怪物のレビュー・感想・評価
全596件中、201~220件目を表示
死生感を小学生が考える世界こそ怪物なのかも
まず脚本賞を受賞になるほどなと。
名優揃いで引き込まれる、嘘にいじめ問題、モンスターペアレント、学校という社会の間違った守るということ、発達障害や母子家庭、父子家庭などの人と違うことへの偏見、今の社会の生きにくさから感じる人それぞれが感じる嫌悪感こそこの映画の言いたいことなのかなって思いました。
それらから逃げることも時に必要で、そんな場所や人がいることこそ幸せなのかもしれません。
田中裕子さんの幸せについての台詞が胸に残りました。
怪物は誰なのか探さなくていい。
人は様々な顔を持つ。
怪物だーれだ?
誰が怪物なのか、わからない。
全員が見る角度を変えると怪物に見えたり天使に見えたりする。
怪物は探さなくていい。
みんながみんな怪物の顔と人間の顔を持っているのだから。
2時間ドラマのサスペンスやミステリーとは対極だ。犯人探しをして最後に、こいつが犯人だった!と分かってスッキリする。
そういう作り物が嫌いだ。
だからなんなの?この人が犯人だから何?と一気に心は物語から遠ざかり、どうでも良くなってしまう。
だけどこの作品は違う。
頭を使って犯人を探すのでは無い。
心の方が物語に吸い寄せられ惹き込まれていくような感覚だ。
火事は全てを失うものでもあり、遠くから見ると美しくもある。
猫を葬るのは残酷にも見えるし、優しさも垣間見える。
こびりついた床の汚れをこそぎ落とすのは頭の下がる行為にも見えるし、自らの罪をこそぎ落とそうとしているようにも見えてくる。
少年二人が本当に素晴らしい。
片方ずつ靴を分け合って歩くシーンはたまらなかった。
2人だけの宇宙が存在する廃列車。
いつか逆再生する日は来るのかな。生まれ変わりはあるのかな?
坂元裕二の脚本は細かすぎていちいち他人に言いにくい事や言わなくていいこと、自分でもよく分かっていないけど、モヤモヤしていることを本当に上手く的確に代弁してくれるから好きだ。
言葉に出来ないことは吹奏楽の音に載せればいい。
声は出なくても怪物の悲しい鳴き声のように、いつか声に出せるまでいつまでもいつまでも響き続けるのだろう。
109のプレミアムシアターで贅沢に鑑賞した。
坂本龍一の美しいピアノの音を、坂本龍一が日本一音のいい映画館だと評した映画館で観る事ができたのも本当に素晴らしかった。
怪物は誰か
怪物観ました。
皆んな、いい、いい
言うもんだから期待高で映画館へ。
情報は出来る限り、入れないようにしていたので、タイトルと出演者、監督、坂本龍一ぐらいの情報で観に行きけました。
タイトルが強烈なので、初めは誰が、何が怪物なんだと、自分でもタイトルに先入観があるためか知らない間に怪物探しをしていました。
それぞれの視点で展開していくうちに、
怪物らしき物や人物がどんどん変わっていき、
混乱しましたが
基本は皆んないい人じゃん。皆んな一生懸命に生きてるよね。と思ってきました。
その内にLGBTの色合いが濃くなり
ラストシーンを見終わった頃には、
怪物探しをしている自分が、
実は怪物だったのでは、
と思ってしまった次第です。
是枝監督に怪物探しをしているあなたが、あなたの思考こそが怪物を生み出し、不幸の連鎖を引き起こすのだと、突きつけられてしまった感じでした。皆さんはどうでしたか?
