サイド バイ サイド 隣にいる人のレビュー・感想・評価
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坂口健太郎が漂い寄り添う癒し系映画
坂口健太郎が演じるキャラクター・未山は、スピリチュアルな力を持つヒーラー(癒す人)。「そこに存在しない『誰かの思い』を見ることができる」と説明されているが、劇中で未山が「生霊」と言ったり、東南アジア系のおじさんの生霊?がいきなり話し出したり(この場面はちょっと笑った)、映画の世界観が厳密なルールで規定されているわけではなさそうだ。 行定勲監督とたびたびタッグを組んできた脚本家・伊藤ちひろが、監督デビュー作「ひとりぼっちじゃない」に続き行定企画・プロデュースでメガホンをとった第2作。MVやCMも手がける大内泰の撮影も貢献し、人物も室内も緑豊かな風景も柔らかな光に包まれ、ゆったりとした進行と相まって環境映像のよう。そんな癒し感に満ちた世界を、生成りの衣装をまとい浮世離れした坂口健太郎が漂うように移動し、疲れたり病んだりした人たちに寄り添い、手を当て、心と体を楽にしていく。 市川実日子も出演しているからか、一時期の荻上直子監督作品に近い雰囲気も感じられた。ドラマ映画のサブジャンルに“癒し系映画”があるなら、この「サイド バイ サイド 隣にいる人」もきっとそこに含まれるだろう。細かいことは気にせずのんびり癒されたい人には満足感が高いだろうし、それ以外の人にはとりとめなくふわふわした話が冗長に感じられるかもしれない。
独りよがりにも程がある
映像や雰囲気、子役の使い方等は良かった。 設定が全く生きていない。 客寄せの為に最初だけ不思議な要素を加えたような。 しっかりと説明された事がなく、全て中途半端。そういうのがいいと思って作ってるのでしょうが。 これじゃ他人のホームビデオを見せられたようなもの。 結末のその後を観客任せにする映画もあまり好きではありませんが、この映画はすべてを観客任せにしていると感じました。 このレビューをしたくて登録しました。
独特のリズム
坂口健太郎のふわっとした感じと逆に市川実和子のはっきりとした独特な雰囲気、齋藤飛鳥の暗いイメージから混ざり合っていく感じが全部をミステリアスにしてたような…。ただ自然がきれいだなぁと思える映像だった。ラストがちょっとよくわからなかった。
ストーリーは掴めないが、鳥肌
映像と役者の使い方がうますぎる。
自然の美しさ、人との結びつきをテーマにしてるのかな〜って思ったけど、正直セリフとか物語の運びを理解するのは難しい。
子役の使い方ってこうゆうことだよな!と感心してしまった。演技力の賜物かもしれないが動き、セリフ全てが自然体に見えて、好きに動いても許されるような周りの俳優さんたちも素敵だなと思った。
白と黒の対比が綺麗で、画面の構図もめちゃくちゃ良い。
序盤は人が出すぎてる感があるが、後半では自然や命にフォーカスした映像がとにかく鳥肌。
坂口健太郎のまとっている何とも言えない素朴な空気感ありきの作品だと思う。
展開がかなり難解
坂口健太郎扮する未山はそこにはいない誰かの思いを告げる事が出来る能力をもって人を癒していた。 坂口健太郎の雰囲気に似て、どこかのんびりしたゆったりした時間が流れていた。でも後輩の生き霊が来ていたとか不気味だね。それに高校生の頃の話を言われてもねぇ。展開がかなり難解だったよ。意図がつかみきれないな。のんびり寝てる雰囲気じゃないと思うんだけどね。
すべて意味不明だった
癒やしの超能力を持った男(坂口健太郎)が、過去に自分がやらかしたことと、向き合わざるを得なくなる、のかな。 映像はとても美しいが、それだけでは眠くなる。 残念ながら、という感じでもなく、もう少し観客に寄り添ってくれればと思った次第。
訳分からない雰囲気映画。
数多く映画を観てるとたまに出くわす、訳分からない雰囲気映画。 正直、観ていて訳分からな過ぎて腹が立ちました! この手の映画を観ると TV「千鳥のクセスゴ!」でやっている しずるの「雰囲気映画」コントを思い出し、大爆笑してしまうww だってそのまんまなんだもんww 観た事ない人はyouthubeにアップされてるから是非ご覧あれ! この手の映画を撮る監督って、完全に自己陶酔している。 一番嫌いなタイプの作品。
登場人物全てのスローペースの動作が淡々とした独特の雰囲気を醸し出し...
