きっと、それは愛じゃない

劇場公開日:2023年12月15日

きっと、それは愛じゃない

解説・あらすじ

「エリザベス」のシェカール・カプール監督が、多文化が共存する街ロンドンを舞台に描いたラブストーリー。

ドキュメンタリー監督のゾーイは幼なじみの医師カズと久々に再会し、彼が見合い結婚をすると聞いて驚く。今の時代になぜ親が選んだ相手と結婚するのか疑問を抱いた彼女は、カズの結婚までの軌跡を追う新作ドキュメンタリーを制作することに。ゾーイ自身は運命の人の出現を待ち望んでいるが、ダメ男ばかりを好きになり失敗を繰り返していた。そんな中、条件の合う相手が見つかったカズは、両親も交えたオンラインでお見合いを決行。数日後、カズから婚約の報告を受けたゾーイは、これまで見ないふりをしてきたカズへのある思いに気づく。

「シンデレラ」のリリー・ジェームズがゾーイ役で主演を務め、テレビシリーズ「スター・トレック ディスカバリー」のシャザト・ラティフがカズ、「クルエラ」のエマ・トンプソンがゾーイの母を演じた。

2022年製作/109分/G/イギリス
原題または英題:What's Love Got to Do with It?
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2023年12月15日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 名匠カプールの久々の新作

2023年12月30日
PCから投稿

カプール監督といえば「エリザベス」で一世を風靡しながら、最近はめっきり名を見なくなっていた。そんな名匠が、ラホール生まれの自身にとって身近な題材、文化を織り交ぜつつ、ラブコメというジャンルを多文化主義に富んだものへ進化させようとする試みを面白く観た。その意味では、映画の題材探しに悩むリリー・ジェームズはある意味でカプールの分身と言っていいし、探している答えは案外一番近い場所で見つかるものである。一方、幼い頃から”お隣さん同士”として育った主人公が、互いの風習や価値観を当たり前のものとして受け止め、またカメラ(ドキュメンタリー撮影のための)の存在を挟み込むことで互いの恋愛や結婚に関する考え方に疑問や批判を投げかけることなく、まずは尊重し、成り行きを見守るところからストーリーが展開する点は新しい。結末こそ予定調和的ではあるものの、主演二人は終始リラックスした佇まいで、理想的な好演ぶりだった。

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牛津厚信

4.5 6:4で、二人の結婚には反対

2025年9月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

そんなに甘いもんじゃない。
「旧宗主国の人間」と「元植民地出身の移民」の結婚は。

塩尻の映画館 東座で鑑賞後、非常に重たい気持ちで帰宅し、彼らの結婚には手放しで賛成できない胸の内を書き始めたら長大となってしまい、長期間放置。
そしてどうにもならなくなって、レビューを一回すべて消去した。

この映画は僕にとっては「棘」だ。

イギリス人の彼女ゾーイはツリーハウスでの楽しい思い出を語り、しかし彼カズは北パキスタンで得た父親との旅と霊的体験を語る。

この二人は決定的に生まれと育ちの差異と隔絶を負っていて、しかも彼女にはその自覚が皆無だ。
そして彼はその分かり合えない事の危惧を言葉に出来ずに口ごもっている。

やめたほうが良いと思った。

劇中、象徴的に彼らの住まいが何度も映るのだ。
隣り合わせで、横ならびに一枚の壁でくっついた二世帯の住宅・・
玄関ドアは右と左に、それぞれの家族のために有る。素敵な英国住宅だ。

しかし、異文化同士の彼らの住まいは
くっついているのに「番地が並んでいない事」に僕は気付いたのだ。

あまり書くと個人が特定されるからサラッと記すが、親友が在日ゆえ破談したので、この映画は僕にとっては それを思い出す羽目になり、本当に辛かった。はらわたが千切れるほどの苦しみがそこにあった。自ら破談を決意した彼は生涯独身を貫いたから。

・・・・・

僕の仕事場には、世界中からの出稼ぎが来ている。
その中の一人、パキスタンから来ている若者の美しさには言葉を失う。
長身で浅黒く、その細面のかんばせは まるで仏陀のそこにおわす姿なのだ。
物静かな彼。冗談でなく僕は彼のそばでは たじたじとして後退りし、直視出来ずに目を落としてしまうほどの高貴さ。神々しさ・・
まさにガンダーラ美術の生仏が目の前に立ち、光背が青年の周りをほんのりと取り囲むようで。
カズが北パキスタンの山中で体験したスピリチュアルだ。

