「数十年先に。」リトル・マーメイド Priscaさんの映画レビュー(感想・評価)
数十年先に。
世間に流布するこの作品の賛否両論を聞いていて疑問に思うのは、人種問題にこだわっているのは、製作者なのか、観客の方なのか、ということ。
それから、原作はアンデルセンの童話で、アニメ版ではないと思う。
だから、人魚が白人である必要はないし、「異形のもの」は、往々にして、よそ者、外国人、異人種を暗示する。
わたしとしては、『リトル・マーメイド』は、本来、白人の男性と(白人から見た)異人種の娘との恋愛物語だとみているから、むしろ白人の人魚姫(アニメ版)の方に違和感がある。
いずれにせよ、アニメ版に愛着を持つ人が抵抗を感じているのだろう。
原作は原作、アニメはアニメ、実写は実写だと思うのだけど、何よりも、この作品に関する人種問題への言及も本作の客観的な評価の妨げになっているのではないか。
この映画の正当な評価は、数十年を待たなければならないのかもしれない。
くどいようで申し訳ありませんが、リメイク版は、必ずしもオリジナル版をそっくりそのままコピーするものではありません。
リメイク版には、リメイク版の時代に即した、異なる解釈や新しい表現が加えられるものです。
それをどう受け止めるかは、それぞれの観客次第だと思います。
言葉が足りなかったかもしれないけど、アニメ版は、「オリジナル版」とでも呼ぶべきですね。
アニメ版を「原作」と呼ぶのはやはり違うと思います。
オリジナル版に原作が存在するなら、リメイクの際、原作をも再検討して解釈し直すことはあるでしょう。
実際に製作者側がどう考えたかは知りませんが。
どんな感想持つのも人それぞれだからいいと思います。でも、原作の人魚姫の実写化ではなくディズニー版の実写化で、タイトルもリトルマーメイドと言っているのだから、アニメファンが違和感を持つのも間違いではないと思う。