バビロンのレビュー・感想・評価
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NHKの「映像の世紀」で放送された20世紀初頭の「狂乱の時代」そのもの
まるでおもちゃ箱をひっくり返したような内容だった。
前半は、NHKの「映像の世紀」で放送された20世紀初頭の「狂乱の時代」そのもの。エロ・グロてんこ盛り。長回しワンカットによるシーンが多いのも、チャゼル監督らしいといえばらしいか。
主演のマーゴット・ロビーは、DC映画の「バットマン」シリーズに出てくる悪役「ハーレ・クイン」のぶっとんだ役柄が固定化されてしまったように感じられる。この作品でも頭のねじがどこかに行ってしまった女優を演じている。ロビーもいい加減、このイメージから脱却させても良いのじゃないか。
サイレントからトーキーに映る頃の米映画業界の闇の部分を、忖度するところなく描いている。えげつなかったり、汚らしい場面も沢山でてくるが、それを耐えて、後半まで見てくると、今度は映画好きなら誰もが見たことのあるようなシーンの連続。「エンドロールの後で」にもちょっと似ているかも。★3.5
変わりゆく時代をかっこいい音楽で
結構始まってすぐ、びっくりしました!途中もまあまあ、お下劣なシーンも
そして、ラストのシーンはグッときます。
変わっていく映画界を取り巻く人たちのお話。変わることで、取り残される。
とある時代には受け入れられたものが、古くさくなる。それは仕方のないことなのでしょう。
混沌としているけれど、それをかっこいい音楽でまとめた。
長さを感じさせない映画でした。
機会があったら、もう1回観たい映画です。
無駄に長い3時間
この3時間は長い!
「RRR」「アバター」の3時間は全く長いと思わなかったけどこの3時間はホント無駄に長い!
1920~30年代頃のワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド。無声映画からトーキーへと移行する中で時代に抗う映画人たち。というと面白そうなんだけど。
この時代にはこんな人たちがいましたよと総花的に色んな人たちが出てきてなんとも取り止めがない。
ラ・ラ・ランドのようにマーゴット・ロビーとディエゴ・カルバのカップルが主役?と思いきや、主演はブラッド・ピット?でもなく、黒人のトランペッターやら何をしてる人なのかよくわからないアジア人女性やらのエピソードがバラバラに散らばってきて、それがやがて一本の線に…ということもなく進んでしまう。
誰か一人に絞ってじっくり描いたらもっと違った面白い映画になったと思うんだけどなぁ。
それなりにノスタルジーや哀愁は感じるし映画人に内輪ウケしそうなので賞を取ったりするんだろうけど、画面は猥雑で汚いし普通に見たら面白くはないです。てかデミアン・チャゼル監督こんな変態だったんですか。
唯一の見どころはなんと言ってもマーゴット・ロビー!
アバウトタイムの可憐な女性からスーサイドスクワッドのハーレイ・クインを経て今回は野生児として一世を風靡するどうしようもないジャンキー女。こういう役をやらせたらもう無敵ですね!この人の演技の振り幅はホントすごい!
この映画で一番面白かったのは蛇と戦うシーンでした(笑)
メッセージ
さて、この胸騒ぎをどう表現したらいいのか…
何日も迷っていたら、噛み砕くことを急がず、うけとった感覚をそのままにしてみていいんじゃないかと、芯を震わすリズムの余韻が言ってるように感じた
眩いライトが交差するなか
トランペットが叫ぶ
ドラムが猛る
サクスフォンが唸る
男と女も、男と男も、女と女も踊り叫び 騒めき弾ける
アドレナリンの噴出は高級な酒に似た琥珀色の艶めきのように融合し、富裕の煌びやかさを惜しげもなく纏い次々に独特な空気を創り出す
五感の全てか、それ以上のなにかであらゆる快楽の限界を試され、やがて、誰もさわれぬところを易々と越えていく花めく堪能のるつぼがそこにあった
1920年代のハリウッドを忠実に再現したという追随を許さない雅やかさは、圧倒的な力と権威とプライドそのものだった
そんな〝別世界〟に映像と音楽で閉じ込められたあと、ふとおもったのが冒頭に書いた印象だ
知ってることばのいくつかをどうつなげようとも到底届きそうにない
もうこれは何かまとまり無くちぐはぐになろうとも、自分にのこった感覚に自由にしゃべってもらうしかないなと思ったのだ
それほどのインパクトを与える堂々たる魅せ方に、ため息って自然な生理現象なんだな〜とあらためて実感
は行の嵐みたいな連続が、たまにちいさな雑音になってしまったが、雪になりそうな雨の日の場内にただひとりと言うまさに贅沢なラッキーで満喫し、かなりの長尺に見入りながら変則的な呼吸の一部になっていった