登場人物全てのスローペースの動作が淡々とした独特の雰囲気を醸し出し、その味と何処か似通っている映像美と、女性監督だからこその子育て等が為せる素材の優しさが、この映画の価値そのものになってる様に感じた。ストーリーは解り難いが其処の謎解きは敢えてしない見方を作り手が望んで作ったのでしょうか。味わいのある映画だと思って観ると御利益ありそうですね。
抽象的でめちゃむずい作品 深読みしてもまだわからない
ミヤマに起きた過去は彼とリコによって語られるが、それをつなぎ合わせてもリコとの関係は見えてこない。 ミヤマは逃げた。誤ってエスカレーターを踏み外したリコを置き去りにした。それとも故意だったのか? この作品の人間関係はかなりトリッキーだ。そしてゆっくり紐解かれるが全部は見せないのでわかりにくく、物語の根幹にある人の心とその核となる問題点がつかみにくい。 問題は過去なのかそれとも現在なのか? 霊能者である主人公ミヤマという設定も、物語そのものと関連性が薄く感じられ、まるでミスリードのようだ。 彼は上高地(明確化されてはいない)付近に1年前に引っ越してきた。理由はシオリと恋人関係になったからだ。 彼女には離婚歴があり娘美々と暮らしている。 ミヤマの能力は人に頼られることも多い。しかしこの設定もややこしい。美々にも霊能力があり、ミヤマに見えるものは美々にも見えるようだ。美々はあるバンドの人間がいつもいると話したことで生霊の正体がクサカだとわかる。 クサカは大好きな先輩であるミヤマと再会したいと強く願っていた。 しかしそれは怨念で、クサカはミヤマが放り捨てたリコをかくまうように愛し続けていたが、リコの心にはミヤマが根付くように棲みついており、リコは決して自分を愛してくれないことを理解したと思われる。クサカは毎日そのことに悩んでいた。最初は尊敬していた先輩を、恨み始めたのだろう。それが生霊の正体だ。 物語の前半に多く流れる不協和音のような音楽と気味悪いほどある「間」。シーンとシーンの間に流れるのは、どこにいても念は消えないということだろうか。 クサカは言う「オレはアンタが中途半端にしたものを、ずっと保管してやったんだ」 抜け殻のように一言も話さないリコを連れ、ミヤマは上高地へと戻ってくると、彼の自宅に居候させる。 光と影の対比。ミヤマの服は白に対しリコの服は全身黒。家の中ではどこにいるのかわからないほどだ。 無言の二人と長い「間」。突然墨絵の具の入ったボウルを蹴り飛ばすリコ。光を消すように流れる黒い影。 「虫が入るから閉めないと」作中2回も使われたセリフは何を意味するのか? 虫とは光のことかもしれない。一番光を必要とする人が光を嫌うのだ。 「変だよ、こんなの」 シオリの言葉 そうして彼ら4人が一緒に暮らすことになる。 看護士のシオリはすぐにリコの妊娠を察知、しかしそれはミヤマの子ではない。なんとも不思議な関係の4人での暮らしだが、徐々にリコの心が明るくなっていく。服装に色が出始め明るくなる。 美々 「美しい」という言葉の意味を探しにキャンプに出かける4人。 光、自然、不協和音の音楽からアップテンポの音楽に変化した。 朝、リコを探すミヤマ、そして二人の和解。 画家のリコは絵を描く。それが何か美々には見える。 牛探しのお礼にもらったソフトクリームの白。黒から白へ。 シオリの夢の話「特別な明かりが食卓を照らす」 食事する光景はいつも暗い場所。シオリの目的と物語の象徴。 シオリにはリコの描く絵が何か見えない。リコは「イメージ」とだけいうと「あなたの心そのままってことだ」 頭と足を対局して寝るミヤマとシオリ。それもまた象徴的でわかりにくい。そしてこの作品にはやたら寝るシーンが多い。寝るとは疲れを取る。そして癒し。寝ることで癒されているということだろうか? 猫の名前(あいちゃん)もややこしい。美々が「あいちゃんが絵に這い上がったの」 これはおそらく絵に魂が宿ったということだろう。やたらこんな抽象的なことが多い。 そしてトンネルは美しい世界と下界とのつながる場所なのだろうか? もしかしたらミヤマの自宅へ行く場合にだけ通る道なのかもしれない。 