オットーという男のレビュー・感想・評価
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【愛妻の死により、超不愛想になった”心臓の大きな男”の、真は善性溢れる姿を描いた作品。向かいの家に越して来たメキシコ人夫婦(特に奥さん)が齎した幸。トム・ハンクスの息子も頑張ってます。】
ー 今作はご存じの通り、スェーデンの小説「幸せなひとりぼっち」で映画化もされた(傑作である。)作品のリメイクである。
だが、オリジナルに引っ張られないように鑑賞しようと、映画館へ。-
◆感想
・物語の流れは、ほぼ「幸せなひとりぼっち」である。故に、オットー(トム・ハンクス)は愛妻ソフィアを無くし、真面目だが超不愛想な男になり、近隣の住居をパトロールする日々。
ー 彼が超仏頂面で、パトロールをしている時に、近隣の人達は明るく声を掛ける。彼が実は善性の持ち主である事を知っているからだろう。だが、彼の口癖は”idiot!"である。ー
・妻のいない人生に絶望したオットーは首吊り自殺をしようとするが、失敗。そして、向かいの家に越して来た明るいメキシコ人夫婦に、縦列駐車をしてあげたり、梯子を貸してあげたり・・。
ー 今作で、オットーと並んでキャラが立っているのが奥さんのマルソルである。オットーは彼女の明るく、人生を幼き子供達と愛する夫と暮らす姿を見て、且つての自分の妻、ソフィとの思い出を被せるのである。-
■オットーの善性が際立つシーン
・列車のホームから飛び降りようとしていたら、近くの老人が線路に落下。彼は身を呈してその老人を救うシーン。そして、この行いが後半に繋がって行くのである。
・マルソルに運転を教えてあげるシーン。ヤッパリ車は、マニュアル車だよね。
・昔は仲が良かった黒人老夫婦との関係性の変化。車の嗜好の違いから仲違いした男は、今や車椅子生活で、言葉も喋れない。だが、夫人からの頼み事はキッチリとやってあげる姿。
ー そして、老夫婦の家を、10年も日本から帰って来ない息子の承諾を得たと言って買収する悪徳不動産屋へのオットー達の仕返しのシーンはスカッとする。老人を助けた動画を挙げていたSNS運営会社も上手く巻き込んで・・。この辺りはオリジナルから現代風に巧くアレンジしている。-
<自分の大きな心臓の具合が悪くなった事を察知して、オットーがマルソルに遺した手紙のシーンは沁みる。オットーは自らの家をマルソル夫婦に譲り、マルソルに対し”君はidiotではないから・・。)と綴っているのである。
ラスト、オットーとソフィアが眠る墓の前で、マルソル夫婦や彼を慕っていた人たちが、明るい表情でピンクの花束を供えるシーンも良かったな。>
■徒然・・。
・矢張り、男としては、愛して結婚して貰った女性の長寿を願った作品でもある・・。
幸運のコイン。
愛する妻に先立たれ独り過ごすオットー。
そんなオットーの性格は几帳面、ルールを守れない人許せない、いつも気難しい顔してるから、一部を除いて近隣からの嫌われもの。
そして日課は近隣の見回り。
そんなオットーの向かえの家に4人家族が越してくる、夫婦、幼い女の子二人、敬遠されがちなオットーだけど、この家族は違った。
向かいに越してきたマリソル(奥さん)が料理、クッキー作ったから食べてと家に持ってきてくれる、日常的な事も頼ってくれるマリソルに気難しい性格のオットーも徐々に心を開いてく。
マリソルきっかけで近隣、野良猫とも距離が縮まり近隣の人と過ごすも、亡くなってしまった妻が頭から離れない。
妻がいない人生はありえないと自殺を試みるも何度も邪魔が入り死ぬ事が出来ない・・・。
こんな感じの話なんだけど、作風の優しい、柔らかい感じとオットーのホントは優しい心の部分が調和されていい雰囲気。
妊娠6ヶ月の妻と旅行、その旅行帰りに事故で子供がダメになってしまい、後に妻もガンで亡くなってしまう。
生まれてくる子供の為にベビーベットを用意してあったんだけど使わずじまい。そんなベビーベットをマリソルの三男が生まれプレゼント。その三男を(自分の子は抱く事が出来なかった)抱き抱えるシーンは泣けた。
雪が降ったら雪掻きも日課だったんだけど、雪の降った翌日雪掻きされてない日にオットーは心臓の病で亡くなった。
妻と一緒の墓に入るんだけど最後は近隣の人達から明るいお別れ。
何か雰囲気良く凄くいい作品でした!
