コヴェナント 約束の救出のレビュー・感想・評価
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新機軸
ガイ・リッチーがアクションじゃない…?という2024年1本目のガイ・リッチー監督作に色んな警戒をしながら鑑賞。平日の昼間だったんですが激混みで、1番前の座席で観ましたトホホ。
硬派な戦争映画で、横道に逸れる事なくまっすぐ物語を進めるガイ・リッチーとしては異色作ですが、これはこれで見応えのある作品になっていて一ファンとしてなんだか嬉しくなってしまいました。
兵士であるジョンと翻訳を務めるアーメッドの恩義の物語で、ジョンを命からがら助けたアーメッドのビザを渡すためにジョンが行動する作品でした。
助けに行くパートがメインなのかなと思っていましたが、互いが互いを助けるというテーマと同じく、作品も2つのパートで作られているようでした。
アーメッドがこれでもかってくらいジョンを引き連れて助ける姿には胸にくるものがありましたし、色んなところから汗も涙も出しながらでも、1人の命を助けようとする漢気に惚れました。
その恩義に報いるために危険な任務に挑むジョンもまた素晴らしく、何が何でも助けてやろうというこちらもまた漢気が光っていました。
最後の脱出のための戦闘シーンはいつものガイ・リッチー味溢れるスタイリッシュなものに仕上がっていました。ひたすらの銃撃戦ですが、ここまでしっかりしたドラマをやってきた分、違う映画を見ている感じでお得感がありました。
ピンチになったぞってタイミングでヘリからの狙撃で敵を全員蹴散らすのは大味ではありますが、ゲームみたいで見応え十分でした。
現実はやはり上手くはいっていない…というのは薄々勘付いていましたが、それでもジョンとアーメッドは助かったのかなと思って胸を撫で下ろしました。
ガイ・リッチーの新たな面が観れる良い作品でした。これからも目が離せないので追い続けます。
鑑賞日 2/26
鑑賞時間 11:50〜14:05
座席 A-8
エンタメと社会派がいい塩梅で並立
現地人通訳に命を救われた米兵が、通訳を助けるために(恩返しのために)私財と命の危険をかけて自ら現地に保護に向かう、という一見「絆」を強調した美談のようだが、そもそも米軍が何もしないからキンリーがそうするしかなかったのだ。
アーメッドが100キロの道のりを命がけでキンリーを運んできたのに、そこで米軍が家族もろとも彼を保護しなかったのだから信じられない。
米兵の味方についたことでアーメッドがタリバンから目の敵にされているのは承知しているはずなのに。
米軍が従軍通訳に対して誠意を持っていたらこんな「美談」は生まれない。
ガイ・リッチー監督の、イギリス人らしい皮肉が込められているよう。
しょせんアメリカはビザ発給の約束を実行するつもりがなかったようだ。
餌で釣って高く登らせ、はしごを外す。アメリカお得意の不誠実。
「キリング・フィールド」を思い出した。
アーメッド一家は幸運だったが、米軍撤退後のアフガニスタンでは、数百人の従軍通訳とその家族がタリバンに命を狙われ、または落としたそうです。
最新装備の米軍がショッカーみたいなタリバン戦闘員を一掃するとか主人公たちの危機にお約束のように上空に現れる「天使」が場を制圧一気に敵全滅とか基本的に胸が高鳴るエンタメだと思うが、米軍万歳とはならない。
エンタメと社会派がいい具合に並立していたと思う。
論点がズレてる
タリバン掃討のためアフガンに派遣されたアメリカ軍に雇われた現地通訳(アーメッド)と彼に命を救われた米兵(ジョン・キンリー)の話。
アメリカがアフガン撤退後、タリバン政権の下で元通訳とその家族が何百人も殺害され、また現在も身を隠している人たちが何百人といるとのこと。
彼らは米軍に協力する際に将来アメリカのビザと永住許可を得られるという条件であったという。 ところが現実的には彼らは完全に捨て置かれている。
これは誰が悪いの? 誰が見てもアメリカ政府の怠慢・不誠実さに尽きるでしょ。
この点を追求することに多くのシーンを割くことなく、大部分がアーメッドの活躍に終始し、活劇としては面白いと思うが社会派映画としては残念です。。
ジョン・キンリーが復員後単独でアーメッドを救出に行くのは米軍に代わってCOVENANTを果たそうとしている訳ではなく一人の人間として当然な帰結であろう。
そういう意味ではヒューマン・ストーリーとしての価値は認められる。
「もしトラ」が現実味を帯びつつある現在、アメリカ政府のこんなていたらくでは先が思いやられる。
MAGA(Make America Great Again)の連中をはじめ世界中がポピュリストだらけになっちゃうよ。 どうして監督のガイ・リッチーはそこを突かないのか不可解。社会派の看板は剥奪。
日本人ももはやアメリカに昔のような幻想を抱かないようにしないと。
24-031
ガイ・リッチー
恩義に報いるとは
兵士の覇気が半端ない
ホントの主役は、アーメッド
それぞれ
ガイ・リッチーじゃなくても良かった映画
コヴェナントの重みに胸が熱くなった
エンタメ要素を強くした方が良かったかな
アメリカが行ったアフガニスタンにおけるタリバンとの闘いを舞台に、アメリカ軍のキンリー曹長と、現地で雇われた通訳のアーメッドとの”絆”を描いた作品でした。イギリス人のガイ・リッチーが監督を務めていたものの、内容が内容なのでてっきりアメリカ映画かと思いきや、イギリスとスペインの合作ということでちょっと驚きました。まあ9.11以降20年に渡って続けられたアメリカによるアフガンへの報復攻撃には、アメリカだけでなくイギリスも連合軍の一員として参加していたので、英米の間柄にも太い太い”絆”があるのは確かなのですが。因みにスペインは、アフガンでは撮影出来ないので、撮影地に選ばれたようですね。