やがて食卓の上にシオリが思い描いていたフォルムの明かりがつけられる。 しかしその下で4人が食事をするシーンはない。そこにはミヤマだけがいない。この時からミヤマは自宅で過ごす時間が多くなっていく。一人で上高地の自然に身を置く。そこに現れた一人の男、身なりはミヤマそっくりだ。「ボクもここにしばらく滞在しようかな」 そして人間がいない風景と家。おそらくこの時リコの出産だったのだろう。長い間、象徴的表現が続く。 クリスマスデコレーション 盛り上がるみんな、赤ちゃんの声。一人だけ微妙な雰囲気を放つミヤマ。彼のいない食卓と明かり。 自宅にいるミヤマ 外のまぶしい光と反対に闇の中に佇んでいる。 迷子の牛、最初は伏線、2度目はソフトクリームの白を象徴し、3度目に、そこにいたはずのミヤマが消えていた。以後ミヤマは登場しない。 家のフローリングに寝そべるシオリと目から流れ落ちる涙。 完成した絵にはミヤマがはっきりと描かれていた。 さて、 ミヤマは牛に蹴落とされ落ちて死んだのか? それともミヤマの魂は絵の中に入ったのだろうか? ミヤマはなぜひとりだけ嬉しくなかったのか? これが最大の疑問点だ。ミヤマはあの赤ちゃんに何を感じていたのだろう? もしかしたら自分の死を予感していたのかもしれない。 また、リコはなぜ生む決心をしたのか? どうして誰もそれに触れなかったのだろうか? 彼女の精神状態は普通ではなかった。 時期を過ぎていたのか? ミヤマと似た格好をして現れた男は何を象徴しているのか? シオリは絵の正体を知った。そこにミヤマを感じた。リコの心そのものとはミヤマだったのだ。 難解で難しすぎる作品だった。 私は、 牛に蹴落とされて死んだミヤマは、少し前から自分の死を予知していたのだろう。シオリの涙の意味はリコの絵から感じるミヤマの魂に対するものだったと解釈した。 むずっ
ちょっと、よく、わからない、、、
誰が生きていて、誰が死んでいる?よくわからない。未山くんは多分死んでいる?でも会話している人にはみえているってこと?詩織さん親子は生きているのか? ???な映画だけど、未山くんと詩織さんの会話や家での雰囲気がとてもいい雰囲気で、部屋の雰囲気とか、ふんわり、ほっこりした優しい感覚の映画。 嫌いじゃないけど、わからなさすぎる。
期待はずれな空虚な作品
タルコフスキーの「サクリファイス」や「ノスタルジア」は大好きな映画なので、こういう雰囲気の映画は嫌いではないけど、あちらは宗教的なバックグラウンドのしっかりしたメッセージがあるのに対して、この作品はただただ空虚であった。
予告編が良かったので観るつもりだったが、タイミングが合わず見逃して、WOWOWで観た。映画館で観なくて良かった。
途中まで観て心配になったのだが、案の定、観た人の評判は良くなかった。
未山は「見える人」、隣に居るのは霊、というのは想像がついた。まさか生霊とは思わなかったが。終盤に差し掛かって、あれ?まさか「見える人」は詩織と美々と莉子であって、未山は霊?特に大正池の畔で(井口)と出会う辺りから、そのような印象が。ただ前半では他の人とも会話してるので、途中で死んだ?全くわからない。設定が破綻してるのか脚本が悪いのか、辻褄が合わなくて気持ち悪い。考察するほど深い内容でもないし…というところがただただ空虚。
安曇野の風景を始め映像は美しかった。タルコフスキーの作品がどうして評価されているのか、良く理解してからメガホンを取った方がいい。
シュールを飛び越すと、こうなる。
わけがわからない。生き霊が隣にとりつく男の話なので、 オカルトかな、と思ったが、まったくこわくない。 誰が生きていて、誰が死んでいるのか? とにかく謎が多すぎて、 それがおもしろさにつながらないのが、この映画のネックのように 感じました。見る人の想像にゆだねる、という映画も多いですが、 この作品は穴だらけで、そこまでいってないんじゃないかな。 しかも、長いんですよね。退屈で、見るのが苦痛でした。 救いは、映像のクオリティかな。
何ともシュールな作品だ。 霊感のある青年を取り巻く人間模様。 斎藤...