大英帝国と北アジアの辺境の小国。その二つの歴史に横たわる血。

仏のような彼を見ると、この映画で覚えた身のよじれる苦しみを直結に思い出して、
無邪気には添い遂げられない衆生の煩悩を仏に救って頂きたくなる。
南無、憐れんで下さい、どうかお救い下さいと。
誰でもよいから すがって、泣きながらひれ伏したくなる。

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きりん

3.5 【”結婚に至る二つの過程。親に決められた見合い結婚か、二人が愛し合った自由恋愛結婚か。”私の考えは過程ではなく、結婚して二人が幸せになれるか否かだと思います。キッパリ!】

2025年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

■ドキュメンタリー監督のゾーイ(リリー・ジェームズ)は、臨家同士でツリーハウスで遊んでいた幼馴染みのカズ(シャザド・ラティフ)がオンラインでお見合いを決行し、パキスタン人のマイムーナ(サジャル・アリー)との結婚を決めたと聞き、ショックを受けるも、それを隠し、彼の結婚までの軌跡を追いかけ映画にする事を決める。
 実は、ゾーイは運命の人を心待ちにしながらも失敗ばかりの彼女は、親が決めた見合い結婚に疑問を抱いていた。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作を観ていると、製作陣は見合い結婚よりも、自由恋愛結婚を勧めているのかな。
 けれども、私は結婚に至る二つの過程。つまりは親に決められた見合い結婚か、二人が愛し合った自由恋愛結婚か、ではなく、結婚して幸せになれるか否かだと思うな。

・今作が面白かったのは、ゾーイとカズとマイムーナの親世代の”自分達の子を見合い結婚で幸せにしたい”と言う思いと、若き人たちとの結婚感の違いが上手く描かれていたと思う。

・特に、ムスリムのカズとゾーイの結婚式の過程は、面白かったな。カラフルだし、皆、楽しそうに踊るし、インド映画みたいだったな。
 けれども、カズもマイムーナも心からの笑顔ではないんだよな。
 ここら辺が分かりやすくって、マイムーナのスマホには恋人から怒りのラインが入るし、カズも観ていれば、誰が好きなのかは直ぐに分かるよね。

・この映画は、男女間の恋愛感情を分かりやすく描きつつ、そこにイスラムの結婚感、つまりは結婚は親が決める事、という概念を融合させた点が面白かったと思うな。

・ゾーイが、映画のラストで親の反対を押し切って自由恋愛で結婚したジャミラの言葉を流して、皆の不興を買うのだが、彼女が赤ちゃんを産んだ時に、一番反対していたお婆ちゃんは、キチンと祝福するんだよね。

・そんな姿を見て、ゾーイとカズもようやく、素直になるんだな。全くもう!

<今作は、結婚に至る二つの過程。親に決められた見合い結婚か、二人が愛し合った自由恋愛結婚か。”を描いた作品であり、私は過程よりも結婚した後に、二人が幸せになるかどうかが大切だと思います。
 つまりは、結婚はプロセスよりも結果ってことだよ。でも、一番は自分の気持ちに素直になり、好きになった相手に誠実に想いを伝える事だと思うな。格好悪くてもさ。じゃーね。>

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NOBU

未評価 お見合い→だめですか?

2025年5月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

幸せ

☆☆☆
親が押し付けた相手と
結婚はやめて
自分でパートナーを決めなさい。
そんな映画内容。

でもこれ、本当に正解なの?
私の親はお見合い結婚して
今、私がいます。

そして、私は恋愛結婚して
今、幸せです。

私の親に
新婚の時、
「今、幸せですか?」
返事、
聞くの少しこわい。。。かな、

カズが結婚相手と初めてスカイプで
対面した時のマユラの顔が
美人なのに愁いな演技力が良かったです。

結婚も宗教が絡むとややこしくなりますが、
好きな人が出来て、結婚を考えるなら
3年ぐらい同棲して下さい。
色々見えてくるものを
二人で乗り越えながら
成長して下さい。
そんな事を考えさせる映画でした。

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tendo