劇場公開日 2023年2月10日

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「スターは、なるんじゃない。生まれつきよ。私のように。」バビロン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スターは、なるんじゃない。生まれつきよ。私のように。

2023年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

サイレントからトーキーへ時代が移り変わる映画界が舞台。時代の変化についていけなかったスター、時代の波にうまく乗った演出家、そして、時代に弄ばれた寵児のヒロイン。
連日の乱痴気パーティー、大勢の出演者とキャスト行きかうロケ現場、さぞや大金が動いていそうなこの頃の華やかなりし映画界。皆、なにかに踊らされているようで、どうもそこは本当は天国ではなくてディストピアなのではないか、と自分は思った。なぜなら、彼らの陽気でハッちゃけた姿に、何度も眉をしかめる気分になったから。でも、自分はあんな刹那的な生き方はできないが、それを悪だとは思えない。それもまた、人間の姿だもの。実在する夢の世界で生きていた、とでも言おうか。
ブラピもマーゴット・ロビーも華があるなあ。そのかわり、ディエゴ・カルバの演技が理性的に見えるおかげで、ただバタバタ突っ走るだけの映画じゃなくて深みがでた。
長いなあ、と思ってたら189分だって。でも、その長さを退屈にも疲労にも感じさせない。愛の溢れる「映画」賛歌映画。

栗太郎