「怪物はどこにいる?」怪物 オットさんの映画レビュー(感想・評価)
怪物はどこにいる?
是枝監督って子供の自然な演技を引き出すのが
改めて上手だなと感心させられました。
この子役黒川想矢さん、柊木陽太さんは見事でした。
また、この映画の冒頭部分の輪郭を作った安藤サクラさんの存在感と迫力、
対照的に校長役の田中裕子さんが奥歯に物が詰まったような演技が絶妙でした。
役者陣だけでなくこの物語の脚本、構成も絶妙でした。
物悲しく優しい坂本龍一氏の音楽と諏訪湖の風景が
より心の内側に染み込んでくるようでした。
子供のいじめ。子供は残酷です。
私もいじめられたことがありました。
私の親友は同調圧力に負けて、私をいじめ、
私は裏切られた気持ちになりました。
映画のワンシーンにもありましたが見ていて
気が気でなかったですがこの二人の友情は
堅固だったようで、微笑ましかったです。
子供の世界って大人にはわからないなと
改めて思い知らされました。それに嘘もつくし。
その後はどうなったのでしょうか?
豪雨の中、廃電車(秘密基地)から抜け出した二人は
やがて野に放たれ、遠くに線路を見つけました。
それは希望の線路に見えましたが…
「怪物だーれだ」
不思議とこのフレーズ、予告編観て以来
毎日ひとりごとのようにつぶやいてます。
印象的で強いフレーズなんですよね。
怪物とは一人一人の心の奥底にあるもの。
だから答えも違うもの。
なのかもしれません。
希望の線路…そうであって欲しいですね😌
いじめシーンはきつかったですね。顔をしかめるような危うい構造があることを、視覚的に見れて勉強になりました。誤解を鵜呑みにすることも、同調圧力にのまれることも、みてみぬふりも、何気ないことが深く達する傷をつくるひとつの柱になることもよくわかりました。