何ともシュールな作品だ。 霊感のある青年を取り巻く人間模様。 斎藤飛鳥も最初は生霊かと思ってしまった。 いくつかの謎が謎のままで終わってしまうので、消化不良感がある。 また、ラストも別に坂口健太郎を死なせなくてもよかったと思う。
穏やかで静かなオカルト。終始何を伝えたいか分からず残念…
こちらの作品、発表された時は坂口健太郎さんと齋藤飛鳥さんの共演ということで割と大きく取り上げられていたんですよね。 いざ鑑賞してみると最初から最後まで結局のところ何を伝えようとしているのか分からず、淡々とストーリーだけが進み、穏やかな雰囲気の中にちょいちょい挟まれるやや不気味なサウンドでオカルト感を作り上げていましたが、ライトな感じなので怖さは全くないです。というかシュールです。笑う映画じゃないんだろうなというのは十分に理解しつつも、退屈さと意味不明さが強くて苦笑。 全く気まずいシーンではありませんが、奥さんに対しての嫉妬や束縛の感情が激しい旦那さんが序盤に登場して坂口さん演じる主人公に対して帰り際の玄関先でやたら自らの愛情を見せつけてるシーンとか謎すぎて「このシーン必要ある?」って疑問すぎました。 坂口健太郎さんは静かな役がよく似合う方なのでそこに関しては良かったんですが、監督が伝えようとしたものが何なのか分からずモヤモヤが残る状態なのが残念でならないです。しかし汲み取れる方はきっといらっしゃるとは思いますし、キャストの方お目当てでも、少しでも気になった方は鑑賞してみて下さい。
我々は「監督の思い」を見ることができるか
本作にはいくつかのテーマが込められているが、その中でも登場人物たちが抱える「光と闇」という側面が重要である。
主人公である未山(坂口健太郎)は、「光」の象徴である。その特徴として、冒頭から一貫して白い服装であることや、周囲の人々から頼られていること、迷子の牛を何度も導いたことなどが挙げられる。
一方、未山の元カノである莉子(齋藤飛鳥)は、本作における「闇」の象徴である。その特徴として、未山とは対照的に黒い服装であることや、未山と再会した際に部屋を真っ黒に塗っていたことなどが挙げられる。
しかし両者は、詩織(市川実日子)の家で過ごすうちに、それぞれの役割を交代している。未山にとっては、詩織が求める照明を一緒に探すこと、莉子にとっては美々(磯村アメリ)と交流することが転換点である。最終的に、莉子は黒以外の服を着るようになり、未山の席は莉子に取り付けられた新しい照明によって照らされている。
その他の要素として、「美しさ」や「自然」、「牛の役割」、「詩織は未山と異なる光であること」などが挙げられるが、一度にそれらを理解するのは困難である。
綺麗な風景を背景に優男“坂口健太郎”を見る。
菅波先生の時から坂口さんは出てたら見たい俳優さんなので、こちらの作品もチェック。 私の理解が追いつかないほど高尚な映画なんだと思う。世界観から、ストーリー、着地点まで何一つ自分の中で理解できないまま終わっていってしまった。 私は2時間強いったい何を見ていたんだろう?って。 なんかふわふわしてて、夢を見てたみたいな感覚だった。 楽しめた要素としては、すごく綺麗な景色の中に、超絶穏やかな坂口さんを見て、癒されて、って感じ。 全然嫌な感じじゃなかったんだけど、物足りない感が残ったかな。
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