私はエンディングの坂本龍一の曲が流れている中で、しばし呆然としてしまいました。
好きな映画ではないけど、映画を観たと言う実感が湧く映画でした。
出演人ですが
初めは安藤サクラさんの自然な演技に感心してましたが、永山瑛太さん、田中裕子さんは更によかった。
それに匹敵するぐらい子役の2人は素晴らしい。
kids are alright
怪物はいなかったのか
タイトル、予告編から想像する話と全然違くて
ぐいぐい引き込まれてしまった
三幕目は至高
春から夏にかけての映像
諏訪湖の自然の美しさ
子役演出
彼らの「わからなさ」に何度も涙腺を刺激される
そして(途中で思い出した)坂本龍一のサントラ
エンディングの余韻に震えました
LGBT理解増進法なんておなしな法案ができましたが、
彼らの未来が大丈夫だったらいいなと
「誰にでも手に入らないものは幸せではなくて、誰にでも手に入るものが幸せ」
全員のそれぞれの視点からみた時に分かる作品
映画始まってしばらくは
とてつもない不快感、憤りを感じながら観ていました。笑
それぞれの視点の話が1人ずつ流れます。
全員の“認識のズレ”で起きていく問題がこの作品をとてもすごいものに。
見終えた時にはなんとも言えない感情に…
最後のシーンの解釈は人それぞれだと思いますが、私は観てよかったと思いました。
視点切り替えが面白い
何の予備知識も入れず、映画館で観た予告だけで惹かれて観にきたので、ナニか森に得体の知れない怪物が潜んでる…とか、そーゆー類の映画だと思ってましたw
だからホントに途中まではいつ、どんな怪物が出てくるんだろーって、ワクワクドキドキしてましたw
麦野親子のシーンから始まって、お父さんが亡くなってシングルマザーと小学生の男の子の2人での生活だとすぐわかる。
少しずつ様子がおかしくなる息子の湊に不安になり、息子が学校の保利先生にいじめられてるかもしれないとなり、学校に抗議に行く母。
学校の校長先生はじめ、保利先生、その他の先生の様子がおかしい。対応が酷くてイライラする。
特に校長先生。
話合いの中でもしかしたら息子はクラスの男の子を虐めてるかもしれない…という問題も浮上してきた。
その男の子がクラスメイトの星川依里君。
と、物語は湊の母役の安藤さくらの目線で展開していく。
で、その後、息子の湊目線、保利先生目線、校長先生目線、星川君目線と切り替わってちょっとずつ答え合わせをしていく感じで物語が進んでいくのが、すごく面白かった。
大人の醜さ、子供の危うさ、言葉の重み、イジメだけじゃなく、色んな感情をとても上手く表現してた。
全部を解明してくれてはなくて、『え?これって?』という疑問がいくつか残されてて、観る人によって解釈が分かれる部分が散りばめられてた。
かと言ってモヤモヤが残るのとはちょっと違う感じでした。
坂本龍一さんの音たちも、物語ととてもいい重なりをしてて、良かったです(^-^)
是枝監督こそが「怪物」である。
深く重いジグソーパズルのピースが
時間を追うごとにはまってゆく。
徐々に視えてくる全貌。
全てがはまった時に観えたものは
心に響く景色。
個々に違う答え。
とんでもない物語。
校長先生が生徒の前で深夜に川沿いで
煙草を吸うシーンひとつ取っても
役者全員の異常さを感じる演技力。
子供逃げ?と思える脚本やシーンと思っていたら
しっかり意味がある。
坂本龍一教授の音楽、いや音も
優しさの裏に恐怖すらある。
このプロフェッショナルを
自分の色に纏める監督。
ずばり「怪物 」とは是枝監督の事。
奥深い作品
いじめや学校の問題を題材にした話だと思っていたら、そうではなくとても奥深いお話でした。大人や社会、学校の都合に合わせて間違った見方をされる子どもたち。その中で子どもはしっかりとキラキラした時間を過ごしているんだと感じました。坂本龍一さんのピアノもとても素敵でした。
ちょっと違う
いつもと違うよね、
是枝さんじゃないなー。
脚本家変わると味も変わるもんだ。
先ず、タイトル。
是枝さんならこーゆータイトル付けない。
タイトルが台詞に出てこなかったりする。
「怪物」このタイトルは、
探してしまうし、当てはめて観るし。
そして、役、台詞、ダイレクトですね。
分かり易い。
この役、安藤と瑛太じゃなくても出来るが、
彼ら2人の怪物級役者だと凄みは増す👍
安藤は丁度良い間で、丁度良い音量で、
丁度良いツッコミしてくれるし、
瑛太はポンコツ具合が程良く、
「友罪」の時の少年Aを彷彿とさせる。
多分だが、今回是枝さんが言いたかったのは、
