「程良い上映時間のインド活劇」PATHAAN パターン toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
程良い上映時間のインド活劇
設定、展開を見ていると世界観はM:Iシリーズに近い。
これって絶対M:Iのあの場面を意識しているよね?的な描写、
シリーズ最新作のあの場面に似てしまったのは偶然なの?
的な部分もあったがとにかく楽しめた。
アクションシーン(に限らずキャラ設定その他も)の類似性を
言ったらワイスピ・インディ・M:Iそれぞれの最新作はお互いに
似通った部分があった。時代の潮流なのだろうか。公開時期が
近いだけに余計に似てると感じるのもあるかもしれない。
今まで想像もしたことのないような物語なんてそう簡単に生み出せる
とは思わない。そしてたっぷり予算を掛けてアクション大作を撮ろう
と思ったら王道路線としていろいろな要素を盛りむことになる。
世界各地で撮影。市街地でのアクションも。陸・海・空を縦横無尽に。
そうやって幕の内弁当的に盛っていくと結果的に似てしまうのは
仕方がないか。
で、「インド人が撮るとこうなります」という”らしさ”が盛り
込まれているのがPATHAAN パターン。
強いヒーロー・国家の危機・友情・裏切り・頭脳戦・肉弾戦があり
その合間に突然始まるダンスシーン(群舞)!安定の娯楽路線。
インド映画のヒーローが愛国者で、何よりも国家のことを考えている
ところも”らしさ”を感じる要素。
物語は目新しくなくても、とにかく楽しませようとしているのが
伝わってくる。個々の描写に緻密さが足りないと感じたりもするが
細かいことを気にするよりただただヒーローの活躍を見届けよう
という気持ちになれる。
あと、台詞が工夫されていて単なる説明にならず気の利いた会話に
なっているところも良かった。
そう言えばパターンの同僚タイガー役の役者さん、雰囲気が
何となくジャン・レノに似ていた。
インド映画の大作は長いという印象が強いが今作は2時間半を切り
M:Iシリーズ最新作よりも短い。長いのが悪い訳ではないが、テンポ
良く展開して満足できる内容なら短いに越したことはない。
今作はちょうど良い長さと感じた娯楽映画だ。