夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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音が響く 言葉が響く
静かな映画で、セリフがよく聞こえて、登場人物の顔がよく見える。
素敵な映画でした。
みんな、生きにくいよね。そんなの他の人にバレたくないから、隠してるけど、生きにくいことはたくさん。
でも、それが突然、自分でコントロールできなくなって、周りに迷惑をかけたら、いたたまれない。
はじめの5分くらいのバス停の場面で、ぐっと心をつかまれてしまいました。
そんな静かな映画だから、あの何気ない、ふっと流れるBGMがよかったです。邪魔しない。でも、あの音が、ふっと息をつかせてくれる音でした。
なにより、エンドロール。
定点カメラは、何度か出てくるけど、エンドロールのあの見せ方は、みんなの日常を、見せてもらってるみたいで、ほのぼのしました。ただただいいなぁって、にやついてしまう時間でした。
最高の理解者に!
そしてバトンは渡されたの瀬尾まいこ原作
「甘え」「変わった人」
めちゃくちゃおもしろい
という作品ではない。
パニック障害の男性とPMSの女性の日常を描いた作品
告白していないだけで、自分の職場にもいるんじゃないか?と思わせられた。
昭和の時代はこんなのは「甘え」とか「変わってる人」で片付けられてたけども今はそういう人もいると少しずつ理解してもらえる世の中になってるんじゃないかな?とは感じる。
「病気にランクがあるんだ」ってという言葉に確かに!って思ってしまった。
自分が虫垂炎になった時結構苦しく1週間入院したのに何故か「盲腸でしょ?」って笑ってたのと似てるなと思った
自分も確かに入院した時にたくさんの自分より重い患者さんをみてまだまだ健康じゃん!って勇気は少し出たがこうやって精神的な病は特効薬がないのが辛いなと思った
この世界は動いている。すべては移り変わっていく。新しい夜明けがやってくるように。
この映画で、PMSという病名を初めて知った。パニック障害でさえ、聞いたことはあってもその症状はよく知らなかった。その病気を抱える二人を演じる上白石萌音と松村北斗が抜群にいい。はじめ、朝ドラ「カムカムエブリバディ」の二人を起用した普通の恋愛映画だと思っていた。それにしては地味な二人だけどと思っていた。だけど、この映画が描きだす世界がどんな世界かがわかるにつれ、この二人のキャスティングの絶妙さに納得するしかなかった。そして周りの役者陣の醸す温かみ。ああ、ここなら二人も生きていけるだろうと安堵した。フィルムの軟らかな空気感もまたとげとげしくなくてよかった。
正直、ラストの展開にはびっくりした。ええ?それで終わるの?と。だけど、それは失望ではなく、僕の中では希望だった。二人がそれぞれ自分の人生を自分の足で歩みは遅くともしっかりと歩けるようになっていたという安堵と、邦画にもこういう終わり方を是とする監督がいるという信頼と。なにより、あのエンディングのありふれた日常を眺めているこちら側に、心地よい多幸感を味わわせてくれたことへの感謝さえある。
とにかく、大きな山場はない。そこにあるのは、傍から見れば呑気な小さな会社の風景だ。裏返せば、自分たちが日々何気なく接している人たちの中にも、これと似たような問題を抱えている人はいるのだろう。病とは限らず、何かにつまずいて、何かに自由を奪われて、何かどうにもできないことで困っていて、それなのにそれをおくびにも出さない人はいるのだろう。そのことを少しでも念頭に置いて日常を暮らしていけば、自分にも何か気づきがあるかもしれない。もしかしたら僕が知らなかっただけで、そんな手助けをさり気なくそっと実行している人が身近にもいるのかもしれない。皆が互いにそんな気遣いの気持ちをもち寄るだけで、世の中は、この映画の中のような、人に優しい世界が広がるのだろう。
鑑賞後、原作を読んだ。
まるまる映画と同じ空気が流れていた。ただ、設定が違っていた。教材を扱う会社ではなくて、資材問屋だった。でも、主題である「夜明け」を連想させるには教材のプラネタリウムは最適だった。また、自死遺族の会という設定は、光石研演じる社長と渋川清彦演じる課長の人格設定をすんなり受け入れられることができた。
だけど、小説では自転車というアイテムがとても重要な役割を果たしていたのに、映画では単なるツールで終わっていたのが残念だった。自転車は、山添にとっては世界を広げてくれる翼だ。高揚感や解放感を手にした山添を描いて欲しかった気分はある。
こんな日常が理想なのかもしれない
夜にだって星はあるから
深夜から朝にかけて観たい
前提として
・三宅唱監督の他作品は未視聴。
・原作小説は未読。
心地いい……
まずは山添と藤沢、二人の会話がいい。いつまでも聞いていたくなる。会話のリズムというか、声のトーンというか、空気感・温度感というか、コントというか……日本語の心地よさすらも感じる。
最初の関係性は、ぎこちないただの同僚だったものが、お互いを助ける存在になっていく。
二人が互いの病気とか知ろう、何か助けられることがあったらしよう、と少しづつ歩み寄っていく様子が微笑ましい。でも近すぎないぐらいの距離感なのがまた良い。
"同僚"とか"仲間"というワードが最もしっくりくるのかも。"友人"でも"恋人"でもない。もちろん"家族"でもない。だけども「なにかあった時に居て欲しいな」「なにかあったら知らせたいな」という人。逆に距離感が近すぎると言えないことも、その人なら言えるかなっていう他人感もある。