少年2人のパートではないだろうか。
あそこはとっても、是枝作品ぽい作り。
抽象的で叙情的な演技の味付けと、
それをやり切った2人の怪物級少年👍
「やっぱり嘘」アレ良かった👌
第二の柳楽優弥か、
それとも仮面ライダーか🤣
(鈴木福の事です🙇🏻♂️)
ラスト、クビになった先生は気づいた。
母親は多分気づいてない。
先生の口から全て話して欲しいが、
そこは、野暮な話か、
「真摯に受け止め」ましょうかね😜
ちょっと違ったけど、
テーマが身近で惹き込まれ、
観応え十分で面白い。
「花束みたいな〜」観てないからなー😅
ソレ観てたら、
気合いと期待込めて観たかもしれない。
※追記
「ロストケア」に続いて、
またしても諏訪湖でのロケ。
貨物列車は中央線かな。
あの公園は、
ずんのやすと坂井真紀が手を繋いでた場所。
諏訪湖は映画誘致に頑張ってるのですね。
怪物は自分たちだった
まず、是枝監督の作品はやはり面白い。
それから田中裕子さんの実力がすごい。
少しの動きとわずかな表情だけで憎らしく思えたり、苦しさを飲み込んでいるんだなと思わせたり。
子供の世界であってもマジョリティでいようと、影響力のある側に付いたり、見ない振りをしたり、間違っていると思っていても抗わない術を身につけている。
それが大人の世界では当たり前に増長して、皆が自分を守るために長いものに巻かれたり、忖度しあって嘘をつく。
怪物(世間のバッシング)から自分の社会的立場を守るために、教師たちは必死になった。
その姿も正に怪物にであった。
田中裕子が演ずる校長も、怪物をおそれ夫を犠牲にし、自らが怪物となったことに苦悩している。
息子に依存する母親、嘘の自供をしてしまう教師、
自分の置かれている立場やメガネによって、事実がねじ曲がっている。
自分自身が怪物になっているとは気付かず、犠牲者だと思い続けている。
固定観念を捨てることは簡単ではない。
すべての根本は保身ではないか。
みなとは、純粋がゆえに、自分が嘘をついたり、保身の行動をする度に自分が許せず傷ついた。
子供たちを犠牲にしてしまったのは、自分たちではなかったか。
社会問題を提起する作品だったけど、サスペンス要素も強く終始引き込まれた。
結局の処、み~んな「怪物」!!ラストも「皆さん、どうお感じに?」と視聴者に託すみたいな!?
2023年 「野呂佳代」演員、「西野未姫」演員、AKB02作品。
「野呂」は番宣番組にも出ていたから出ているのは判っていた(でも端役!)が、「西野未姫」が出て居たのには驚いた!出て居るといっても劇中に写るTV番組の出演者として!在り物の番組なら「出演者」にはならないだろうが、エンドロールに名前が載っていたので劇中番組をわざわざ作った様!
弟が世の中を騒がせて居るので、チョット「此処の家族は・・・!?」と思って仕舞った・・・!?
あとから効いてくる
鑑賞中や鑑賞直後より、自分の中で咀嚼したり人と話すことで効いてくる感じがしました。鑑賞前は事前情報を入れないようにしていたので、2〜3日はインタビュー記事を読んだり、ふとした時にこの映画のことを考えていた気がします。
大人キャストの方がお芝居が上手なのはもちろんですが、湊と依里の子役の方も坂本裕二さん脚本のセリフをすごく自然にお芝居されていて、是枝監督と坂本裕二さんのコラボさすがだなと感じました。
上映中にもう一度見に行きたいし、パンフレットも買って世界館に浸りたいなと思います。
今までとは毛色の違う是枝作品。
今までの是枝監作品と言えば、脚本から編集まで全て自己完結。何気ない日常を切りとったような静かな画がスクリーンに映し出されていた。が、今回の脚本は坂元裕二さん。一つの事柄を立場の違う人たちが多方向から見ることで、感じ方や受け取り方が全く違ってくることの怖さ。そして、誰もが怪物(モンスター)になりうるし、善と悪を単純に線引きも出来ないことが上手く描かれていた。田中裕子演じる小学校校長の能面のよう表情の不気味さに気持ちがザワザワした。無表情の中にも喜怒哀楽を表現しているところが流石と思った。子どもたちには子供たちの、親には親の、そして学校には学校の立場から見えるものや感じることが有って、何が正解で間違いなのか?これって普段の生活の中でも有ることで、一方的な見方考え方に警告を出していてくれているのか?と思ったりもした。
ホルンの音色が悲しく聞こえる
物語をそれぞれの視点から作り上げていくと、本当はこうだった。と、見方がどんどん自分の中で変わっていく。
これは、本当にいじめなのか?暴力なのか?
