劇場公開日 2023年6月2日

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「非常にいやらしいラスト」怪物 keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5非常にいやらしいラスト

2023年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 誰が「怪物」なのか想像しましたが、決め手になるような登場人物はいなかったように感じました。日常の中の非日常を描いたヒューマンドラマという映画でした。
ラストの少年2人が走り出すシーンはポジティブ・ネガティブ両方の解釈がとれると思いますが、個人的には2000円払って2時間映像を観るわけだから、最後に「観客に丸投げ」というのは腑に落ちない気持ちになりました。
 是枝監督の作品は『ベイビー・ブローカー』から初めて見て『万引き家族』は未観賞ですが、疑似家族や「普通」じゃない家族といった異質な集団に脚色を加えるのが好きなんだと今作で感じ取れました。
今作でもシングルマザー・ファーザーという普通じゃない家庭環境で育った少年と教師が周囲を引っ掻き回す演出で、台詞に知性を持った大人がいないように感じて違和感を覚えました。
学校の場面でも見苦しい場面が多くて、校長が麦野少年にホルンを教えるシーンでも俯瞰して見ればただのストレス発散と読み取れるシーンに見える。教師というより近所おばあさんという印象でした。
 知性を持たない人物がいないという点では登場人物全員「怪物」と解釈してしまい、リアリティに欠ける映画。

keyton
町谷東光さんのコメント
2023年6月20日

なかなか共感する見方です。
ただ、ここでの批評は
空気を読まず、忖度せず、星は2つ以下をつけられてもいいんじゃないですか。
わたしは、2つ以下か、4つ以上しかつけません。

町谷東光