辻本さんや栗田さんなどの周りで見守ってくれている人たちがまた優しい。どういう立場で山添と藤沢が会社に居るのか、どういう期待をされているのか。こういった様子もうかがい知れる。その眼差しが穏やかで安心する。
物語に大きな"転"があるわけでも、衝撃的な展開があるわけでもない。ハリウッド等のエンタメ映画をコーラに例えるなら、この映画は温かい緑茶に近い。
気分を落ち着けたいときにはものすごくいい。穏やか。
高画質じゃないのもいい。昼の窓辺のワンカットが非常に心地よく、前向きな気持ちにさせてくれる。
深夜から朝にかけて観たいし、疲れたときとか鬱な気分の時に観たい。スクリーンを超えて伝わる優しいまなざしが、ちょっとだけ自分に寄り添ってくれる。
僕には二人のような病気はなく、病気の描き方がどこまで現実的なのか分からない。当事者からするとどうなのか? 我々の独りよがりになっていないか? それは分からない。
でも、導入的な意味合いでは分かりやすくていいと思う。
逆に自分がそういう診断を受けた際には観直したいし、友人からも意見を聞きたい。今の自分とは違う見方ができるだろうから。
じんわりと心地いい。もう一回観たい。そんな作品。
そっと寄り添う、優しい映画。
現代版 キューポラのある街といえるかも
便利な事は寂しいし、面倒な事は温かい
2024年劇場鑑賞8本目 優秀作 72点
当初鑑賞予定ではなかったけれど、各映画サイトの高評価を受け鑑賞
結論、想像の数段良かったしこの手の作風と規模感でここまで広まっていることに近年の邦画の完成度の向上具合を映画ファン以外のマス層まで知らしめている気がしてならない
ポスターのキービジュアルやキャスティングから一見よくあるジャニーズの中で演技機会や力が備わってきた方がベタな恋愛映画のひとつ先の少し大人な恋愛映画のフェーズかなと想像させられる印象が、ちゃんとお話を伝える映画というか、恋愛要素も視点を変えれば無くはないけど、そういった要素より近年言語化され問題視されている事象に対しての向き合い方を対象者と非対称者、理解がある人と理解をしようとする人との対比と全体を通して描いている、とてもセンシティブな作品でした
全体として勉強になったなぁと脚色が上手だったなぁの2点が鑑賞後感として残りました
前者はシンプルに物語として終始描いているパニック障害やPMSの理解や知識が深まったとの、当人の心境を知ることが出来ました
後者はこういった事象に名前がつき、自己を人に伝える上で名前があった方が、ある種定義が言語化されたのでいいのかもしれないけど、定めた故に区別されるというか、残酷な側面もあると思って、そういった周りの関わり方が親切な風だし、普通に接してる風だし、理解してそうな風なんだけど、、、でも別に少し前の時代みたくわかりやすく浮き彫りにさせてるわけじゃないんだけど、、なんというかなぁ、語彙力やボキャブラリーが無くて上手く言えないけど、、集団での新たな現代日本人の在り方の様なモノを感じました
松村北斗の成長が丁寧に描かれていて良かったです、是非
是非映画で見て欲しいです
あたたかいお話でした。
少数派であることは重々承知だが、刺さらなかった
出演者が「観た人の心が少しでも軽く~」と仰っていたが、私はかえって苦しくなった。
おそらく観たタイミングが悪かったのだろう。
私は主人公と似たような精神の患いを10年前に持っていた。
今は寛解していて、原因となった環境とは完全に距離を置いて生きている。
出来ることなら記憶から消したいし、思い出さないようにしているが
本作の主人公の葛藤を目の当たりにして、過去の自分を思い出してしまった。
「みんな、誇りを持って自分の弱さを公開して、自分に合った生き方を選択できるといいな。それが僕たちにとっての夜明けなのかも。だって、夜明けは希望そのものだから。」
映画の公式HPに掲載されていた野口聡一さんのコメント。
本当にその通り・・・
本編を観ても泣けなかったが、この言葉を観て思わず涙が溢れ出してしまった。
自分も山添藤沢みたいなお互いを理解出来る存在がいたら、理解がある環境に居ればどれだけ救われたのだろう。羨ましさもある。
当時の自分にみせてあげたかった一作。悔しい。
ps:当方カムカム大ファンです
夜明けのすべて
最高でした。
見た後も、見てる時も頭の中がぐちゃぐちゃ。考えさせられるって言うより、考えが止まらない感じ。
同じ音楽の繰り返しが、映画に落ち着きを持たせ、障害という思いテーマをさも軽やかに扱い、特別扱いせず、等身大に描き切った。
見てる時に色々考えては消え、考えては消え、ほとんど忘れてしまった笑
一つ言えるのは、映画は流れではなく、シーンの積み重ねであることを再認識した。だからこそ、我々はシーンを考えなければならない。
原作があるとはいえ、脚本が素晴らしい。
あらすじ
PMSを患い、月に一度イライラが抑えきれなくなる藤沢は、PMSのせいで会社を辞め、プラネタリウムの製造会社へ転職する。そこで、パニック障害を持ち、同じように会社を追われて転職してきた山添と出会い、2人はお互いの障害について理解を深めていき、お互いに助け合おうとしていく。藤沢は、山添と出会うことで、これまで憂鬱だった自分の障害に対して、ポジティブな感情を持ち始める。山添は、藤沢と出会うことで転職先での仕事のやりがいと、人と付き合っていく大切さを知ることになる。
ログライン
PMSを持った女性と、パニック障害を持った男性が出会い、お互いに支え合うことで、それぞれの環境の中で成長していく。
心が優しくなる映画
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