試写会
リメイクが仇に!
図々しさとお節介が人と人をつなぐ
定番のストーリーにトム・ハンクス、笑いあり涙ありの安定した作品です。
オットーは偏屈で不愛想で孤独な男。
ある一家がお向かいに引っ越してきたことから、彼のご近所づきあいが変化していきます。
トム・ハンクスが演じる主人公オットーはもちろんのことですが、ご近所の人々が魅力的なキャラクターです。
なかでも、お向かい一家はみんな活き活きとして観る人を笑顔にさせます。
彼らのちょっとした図々しさとお節介が人と人をつなぎ、心が温かくなります。
若き日のオットーを演じるトルーマン・ハンクスは、トム・ハンクスの息子だそうです。
彼は俳優ではなかったそうですが、親子そろってオットーの人柄をとてもよく表現しています。
誰でも誰かに愛されている。
鼻と目を洗う日なのかなと思うほど泣けた。
孤独だけど誰にも愛されていないわけではない、そして愛されるということは生きるために必要なことなんだなということを学んだ。
まあとにかくク○ジジイレベルで言えば、スワン・ソングのパットに負けてない笑。
いや、パットとはある意味真逆の人だけど笑。
年取るってことはその人の人格の完成形に近づくってことだよな、と改めて思いました。
頑固なお父さんと是非観に行ってください。
これ以下↓はネタバレになってしまうのだけど。
娘みたいな子の運転に付き合ってあげてる時に、オートマ限定だって言ってんのにマニュアル車を頑固に運転させてて、もーこのク○ジジイめ!と思ってハラハラしながら観てたんだけど。
オットーが「君は移民で、異国で言葉も覚えて子どもも育てて車の免許も取ろうとしてる、できる子なんだ、頭のいい子なんだ。」みたいなことを言って励ます場面が一番泣けたかもしれない。
自分も言葉さえわかれば出来るのに!と思ったことがたくさんあった。
それでもその場で生きていくには、努力して頑張って習得するしかなかったことも色々あったから、気持ちがわかったよ。
常に明るく前向きでダンプカーみたいに頑固親父の頑固なハートに突っ込んでいった彼女が一番好きなキャラだったかも。
オットー
オットーに自分の未来を見る
ご近所さんとの距離について考えさせられる。
これは理想形。
あそこまで厳しくはないにしろ、
基本がオットーと同じ思考の持ち主なので、
ホームセンターや見回りのくだりは自分を見ているよう・・・。
近い将来、周囲から煙たがられるんだろうなぁ、と、前半は苦笑い。
それでも頼まれたことを結局やっちゃったり、
根がいい人なのが徐々にわかり、救われるし、ホロッとしちゃう。
ただ、「んー?それどうなの?」と思ったのが、
お向かいのマリソルさんの、学歴を見て評価上がっちゃったような演出。
あと、ソーニャが最愛の妻なのはわかるのだが、
半年前まで仲良く暮らしていたのだろうに、
思い出されるのは出会った頃のことばかり、って、、、。
(歳を取るとそういうもんだってこと?)