親の視点から見ると、怪物は教師。
教師の視点から見ると、子供も親も怪物。
子供の視点から見ると………
私の視点から見ると、嘘が怪物を作り出す? 言葉にまとめられない…が、本当の感想。
「お父さんみたいになれなくてごめんね」の本当の意味が分かった時の衝撃が、涙になる。
2人がクリーンな緑の中で走り回る姿を見て、じわじわと涙になる。
2人には2人にしか分からないことがあり、2人のこの時間を壊さないで…と願い、観終わった。
やはり、この映画はスゴい。
そして、スゴい演技力です。
田中裕子さんが、ホルン片手に語った言葉とシーンがとても心に残りました。
噂や憶測の醜さ
誰しもが人から聞いた噂や自分の憶測で人を貶めてしまう。観ている分には実に醜さしか感じられないのだが、恐らく自分も同じようなことを日常やっているに違いない。真実なんて、誰にもきっとわからないんだろうな。それにしても、生徒の虐待疑惑で教師が追い込まれるのだが、ちょっと不自然な感じも。結末は、切なさだけが漂う。というか、ちょっとやりすぎな感も。振り返ると終盤だけでなく、ストーリーを通じて毒饅頭をばら撒き過ぎではないか。ギミックに溺れている。
極上のサスペンス
是枝裕和が坂元裕二の脚本で映画を撮る…と、聞いただけで期待感が上がった本作。
やはり、坂元裕二の作劇は見事で、教師による行き過ぎた指導、学校内のいじめ、組織的隠蔽という社会問題を材料にすることで観客を巧みに惑わせる。だがしかし、これは歴としたサスペンスだ。
是枝監督の子供への演出は相変わらず上手い。
それに応えた黒川想矢くん、柊木陽太くんの二人が素晴らしい。
そして、本作もまた安藤サクラである。一人息子を全身で愛し全力で守ろうとする、夫と死別したシングルマザーを自然体で演じてリアルだ。どんな監督の下でも説得力のあるパフォーマンスを見せる安藤サクラではあるが、是枝監督こそ最も相性が良いのではなかろうか。
そこに永山瑛太、田中裕子という坂元裕二馴染みの役者が加わって実力を発揮している。
坂元裕二という脚本家に初めて衝撃を受けたのは、テレビドラマ「わたしたちの教科書」だった。学校を守ること(=学校という制度を守ること)が最大の正義だと考える女性校長の存在が、このドラマと本作で共通している。
同じ事象でも視点によって見えない事実があることを描いている点においても、「わたしたち…」に共通するように思う。
対立側の視点で再現することで種明かしする構成はサスペンスでは珍しくないが、本作はそれを“羅生門効果”で見せていく。
また、種を明かした後の解釈を観る側に背負わせるところも「わたしたち…」に通じ、これは是枝作品全般にも通じるものだろう。
少年はなぜ、教師を貶めるような言動をしたのか。
少女はなぜ、少年のことで教師に嘘をついたのか。
子供たちはなぜ、目の前で起きた事実をそのまま教師に伝えることができなかったのか。
校長はなぜ、一人の教師に全てを背負わせることができたのか。
同僚教師たちはなぜ、追いつめられた教師を助けられなかったのか。
虐待親父はなぜ、息子のことを恐ろしいと言ったのか。
教師はなぜ、たったひとつの作文で二人の少年の関係に気づけたのか。
疑問は謎のまま、このテクニカルなサスペンス映画の仕掛けを純粋に楽しみたい。
実にお見事な映画だ。
永山瑛太の二面性の描きかた、少年たちの同性愛を匂わせたところにやり過ぎ感があり、☆0.5減点。
エンディングの後、母安藤サクラはどこまで真実を理解するに至るのだろうか…。
学校の管理職が怪物
あの火事からそれぞれの登場人物の視点で語られる物語の真実。どんどん謎が解明されていく展開が良かった。しかも、その謎もなんとも切ない。
先生の人間性や自殺の描写などがうまいミスリードを誘っている。
学校の校長教頭など管理職の対応がとても良くない。
あと、担任もあれだけ派手ないじめがおきていたらさすがに気付きそうだが。もしかしたら見て見ぬふりをしていたところもあったのかもしれない。
いずれにせよ、学校の保身に走った管理職たちが1番の怪物と言っていいのではないか。
クラスの子供たちや、学校の先生たちなど、個人だけでなく、複数人になればなるほど怪物になっていくのかも。
子どもには子どもだけの世界がある。2人の関係性は恋愛とも言い難い何か特別な関係性だったと思う。
全596件中、201~220件目を表示