「予想以上」OUT カミムラさんの映画レビュー(感想・評価)
予想以上
これまでの品川作品を鑑賞してきた結果、品川監督に対する苦手意識があり、かなり期待値が下がってました。
大して期待せず見た結果
めっちゃ面白かった。
多少のオリジナル要素があるものの、原作から逸脱することなく上手くまとめられてたと思う。
キャストについては
井口達也役の倉悠貴は見た目はそんなに原作に寄ってないし、めっちゃガキっぽい。いや、漫画が八頭身でイケメン過ぎるだけか。
漫画勢からすると見た目もキャラも振る舞いも達也に見えないんだよな。
でもアクションはめっちゃ良かったと思う。特に賢三とのタイマンは原作さながらの迫力だった。
安部要役の水上恒司はパワフルなアクションといかつさの中にある優しさがよく表現されてて良かった。でも個人的には安部要役は後藤剛範かうえきやサトシだったら嬉しいなって思ってた。
丹沢敦司役の醍醐虎汰朗はアクションのイメージ無いし、カラダ探しのあのオタク役の人だよな?って感じでどうなるか心配だったけど、マジで丹沢敦司!!アクションのキレが凄く良かったし、可愛くてひょうきんな振る舞いと、敵に容赦せず徹底的にやる冷酷さのギャップを上手く演じ分けててマジで凄い。
長嶋役の與那城奨はキャラの再現度がかなり高い。木刀でのアクションがめっちゃ良かったし、バトルジャンキーらしさ溢れる笑顔も良かった。今回出演したJO1の中で彼が一番良かった。
目黒役の大平祥生は見た目の再現度はともかくアクションがいまいち。スピードと手数を重視したのかもしれないけど、迫力が無く、撫でてる様にしか見えなくて残念。
沢村役の金城碧海はアクションは良かったけど他に特筆することがないんだよな。
そもそも沢村が原作では幹部でもなけりゃ強キャラでもないし、見せ場もそんなにない。原作と比べようが無いんだよ。
田口勝役の小柳心はハイテンションでがさつな演技とパワフルな投げ技が凄く良かった。でも原作とは違い、まっすぐでバカっぽいキャラに。これはこれで良い。
武藤役の久遠親は随分ふっくらした外見だし、映画初出演ってことだけどそんなことぜんぜん気にさせない自然な演技とキレのあるアクションが良かったな。デビューしたてで良い役を手にしたね。同郷だし応援したい。
下原一雅役の宮澤佑はキャラの再現度が高くて良いのと柔術メインのアクションが目を引きました。それとなんと言っても肉体美!キレてるよ!
孝二役の長田拓郎は狂暴さ溢れる演技が良かったし、迫力、キレのあるアクションが良かった。ただ、最初からマスクを外した状態なのはどうかなー?賛否分かれそう。
賢三役の仲野温は目力凄い。アクションも良い。ラストの達也とのタイマンはマジで喰らい合い、殺し合いみたいな喧嘩で凄く良かった。ヌンチャクもカッコいいよ。
でもマスクが予想以上に厚ぼったい。
今井役の山崎竜太郎は子犬感と舐めた後輩感が良い。
ストーリーや演出については
原作に無い三塁への襲撃等のオリジナル要素も良かったし、斬人のメンバー紹介の際のラップもカッコ良かった。
品川監督と言えば笑いの要素なんだけど、そこまでくどくなかったし、ボーリング場でのキムチのくだりは普通に面白かった。
アクションに目が行きがちだけど、刑事や店の客等の不良を見下す大人達とのやり取り、それとは対照的な支えてくれるおじさんとおばさんとのやり取りが良かったな。人間ドラマや心情の変化等細かく描いてるのが良い。
個人的に気になった超細かい点と痛い妄想なんだけど、人質になった千紘が達也に言った『助けて』は何か違うんだよなー。なんつーか、あの場面のセリフに合ってないと思うのよ。普通に考えたら王道中の王道なんだけど、喧嘩で大事な人を亡くし、達也の現状を知ってる千紘なら『助けて』より『ごめん』とかの方がしっくりくる気がするんだよな。
この映画、原作より大分明るくコミカルに描いてるけど、確実にバットボーイズ佐田の『デメキン』や『ドロップ』『漫才ギャング』は越えたと思うし、『ワルボロ』『クローズ』『ガチバン』に並ぶと思うな。
『ハイロー』や『東リベ』はファンタジーが過ぎるから比べづらいけど決して劣らない。
あと、エンドロール後のシーンからして続編くる感じ?
だとしたらめっちゃ楽しみ!