別にソーニャの服や持ち物を片付けさせなくてもよかったんじゃ、とも思うし。
(哀しみ脳から抜け出すにはそうしたほうがいい、ってことなんだろうけど)
猫と子供が可愛い映画は、それだけで顔が緩む。(どっちも最高に可愛い)
ズボンの裾に爪引っ掛けて引きずられるとこと凍えてるところだけは、
ぬいぐるみだと信じている。
トムハンクス主演の映画で泣かない訳がない
共に歩んできた妻を亡くし自殺を試みるトムハンクスだが、近隣住民と関わることで救われる話。
とにかく泣けた。私は二回泣いた。
クスッと笑える住人とのやり取りもあって、笑いと悲しみがうまく調和している。また、英語のジョークも分かりやすく訳してて、流石戸田奈津子さん!
特に好きな登場人物は、隣に住むメキシコ人の奥さん。とても心温かい人でムードメーカー的な存在。人に対してこんなにも感情をぶつけられて羨ましいとさえ感じた。
トムハンクス夫妻とメキシコ人夫妻の関係性が重なっている気がして、トムハンクスはやっぱりこういう奥さんが好きなのかなと思った。
「人生そのもの」と表せるくらい大切な人を失った時に、自分はどんな行動を起こすのだろうか……
ハート(心臓)がデカい男
熱い男の静かなストーリー
妻に先立たれ
自暴自棄になっている男のストーリー
正義感が強く
曲がったことが許せない故に
周囲との軋轢を生み
ギクシャクした生活を送っている
そこに現れた
自由奔放なファミリー
本作は
このファミリーや
その他ご近所さん等々との交流を通じ
主人公のトムハンクスが軟化していく物語
です
全体的にとても
静かで穏やかな映画です
トムハンクスが
様々な策を講じて
妻のそばに行こうとしますが
それも淡々と行われ
激しいシーンは特にありません
しかしながら
トムハンクス演じる主人公
そして
ご近所ファミリーのママ
の心はとても熱いです
本作品を鑑賞し
胸が熱くなり
心を動かされるのは
このギャップ故でしょうか?
ネット社会となり
人と人との関わりが希薄な現代において
本当に必要なものは何か?
そんなことを
教えてくれた映画でした
いい話
タイトル通り
オットーという男の人の話
コピーに
[町内イチの嫌われ者]ってあるけど
そこまで嫌われてない。
めちゃくちゃ細かいキッチリした人で
確かに面倒くさい感じはあるけど。
独り身になってしまった老人が
向いに引越してきた
お節介なメキシコ人一家のおかげで
結果、良い方に話は転がっていく。
そこに「若い頃はこんなだった」
という回想が挟まれて、
ヒトトナリがわかってくる。
こういう人いるよなと思う。
で、オットーの場合は
周りが世話焼きだったり
逆に助けを求めに来る、といった
地域との交流があるんですよね。
交流が全くなくて孤独になってしまう
ってことが現実には多い気がするけど。
人は必ず死ぬんです。
それは絶対。誰もあらがえない。
自ら選ばなくてもその日はくる。
その日のためにどう生きるのか。
この映画を見て
それをちょっと考えた。
同級生だつたかも。
孤高の老人が、周りの無原罪にも思えるピュアな人々(子供や移民家族)と出会うことによって化学反応をおこし、心が溶けてゆくモチーフ。ある意味『クリスマス・キャロル』以来のしゃぶり尽くされたテーマであり、あとは演じる老人の役者の存在感次第となる。逆に功成り名遂げたベテラン名優の「ご馳走」役なのかもしれない。
思いつくままに挙げると、『グラン・トリノ』(2008年)のクリント・イーストウッド。『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014年)のビル・マーレイ。ケン・ローチ監督が2度目のカンヌ・パルムドール受賞の『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年)。
本作は、2015年にフレドリック・バックマンのベストセラー小説をスウェーデンで映画化し、大ヒットした『幸せなひとりぼっち』のハリウッド版だ。
主役はトム・ハンクス、なるほど。泣かせる人情ものとして、しっかりした幹がある。原作の勝利でもあるだろうが、ハリウッドが大好きな「イマドキの社会矛盾やdiscrimination」を散りばめて2020年代の物語として構成されている。
主人公の生年が1955年!なことに、いささか心が動揺する。
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