてる
涙活したい方向け
ありきたりなストーリーで展開が読めてしまい退屈でした。それでも楽しめる作品もあるけど、こーゆーの泣けるでしょ?みたいなあからさまな脚本や演出にうんざり。
涙活したい人にはピッタリだと思います!
石原さとみ新たな役に挑戦!的なやつのために映画を利用しないでくれ…って気持ちになり冷めてしまった…
役作りとか頑張ったんだろーなーとは思うけど…
結局いつものオーバーリアクション。
ちゃんと演じられる人が演じればもう少し違う印象だったかも…
中村倫也もなんか胡散臭くて好きじゃない…(好みの問題です。すみません)
夫の職場から寄付金頂いたりボランティアさん募って捜索活動してるのに、外車やブランドバック(一瞬映った気が…)を持ってる事に違和感。
劇中でも「娘失踪してるのに贅沢してる〜」みたいなSNSの誹謗中傷シーンあったけど。
出過ぎ・やり過ぎかな
覚悟を感じる映画
熱演
全492件中、341~360件目を表示