内容的には、「ブラックホーク・ダウン」とか「アメリカン・スナイパー」など、近年のアメリカの戦争物と軌を一にするものという印象でした。違いがあるとすれば、これら2作品がノンフィクションに寄せた作品だったのに対して、本作はフィクションに寄った作品だったことや、主人公のキンリーがアメリカ人だったけれども、その相棒のアーメッドはアフガニスタン人だったというところでしょうか。
ただ作品紹介によると、「アフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーに着想を得て撮りあげた社会派ドラマ」とされており、現地でタリバン等と闘ったアメリカ軍は、実際現地の人を通訳として雇っていたのは本当のようです。そしてアフガニスタン人がアメリカ軍に雇われることは、タリバン側から見れば敵に寝返る行為になることから、2021年にアメリカ軍がアフガンから撤退した後に、数百人の通訳がタリバンによって殺害されたというテロップで本作は締めくくられていました。
逆に言えば、そうした高いリスクを冒してでもアメリカ軍に雇われるアフガニスタン人がいたのは、タリバンへの反発心も多分にあったでしょうが(本作のアーメッドは、子供をタリバンに殺されているという設定)、高額な金銭的報酬とともに、アメリカのビザも与えるという契約があったことが、その動機にあったものと思われるし、本作でもそのような描き方をされていました。
ストーリー的には前後半に分かれていて、前半部はアフガンに派遣されていたキンリーの部隊がタリバンの拠点を攻撃したものの、キンリーとアーメッド以外全滅してしまい、しかもキンリーは重傷を負ってしまうことに。そんなキンリーを、アーメッドはソリや大八車に載せて100キロ離れた米軍基地まで運びます。一部車を使えたところもありますが、車だとタリバンに見つかってしまう恐れがあるため、大部分を重症のキンリーを引っ張って徒歩で進みます。この辺りのシーンは、舞台が中東の荒野であるという共通項もあって、1月に観た「葬送のカーネーション」を想起させるものでした。まあ「葬送のカーネーション」で引き摺っていたのは棺桶だったけど。
こうして九死に一生を得たキンリーは帰国しますが、アーメッドは依然としてアメリカのビザを与えられずアフガンに留まらざるを得なくなり、タリバンから狙われる存在になってしまいます。そんなアーメッドを、今度はキンリーが助けるというのが後半のお話でした。
目分量で言うと、概ね3分の2くらいが戦闘シーンや逃亡シーンであり、息もつかせぬ展開が続いたのは、戦争物として中々良い出来栄えだったと感じました。ただちょっと疑問というか説明が足りないと感じたのは、米兵のキンリーの戦闘能力が高いのは当然として、アーメッドがキンリーと同等か、それ以上の戦闘能力を持っていたこと。特に戦闘訓練をしたという話もなかったのに、銃の扱いは手慣れたもので、相当程度離れた相手も的確に射撃していたり、崖を転げ落ちながらタリバンの追ってから逃れたり、接近戦でも刃物を使いこなして無類の強さを見せたりと、只者じゃない動きをしたアーメッドって、一体何者なのという疑問は最後まで残りました。
まあこの点は映画のご愛敬と言えなくもないのですが、もっと引っ掛かったのが本作に「社会派ドラマ」という表現が当てはまるのかということでした。結局予定調和な終わり方をしていた点は勿論、タリバンの描き方も一方的な悪者であり、何故彼らが叩かれても叩かれてもアメリカに対抗出来るのかと言った部分には触れられていませんでした。この辺は今現在行われているイスラエルとハマスの対立にも通じるところがありますが、タリバンやハマスの理屈にも触れてこその「社会派」だと感じたところです。
また、アフガンでの米軍を中心とする連合軍による民間人の被害にも触れられておらず、この辺りもいかがなものかと思いました。2020年12月8日付の英国BBCのニュースサイトが報じた「アフガン空爆の民間人死者、3年で4倍以上に=米研究」という記事によれば、「アメリカをはじめとする連合軍の空爆で死亡したアフガニスタンの民間人の数が、2016~2019年で330%増加していることが、アメリカの研究で明らかになった。米ブラウン大学の「戦争の代償」プロジェクトによると、2019年だけで空爆で約700人の民間人が殺された。」とのこと。ちょうど本作の設定が2018年ですから、この時期に連合軍の空爆により、毎年数百人の民間人が殺されていた訳です。
勿論本作はアメリカ兵とアフガニスタン人通訳との”絆”にスポットを当てた作品であり、その他の要素を限りなく捨象することが一概に否定される訳でもないとは思いますが、もう少し多面的な捉え方をした方が、「社会派」の名に相応しいのではないかなと思った次第です。まあガイ・リッチー監督が自ら「本作は社会派ドラマだ」と言った訳ではないので、制作者サイドの本音は別のところにあるのかも知れませんが、予定調和のエンタメ要素が強い戦争物を目指すなら、「トップガン」のように敵を特定することすらしない描き方の方が、スッキリと観られるように思いました。
ただ映画としての出来栄えは優秀で、迫力満点だったので、本作の評価は★3.5とします。
ガイ・リッチーが直球で挑んだ硬い絆の社会派映画
肩コッター!
