「スターは、なるんじゃない。生まれつきよ。私のように。」バビロン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
スターは、なるんじゃない。生まれつきよ。私のように。
サイレントからトーキーへ時代が移り変わる映画界が舞台。時代の変化についていけなかったスター、時代の波にうまく乗った演出家、そして、時代に弄ばれた寵児のヒロイン。
連日の乱痴気パーティー、大勢の出演者とキャスト行きかうロケ現場、さぞや大金が動いていそうなこの頃の華やかなりし映画界。皆、なにかに踊らされているようで、どうもそこは本当は天国ではなくてディストピアなのではないか、と自分は思った。なぜなら、彼らの陽気でハッちゃけた姿に、何度も眉をしかめる気分になったから。でも、自分はあんな刹那的な生き方はできないが、それを悪だとは思えない。それもまた、人間の姿だもの。実在する夢の世界で生きていた、とでも言おうか。
ブラピもマーゴット・ロビーも華があるなあ。そのかわり、ディエゴ・カルバの演技が理性的に見えるおかげで、ただバタバタ突っ走るだけの映画じゃなくて深みがでた。
長いなあ、と思ってたら189分だって。でも、その長さを退屈にも疲労にも感じさせない。愛の溢れる「映画」賛歌映画。
コメントする