そんな状態で、私の目はネリーを追い、マニーを追う
すり抜けていく猫の動きでネリーは焦らし、マニーは翻弄されながら囚われた鳥のように固まる
マニーが文字通りの〝釘付け瞬殺〟されたわけがわかるあの魅力がとどまることをしらず炸裂しまくり、マーゴットの天性がこれ以上ないはまり役なのだとしらしめる
器用なだけではできない、視線のずらしも、指先のしなりも、首筋の傾きも…
ギラギラな躍動感が、フル装備のpassionからもったいぶることを知らずに溢れだしている
只者ではない野望がのぼりつめようとしているのを見事に具現化していたとしかいえない
(もう、ここまで書いて血圧があがりそう。)
とにかく、ここまでみせてくるイマジネーションと演出、演技に脱帽し、それをこうして深い椅子に腰かけたまま味わえることに感謝もした
その黄金時代、すでにスターの座に君臨していた大御所のジャック(俳優)と、才能を見出されるチャンスを待ち運を掴んでいく若者3人=はげ落ちた寒色の壁の脇においたくたびれたベッドで寝起きしながら出演を狙うネリー(新人女優)、メキシコ生まれの青年で映画作りへの熱い夢を持つマニー(映画制作)、ちいさな舞台で音楽活動を続けている黒人青年シドニー(トランペット奏者)の4人のストーリーを軸に交え、サイレントからトーキーへと変遷する映画界の時代背景をみせながら、物語はだんだんとダークな世界を取り込みシフトチェンジしていく
夢+浪漫+野望+栄華に強烈な熱量を掛け合わせ、絢爛の世界に誘って天井近くに舞い上がらせ、暗闇+欺瞞+隠蔽に時代の推移と衰退をみせて落とし込み、どんな繁栄も逆らえない流れがあることの悲哀を炙り出していくのだ
人類は、この数年の未知のウィルスの猛威に晒されて、文化や芸術、娯楽などから否応なく距離を置かざるをえない境遇にも見舞われた
また、国同士の争いも絶えず、不安の渦に明日飲み込まれても不思議ではない今、文化や芸術の立ち位置は揺らぎやすく、ためらいに似た向かい風が吹きやすいのも事実なのかもしれない
だからこそ本作は立ち上がり、弱音を吐いている場合ではないと映画界を鼓舞し、逆境に抗いながら前を向く彼らの精神を、ラスボスのようにこだわり抜いた切り札の光で目を奪い、相反する影で心を奪いに来たのではないか
そして、世界中で待つ映画ファンと、なにより制作者側が熱意を絶やさぬように、強烈な栄華を怒涛の迫力でみせ、叱咤激励のメッセージを込めた愛の鞭として映画界にふりかざしたようにおもえてならないのだ
修正済み(5回も^^;)
ハリウッド版『ブギーナイツ』……あれ?
冒頭の狂乱パーティシーンでロスコー・アーバックル似のデブが女優をオーバードーズさせ、なるほどタイトル通り『ハリウッド・バビロン』をやるのだなと、純粋な映画ファンの気持ちで鑑賞に臨みました。
しかし、混沌とした撮影風景などはまあ盛り上がるものの、ジョン・ギルバートそのまんまなブラピ、カエルのような声と揶揄される女優、ガルボとかタルバーグとかスワンソン等々、映画の教科書1ページ目に書かれているような捻りのない古いエピソード(というかゴシップ)の羅列ばかりで、なんだか下敷きにしている『雨に唄えば』よりも狭い世界に感じてしまいました。
そして2時間以上経過しても狂騒が終焉を迎えることは分かるものの、物語が何に向かっているのかサッパリ分からない。(おそらくチャゼルもよく分かっていないので)唐突にヤクザと揉める展開になりますが、これは杜撰ではないですか。
百歩譲ってハリウッドアンダーグラウンドを垣間見るスリラーとして楽しめれば良いけれど、禁断の最深部でマッチョがネズミをかじるだけという……
『雨に唄えば』はもとより『スタア誕生』『イナゴの日』『アメリカの夜』など参考作品は数あれど、ドラッグ描写やスピーディなカットバック、Fワード連発する台詞回しなど、一番影響受けているのは『ブギーナイツ』だと思います。ただブギーナイツは豪華絢爛な映画業界に逆立ちしても敵わない、ポルノ業界の栄華と衰退をミニマムに描いたから美しかったのであって、それをスター満載の大作でやるのは成功者の欺瞞というか、先祖返りにしかなっていないのでは。
狂気の描き方
ハリウッドの黎明期群像劇。ちょっと長い。
予告でハリウッドの黄金期の話、みたいなのを観てたから「華やかなスターたちが輝いていたオールドグッドデイズ」みたいなものが描かれるのを想像してたのけど、製作現場の大味さや出演者たちのアンモラルさのようなリアル(?)さが全面に出ていて、割とドン引いてる私がいた。笑
当時の映画製作の現場ってあんな場当たり的で、関係者みんなキレてて、危険で(リアルに死人が出る)、滅茶苦茶な感じなの?