アメリカ撤退後に、 それまで通訳してた人たちが 酷い目にあっている...
アメリカ撤退後に、
それまで通訳してた人たちが
酷い目にあっているというニュースを聞いた時から、
こんな作品がいつかできれば見たいなと思っていたけれど、
想像を遥かに上回る作品でした
脚本とか細かな台詞回しとかに至るまで、
とても良かった
オトコの映画のエンディングはこうでなくっちゃ!
あらすじ読んで「浪花節なハナシだなあ」と鑑賞を迷ってたが各方面の評判が良いので観てみたら大正解、いやー良かったです。中心にはアフガン紛争でアメリカが現地協力者に永住ビザという空手形を振り出したことへの抗議という骨太なメッセージを据えながら、映画として一級のエンタメに仕上がってました。
キレがあって、テンポが良く、ダレ場がない(これ重要)。あと無駄な愁嘆場(泣き)もキレイさっぱりないです。見事な脚本で長尺化著しい昨今の映画の中、2時間(123分)の尺にキッチリ収めてます。
前半の脱出劇はヒリヒリする緊張感を上手く維持させ、帰国後の主人公の焦燥も「命の恩人を見殺しにできるか!」なんて邦画でありがちなクサいセリフは間違っても言わせず、むしろ反語的な物言いで彼の心の中を表現させてます。
後半、主人公が現地に乗り込んで通訳と再会しても、抱き合ってヨヨと泣いたりしません。
そしてラストのこの二人のシーンは鳥肌が立つ見事さでしたね。オトコの映画のエンディングはこうでなくっちゃ。さすがガイ・リッチー先生、良くわかってらっしゃる。
おまけ
クライマックスの救出劇で主人公たち絶体絶命の危機に登場する騎兵隊、まさかあんなのが来るとは思わなかった。情け容赦ないオーバーキルです(笑)
素晴らしい熱いヒューマンドラマ
舞台はアフガニスタン。タリバンの武器庫を捜索する為、アフガン人の通訳アーメッドを雇い、米軍曹長ジョンの部隊は現地に向かう。
武器庫を突き止めるも、タリバンの攻撃により部隊は全滅。ジョンも瀕死の状態となるが、アーメッドにより救出される。
生き延びた二人をアメリカでは英雄扱いするが、現地人のアーメッドはタリバンから追われる身に。
あまり前情報は入れず、戦争映画だと思って観に行きましたが、とんでもない!これば素晴らしいヒューマンドラマです✨
初めは信用してよいのかといった一癖あるアーメッドでしたが、瀕死のジョンを連れ、100kmもの道のりを命をかけて帰還させようとする姿には感動!
ド派手な銃撃戦のような演出はないものの、だからこそのリアリティがとても怖い。
米軍基地までの逃走劇はものすごい緊張感でした。
助けられたジョン。自分はベッドに寝ているのに、彼は逃走の身で穴蔵生活。これでいいのかと・・・
アーメッドを助ける為、やっと帰った家を後にし、再びアフガニスタンに向かうジョン。
クライマックスの爽快感も最高でしたが、とにかく二人の熱い絆にやられます。
再び会えた二人は抱き合うわけでもない。ただ、目と目で語り合う静かでありながら確固たる絆を感じ、グッときました!!
改めて驚かせられるのは、時代背景が2018年であること。
ほんの数年前にアフガニスタンではこんな光景が当たり前だったのかと思うと、平和のありがたみを改めて感じます。
アメリカがアフガニスタンを撤退したのが2021年。
その後、タリバンが政権を担う中、アフガン人の通訳に対する報復が今なお問題となっているなどとはこの映画を観るまで知りもしませんでした。
とにかく見応えのある素晴らしい映画。オススメです!!
全226件中、121~140件目を表示