当時の時代背景を考えると仕方ないのかもだけど…。
メインの登場人物はジャック、マニー、ネリー。なんだけど、割と3人ともどうしようもなくて、魅力的かと言われると個人的に「??」だし、感情移入もしづらく、群像劇型で視点がよく移り変わるので、「このエピソードはどこに繋がるの?この作品の中の地点なの…?」と途中ちょっと困惑しながら観ていた。
なのでどうもいまいち楽しみきれず…。
ネリーが数十年後に映画館で過去を思い返すシーンがあるから、輝く過去への懐古や郷愁が一つのテーマなのかと思ったけど、その割にその過去が割とどうしようもないエピソードばかりになってるので感情が迷子なのよな…。あとちょっと長い…。
ラストの色んな映画につながる演出は良かった。
監督、映画というコンテンツが大好きなんだろうなというのは伝わってきた。
色々な映画をオマージュしてたのだろうか?と思ったら実在の人物をモデルにしてるのね。
もう楽しすぎるぜ!
在りし日のトーキー映画に移り変わる時の葛藤(?)がひとつのテーマになっていて・・・
そんな映画あったなあ。あー!「雨に唄えば」だ。
雨に唄えばでは無声映画の女性大スターが、トーキー映画になってあまりに酷い声だったからアテレコすることになったヒロインが、ジーン・ケリーのサポートで女優の道が開かれるという話だったと思う。
奇しくもこの映画にも「雨に唄えば」の曲と、ジーン・ケリーが出てくるけど、ブラピのピンクのカッパを着せられてモブとして歌う滑稽かつ悲哀に満ちた墜ちたスターの悲哀に繋がるとは。
あんなことさせられたらその後の❌❌も致し方ない。
映画見てからは、Apple Musicで聴きまくってます。
さてこの素晴らしい「クソ映画」については「サブライズ」さんのレビューに私の言いたいことは全部書いてあるので紹介だけしておきたいと思います。
リタイヤ
ゴージャスでクレイジーな映画に命を賭けた者たち
最高にクレイジーで豪華絢爛美しさと汚さが入り混じった映画黄金時代のハリウッドで繰り広げられる栄枯盛衰をハイボリュームで描ききった本作。
画面一杯の黄金パーティ、アップテンポのジャズ、リアルかつ大迫力の映画撮影シーンハリウッド黄金期はこうじゃなきゃと言わんばかりの再現に信じられないほど心が躍った。
本作で無声映画黄金期の大スタージャックを演じるブラピの圧倒的なオーラ、溢れ出る色気全てが凄まじく、心を奪われて釘付けになった。ストーリーが進むにつれて纏う哀愁も渋すぎて後半は涙が止まらなかった。
ジャックの若者への温かい声かけ表情に勝手に励まされた。
マーゴットロビーの弾けっぷり、開放感、夢へとまっしぐらに突き進む姿に勇気と思い切りこそが1番美しいのだと気づいた。
そんなキャラだからこその挫折や落ちこぼれぶりは観てて心が痛くなってしまった。
後半満を辞して登場するトビーマグワイアは恐ろしい程の怪演で一気に場面を支配していた
登場からずっと不穏さを極限まで纏い、こちらの緊張感を煽り、独特な喋り方、ねっとりした表情で何するか読めない気味の悪さが最高でずっと心臓がバクバクしてた。
主人公達が見る世界の変化によって自分も
胸が高鳴り、不穏になるにつれ胸騒ぎをする
徹底的にキャラクターに感情移入することが出来る派手ながらも繊細な作品だと感じた。
たしかにあった映画の1ページ
アカデミー賞作曲賞にノミネートされているというバイアスがあってかも知れませんが、音楽がとてもよかったと思います。
テンポが良く、耳に残る音楽で鑑賞からしばらく経ちますが、通勤中にたまに聞きたくなります。
汚い描写や長尺のためか賛否が分かれているようですが、個人的には見て良かったと思います。
記者がジャックに言った「あなたの時代は終わってるけど、あなたの時代はたしかにあって歴史の1ページとして残り続ける」みたいな言葉が胸に響きました。(正確には覚えてませんが)
そして、1人拳銃自殺するジャック、闇に消えていくマニーは現実を受け入た結果の行動だったのでしょう。
本作のような映画の歴史に触れた作品は、見たことがないのでこれから見ていこうと思います。
重い、グロい
日曜日のレイトショーで観るには重い作品だった。昔の映画界があったからこそ、現代に繋がるは理解できるけど尺が長い。残業続きの疲れた身体には重かった。繰り返される撮影シーンで睡魔が‥‥1人で来てたら帰っていたかもしれない。途中、帰ろうかと思った。グロい描写、苦手。
ネズミのシーンは昨年のナイトミュージアムが思い出されて(;´Д`)
最近、ブラビさんはグロい作品の出演が多いなー。
気は狂ってる。でも、それにどこか憧れる。
「生き残るのは暗闇から見つめる私のような者だけよ」
デイミアン・チャゼル、大きく出たな、というか自分大好きだな。そうな...
全392件中、101~120件目を表示












